正式発表!!!となると以前はおおおおお〜!!!となったわけですが、インターネットが隅々まで普及し、海外サイトも容易に翻訳できるようになった現代において、この正式発表の意味は何なんだろう、と思います。
事前に数々のリーク情報があり、おおよその情報は把握していたわけですが、やっぱり正式発表となるとテンション上がります。ここに加えてもっとエンタメ感を出して打ち出してくれれば良いのですが、ここはいつもの日本式、お通夜のような記者会見。
ここを何とかしようという人が現れないのは非常に不思議なことですね。
ともあれ、今回のブログは正式発表のあったAmazonPrimeビデオpresents、LIVE BOXING 第6弾と第7弾について。
1/23(火)LIVE BOXING vol.6(エディオンアリーナ)
WBA・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
寺地拳四朗(BMB)vsカルロス・カニサレス(ベネズエラ)
熱望していた3団体王座統一戦は叶わず。試合決定のカウントダウンに入っていた、というか1度は決まっていたWBO王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)は10月の防衛戦をキャンセル、WBOには暫定王者が決まってしまっており、こちらとの団体内王座統一戦を優先しなければなりません。
そして拳四朗最大のライバルと目されていたIBF王者、シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)はまさかの王座陥落、11月にアドリアン・クリエル(メキシコ)が新王者となっており、この短期間でいきなり統一戦という道筋はありませんでした。
そんな中で注目される拳四朗の去就は、どうやら階級アップではなく防衛戦に落ち着いた模様。
拳四朗はあくまでもこの階級の4団体制覇にこだわる、という意思表示なのでしょう。来年中には叶ってほしいものです。
すでに階級最強の称号を手にしていると思われる拳四朗ですが、時間が経てば経つほどに減量は苦しくなり、そのハードルは上がっていくようにも思えてしまいます。
今回は統一戦ではない分、モチベーションも心配。。。
さらに相手が元王者のカニサレス、というのはなかなか危険たっぷりな相手です。
カニサレスのわずかに1敗はエステバン・ベルムデス(メキシコ)に喫したものですが、これをもってベルムデスの方がカニサレスよりも強い、というふうには思い難いもの。このアップセット勝利をしたベルムデスはのちに京口紘人(ワタナベ)に倒されている、からと言って軽視して良い相手なわけがありません。
日本人を除くコンテンダーの中では、拳四朗の相手として最も楽しみと言えるカニサレスを呼んでくる、(これは指名挑戦権を得ているから当然と言えば当然なのですが)これはありがたいことですね。
WBA世界フライ級タイトルマッチ
アルテム・ダラキアン(ウクライナ)vsユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
セミファイナルになってほしい、のはいよいよ開催のダラキアンvsユーリ阿久井。これは楽しみ中の楽しみであり、岡山県倉敷市というところで鍛錬を積んだボクサーが、メジャーな舞台に上がるということだけでも評価に値するものです。
地元開催、全力で選んだ王者を呼んでくる、というものではく、本物中の本物、ともすれば階級最強の可能性を持つアルテム・ダラキアン。
無手勝流でさらにスキルをもつダラキアンに対し、ユーリ阿久井はどのようなトレーニングを積んでいるのでしょうか。
あの変則スタイルに対抗すべき武器を持ってリングに上がり、できればこのダラキアンを倒してタイトル奪取を望みます。それができるポテンシャルを、きっとユーリ阿久井は持っているはずです。
世界的に見れば無名のユーリ阿久井、強さを見せてきたダラキアン、これを考えると下馬評不利は否めないでしょうし、ダラキアンの方が引き出しも多く、基礎的技術が高いであろうことも想像できます。
ただ、いつだって変則を倒すのは基本通りに動くボクサーです。
ユーリ阿久井の大感動の戴冠に期待、この興行で最も楽しみなカードですね。
ルイス・ロブレス・パチェコ(メキシコ)vs那須川天心(帝拳)
那須川天心のプロ3戦目は、下位ながらも世界ランカーです。
おそらく肩書きがあり、那須川としては与し易い相手を選んだ、というところなのだと思いますが、だからこそここで那須川が負けることは考えづらい。
スーパーバンタム級でプロデビューした那須川は、2戦目を55.7kgで戦い、今回は54.8kgの契約ウェイトで戦います。着実にバンタム級へと近づく那須川、これはほぼバンタム級狙いと言って差し支えがないのでしょう。
これはバンタムが熱いですね。熱すぎるくらいです。
パチェコなるボクサーがどのようなボクサーかはまだ映像も見ていないのでわかりませんが、KO率は高くなく、那須川にとって危険な相手だと認識されていないという感覚だと思います。
ここを快勝すれば来年は早くもタイトル戦が見えてくるのでしょうか。
バンタム級はおそらく堤vs穴口の日本タイトル戦があり、堤が勝てばおそらく返上して世界タイトル戦に専念、東洋太平洋は穴とも言えるフローイラン・サルダール(フィリピン)、WBOアジアパシフィックはこちらもおそらくもうすぐ返上の西田凌佑(六島)。いずれにしろ、那須川は来年、サルダール挑戦もしくは決定戦出場でタイトル奪取を果たしそうですね。
そしてそこまでは難なくこなし、本当の勝負は来年の後半か、再来年以降になるのでしょう。
これは非常に楽しみですね。
与那覇勇気(真正)vs辰吉寿以輝(大阪帝拳)
そして11/15に予定されていた戦いのうち、この与那覇vs辰吉もこの日にスライド。
与那覇勇気は那須川天心戦での敗戦から今年8月に復帰戦を飾っています。
そしてその那須川天心と比べられるのを覚悟でリングに上がる青コーナーは、我らがジョーの息子、辰吉寿以輝。
これは辰吉に頑張ってもらいたいですね。
一度は入ったランキングも長期ブランクもあり外れている現状。与那覇は下位、さらにはバンタム級ですがランキングを持っているボクサーなだけに、ここでの勝利は来年のタイトルショットに繋げられる可能性があります。
与那覇は那須川戦にしろ、辰吉戦にしろ、勝ってもさほどメリットを感じない試合を受ける漢気を持ったボクサーですね。でもやっぱり辰吉を応援、それにはジョーのファンだということのほかに理由もあるのですが、それはまだ、伏せておきます。
2/24(土)LIVE BOXING vol.7(両国国技館)
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)vs中谷潤人(M.T)
中谷潤人がバンタム級に転級。これは既定路線で、こうなってくれてよかった、とすら思えるものですね。
中谷のスーパーフライ級での計量を考えると、減量のキツさは明らかであり、統一選が決まらなくて良かった。(決まらなそう、ではありましたが)
ともあれ無事に3階級制覇を目指す中谷の相手は、アレハンドロ・サンティアゴ。
WBOタイトルは返上して転級すればその階級のトップコンテンダーにランクされる、という決まりがあるので、そうなった場合にはジェイソン・マロニー(オーストラリア)戦だったわけですから、それはそれで非常に興味深い戦いになったと思います。が、今回中谷が選んだのはWBC王者のアレハンドロ・サンティアゴ。
このサンティアゴはドネアを降して念願の世界王者になったボクサーであり、非常に応援しがいのあるボクサーです。
159cmと小柄なバンタムであるサンティアゴ、強いプレスを下からかけて中谷の牙城を崩せるのか。位置的には、どうしても中谷のアッパーの餌食になるイメージしか湧かないですが、バンタム級初戦となる中谷潤人のパフォーマンスを楽しみに待ちましょう。
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
井上拓真(大橋)vsジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
本来は11/15に行われる予定だったこの戦いは、井上拓真の怪我により2月に延期。そこにさらに好カードがプラスされたと思うと良かったのかもしれないし、それがなくてもこれらのカードは決まっていたのかもしれません。
いずれにしろ、このAmazonプライムビデオLIVE BOXING興行の中で最も楽しみなマッチアップの一つは、間違いなくこの井上拓真vsジェルウィン・アンカハス。
日本人相手に無双しながらも、王座戴冠戦では「その期待に応えられた」とは言えないパフォーマンスだった井上拓真。その理由は、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)というボクサーが、その年齢や評価に対し、とんでもないやりづらさを持ったボクサーだったということに起因しているのだと思います。
なので井上拓真にとっては、こここそが天王山であり、もしここで敗れてしまえば世界王者としての評価を確固たるものにできない可能性があります。
何せ拓真の世界的評価は世界王者としては低く、リングマガジンランキングでもバンタム級で8位。王者なのに、これは悔しい。
アンカハスは言うまでもなく強豪であり、世界的な評価も高いボクサーです。どんな形であっても勝利をすれば、きっと拓真の評価は上がるはず。
井上拓真、過去最大のパフォーマンスを見せての勝利を願います。
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
田中恒成(畑中)vsエドゥアルド・バカセグア(メキシコ)
中谷潤人が返上した王座をめぐり、いよいよ田中恒成がAmazonに襲来です。
このLIVE BOXING興行のプロモーションは帝拳なので、田中恒成が帝拳プロモーションとのアライアンスを得た、ということなのでしょうか。そうだったとするならば、彼の未来も明るいかもしれません。
そういえば井上拓真と田中恒成は95年組で同級生、ユーリ阿久井も同じく95年組、これを考えると元々世代的に評価の高かった黄金世代、95年組は次々とトップ戦線に食い込んでおり、時代の中心となってきていますね。12/26にリング登場の堤聖也(ワタナベ)も含めて。
中谷潤人が去り、ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)、そして井岡一翔(志成)がバンタム級に興味を持ち始めた今、田中恒成はどのような道を辿ってこの階級最強を証明して行くのか。
2024年を最後に引退すると明言したローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、かつてそのロマゴンを相手にアップセットをかましたシーサケット・ソールンビサイ(タイ)、一応復活したていのカルロス・クアドラス(メキシコ)、そして何よりもアンカハスを返り討ちにしたIBF王者、フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)。ここからエストラーダ、井岡がいなくなるのであればまた大きな動きがありそうなスーパーフライ、その流れの先陣を切るような戦いとなりそうなこの一戦、田中としては取りこぼしのないようにしっかりと勝ち切りたい。
世界的には無名のバカセグアというボクサーが、どのようなボクサーかはまだわかりませんが、ここは田中に圧倒的な力の差を見せつけての勝利を願いたいところですね。
ジョナス・スルタン(フィリピン)vs増田陸(帝拳)
このスルタンvs増田というのも非常に興味深い戦いで、増田は敗れはしたものの前戦で日本王者、堤に善戦と言って良い内容。
そしてこれもまた、バンタム。
1月、2月のLIVE BOXINGは、まさに「軽量級大国ニッポン」を象徴するようなマッチアップだらけであり、今後、たとえば中〜重量級のボクサーたちはラスベガスを目指し、軽量級のボクサーたちは日本を目指す、みたいな流れになっても非常に面白いですね。
その中心地は、相変わらずAmazonでお願いしたいし、あとは土日に開催してほしい。
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