信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

GGGと村田、中谷と山内、吉野と伊藤。4/9の勝者と敗者の今後とは。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

「日本ボクシング界史上最大の一戦」と言われた、ゲンナディ・ゴロフキンvs村田諒太の一戦からはや一週間。ボクシング界のスケジュールは一息つくことも許さず、次々と注目試合が過ぎ去っていきます。

今回のブログでは、伝説の4/9から約一週間、あの興行に出場したボクサーたちへの期待、そして今後の状況をまとめていきたいと思います。

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Gennadiy Golovkin stops Ryota Murata, sets up Canelo Alvarez trilogyより

 

ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)

4月9日を経て2冠統一王者に返り咲いたゲンナディ・ゴロフキン。

基本的に、彼の次戦は村田戦前から決まっています。

現代最高峰と言われるPFPキング、サウル「カネロ」アルバレスとの3戦目です。

過去、ミドル級で行われた2戦では、初戦を引き分け、第二戦は敗北と、カネロとは1敗1分。それでもなお、ここで「トリロジー」(=3部作)が求められるのは、初戦はGGGの勝利を推す声が非常に多いからでしょう。

初戦も2戦目も、GGGは勝っていた。そう思うファンも多いですね。

ただ、残念ながら過去は変えられません。もし、3戦目でGGGが勝利を掴み取れば、GGGファンやカネロのアンチファンは「それ見たことか」と溜飲が下がるのでしょう。

私はアンチカネロではありませんが、カネロとGGGとを比べると、カネロの100倍GGGが好きなので、是非そうなってほしい、という願望を抱いています。

GGGはカネロに勝てるか

但し、それは願望の話であり、現在のGGGがカネロに勝つ算段は、かなり厳しいと言わざるを得ません。

まず一つ、GGGはかつてのような神がかり的な強さを有していません。それは、カネロ初戦の前、ダニエル・ジェイコブス戦あたりからの話なので、もう5年も前からです。どちらかというと、GGGはジェイコブス戦で魔法が解けたからこそ、カネロがオファーを出した、という方が正しい。カネロは3戦目となると、2戦目の再現として前に出てくるでしょうから、あのカネロの突進を捌けるほどのボクシングを、GGGができるかどうか。または、あのカネロのプレッシャーに真向から打ち勝つ事ができるかどうか。

当然、GGGは元々技術を持っているボクサーです。現在は、40戦以上前に出続けてきたメキシカンスタイルをやや変え、そこに下がる技術も融合しようと試みている、と思います。それは、単に年齢を重ねる事で、以前のようなプレッシャーを与えられなくなった、とも言えます。今後のGGGのボクシングは、年相応のものになっていくと思います。それが、ドネアのように成功するかどうか。

 

そしてもう一つは、ウェイトの問題。カネロの次戦(5月)は、ライトヘビー級戦。ドミトリー・ビボルのもつWBA世界ライトヘビー級タイトルへの挑戦です。

カネロは以前にもライトヘビーのウェイトを作っている分、まずこの一戦のウェイト作りに関してはあまり問題ではありません。

では、このカネロvsGGG3のウェイトは、どのように行われるのでしょうか。

おそらく、スーパーミドル級での戦いとなるはずです。

ここまでずっと、ミドル級で戦ってきたGGGが、初めてのスーパーミドル級戦。おそらくGGGはスーパーミドル級に転級、というわけではないと思うので、ワンマッチだけだと体づくりは非常に難しい。ただ、減量が少し楽になるくらいだと思います。もし本格的に転級するとしても、スーパーミドル級初戦でカネロはかなりきつい。

さらにはプライムタイムにあるカネロ、黄昏期にあるGGG。試合前は当然盛り上がるのでしょうが、カネロのための試合と思えて仕方ありません。

ここからは個人的期待

実際私の期待は、ドミトリー・ビボルが、カネロの勢いを止めて勝利をもぎ取ってくれること。カネロが負ければ、この試合は無くなります。

判定ではカネロに勝てないので、倒すしかありませんが、あのビボルのスタイルではそれも難しい、ということを理解した上です。それでも、ここはビボルに期待するしかありません。

 

とにかく、カネロvsGGG3は、個人的には「やらないに越した事はない」試合です。

もしくは、勝てずとも、カネロに何かしらの問題を起こし、今は見えていない「弱点」を曝け出す戦いをしてくれること。

そして、それが無理だったとしても、GGG勝利の可能性がゼロとなるわけではありません。

今回、軽めのパンチをしっかりとコネクトしていったGGG、以前のようなスタイルでは戦えないかもしれませんが、このマイナーチェンジのスタイルが、より自分のものになっていれば、カネロを脅かすことができるかもしれません。

序盤、動きの悪かったGGGでしたが、村田のアタックによって目覚め、試合勘を取り戻し、強さを発揮したとも取れる一戦。これにより(言い方は悪いですが)カネロ戦へ向けてのウォームアップは完璧です。

そして村田は、圧倒的不利予想だった今回、ここ一番の強さを発揮したように見えました。

公式記録では1度負けている相手、カネロを相手に、GGGがもし、全てを投げ打って最後と思って戦うのならば、もう一度輝きを放ってもおかしくありません。

その試合が済めば、GGGとて燃え尽きてしまうかもしれません。

ただ、折角カネロ戦が実現するなら、是非ともGGGに勝ってほしい。

 

村田諒太(帝拳)

そして、敗れた村田の去就も注目されます。

先日放送されたNHKの「クローズアップ現代」。

試合前のインタビューで、「勝っても負けても引退」という覚悟でやる、と語っていましたが、試合後のインタビューでは「引退はいま考えなくて良い」と語っています。

「勇気は恐怖とともにある」プロボクサー村田諒太 “世紀の一戦”を終えて語ったこと - クローズアップ現代 - NHK

私自身も、試合直後、いや試合前とか正式発表、いやもっと前くらいからこれで村田の引退を覚悟していましたし、そうあって然るべき、くらいに思っていました。この試合が終われば、勝っても負けても村田の証明することはなくなる、と。

もう十分すぎるくらい、ボクシングに尽くしてくれたと思っていました。

しかし、今回の1戦で、躍動する村田諒太を見て、終わった後の満足感を感じて、記事を読んで、また試合を見たりする中で、(いつも引退前のボクサーに思うことですが)やっぱり勿体無い、と思ってしまいます。

GGG戦が決まる前からずっと、噂レベルである時から、ずっとワクワクさせてくれた村田諒太というボクサー。カネロ戦の噂もありましたよね。

 

ミドル級という階級で、村田諒太ほどビッグマッチを期待させてくれるボクサーは、村田の前にはいなかったし、今後もしばらくは現れないでしょう。竹原慎二とどっちが強い、を論じる必要はありませんが、ビッグマッチ実現へのワクワク感は、その置かれた状況やバックアップの状況を考えると、竹原を大きく上回ります。

「GGGと再戦すれば勝てる」とは流石に思いませんが、今回の健闘で村田は世界に名前を売ったと思います。敗れはしたものの、ようやく「世界王者だった」としての認識を受けたとすら思います。この一戦で自信をつけたって良い位だと思います。

GGGやカネロではなくとも、ミドル級には猛者は多い。

長く上位にいて、交わりそうで交わらないクリス・ユーバンクJr、もしここを打ち取れれば評価はグッと上がるハイメ・ムンギア、村田のあとを追うような当てつけキャリアを続けるジャニベック・アリヌハムリ(だったら次はGGGとの同国人対決なのか笑?)。そしてロンドン五輪決勝で戦った、エスキバ・ファルカン。

こういうボクサーと、日本人ボクサーが戦える位置にいる、ということは改めて驚愕します。

世界タイトルを失った今だからこそ、タイトルに固執せず、是非とも世界的強豪とのマッチメイクを届けてほしい、と心から思います。

村田の現実

それでもなお、やはりモチベーションを保つのは容易な事ではないでしょう。

某記事では、「首、肘、膝と故障だらけ」、恒例の走り込みキャンプもできず、3/1以降は一度もロードワークを行なっていない、と書かれていました。

 

これを額面通りに受け取るならば、当然、もう引退した方が良いのかもしれません。個人的には懐疑的です。「故障だらけ」と言っても、長く競技を続ければ調子の悪いところは出てくるし、ケアも必要なわけで、それを故障するまで村田が放っておくわけはない、と思います。ケアをしながら騙し騙しやる分には、どのアスリートも致し方ないものだと思っています。

ともあれ、もしパフォーマンスが下がるほどのものであれば、危険を伴うボクシングは、もう続けるべきではないかもしれません。

なのでやはり、引退というのが最も現実的なのでしょう。

しかし、やっぱりまだまだ、村田のボクシングを見たい。いずれにしろ、本人からしっかりと発表があるでしょうから、静観します。

中谷潤人(M.T)

圧倒的な強さを見せつけた中谷潤人。もし中谷を初めて見た人がいたならば、もしかするとこの興行で最も印象的な強さを見せたボクサーだったかもしれません。

試合後に、「決定ではない」としながらも、スーパーフライ級への参入を発言。

「決定ではない」の意味は、おそらく、フライ級での王座統一戦の可能性もまだ少し、模索しているからだと思われます。

ただ、この階級で王座統一戦決定の可能性は、現在のところ限りなく低い。

逆にいうとスーパーフライ級であれば、転級により(WBOルールで)自動的にトップランカーとなり、王者への挑戦権を得ることになります。そしてスーパーフライ級は、以前から統一志向が非常に強い階級。ベテラン勢が幅を利かせている階級でもあり、この階級のボクサーたちはライバル同士の対戦を歓迎しています。

 

中谷のスーパーフライ参戦、これは今年、非常に楽しみな戦いの一つですね。

井岡、ロマゴンとの写真をSNSにアップしていたトム・ローフラー(以前、SUPER  FLYというイベントを企画したプロモーター)は、もしまた今後も軽量級に関わっていくのならば、きっと中谷にも注目しているはず。スーパーフライ級にも、いよいよ世代交代の波が来るかもしれません。

山内涼太(角海老宝石)

健闘虚しく、中谷に完敗した山内。あの絶望的なリングで、本当に最後まで諦めなかった姿は、本当に素晴らしかったと思います。

10戦目で、フライ級最強王者に挑戦できる位置にいた、ということは、やはり何かを持っているボクサーです。山内の物語はきっと、ここから。

非常にバランスの取れた攻防技術、そしてハードパンチ。何より、臆せず向かっていけるハートの強さ。

きっとまたいつか、この世界の舞台に帰ってきてくれると思います。ハードなマッチメイク、海外での試合も辞さない山内涼太、そして角海老陣営の今後に期待したい。

吉野修一郎(三迫)

負傷判定ながら、しっかりと勝利を手にしたというイメージの吉野。元世界王者を降した前戦は評価を受け、持っていた世界ランクはアップ。

一応、挑戦権内に入ってはいるものの、いきなり世界挑戦とはならいでしょうが、これは大きな前進です。

世界ランクが上がれば上がるほど、アメリカから声がかかる確率は増えるはず。

国内ライト級にてほとんど敵なし、という状態の吉野は、コツコツと勝利を挙げてランクを上げる、ということが出来そうにありません。

 

勝負をかけられるのは、やっぱり海外での試合です。

ただ、今回10位にアップしたWBCのランキングを見ただけでも、上位はロマチェンコ、ライアン・ガルシア、(リナレスを倒した)アブドゥラエフ、イサック・クルス、ジョセフ・ディアス。。。リチャード・コミー、(ベルチェルトを倒した)ナカティラ、フォルトゥナ。。。

まあ、とんでもないですね。

誰かに選んでほしい、というだけでなく、やはりアピールが必要だと思います。

ともかく今年中には、どうにかして、アメリカのリングデビューしてもらいたい。

伊藤雅雪(横浜光)

片や、吉野に敗北を喫してしまった伊藤は、ボクサー人生の帰路に立たされる可能性が高い。

今回は調子が良いと伝えられていましたし、ライト級にフィットしてきた感じもあったので、期待度も非常に高かったように思います。

ここから仕切り直して、世界王者を目指すモチベーションがあるのか、どうか。

これまでと違い、上ばかり見ているわけにはいきません。もし、続けるとするならば、「やり直し」という表現が適正かと思います。

三代大訓(ワタナベ)に敗北を喫した時とは、少し事情が違います。

個人的には、スーパーフェザーに戻す、というのも一つの手であると思いますし、これもまた危険な話なんですが、日本タイトル挑戦も視野に入れて良いと思います。

 

日本王者は、宇津木秀(ワタナベ)。この超危険なマッチアップは、伊藤のモチベーションさえ保てれば非常に胸躍ります。伊藤に関しては衰えを感じない分、まだまだいけそうな気もします。

とはいえ、実績十分の伊藤。これで引退でも驚きはしません。本人の発表を待ちたいと思います。

感化されたボクサー

寺地拳四朗(BMB)と京口紘人(ワタナベ)

たくさんのボクサーがこのGGGvs村田の興行を見て、感化されたと思います。メインだけでなく、アンダーカードでも熱い試合が繰り広げられたこの興行は、控えめに言って所謂「神興行」です。

そんな中で、現役世界王者ではストレートな発言をした寺地拳四朗。

 

それにアンサーしたわけではないでしょうが、京口紘人もツイッターでつぶいやいています。

 

 

 

京口は、間も無く発表の次戦で、WBAレギュラー王者、エステバン・ベルムデスとの団体内王座統一戦が発表されるはずです。(この記事がアップされている時点では、既に発表されているかも?)その指名戦は、もう引き伸ばせないので、まずはそれをクリアすることが先決。

この京口vsベルムデスが夏に開催されるとすれば、この統一戦はやはり年末か、その少し前の晩秋くらいの時期には開催が可能でしょう。

拳四朗もその前にもう一戦、挟みそうな感じはしますが、結局のところ挑戦者は誰を呼べるのか、という問題がついて回ります。また日本人挑戦者、をピックアップするとすれば、ライトフライ級という階級的には難しくないと思いますが、ファンはあまり納得はしないでしょうし、拳四朗のモチベーションも心配。

なのでここは、夏くらいに、京口vsベルムデスをメインに据えた興行に、セミファイナルで拳四朗vsエルウィン・ソトとかどうでしょうか。ベルムデスとソトはメキシコなので、一緒に来れるし。

で、その勝者同士が今年中に激突する、とか。どっちも日本でやれば、ストーリー的にも訴えられて面白いのではないでしょうか。

 

プロモーターが違うから難しい、という問題はあろうとも、「日本ボクシング界」のことを考えれば一致団結してやる価値はあるような気がします。アマ時代から対戦経験があり、同じ時期にライトフライのベルトを巻き、同年代。

今まであまり乗り気に感じなかった京口が、乗り気になったことも機運としては大きく、この時を逃せば、拳四朗は階級アップを考えているから実現も怪しくなります。

日本人同士の王座統一戦、両者の知名度も大きくなってきたところで、今が最高潮だと思います。今年中の激突に期待です。

ということで、今回のブログでは4/9のライブボクシングに出場した6選手について、でした。敗北を喫したボクサーの中では、村田、伊藤の去就は気になるところ。激闘を繰り広げ、ボクシングのおもしろさを再確認させてくれたボクサーたちの今後が、幸福であることを心から願います。

 

 

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