信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

カルロス・クアドラスvsバム・ロドリゲス観戦記!そしてスーパーフライに吹く、新しい風。

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遅くなってしまった観戦記。

もう一週間が経とうとしていますが、今後もこのスーパーフライ級トップ戦線は非常に楽しみなので、記録を残すという意味で今回観戦記を上げさせてもらいます。

2/5(日本時間2/6)に予定されていたシーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)とカルロス・クアドラスによるWBC世界スーパーフライ級王座決定戦は、シーサケットがコロナ罹患により欠場、代役となったのはまさかのジェシー・ロドリゲス(アメリカ)

ジェシー「バム」ロドリゲスは、ライトフライ級での世界ランクこそ持っていますが、いきなり2階級あげての世界挑戦。ここ数戦はフライ級リミットで戦い、素晴らしいパフォーマンスを見せているものの、相手は長くトップ戦線で戦ってきたカルロス・クアドラス。

 

このスーパーフライ級戦線には、フリオ・セサール・マルティネスも参戦が決まっており、ファン・フランシス・エストラーダvsジョシュア・フランコが指令されたりとどんどんと新しい風が吹いています。

ということで今回のブログでは、先日行われたカルロス・クアドラスvsジェシー・ロドリゲスのWBC世界スーパーフライ級王座決定戦の観戦記、そして今後のスーパーフライ級トップ戦線の展望についてです。

2/5(日本時間2/6)アリゾナ

WBC世界スーパーフライ級王座決定戦

カルロス・クアドラス(メキシコ)39勝(27KO)4敗1分

vs

ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)14勝(10KO)無敗

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帝拳プロモーションに所属するもの同士、という同門対決。シーサケットの離脱により、セミファイナルにフライ級戦で出場予定だったロドリゲスが突如スーパーフライ級の王座決定戦にピックアップ。

これは横暴とも言えるマッチアップですが、大変に興味深い。ここでロドリゲスが勝つようなら、怪物クラス。もともとライトフライのボクサーです。

並んで見るとやはりクアドラスは体格(主に体の幅)に勝ります。

注目の一戦、ゴング。

非常にガードポジションがしかりとしている「バム」ロドリゲス。初回からしっかりと手数を出していくクアドラス。

コンビネーションをリズムよく出していくのはクアドラスですが、ロドリゲスはサイドステップが非常に上手い。下がる時もまっすぐは下がらず、回りながら下がります。

体格差こそあるものの、どちらかというとクアドラスはそれを活かせるボクシングではないですね。勿論、スーパーフライの圧にロドリゲスが耐えられるか、は問題ですが。

2R、ロドリゲスはガードも固く、その固いガードのまま上体を振って回り込むため、クアドラスもなかなかクリーンヒットを奪えずにいます。対してロドリゲスのパンチ、特に左ストレートはノーモーションで伸びてきます。サウスポーの利点をしっかりと使っていますね。

 

このラウンドはそれぞれ前手のフックを当て、後ろ手のストレートを当てるという展開。

3R、両者、距離もテンポも非常に噛み合っています。序盤にクアドラスの左ボディに対してロドリゲスが右フックをカウンター。

そしてその後、サイドに回り込んだロドリゲスはクアドラスに右アッパーをヒット!これで尻もちを着いたクアドラス!ダウンです!!!

詰めに行くロドリゲス、ここはクアドラスも強く振って対抗。危険なタイミングでのパンチの交錯、ここでも距離は噛み合います。終盤はクアドラスが意地を見せて攻め込む場面を作りましたが、このダウンポイントは痛い。

4R、クアドラスはボディを交えて、強いパンチを打ち込んでいきます。しかし、ロドリゲスのコンビネーションはコンパクトで、打ち終わりのバランスも非常に良い。その分、打ち終わった後のふとしたタイミングにもまたコンビネーションを出す事ができます。

 

これはちょっと、とにかくパンチを当てようとするクアドラスと、ディフェンスから組み立てるロドリゲスの違いかもしれません。ヒット数において、ロドリゲスが上回ってきました。

5R、プレスをかけるのはクアドラス、手数もクアドラス。クアドラスのパワーパンチは未だ驚異です。それでもロドリゲスはクアドラスが頭を下げれば左アッパーで起こし、下げなければ左ボディアッパー。そしてクアドラスの打ち終わりにコンパクトな左ストレート!これはめちゃくちゃ巧い。。。

6R、クアドラスは前半強く、後半に従って落ちていく感じのするボクサー。クアドラスはこのラウンドからややペースダウン、前ラウンドまでの怒涛の攻撃は見せられません。

1発2発のパンチでロドリゲスを捕まえる事は困難で、今後はロドリゲスがプレスをかけていく展開。こうなると、ロドリゲスは戦いやすそうです。

7R、引き続きロドリゲスがプレスをかけていきます。クアドラスは、疲れもみえますが力強いパンチを打ち返して反撃。このラウンドはクアドラスのアッパーも非常に良い。

 

8R、ロドリゲスはコンビネーションからサイドステップ、そこからコンビネーション。ボディムーブにもキレがあり、時折クアドラスのパンチを浴びますがタフネスも持ち合わせているように見えます。

突如決まったこのタイトル戦で、ここまで力を出せるのは、地力の高さの証でしょう。

9R、お互いがお互いの攻撃に慣れている感じ、攻めれば退き、退けば攻めるを繰り返します。その中でロドリゲスのテクニカルなアッパーがヒット、後半もクアドラスがガードで固まるとサイドに周り、クリーンヒットを与えます。

う〜ん、このロドリゲスに対しては固まってはダメですね。固まらなくてもスッとサイドに回り込んでしまいますが。。。ブロッキングで固まってしまうと、おそらくロドリゲスの姿は目の前から消えてしまいます。

インターバル中はナイナイのおかむ、もとい、デビン・ヘイニーのインタビュー。

10R、クアドラスの意地がものすごい。この後半にきてもやや雑になりながら、ですがパワーパンチを繰り出し、手数も出していきます。こういうハートの強いところは素晴らしい。

しかしロドリゲスは乱れません。攻められようとも、ピンチに陥る事はありません。ただ、このラウンドはクアドラスの攻勢を取るべきでしょう。

 

11R、ここまでおそらく上手く戦い、ポイントをピックアップしているのはロドリゲス。クアドラスは勝負をかけなければいけません。

その思いが強く、ロドリゲスを押し倒してしまうシーンもありますが、クアドラスはこのラウンドもプレスをかけて攻め込んでいきます。

ラストラウンド、攻めるクアドラス、カウンターを狙うロドリゲス。力強いパンチを放ってくるクアドラスに対して、ロドリゲスは最後まで緩める事はできません。

クアドラスも多くの手数で攻め込んでもカウンターが飛んでくるので、無策ではいけません。最終ラウンドを終え、勝利を確信してロープに登ったロドリゲス。

 

判定は、117-110がふたり、115-112がひとりでロドリゲスを支持。

WBC世界スーパーフライ級王者は、ジェシー・ロドリゲス・フランコ!!

素晴らしい戦いでした、ジェシー「バム」ロドリゲス。WBAレギュラー世界スーパーフライ級王者、ジョシュア・フランコ(アメリカ)と兄弟同時・同階級での世界王者です。

しかしまさかあのカルロス・クアドラスに完勝とは、本当に恐れ入ります。

閉塞感はどこへやら、動きに動くスーパーフライ

非常に楽しみだった一戦が終わり、それでも来月早々には今度はタイトル戦ではないものの、今後のスーパーフライを占う重要な一戦がまたあります。

 

3/5(日本時間3/6)

ローマン・ゴンザレス(ニカラグア)vsフリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)

この一戦は、ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)とロマゴンのラバーマッチの予定でしたが、エストラーダがコロナ罹患、そこからの回復が遅れているということを理由に欠場。

代わりに、WBC世界フライ級王者であるマルティネスが出場することになりました。

急な代役、というよりは若干の準備期間も設けられていますので、マルティネスとしてもロマゴン対策をする時間は少しは取れそうですね。

テクニカルなコンビネーションのロマゴンか、フルスイングで連打を放ってくるマルティネスか。スーパーフライでは体格的に劣るロマゴンに対しては、マルティネスも階級の壁を感じにくいかもしれません。

世代交代か、否か。日本でいうと井岡一翔vs田中恒成のようなイメージのこの一戦、ロマゴン勝利を応援しています。

一応、この一戦はノンタイトル12回戦ということになっていると思いますが、BOXINGSCENEのサイトのスケジュールを見ると、WBCフランチャイズ王座戦という表記が。さすがにそれはない、と思いますが。。。

 

マルティネス側は何かしらの記念ベルトをつけてくれ、とWBC側に打診しているとの記事もありました。さて、どうなるか。

そして、その次はエストラーダの出番のようです。

WBA王座は統一指令

WBAは、スーパー王者であるファン・フランシス・エストラーダと、レギュラー王者であるジョシュア・フランコによる王座統一戦を指示。

交渉期限が3/11とのことで、合意しなければ入札になります。

なのでロマゴンvsマルティネスから一週間もたたないうちに、次のスーパーフライ級のタイトルマッチの発表があるかもしれません。

 

ただ、以前から階級アップを示唆しているエストラーダが、この試合を飲むかどうか。

いずれにしろ、WBA王座もここにきて統一という流れになっています。

WBO・IBFは統一なるか?

WBO王者の井岡一翔(志成)、IBF王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)は統一戦を交渉中(のはず)。

一度は決まったこの試合を再度決める、ということは通常容易ではあるものの、今回ばかりはわかりません。

この井岡vsアンカハスは、日本でやることが絶対条件と言っても良い試合であり、その日本政府が現在鎖国中、その期限が全くわからない状況です。

本当に何とかしてほしいですね。

動きとしては、GGGvs村田が決まりさえすれば、井上vsドネア2、井岡vsアンカハスも相次いで決まるはずですが、如何に。

 

盛り上がるスーパーフライ

日本人に馴染みの深いこの階級が盛り上がる事は、非常に嬉しい事です。王者ではなくとも、今後トップ戦線に絡んでいけそうなボクサーは中谷潤人(M.T)。次の防衛戦が終わればもう階級を上げても良い位に思いますが、敬遠される可能性もありますね。

田中恒成(畑中)は井岡戦での敗北、石田匠(井岡)戦での大苦戦から少々遅れてしまった感じがしますが、まだまだここに絡んでいける可能性を秘めています。

ジェシー・ロドリゲスは、このスーパーフライに留まると発信。ロマゴンvsマルティネスの勝者ともやりたい、という発言もしています。(加えて、ライトフライ、フライでも戦える、とも。)

風雲急を告げるスーパーフライ級、今回欠場してしまったシーサケット・ソールンビサイ(タイ)という怖い存在もいて、非常に多くのタレントを抱える階級です。

今後も非常に楽しみですね。来月も、このスーパーフライ、注視していきたいと思います。

 

 

 

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