信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】元王者アンドリュー・マロニーvsお馴染みフローイラン・サルダール!AUS興行!

12/21、火曜日。

本日は、オーストラリアでボクシング興行がありました。

メインイベントは元世界王者と世界挑戦経験者の一戦で、国際的な興味は引かない興行かもしれませんが、我々日本のボクシングファンに馴染みのあるアンドリュー・マロニーとフローイラン・サルダールの一戦。

今後のスーパーフライ級のトップ戦線を占う、サバイバルマッチです。

ジョシュア・フランコ(アメリカ)にノーコンテストを挟んでの連敗を喫するも、まだ世界ランクに留まるアンドリュー・マロニー。

世界ランクこそないものの、アップセットを果たす力のあるフローイラン・サルダール。

今回のブログでは、アメリカESPNで放映されたオーストラリアの好カード、ともに兄弟ボクサーとして名を馳せるマロニーvsサルダールの観戦記です。

 

12/21(火)オーストラリア

アンドリュー・マロニー(オーストラリア)21勝(14KO)2敗1ND

vs

フローイラン・サルダール(フィリピン)32勝(22KO)4敗1分

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空位のWBOオリエンタル・スーパーフライ級王座決定戦、と銘打たれた一戦。オーストラリア開催ということで当然Aサイドはアンドリュー・マロニー。

マロニーは非常に総合力の高いボクサーですが、兄ジェイソンと比べるとややアグレッシブさに劣るイメージ。2019年、無敗のままWBA世界スーパーフライ級暫定王座を獲得、正規王者に昇格後ジョシュア・フランコに敗北、タイトルを手放します。

返り咲きを狙ってダイレクトリマッチに臨みますが、2Rにアクシデンタル・ヘッドバットによりフランコが続行不可能となり、ノー・デシジョン。

 

続く3戦目では、初戦よりも差をつけられての判定負けを喫してしまいました。

今回は再起戦となります。

対してフローイラン・サルダールは、日本のリングに何度か上がっています。井上拓真(大橋)からダウンを奪ったこともありますし、中国で木村翔の持っていたWBO世界フライ級王座へ挑戦した経験もあります。

プロ5戦目でタイトルを狙った村地翼(駿河男児)と倒し倒されの激闘を演じ、WBOアジア・パシフィック・スーパーフライ級王座を獲得。その王座は2020年2月福永亮次(角海老宝石)に奪われ、2021年3月に判定勝利でカムバックを果たしています。

パンチもありますし、意外と技術もあるサルダール、敵地は慣れたものです。

とういことで、折角ESPNと契約しているので、視聴。

会場はそんなに大きくないですが、お客さんはいっぱいです。後楽園ホールくらいでしょうか。

初回、ハイガードのマロニー。ジェイソンと同じく、ダブルジャブで攻め入ります。今日は非常にアグレッシブに見えます。

迎え撃つサルダールもそのパンチはパワフル、やや振りは大きいもののやはり敵地だからどうこうは関係なさそう。両者ともに調子は良さそうです。

 

かなり近い距離での攻防が続きますが、プレスをかけて先にしかけるのはマロニーです。サルダールはマロニーの入り際に合わせてカウンター、二人ともとにかく手数がよく出ます。

インターバルでアンドリューの正面に陣取るチーフセコンドはジェイソン・マロニー。

2R、マロニーはプレスをかけます。やっぱりマロニーのジャブは良い。非常にキビキビした動きから、ジャブを当て、鋭い左フックも素晴らしいですね。

サルダールはややパンチが荒いですが、そのスイングは鋭く怖さがあります。上体の動きに頼ってよける場面もあるので、このラウンド中盤、マロニーのジャブをかわした先で右ストレートを浴びてしまいます。

近い距離になって押し合いの展開になると、サイドに動けるマロニーが強い。パワーはサルダールの方がありそうです。とにかくこのマロニーは、(フランコ第三戦でもそうでしたが)ハイペースで試合を組み立てていきますね。

パンチスタッツが出ますが、ヒット数においては全くの互角。

 

3R、リズムを取りつつプレスをかけるマロニーと、リズムをぴたりと止めてカウンター狙い、そして時折激しく攻め入るサルダール。

マロニーは接近戦でのポジショニングが素晴らしい。目まぐるしく立ち位置を変えるマロニーに、サルダールはついていけていません。このラウンド後半、サイドステップを繰り返すマロニーのパンチを浴びたサルダールはコーナー、ロープへ詰められ、パンチをまとめられます。

このラウンドは明確にマロニー。

4R、続いて接近戦を仕掛けるマロニー。パンチングパワーはサルダールが上に思いますが、身体全体、というか下半身はマロニーの方がしっかりしています。なので押し合いにも負けません。マロニーはガードもしっかりとしている上でボディーワークを使いますが、サルダールはボディーワークを使うとガードが空いてしまいます。

あとは、強いパンチを単発気味に打つサルダールに対し、マロニーはコンビネーションを放つということもあり、接近戦ではサルダールに勝機が見いだせません。

 

5R、マロニーのジャブの引き際に右カウンターを狙うサルダール。ただ、マロニーのジャブはまっすぐ打ってまっすぐ引く、お手本のようなジャブなので、サルダールのカウンターの右より先に左手のグローブがガードポジションに戻ります。

このラウンドも単発気味のサルダールに対し、要所でパンチをまとめたマロニー。

6R、折返し、ここまでハイペースなボクシングを展開しているマロニーですが、まったくもって疲れを見せず、雑にもなりません。

近づいてはボディを叩き、サイドへ切り替えしてまたチャージ。フランコとの3戦目でもそうでしたが、このハイペースな攻めをずっと持続できるあたりは非常に素晴らしいところ。

このラウンドもサルダールをロープ煮詰めてフック、アッパーを見舞います。サルダールはなんとか起死回生の一発がほしいところですが、マロニーの手数にパンチを打つ隙間を見いだせずにいます。

7R、マロニーはプレスをかけるものの序盤、手数が少し落ち着いてしまいました。圧倒し始めたところで、フィニッシュを狙ってしまっているかもしれません。

 

マロニーが単発気味になると、サルダールのカウンターが活きてきます。

それを察したのか、中盤以降は手数でサルダールを追い立て、ロープに磔。頭の位置を低く、フック、アッパーを振るう姿はもうインファイターのそれです。フランコ第一戦ではややアップライト気味にかまえていたボクサーですが、今日はややクラウチング気味。敗戦を経て、人は変わるものですね。

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通しのパンチスタッツはサルダール68/351、マロニーは172/403。手数、クリーンヒットともにマロニーが大きく上回ります。

8R、序盤は足を使ってサークリングに始まり、中盤からプレスするマロニー。プレスをかければサルダールはすぐにつかまり、またロープ際。

マロニーはコンビネーションから左ボディをヒット、その後もロープから逃さずに何度も右ストレート、左フックをヒット。この左フックはマロニーのサンデーパンチでしょうね。

9R、このラウンドは序盤はサークリング、中盤以降に接近戦をしかけるマロニー。ちょっとリングが滑るという素振りを見せていますが、何とも見事なサイドステップでサルダールにパンチを当て、後半にはやはりサルダールをコーナーに詰めてチャージ。

 

ラストラウンド、既に大勢は決しています。あとはマロニーがサルダールを仕留められるかどうか。サルダールは時折パワーパンチを振るいますが、既に見切られており、よほどのことがない限りは厳しそうです。

このラウンドは序盤からプレスをかけ、早々にサルダールをロープに追い込みます。しかしサルダールもプッシングもいとわないほどのジャブで押し返すと、とにかく思い切りストレートやアッパーを振っていきます。

ただ、打たれ続けたサルダールには疲れも見えます。マロニーは流石、初回の動きそのまま。終盤まで攻撃の手を緩めることなく攻め立てたマロニー、またもサルダールをロープに釘付けにして打ち込んだところで試合終了のゴング。

パンチスタッツは、合計でサルダール93/484、マロニーが231/561。圧倒的です。

判定は、99-91、98-92、98-91の3-0の判定でアンドリュー・マロニー。

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いや〜、アンドリュー・マロニー、強かったですね。このマロニーを見たのは、フランコ初戦が最初だったので、アンドリュー・マロニーが勝利した初めての試合を視聴した、ということになりました。

何が素晴らしかったかというと、非常に素晴らしいアグレッシブネス(これはフランコ3戦目でもそうでしたが、今回は更に。サルダールにフランコほどの怖さがなかったのかもしれません。)。そして、接近戦でのコンビネーション→サイドステップでポジショニングを変えて→またコンビネーション。

サルダールは幾度もパンチをもらいながらも倒れませんでしたが、これはサルダールが上体を柔らかく使い、ダメージを逃していたということが大きいかもしれません。

そんなサルダールを倒し切れたのはマクウィリアムス・アローヨ、木村翔、そして、大晦日に井岡一翔に挑戦する福永亮次の3人。

 

基礎技術の高さは当然これまでも感じていましたが、今回は出来としても出色だったように思います。

ジェイソンのボクシングもこのアンドリューと同じようなボクシングですが、こんなにも隙がないのか、と驚きますね。これまで、ジェイソンの方がややアグレッシブか、と思っていましたが、認識を改めなければならないかもしれません。アップライトに構えて、ステップを刻むアンドリューは、井上戦でのジェイソンそっくりでしたが、頭を低くしてヘッドムーブ、プレスをかけていくアンドリューはまた別のボクサー。

このマロニーのボクシングは見ていて飽きません。非常に素晴らしかったです。

マロニー・ブラザーズ、やはり侮れませんね。

スーパーフライ級ということで、またどこかで日本人ボクサーとの対戦を見たいものです。

 

 

 

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