9月も中旬に入りました。
9月第三週は、日本では13日(火)フェニックスバトルから17日(土)の3150FIGHT SURVIVAL、そしてアメリカではカネロvsGGGのトリロジー。
楽しみなウィークデイからウィークエンドですね。
私は、というとそのすべてをリアルタイムで視聴できないので(笑)、FODプレミアムとABEMAプレミアムに加入してひとりディレイ視聴します。
そしてもちろん、DAZNも。
待ちに待った、というよりも、とうとうこの日が来てしまった、という日本時間で9/18(日)。
日本でその勇姿を見せてくれたGGGが、キャリアで唯一引き分け、敗北を喫しているカネロに挑みます。
日本国民の多くがGGGの健闘を祈る、メキシコ独立記念日興行のプレビューです。
↓日本ではウィークデイ、平岡アンディ防衛戦!!
9/17(日本時間9/18)アメリカ・ラスベガス
世界スーパーミドル級4団体統一タイトルマッチ
サウル・アルバレス(メキシコ)57勝(39KO )2敗2分
vs
ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)42勝(37KO)1敗1分
メキシコの独立記念日である9/16、その前の土曜日かその後の土曜日に開催されるのが、独立記念日興行。
サウル・アルバレス(=カネロ)はこの日とシンコ・デ・マヨ(5/5付近)興行には毎度参加していますが、GGG第一戦、第二戦、そしてフロイド・メイウェザーJr(アメリカ)との試合もこの日の興行でした。
ゲンナディ・ゴロフキンの持つWBAスーパー・IBF・WBC世界ミドル級統一王座に挑戦した第一戦は2017年9月、これは引き分け。但し、ゴロフキン勝利を推す声も多かった。
第二戦は丁度1年後となった2018年9月、この再戦で2-0の判定勝利を飾り、当時ゴロフキンの持っていたWBAスーパー・WBC王座を獲得しました。
ただ、この第二戦についてもゴロフキンの勝利を推す声、ドローだったという声も多く、とりわけ第一戦でカネロの118-110というとんでもスコアをつけたジャッジがいたことにも起因して、疑惑の判定として扱われる傾向があります。
個人的には、初戦はゴロフキンの僅差判定勝利が妥当、ドローでもまあ許せるかな、という思いもありますが、2戦目はドローが妥当でカネロの勝ちもあり得るか、という感じ。
そこから4年もの歳月を経て、二人を取り巻く環境は大きく変わりました。
カネロのGGG2後
カネロはゴロフキンとの統一戦に勝利したあと、周辺階級をさまよい、スーパーミドル級でタイトルを獲ったかと思うとミドル級に戻ってダニエル・ジェイコブス(アメリカ)と戦い、ライトヘビー級へ行ってセルゲイ・コバレフ(ロシア)を撃破。
その後スーパーミドル級の統一に狙いを定め、カラム・スミス(イギリス)、ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)、カレブ・プラント(アメリカ)を次々と撃破してあっという間にスーパーミドル級王座を統一してしまいました。
そのパフォーマンスを見ても圧巻で、本当に無双状態でしたね。
スーパーミドル級にめぼしい相手がいなくなったからなのか、この頃カネロはクルーザー級挑戦も口にしつつ、最終的にはライトヘビー級でドミトリー・ビボル(ロシア)挑戦を宣言。
これは大変危険な賭けではありましたが、比較的良い相手を選んだ、というのが感想であり、当然、アルツール・ベテルビエフ戦ではなくドミトリー・ビボルというのが要点。
パワーパンチャーとはいえないビボルに、あの明らかに打たれ強そうでディフェンスも良いカネロを倒し切る力はない、と思われ、そして判定ではカネロに勝てないだろう、と思われたのが話の筋だからです。
しかし、試合はビボルが明確にポイントをピックアップ。
カネロのパワーはライトヘビー級のビボルにはこれまで通りは通じず、更にビボルは過去イチと言って良いパフォーマンスを発揮、様々な事がビボルにとって良いように働いた一戦でもありました。
↓観戦記
カネロはこの試合で3者ともに115-113という小差の判定で試合を落とし、フロイド・メイウェザー戦以来の黒星を喫しました。
では、これでカネロの神話が崩れたか、というとそういうわけでもなく、ライトヘビー級の超安定王者相手にここまで詰め寄った、というのは、ウェルター級上がりのボクサーとしては、常識的に考えるととんでもないことなのです。
そして今回はカネロのウェイト、スーパーミドル級での一戦。ゴロフキンには、かなり厳しい戦いが予想されています。
GGGのカネロ2後
GGGについては、カネロ第一戦の少し前から書かなければなりません。
GGGは2017年3月、ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)との王座統一戦に勝利、ミドル級の3団体王者となりますが、これは苦戦とよんで良い一戦でした。
このジェイコブス戦前、ウィルフレド・ゴメスと並ぶ17連続KO防衛を果たしていたゴロフキンは、この試合で初めて「底」を見せたと言って良い。そしてこれはさらに、今思えばほんの少しの「衰え」を見せた一戦でもありました。特に「後半にジェイコブスに盛り返された」という点は非常に大きな事のように思えますね。
ここに目をつけたのか、カネロはゴロフキンへオファー、第一戦が決まりました。
そしてGGGvsカネロ1の1年後、更に衰えを見せるゴロフキン、3度目があるとするならば、これまでよりもしっかりと決着がついてしまうのではないか、と思われていました。
しかし、この3戦目は話題に登るも決まらず、結局この試合の決定権はカネロにあります。
カネロは上述の通り、周辺階級で戦った後スーパーミドル級で無双、結局この3戦目を開催する日程は2戦目から4年の歳月を必要としました。
この4年、スーパーミドル、ライトヘビー、ミドルと精力的に戦ってきたカネロと違い、ゴロフキンはたった4戦。明らかな格下スティーブ・ロールズ(アメリカ)戦を経て、その後IBF王座決定戦でセルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)に勝利しますが、これもまた大苦戦。この試合もまた、後半には失速していました。
そのIBF王座の初防衛戦ではこちらも格下、カミル・シェルメタ(ポーランド)戦を経て、WBAスーパー王者の村田諒太(帝拳)戦。村田戦も、苦戦のうちの一つと言って良いと思います。少なくとも、圧勝という内容ではなかったと思います。
↓観戦記
カネロとGGGのトリロジー
現時点でのボクサーとしての実力は、残念ながらカネロの方が上と言わざるを得ません。
カネロは前戦で敗北を喫したものの、それはカネロが衰えたから、とか、戦略面が悪かった、とか、何かカネロ側の問題があったわけではない、と思うからです。
勝ったビボルが強かったですし、サイズの差は思った以上に大きかった、というのが現実でしょう。
そして今戦、カネロが素晴らしいパフォーマンスを発揮してきたスーパーミドル級での戦いであり、ゴロフキンはこれまでほとんどミドル級リミットを上回って試合をしたことはありません。
そして、4年前より更に、明らかな衰えが見えるゴロフキン。
こうなってしまうと、ゴロフキンの勝ち目はかなり薄い。
前戦の試合展開は、当てにならないかもしれません。
カネロを相手に、下がりながら戦うのも危険、前に出て戦うのも危険。ただ、前に出て戦う方が(リスクは大きいが)チャンスがあるのかもしれません。それでも、前に出れば被弾のリスクがあり、被弾すれば(どちらがダメージを与えたかは置いておいて)カネロにポイントが流れてしまわないとも限らない。。。
いろいろ考えても仕方ありませんから、ここは奇跡を期待しましょう。
WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ
ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)16勝(11KO)無敗
vs
イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)28勝(11KO)4敗1分
ジェシー・ジェームス・ロドリゲス・フランコ。愛称「バム」。ちなみに、「バムバム」と呼ばれると怒るそうです笑。
メキシコは、ファーストネームがふたつ(この場合ジェシーとジェームス)、ラストネームがふたつ(この場合、ロドリゲスが父方の名字でフランコが母方の名字)。
ファーストネームもラストネームも、バリエーションが比較的少なく、被ってしまうことから本名が長い、ということが理由だそうです。以上、メキシコのどうでも良い薀蓄。
さて、そんなメキシカン・アメリカンであるバム・ロドリゲス、前戦は2022年9月に登場し、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)を撃破。その前は、2月にカルロス・クアドラス(メキシコ)を退けています。
スーパーフライ級に彗星のごとくあらわれたバムは、突然4皇(とは呼ばれていませんが4強)の一角を崩し、最も不確定要素の強いシーサケットにストップ勝ち。今年だけで一気にスーパーフライ級のトップ戦線に躍り出ました。
すでに、エストラーダやロマゴンにも勝利できるポテンシャルがある、と思います。
むしろ、ちょっと疲れた雰囲気のエストラーダやロマゴンよりも、非常にエネルギッシュで機動力があるバムの方が、実績抜きにして語れば優位のような気もします。
そんなバムは、シーサケット戦からたったの3ヶ月弱でまたも防衛戦。
対戦相手はイスラエル・ゴンサレスで、このイスゴンはジェルウィン・アンカハス(フィリピン)とカリド・ヤファイ(イギリス)、そしてローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の持つ世界タイトルへの挑戦経験を持つものの、3度とも失敗に終わっている、というボクサー。
ロマゴンへの挑戦権をかけた挑戦者決定戦では、石田匠(井岡)に競り勝った経験もあります。
ただ、どうしても今回はバムによほどの不調がなければ、勝利を手繰り寄せるのは難しいでしょう。
バムとしては勝利は必然として、後はパフォーマンスが大切です。
ロマゴンでも倒せなかったこのイスゴンを倒す事ができれば、更に評価を高める事ができるでしょう。
ちなみに、このバム、すでに12/3の興行にも出場予定である、とのこと。
この12/3のメインは、エストラーダvsロマゴン3。そのアンダーカードでバムを登場させ、おそらく来年の春頃にエストラーダvsロマゴンの勝者vsバム・ロドリゲスを実現させる、というのがマッチルームの青写真のようです。
その後もバムがスーパーフライに残ってくれるのであれば、そこで評価が最高潮に達したバム・ロドリゲスvsスーパーフライでタイトルを獲った中谷潤人、もしくは井岡や田中恒成が絡んで、と夢が広がりますね。
エストラーダvsロマゴンについては、すでに興味を失っている人も一定数いるとは思いますが、その試合を含め、スーパーフライ級の今後は非常に楽しみなものです。
その他のアンダーカードは、アリ・アフメドフ(カザフスタン、18勝14KO1敗)がガブリエル・ロサド(アメリカ、26勝15KO15敗1分)と対戦する他、
ミドル級プロスペクトのオースティン・ウィリアムス(アメリカ)11勝(9KO)無敗
スーパーミドル級プロスペクトのディエゴ・パチェコ(アメリカ)15勝(12KO)無敗
ライト級プロスペクトのマーク・カストロ(アメリカ)7勝(5KO)無敗
といった注目株が次々登場です。
こちらも興味深いですね。
【放送・配信】
この興行は、DAZNが生配信。
日本ではDAZNの月額の範囲内ではあるものの、多くの国ではDAZN PPV。
アメリカ、カナダでは84.99米ドル(約12,000円)(DAZN未加入者は64.99米ドル)
イギリスでは9.99英£(約1,700円)(DAZN未加入者は17.98英£)
オーストラリアでは44.99豪ドル(約4,400円)(DAZN未加入者は58.98豪ドル)
北米の人たち、かわいそうですね。。。
我々はありがたい事に、月額料金のみで見る事ができるので、比較的安価と言って良いでしょう。
さて、日本での配信日時は、9/18(日)AM9:00〜。
来日経験もあるゲンナディ・ゴロフキン、日本での知名度もあると思うので、是非皆さんも周りに進めてみましょう。以外とボクシングへの取っ掛かりはこういうところにあるかもしれません。以前のGGGvs村田を見て、感動した人は多いはずですから。
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