信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】銀河系最強への道程。アルテム・ダラキアンvsユーリ阿久井政悟!!

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1weeks to go。

大阪へ行くのは本当に楽しみです。例えそれが、午前中働いて午後移動→興行を見終わって1時間ほど移動→翌朝7:00の始発で自宅に帰って10:00から打ち合わせ、というスケジュールであっても。

ともあれ、毎回のように神興行となるAmazon PrimeのLIVE BOXING。

その中で最も注目すべきは、セミファイナルのアルテム・ダラキアン(ウクライナ)vsユーリ阿久井政悟(倉敷守安)。この試合の結果如何で、「神興行」なのか「超神興行」なのかが決まってくる、といっても過言ではありません。あくまでも個人的には、ですが。

ということで今回のブログは、アマプラ興行LIVE BOXING、セミファイナルのダラキアンvsユーリ阿久井のプレビュー記事。

とか書いたらセミファイナルじゃないらしい。セミは那須川天心らしい。なんてこと。。。

 

 

 

1/23(火)LIVE BOXING

WBA世界フライ級タイトルマッチ

アルテム・ダラキアン(ウクライナ)22勝(15KO)無敗

vs

ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)18勝(11KO)2敗1分

アルテム・ダラキアン。2018年2月にブライアン・ビロリア(アメリカ)を倒してWBA王座を獲得しています。

ガードをだらりと下げたスタイルから、強いジャブ、独創性のある軌道でパンチを出す、現代的なアマチュアボクシングをプロボクシングに持ち込んでいるようなイメージ。

ステップワークは滑らかそのものであり、上体の柔らかさも持ち、さらにはクリンチワークも上手い。

ナジーム・ハメドほどの異端ではありませんが、かなり変則的なボクシング。

ダラキアンについて、Amazon Primeの特集で村田諒太氏が「パワーはない」と言っているのですが、私は全くそうは思わず、倒そうとすることが少ない判定タイプのボクシングをするのにこのKO率というのは驚異的です。

 

 

 

ダラキアンは比較的カウンターに頼ることが多い省エネボクシング。ハンドスピードも速いからこそ成り立つスタイルであり、これは年齢とともに翳りを見せるスタイルであるとも言えます。

ただ、おそらく幼い頃からボクシングとともに育ってきたようなボクサーであり、試合数が少ないからこそのダメージを溜めていない、ということもあり、36歳となったダラキアンに衰えが見えるか、というと否と答えるでしょう。

世界タイトルをこれまで6度防衛、世界戦の戦績は7勝(4KO)。危ない試合は一切なかったですが、前戦のデビッド・ヒメネス(コスタリカ)戦では揉み合いの展開も多く、思いの外ポイントが取りきれていなかった、という感じです。

はっきり言ってしまえばこのボクサーは難攻不落、個人的にはつい最近までフライ級最強という認識をしていました。

 

 

 

ただ、このアルテム・ダラキアンが、世界的評価を得ているか、というとそうではありません。

強いのは誰の目に見ても明らか、と思うのですが、その試合間隔の長さ、ウクライナからなかなか出て来ずにアピールに欠ける、というところから評価が上がらず、これは悪循環。強くて評価の低い王者に、誰が挑むのでしょうか。

ともかくウクライナから出てこないダラキアン、世界戴冠戦こそアメリカで戦ったものの、その後はウクライナでの防衛戦。

このダラキアンをようやくウクライナ外に連れ出したのは、皮肉なことにロシア-ウクライナ間の戦争であり、ウクライナでの興行ができなくなったダラキアンはイギリスでヒメネス戦を迎えました。

そこであの試合、つまりはダラキアンが最大パフォーマンスを発揮できなかった、と見える試合だっただけに、評価は上がる余地がなかったでしょう。

↓ダラキアンvsヒメネスの観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

さて、そんな世界的にあまり評価されていない、超強い王者に挑むのが岡山の星、ユーリ阿久井政悟。岡山の星、というか、中国四国地方、いや、全国の地方ジムの星、と言って良いでしょう。

調べてみると、地方ジム所属で世界王者となったのは、平仲明信、越本隆志、福原辰弥の三人。そしてこのユーリ阿久井に4人目となってくれることを願うのみ。

平仲、越本、福原とはまた違ったアプローチでここまで昇ってきた阿久井。

ユーリ阿久井の特徴として、「速攻型パンチャー」「右ストレート」が特徴に上がりますが、これは実はもう数年前の話です。

この「速攻型」と呼ばれるのにはもちろん理由があり、立て続けに初回KOをしていた時期があったからです。

ただ、この頃の阿久井は非常に荒々しく、とにかく倒しに行っていたイメージ。どちらかというと、相手にパンチを効かされたのち、ダメージを追いつつも持ち前の気力とハートの強さで打ち返し、生まれ持ったパンチングパワーで倒したみたいなイメージで、かなり危うい試合も多かった。

 

 

 

私はずっとこのユーリ阿久井を見てきて思うのは、日本王者となってからの阿久井は一気に盤石の強さを手に入れた、ということです。

中谷潤人(M.T)に初黒星を喫し、東京への出稽古を始めたという阿久井。その学びが形になるまでには、少々の時間を要した、ということなのだと思います。

中谷戦後、矢吹正道を初回KO、ジェイセバー・アブシードにKO負け、そして湊義生に初回KO勝ち。

まだまだこの頃は危なげのあったスタイルが、日本王座決定戦となった小坂駿戦ではほぼ一発ももらわずに初回KO勝利。元々ハイガードスタイルではあったものの、バランスも含めて非常にしっくりときたのがこの試合だったように思え、それ以来の阿久井は非常に盤石。

強いて言えば2度目の防衛戦の桑原拓戦は苦戦と言って良い内容でしたが、大橋ジムのホープを相手にあの素晴らしい試合内容であの勝ち方、あの時点でも世界挑戦の資格はありと見えます。

その後の粉川拓也、ジェイソン・バイソン戦は本当に圧巻であり、合計20ラウンズに渡り相手に1ポイントも与えていません。丁寧なジャブをつき、迫力十分の右を当てる。一か八かの速攻型パンチャーから、いつの間にか非常に冷静なスナイパー、それも大砲で狙う感じのスナイパーに変わっていきました。

 

 

 

ユーリ阿久井の勝ち筋

自由にして自在にリングを回るダラキアンに対して、ユーリ阿久井の勝ち筋はシンプルでしょう。プレスに次ぐプレス、ジャブを突いてまずはボディへの右を当て、それを顔面に返す。左フックで踏み込んで右を当てる。様々な駆け引きはありつつも、ユーリ阿久井が完遂すべきは非常にシンプルなボクシングだと思います。

ダラキアンとしては中間距離で、自分が自由にリードを出せる距離で戦いたい、というのは明白でしょうから、その距離をキープするために惜しげもなくステップワークを使ってくるはずです。

そうなった時に、ブロッキング主体のユーリ阿久井としては、それを見すぎてしまうとその場で固まってしまう恐れがあるので、被弾を覚悟で前に出なければいけません。ダラキアンのパワーパンチに十分に注意しながら。

 

 

 

少し戦い方は違いますが、それこそダラキアンが苦戦した部類に入るデビッド・ヒメネス戦なんかは相当参考になるのではないでしょうか。ユーリ阿久井は、ともすればヒメネス以上のフィジカルを有しているようにも思います。そのフィジカルを活かしつつ、もう一つ大事なのはカットオフザリングのテクニックであり、ダラキアンを逃さないようなステップワークも必須です。

そしてもう一つ大事なことは、ダラキアンの得意なクリンチに巻き込まれないこと。

このクリンチを躱す、ということは、近づかなければならない阿久井にとって難しいかもしれませんが、少なくともクリンチの際に打てるパンチ、離れ際の一発を常に意識し続けることが大切になってくると思います。

ダラキアンはテクニックがあり、やりづらさがあり、ハードパンチも持っている試合巧者。非常に穴が少ない王者で、このボクサーに絶対勝てる、というボクサーはフライ級には皆無です。ジェシー・ロドリゲスでさえも、やってみなければわからないと見ます。

 

 

 

ダラキアンの強さはバムのようにわかりやすい強さではない分、タチが悪い。

しかしだからこそ、特にユーリ阿久井のような正統派パンチャーがこの変則王者を倒し切る、という姿も想像ができるのです。かつてマルコ・アントニオ・バレラがナジーム・ハメドを破ったように。

とかく試合内容は置いておいて、とにかく勝利をものにしてほしい。

この勝利こそが、2024年の日本人による世界タイトルマッチ最大の勝利となることを心から願っています。

 

 

 

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