今、大谷翔平が毎朝の話題。
毎日のようにホームランを放ち、オールスターにも出場、投打に大活躍をしている。らしい。
実は、私は野球のことはよく知りません。
言ってしまえば細かいところまでルールをわかっていません。
日本の国民的スポーツですが、やったこともなければ興味を持ったこともありません。好きも嫌いもありません。
しかし、それでも大谷翔平のニュースは届きます。これは素晴らしいことです。
同じように、ボクシングという競技がわかっていない人たちにも、井上尚弥、そしてその他のボクサーのニュースが届けば良いな、と思います。
※今日のブログは、内容もオチもありません。なんとな〜く思ったことを書いてみました。
さて、野球、に限らず、どんなスポーツも素晴らしい成績を積み上げる事で評価を得てくるのだと思います。テニスの世界ランキングもそれまでの成績によって決まりますし、大谷翔平も毎日のようにホームランを打ち、松井秀喜の持つ日本人選手によるホームラン記録を塗り替えたことにより、より大きなニュースとなって届きました。
そして我らがボクシングという競技も、戦績を重ねあげていく事でランキングが上がり、ついには世界王者となる事ができる競技です。
しかし、ボクシングには、それだけでなく一発逆転KOというのもあれば、ひとつの試合を乗り越えたことでものすごく評価が上がること、そして逆に勝利できる試合をたった一発でひっくり返されたり、勝っても評価が落ちてしまう、負ければ評価が文字通り地に落ち、「もう終わった」と表現されることも少なくありません。
ボクシングの醍醐味のひとつは、一発逆転。
一発のパンチで相手をノックアウトする、というよりも、ひとつの試合を勝ち残った事でそのボクサーの評価が上がる、という現象に、このスポーツの魅力を感じます。
今年に入って、大きく評価を上げた、というよりも「戻した」というボクサーの代表格は、やはりノニト・ドネア(フィリピン)でしょうか。
記憶に新しいということもあるのかもしれませんが、誰があのノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に対してあのような圧勝劇を演じられると思ったでしょう。
既に全盛期を過ぎたと思われていたノニト・ドネアの、全盛期とはまた少し違いながらも、素晴らしいカウンターを決める技術、そして衰えないパワーを見て、井上vsドネアⅡを見たい、と思ったファンも多かったのではないかと思います。
それまでは、井上とドネアの再戦は「もう決着がついた」と思われる事も多く、あまり皆が見たいという試合ではなかったかもしれません。私もそうでした。しかし、ドネアのウバーリへの勝ち方を見て、評価が一変、私自身は井上vsドネアⅡを見てみたい、と手のひらを返してしまいました。
勿論、この評価が上がったドネアとの再戦があったとしても、井上優位は動きません。しかし、「ウバーリに完勝した強いドネア」に勝利することは、前戦、ドネアの実力が疑問視されていた頃とは異なると思います。
そのように、ボクシングは一戦だけで評価が大きく覆ることがあります。
ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)もそう。
テオフィモ・ロペス(アメリカ)戦に敗れたロマチェンコは、「ライト級では本来の動きができない」説が囁かれ、結局肩の負傷の影響もいかほどだったのか、というのは半信半疑。
やはりフィジカルやパワーの部分で一流のライト級ボクサー相手ではひけをとり、スーパーフェアー級時代の無双状態は取り戻せない、と誰もが感じていたと思います。ややもするとロマチェンコも衰えたのではないか、とか、ロペスのパワーにロマチェンコは近づけなかった、再戦をやっても同じ結果になるだろう、もしくは今度はロマチェンコが無理に前に出ることで、ノックアウトされてしまうのではないか、とか。
勿論、スーパーフェザー級のロマチェンコと、ライト級のロマチェンコ、どちらが適正階級かと問われればスーパーフェザー級。
しかし、ロペスとの一戦のあと、ロマチェンコはあえて中谷正義というロペスを最も苦戦させたボクサーを指名し、再起。
ここでまさに「LOMA is Back」という力を見せつけて、この一戦でストップ勝利を飾っています。
ロマチェンコの素晴らしいパフォーマンス、明らかにこれまでのライト級戦とは違っていました。ライト級に階級を上げて数戦ということで身体も馴染み、ロペス戦からいうと手術もして、しっかりと休養をとり、それが良い方に働いたのかもしれません。
ロマチェンコも、この中谷戦で評価を戻したボクサーで、このあと、ロペスとの再戦がクローズアップされています。間違いなく、中谷戦前よりもそれは待望されています。
2021年の前半部分までを顧みてみると、オスカル・バルデス(メキシコ)がミゲル・ベルチェルト(メキシコ)に勝利した一戦も、これも大きく評価を戻したと言える一戦だと思います。
戦前、ベルチェルト優位の声が多い。
これはバルデスがスーパーフェザー級に上げて以降のパフォーマンスが影響していたことは言うまでもありません。
しかし始まってみれば、バルデスはベルチェルトを翻弄、最後は素晴らしいカウンターの左フックで試合を終わらせました。
ベルチェルトは減量もキツかったのか、あまり良いパフォーマンスではありませんでしたが、それを差し引いてもバルデスのパフォーマンスが光った試合でした。
この評価を絶対的にあげる条件としては、やはり番狂わせでの勝利、もしくは勝つとは思ったけどここまで圧倒するのか、というどちらかが必要ですね。
国内では、上半期、最も評価を高めたボクサーはおそらく西田凌佑(六島)。比嘉大吾(志成)を完封した試合のインパクトは、ものすごく大きかったと思います。
西田については、前戦の大森将平(Woz)戦の勝利から2戦連続アップセット、今や国内トップ、もしくは世界戦線にも絡んでいってもらいたい、程の声も聞きます。
このように、ボクシングはたった一戦、もしくは二戦で評価を大きく変える事ができる競技。一つ一つの試合の間隔が長く、一つの勝利、又は一つの敗北のもたらす影響が非常に強い競技だからこそ、そういう側面があるのだと思います。
そのように考えると、やはりボクシングには夢があります。
その日一日、もしくはその36分間という時間、世界王者を上回る事ができれば、世界王者になれる。そこまでたどり着くには努力も運も必要でも、30秒、いや10秒あれば相手をノックアウトできる可能性がまだ残っています。
高校を卒業し、18歳や19歳で野球をはじめて、プロ野球選手になった人を私は知りません。
ただ、高校を卒業し、18歳や19歳でボクシングをはじめ、日本王者、アジア王者、果ては世界王者になったボクサーを私は知っています。
もしかすると今週末、またもしかすると明日にでも、一気に評価を高めるボクサーが出てくるかもしれません。
そう思うと、毎日のようにボクシングから目が離せないのです。