信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

神童・那須川天心がボクシング界に襲来!キックボクシングからの転向を考察。

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先日、本人の口から発表された、那須川天心選手のボクシング転向。

2022年3月にキックボクシングを引退、そこからの準備期間を経てプロボクシングデビューとなるそうです。

2022年内にデビュー戦を行いたい、という意向を示しているようですが、コロナ次第ではありますがこれは十分に可能だと思いますね。

なんだったら春頃にプロテスト→夏頃デビュー戦→秋頃デビュー2戦目→年末にデビュー3戦目くらいでいけるんではないでしょうか。これは詰め込みすぎにしても、2022年内に2戦くらいはできそうですよね。あくまでもコロナ次第ですが。

さて、今回はこの那須川天心選手、ボクシング転向についてのブログです。

 

キック引退まであと1年。

那須川天心選手は、兼ねてから「新たなチャレンジを」という発信をしており、ボクシング転向の噂はほぼ確定事項として語られてきました。

現在はRISEという立ち技格闘技団体に所属し、別団体であるK-1所属の武尊選手との一戦がもう数年前から心待ちにされている状況です。

武尊選手が前戦で勢いのあるレオナ・ペタス選手をK-1のリングで見事に破ったことに起因してこの那須川選手vs武尊選手というマッチアップが大きく動いた印象がありますね。

そのvs武尊選手のマッチアップが現実味を帯びてきたが為に、ある程度の期間をおいて那須川選手はボクシング転向を自分の口から発表したのでしょう。

 

両者の対戦は年内に、ということで交渉されているとの噂があるので、年末あたりにこの格闘技界世紀の一戦が行われそうです。ただこの一戦は、団体の垣根を越えた一戦なので、実質のプロモートがどちらの団体なのか、はたまた別の団体なのかはこれからの交渉次第というところなので、そのあと那須川選手の母体であるRISEでもう一戦、2022年3月頃に引退試合を開催し、キックボクシング界を去る、という流れなのだと思います。

さて、ここまで読んでいただいた格闘技ファンの方、ありがとうございます。格闘技について浅い知識しかなく、こんな感じで合っているのでしょうか笑。違っていたらすみません。(私は格闘技はあまり見ませんが、那須川選手の試合は数試合、先日の武尊選手vsレオナ・ペタス選手の試合は視聴させてもらいました。)

ボクサー・那須川天心はどこ所属?

さて、来年3月にキックボクシングを引退し、ボクサーとなる那須川選手ですが、まずは避けて通れない道がプロテスト。

これは、日本プロボクシング協会に加盟しているジムに入会しなければ、受験資格すらありません。なので、那須川選手もどこかに所属する必要があるわけです。

まず、最も可能性があって、おそらく那須川選手にとってもメリットが非常に大きいジムは帝拳ジム。この帝拳ジムはこれまで多くの世界王者を輩出している、というだけでなく、アマキャリア豊富な元トップアマ、世界的強豪であるボクサーも数多く在籍しており、とりわけスーパーバンタム、フェザー級近辺の若手ボクサーは多く、那須川選手といえどスパーリング相手には困りません。

 

更に、海外におけるプロモーターとしての経験・手腕は確実に日本一であり、アメリカの老舗プロモーターであるトップランク社と濃密な関係を築いています。

つまりは、海外進出をし易い、世界戦を組みやすいとも言えます。

なので、那須川選手にとってはこの帝拳ジムに所属することが、最も世界王者への近道かと思いますが、今回のこの発表がTBSの番組だったことが話をややこしくするところですね。

帝拳ジムの興行は、基本的に日本テレビが放映しています。

ただ、例外もあり、WBA世界ミドル級スーパー王者、村田諒太は帝拳所属ながらフジテレビが放映しています。

元々那須川選手は、帝拳ジムでボクシング練習をしており、その際に「ボクシング転向の際は帝拳ジム所属とすること」という条件で練習を許可されていたと記憶しています。

 

まあ、この条件に契約書交わして云々、ということはないのでしょうが、那須川選手側からこの約束を反故にすることはないような気もします。仮にどこのジムに所属したとしても、世界戦を組むときに帝拳プロモーションの力を借りずに挙行することはかなり大変だと思います。帝拳に嫌われるわけにはいかないと思われます。

なので、結局十中八九、那須川選手は帝拳ジム所属でプロデビューすることとなると思います。

ちなみに、可能性は低いですがもう一つ、可能性が少しでもあるとすれば、ここまで那須川選手にボクシング技術を教えてきたトレーナー、葛西裕一氏のジムからプロデビューする可能性。

葛西氏は帝拳ジムの元選手、元チーフトレーナーでもあり、現役時代は自身も世界に3度挑戦。トレーナーとなってからは西岡利晃、三浦隆司、五十嵐俊幸、下田昭文ら世界王者の他、数多の王者を育成した名伯楽。この葛西氏を頼り、那須川選手が葛西氏の主催する「GLOVES」に所属することも考えられなくはありません。

 

ただ、このGLOVESは、2021年3月現在、日本プロボクシング協会には非加盟です。那須川選手のために加盟する、ということも考えられなくはないですが、葛西氏としても古巣帝拳ジムとの関係性を考えると、あまり現実的ではありませんね。

那須川選手はボクシングで通用するのか

さて、神童と呼ばれる那須川選手は、ボクシングでも通用するのか。それとも否か。

那須川選手のキックボクシングの試合を見ると、アクロバティックな動きと自由な発想を持つ選手だな、という印象です。

つまりは運動能力、格闘センスが高く、そしてクレバーな選手。

特に運動能力というか身体能力というのか、自分の身体を自在に操る術に長けている印象がありますので、既に格闘技としての身体の使い方を知っている那須川選手は、ボクシングへの適応能力も非常に高いでしょう。

元々持っている才能、というものについては、同じ年代でボクシングをこれから始めます、という人たちとは比べるべくもありません。

 

子供の頃からリングで戦ってきた経験は確実に活きます。

先日、K-1から転向してきた武居由樹(大橋)のデビュー戦を見ましたが、非常に落ち着いており、デビュー戦だとは思えないほど冷静でした。

人前で、人を殴り、人に殴られるということへの慣れは大きいと思います。

加えて、ここまでしっかりとボクシング練習をしてきた那須川選手にとっては、ボクシングにフィットするのはあまり難しくないと思います。

私もキックボクシングをやっていた、という方を数名指導したことはありますが、基本的なパンチの打ち方がキックとボクシングで大きく変わることはありません。(基礎中の基礎、という意味です。当てる方法に違いはあります。)

変わるのは、スタンスと、距離と、打つ前後の動きだと思っています。

 

キックだとすぐ蹴れるようにスタンスを狭くとっている場合が多いです。ただ、これは並行しいて習っている方は、ボクシングはボクシング用のスタンス、キックボクシングの時はキックボクシング用のスタンスと使い分けられています。これはすでに那須川選手についてはクリアしている問題のような気がします。

距離については、これは対人の話ですが、キックボクシングの方が距離が遠い。これは勿論、蹴りがあるからです。ここは修正していかなければならないところではありますが、これも慣れです。スタンスと同じく、競技によって使い分けている場合が多いので、フィットするのも早いでしょう。

ただし、この距離(またはポジショニング)については上のレベルに行けば行くほどシビアになってくるので、そのシビアの距離に合わせていくのにはある程度の時間と、そして何よりも上質な対戦相手とのキャリアが必要かと思います。

そして最後に打ち終わり。これが結構大きく違うところだと、個人的に思っています。ボクシングは、攻撃に使って良い部位は拳のみ。相手の攻撃は限られる分、こちらの攻撃も限られ、一発必中の攻撃のバリエーションは、キックよりも少ないはずです。

 

その分、キックボクシングよりもディフェンス技術が緻密であり、打った後のディフェンスからの攻撃、という連続性が長いというイメージです。

なので、集中力を切らさずにやっていくことが大切であり、これはラウンド数が長くなることによるスタミナ、それも心身両面のスタミナ向上が必須。

おそらく、那須川選手は練習量も多く、「スタミナ」という部分では十分でしょう。後はラウンドが長くなる分、体のスタミナよりも脳みそのスタミナ、心のスタミナはキャリアと共に鍛えていかなければならないところだと思います。

打ち終わりの動きを体に染み込ませることと、心と頭のスタミナ、常に考えて集中力をなるべく切らさないようにする。これが那須川選手がボクシング、それも世界トップ戦線のボクシングにフィットするための必要要件だと思います。

これは決して「足りない」と言っている訳ではないので、ある程度の戦績をこなすことで身についていくものでしょう。

なので、現実的に考えて、デビュー戦、デビュー2戦目で戦う6回戦では、那須川選手の穴は見えないでしょう。(武居由樹がそうだったように、おそらく那須川選手もキックボクシングの実績を考慮されB級デビューとなると思います。)

 

そしてそれが8回戦、10回戦、12回戦となっていくときに、何かの課題が見つかることがあるかもしれません。ただ、那須川天心選手のその格闘センス、これまでに研鑽してきたキックボクシングとボクシングの技術、更にはバックアップ体制やその知名度や人気を考えると、4団体の王座がある今の時代においては、世界王者には必ずなれるでしょう。

そして、更にその先に行くには、デビュー後の一戦一戦での経験が必要であり、世界王者となってからの一戦一戦で、ファンに夢を見せてくれるような試合をこなしていけば、名王者ともなれる可能性があると思います。

キックボクシングからの転向を思う

これは、先日見事プロデビューを果たした武居由樹にも言えることですが、キックボクシングをやっていた格闘家は、ボクシングにフィットしやすいと思います。

キックボクシングでも一通りのパンチは打ちますし、その精度は置いておいて基本的な打ち方は学ぶはずなのです。その打ち方に、体のポジショニングやカウンター等のアレンジを加えていけば良いだけなので、元々あるものに肉付けしていくイメージ。

距離が遠い、というのも一つの特徴ですが、距離をとったとき、距離が近すぎて相手の攻撃を喰ってしまうよりはよほど良い。

 

逆に、ボクサーがキックボクシングに転向した時は、蹴りの基礎も出来上がっていない状態、ゼロからのスタートなのでなかなか苦労しそう。同様に距離についても、距離をとったと思っている距離が近く、相手の蹴りが届いてしまう距離であればこれは良くない。

人と面と向かい合い、相手を痛めつけるために攻撃し、痛めつけられないように防御する、という特殊な状況を作り出すこの格闘技というものにおいては、他種競技の経験は必ず役に立つものではあります。

その中でも、キックボクシング→ボクシングという転向は、異なる競技とはいえ、フィットしやすいのではないか、と思います。

 

 

私は、正直ほとんどボクシングしか見ません。

キック、総合も、相撲だって興味はありますが、なかなかそこまで時間が割けません。私にとっては、ボクシングだけで十分だという理由もあります。

そんなボクシングしか知らない私が、名前も顔もしっかりわかる那須川選手がボクシングに来てくれるのは、個人的には大大大歓迎。そして願わくば、ボクシング界に旋風を巻き起こし、ボクシングの面白さを他の格闘技ファンにも伝えてもらいたいですね。

あと、一応お茶の間にも。

まずはともあれ、年末(?)、いちボクシングファンである私ですら楽しみな那須川選手vs武尊選手の対戦を楽しみましょう!(とはいえ、ボクシングと被ればボクシングを見ますが。。。)

いずれにしろ、スーパーバンタム〜フェザーあたりの選手たちはより練習に励み、那須川選手が来るならその知名度を喰ってやろうという気概のボクサーも出てくると思います。

そうなってそれぞれが切磋琢磨していくことが、日本ボクシング界全体のレベルの引き上げと、 ボクサーを志す若者たちの起爆剤となっていくと思います。

来年以降、「神童」(ボクシング進出に至っては新たなニックネームを希望します)那須川天心選手の襲来により、ボクシング界の発展を切に願っています。

 

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