本来9/10(金)の予定だった寺地拳四朗vs矢吹正道のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチは、拳四朗のコロナ罹患により9/22(水)に延期。
2週間足らずの延期で、拳四朗は9/6(月)に練習再開とのことだったので、コンディションに注目が集まりますね。
もともと、地力が上の拳四朗優位の見方が強く、ただ矢吹には一発がある。。という感じでしたが、この短期間での調整という懸念事項が入ってきて、予想がより難しくなった、というイメージです。
↓プレビュー記事
対して矢吹は、もともとかなり体が絞れている方なので、減量の苦しい時期が伸びた。。。このふたりのウェイトコントロールも含めて、この2週間足らずの延期がどのように響くのか。
まずは両ボクサーが万全の状態でリングに上がれることを望みます。
私は現地観戦の予定がありませんでしたが、現地観戦する予定で遠方から行く場合、水曜日の夜というのは結構キツくないか。会場の都合もあり、致し方のないことながら、これによるチケットのキャンセル等々が出て選手に負担がかかることも大変なものでしょう。
ともあれ、今月はこの寺地vs矢吹をはじめ、中谷潤人vsアンヘル・アコスタのWBO世界フライ級タイトルマッチ等、軽量級の注目試合がもりだくさん。
中谷vsアコスタ(メインはバルデスvsコンセイサン)の試合が日本時間9/11(土)。
こちらはWOWOWで生中継。
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そして同日の夜、後楽園ホールでも軽量級の注目試合が行われます。
今回のブログでは、9/11(土)に行われるダイナミックグローブ、日本ライトフライ級王座決定戦のプレビュー記事です。
9/11(土)ダイナミックグローブ
日本ライトフライ級王座決定戦
芝力人(真正)5勝(3KO)1敗
vs
岩田翔吉(帝拳)6勝(4KO)無敗
アマ強豪、南京都高校(現京都廣学館)から近畿大学ボクシング部では主将を務め、RK蒲田ジムからB級デビューした芝。
関西のアマエリート街道を突き進み、3戦目で日本ユースタイトルを獲得しています。
その王座を1度防衛、5戦目で日本ライトフライ級挑戦者決定戦に出場しますが、相手が矢吹正道。
のちに日本王者となり、世界に挑戦する矢吹の強打を浴び、4Rにマットに沈みました。
その後心機一転、真正ジムへ移籍して2021年6月に再起戦をKO勝利で飾っています。
アマチュアでしっかりと経験を積み、軽量級らしいスピードとキレを持つ、小気味よく動くボクシングをしますね。非常にバランスのとれたボクサーだと思います。
一方の岩田翔吉は、U-15、インターハイで優勝経験を持つアマエリート。
2018年にアメリカデビュー、名門帝拳ジム期待のホープでもあります。
2019年12月の興行で、村田諒太(帝拳)が自身の後継王者として「翔吉!」とリング上から名指ししたことは記憶に新しい。
その期待に応えるためには、ここは何としてでも初タイトルを戴冠したいところです。
ともに好戦的なタイプで、軽量級らしくスピードとキレのあるボクシングをします。豊富なアマ経験から、ボクシングのレベルも高い。
ただ、芝の前戦はノーランカーの渡邉秀行(DANGAN郡山)を相手に大苦戦。岩田の前戦はベテラン大内淳雅(姫路木下)から初回にダウンを奪い、見事なボクシングで完封。
前戦の出来のみを見れば、岩田の勝利が固いような気もします。
ただ、この「日本タイトルマッチ」という特別な試合は、ボクサーにとって大きく成長を促すタイミングともなり得ます。
どちらのボクサーも、素晴らしいポテンシャルを持ち、それでもまだ、圧倒的なパフォーマンスは見せられていない、と個人的には思います。この一戦で、どちらかのボクサーに大化けしてもらい。
日本ウェルター級挑戦者決定戦
永野祐樹(帝拳)18勝(14KO)3敗
vs
別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)21勝(20KO)2敗1分
この試合は、2018年10月以来の再戦です。
奇しくも3年前、日本タイトルへの挑戦権をかけた挑戦者決定戦という舞台で拳を交えた両者が、同じ挑戦者決定戦で相まみえます。
2018年の第一戦は、別府の地元、福岡圏久留米市で行われ、永野が得意の左ストレートを決めて2Rにダウンを奪取、そのまま押し切りました。
その勢いを駆って(正確に言うとその前戦の長濱陸戦からの勢いで)日本王座へと駆け上がった永野は、2度目の防衛戦で最強挑戦者、小原佳太(三迫)を迎えて王座陥落。
対して別府は、永野に初黒星をつけられた後、復調して2019年に矢田良太(グリーンツダ)とのWBOアジアパシフィック・王座決定戦を制して初戴冠。
このタイトルは、初防衛戦兼OPBF王者・豊嶋亮太(帝拳)との王座統一戦で敗北、無冠に。
ともに王座を経験し、更に強くなったところで組まれた挑戦者決定戦ですが、ここで負ければ後がない、とも言えます。
勝てば王者、小原への挑戦権を得て、負ければどちらのボクサーにも引退という文字がちらつく一戦。
ともにハードパンチを持ち、前戦では序盤、動きの固かった永野が先に当て、ペースをつかんだような試合ないようだったがために、先に当たったもの勝ち、といっても良いでしょう。
超がつくほどの大激闘となることが予測されるこの一戦、間違いなく意地と意地がぶつかり合う、好試合になることは間違いなし。
日本ウェルター級、最大のサバイバルマッチ。
メインよりも楽しみな一戦です。
この興行のセミセミには、大阪帝拳ジム所属の辰吉寿以輝が出場でしたが、怪我のためキャンセル。なんだかんだと試合の機会を棒に振ってしまう(前戦は2020年11月、2Rで負傷ドロー)辰吉、少し心配ですね。怪我も多いイメージ。
デビューからはや6年が経過し、日本王座挑戦圏内に上がってきてはいるものの、未だ強豪との対戦経験は少なく、大切に育てられている感じは拭えません。(とはいえ、ビッグネームを喰ってやろうという血気盛んな対戦者たちをしっかりと退けてきたのは事実。)
我々世代、いや日本のボクシングファンにとって、「神」レベルであがめられる父、「浪速のジョー」と比べてはいけないかもしれませんが、やはり並のボクサーで終わってほしくはありません。どうにか奮起してもらいたいものです。
さて、この興行のもう一つの注目試合は、第一試合、赤井英五郎(帝拳)のデビュー戦。こちらは「浪速のロッキー」の息子で、ボクシングを始めたのは20歳頃だったように記憶しています。
アマの社会人選手権優勝という実績を持ちますが、東京五輪には届かず、プロ転向。
うまくいけばジョーの息子とロッキーの息子、ふたりの2世ボクサーが競演を果たす、というところだったんですね。いつか、見たい。
さて、この赤井のデビュー戦は、東日本新人王トーナメントです。
対戦相手は八王子中屋ジムの岡村弥徳。
日本最重量級であるミドル級のトーナメントは、6名しかエントリーされておらず、アマで実績のある赤井はプロでの実績がなくとも優勝候補の一人として数えられるでしょう。相手の岡村がどのようなボクサーかわかりませんが、ここは快勝でデビュー戦を飾ってほしいものです。
このダイナミックグローブは、日テレG+で録画放送。
録画放送とはいっても、数日後のディレイ放送ではなく、当日深夜、9/12(日)のAM0:00~(9/11土曜日の24:00~)です。
情報遮断して楽しみたいと思います。(放送時間は9/12日曜日のAM4:00なので、日曜日も仕事の私にはつらいですが。。。)