2022年の上半期、ボクシング界は非常に興味深い世界タイトルマッチがいくつも開催されました。
そして7月は、というと、世界タイトルマッチが少々落ち着いている感じがします。
ブリエディスvsオペタイア、マグサヨvsバルガス、井岡vsニエテス、そして7/20に開催されるノックアウトvsワンヘン。くらいかな?漏れていたらすみません。
やや落ち着きを見せた今こそ、世界タイトルを保持するボクサーを振り返ってみたいと思います。各団体のホームページをチェック。で、書いては見たものの、流石に長くなってしまったので2回に分けます。今回はヘビー級〜スーパーライト級までの9(!)階級。
反映されていないものもあると思うので、私の思い違いで前王者が残っていたら優しくご指摘下さい笑。
そんなわけで、今回のブログでは、各階級の王者を振り返り、ついでに統一戦の実現性を見ていきたいと思います。
ヘビー級(3名)
WBAスーパー・IBF・WBO
オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
WBC
タイソン・フューリー(イギリス)
WBAレギュラー
ダニエル・デュボア(イギリス)
3団体統一王者、オレクサンドル・ウシクは前3団体統一王者のアンソニー・ジョシュアとのリマッチが決定しています。日程は8月20日。
ウシクは精神的にもきつい状況ではあるものの、是非とも返り討ちにしてもらいたいですね。
WBC王者のフューリーは2022年4月にディリアン・ホワイトを退けて引退示唆。今後の動向はまだよくわかりません。
ダニエル・デュボアもこのレギュラータイトルでは満足しないと思うので、是非ジョイスとのリマッチを見てみたい。
ブリッジャー級(笑)
WBC
オスカル・リバス(コロンビア)
ノーコメント!
クルーザー級(5名)
WBAスーパー
アーセン・グラミリアン(フランス)
WBC
イルンガ・マカブ(ドミニカ共和国)
IBF
ジェイ・オペタイア(オーストラリア)
WBO
ローレンス・オコリー(イギリス)
WBAレギュラー
リヤド・メルフィー(ベルギー)
グラミリアン、メルフィーのWBA王者組はなかなか情報が回ってこない王者、ですね。グラミリアンは2019年12月の防衛戦を最後にリング登場は無く、メルフィーは2021年7月からブランク(その前も2019年10月)。ボクサーやプロモーターにやる気がないのか、それともWBAにやる気がないのか。
そして一時はカネロの相手としてピックアップされたマカブでしたが、すでにその話は露と消えています。
兎にも角にも、WBAが王座削減を示し、統一戦の機運が高まっている中で、フルの王座保持はなかなか稀。しかもそれぞれの出身地もバラバラで、この事は統一戦を阻害する一つの要因とも言えます。
ブリエディスに殊勲の勝利を果たしたオペタイア、そして魅力的なパンチャー、ローレンス・オコリーにこの階級の活性化を期待したい。
ライトヘビー級(2名)
WBAスーパー
ドミトリー・ビボル(ロシア)
WBC・IBF・WBO
アルツール・ベテルビエフ(カナダ)
カネロに勝利して大きく株を上げたビボルと、全階級を通じて唯一の全勝全KO王者であるベテルビエフ。
あと一度戦えば4団体統一成る、というところですが。
ビボルは、9月のカネロvs GGG3が終わった後にカネロとの再戦があるかもしれません。そうすると、2023年の5月頃か。
ベテルビエフは、10月に指名挑戦者としてアンソニー・ヤーデ(イギリス)を迎える(というかイギリスに迎えに行く)ようになっているので、二人の対戦は早くても2023年の秋頃、なのかもしれません。
これは是非決まってほしいですが。。。果たしてどうなる。
スーパーミドル級(2名)
4団体統一
サウル・アルバレス(メキシコ)
WBAレギュラー
デビッド・モレル(キューバ)
Undisputed王者、「カネロ」アルバレスは、たった11ヶ月で4つのタイトルを統一して見せました。これはとんでもないことです。
その後、2022年5月に階級をあげてビボルに挑んだものの、完封されての判定負け。
それはそれとして、スーパーミドル級に戻り、DAZNとの約束通りGGGとのトリロジーへと向かいます。
この試合はスーパーミドルで圧倒的な力を誇示していたカネロと、初のスーパーミドル級戦に臨む、衰えを見せ始めたGGGとの一戦なので、カネロが大きく優位に立つ一戦。階級上げたり下げたりの影響があることを願うのみ、とは悲しいものですが、日本国民の多くはGGGを全力応援でしょう。
デビッド・モレルは個人的には好きなボクサーですが、カネロの光が強すぎて、存在感の薄さが半端じゃありません。ただ、次世代のスーパーミドル級を率いていくのはこのボクサー。
ミドル級(4名)
WBAスーパー・IBF
ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)
WBC
ジャモール・チャーロ(アメリカ)
WBO
デメトリアス・アンドラーデ(アメリカ)
WBAレギュラー
エリスランディ・ララ(キューバ)
WBO暫定
ジャニベック・アリムハヌリ(カザフスタン)
WBAスーパー王者、村田諒太(帝拳)との統一戦を制し、2団体統一王者に返り咲いたGGG。対抗王者は多く、そして強く、チャーロ兄、エリスランディ・ララ。アンドラーデはおそらくカネロとの対戦を目指してスーパーミドル級進出予定(返上すれば良いのに、これは保険か)。まあ、アンドラーデがカネロのお眼鏡に叶うか、というと。。。ずっと片思いな気がします。
そのアンドラーデがもたもたしているうちに設定されたWBO暫定王者にはカザフスタンの雄、ジャニベック・アリムハヌリ。おそらくアリムハヌリがGGGと交わることはないと思うものの、現時点ではアリムハヌリのスケールはGGGに遠く及ばないと思います。アリムハヌリにはGGGの後継者となってもらいたいが、GGGほどの狂気を感じません。
スーパーウェルター級(1名)
4団体統一
ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
4団体統一王者は3名いますが、階級一人の王者は全階級を通じてこのチャーロ弟のみ。これは素晴らしいことですね。
しかも、チャーロvsチュー戦が決まりそうだとか。
これは非常に胸アツ、ここは4団体を統一したチャーロにとっては返上しても良いタイミングでもありますが、4つのタイトルを持ってチューを迎え撃つ、というのは実際なかなかできることではないと思います。
前戦では、あまり良いパフォーマンス、といえる内容ではなかったチューですが、この試合が決まればかつてないほどモチベーションは高く、底の底まで見せてくれそうな気がします。
試合決定のニュースを待ちましょう。
ウェルター級(3名)
WBAスーパー・WBC・IBF
エロール・スペンスJr(アメリカ)
WBO
テレンス・クロフォード(アメリカ)
WBAレギュラー
エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)
これもまた、10月という噂のクロフォードvsスペンス。
スペンスと戦いたくて、クロフォードはトップランクを飛び出ました。今はフリー、なのでしょうか。フリーなんかになれば、今以上に試合枯れしそうなものですが。。。
ともあれ、このスペンスvsクロフォードが決まった日には、世界中のボクシングファンはお祭りです。
交わらなかったライバル対決は数あれど、こんなにもプライム・タイムで交わるライバル対決というのは、かつて「黄金の中量級」と呼ばれた時以来のマッチアップ。知らんけど。
これがもし、噂通り10月に開催するなら、アンダーカードにそのほかの4団体統一戦(例えば井上尚弥vsポール・バトラー)挟んでも良いくらい。と、なんとなく書いてみたけどこれは良い案じゃないですか?
スタニオニスは置いてきぼりですが、このスペンスvsクロフォードの勝者はPFPキングに相応しいのだろう、と思います。
スーパーライト級(1名)
IBF・WBO
ジョシュ・テイラー(イギリス)
WBA王座は剥奪、WBC王座は返上、ということで現在2冠の元4団体統一王者のジョシュ・テイラー。2022年夏、ご結婚&新婚旅行とのことで、おめでとうございます。
ウェルター級進出、とのことですが、まだそのアクションはありません。
前戦で大苦戦、疑惑の判定と言われる内容で何とかサバイブしたことで、ボクシングファンからの風当たりは強いようです。
いやでもポストルやらプログレイスやらラミレスやらを退けてきたテイラーの偉業が霞むことはないはずです。今後、テイラーがどうするのかはわかりませんが、ウェルター級はちょっときついような気がします。
WBA王座は8月20日にアルベルト・プエリョ(ドミニカ共和国)vsバティル・アフメドフ(ウズベキスタン)で決定戦、WBC王座はホセ・セペダ(メキシコ)vsホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)が決定戦で激突します。
統一戦は、如何に。
そんなわけで、ブリッジャー級を入れての8階級の世界王者たち。ブリッジャー級については、階級に一人の王者ですね!オスカル・リバスこそ真のブリッジャー級の世界王者です。果たして防衛戦は行われるのか。。。
すでに4団体が統一された階級が、スーパーミドル級(カネロ)とスーパーウェルター級(チャーロ)。スーパーミドル級についてはモレルという王者もいますが、カネロが戦うメリットが皆無の王者なので、スーパーミドル級の真の統一という線はなさそうです。
ウェルター級については、「決まってくれ」と毎日のように祈るしかありません。世界中のファンが望んでいるはずで、ここが決まるか決まらないかは今後のボクシング人気にも影響出るんじゃないか、と思うくらい。
それでいうとライトヘビー級の統一も決まって欲しいですね。今年中とか我儘は言いません。これの障害は、再戦に強そうなカネロを、ビボルがまたしっかりと退けるか、もしくはこのリマッチが行われないか、というのが関係してきます。カネロは負けてもカネロ様、やはり影響力は甚大です。
スーパーライト級のタイトルについては、テイラーが結局全てを手放してウェルター級に行くのか否か、で決まってきますが、その動向がわかるのは秋以降かもしれません。今はゆっくりさせてあげましょう。
そして統一が進まなそうなミドル級、そしてクルーザー級。クルーザー級なんて統一の「と」の字も出なさそうな雰囲気ですが、オコリーがこの階級を統一してからヘビー級へ挑戦してくれる事を期待しています。
ミドル級はGGGがカネロ戦後にどう出るか、にもよりますが、ここで最も統一を望んでいそうなのはチャーロかな、と思います。弟が4団体統一王者となり、負けていられないでしょうから。そういえば暴行事件から未復帰。
ということで以上、ヘビー級からスーパーライト級までの世界王者をピックアップしてきました。今回のキモは、クルーザー級の王者たちが全員わかったか、ということですかね。ちなみに私はグラミリアンの試合、見たことないかも。。。
それでは、また明日笑。
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