さてさて、日本時間7/17(日)はライアン・ガルシアの登場です。
エリミネーターが非常に多かった、という興行で、DAZNの本放送以外のアンダーカードもDAZNのYoutubeチャンネルで放映されていました。
このブログを書いている時点で、しっかりとアーカイブも残っているのでありがたいですね。ミニマム級のオスカー・コラーゾ(アメリカ)は、今後日本人ボクサーとの絡みもありそうな注目選手なので、あとで映像を見てみたいと思います。
さて、ということで、今回のブログではライアン・ガルシアvsハビエル・フォルトゥナをメインに据えた、GBP興行の観戦記です。
↓プレビュー記事
7/16(日本時間7/17)アメリカ・カリフォルニア
DAZNの本放送のオープニングアクトは、信太個人的注目ボクサー、リカルド・サンドバル!
フライ級12回戦
リカルド・サンドバル(アメリカ)20勝(15KO)1敗
vs
デビッド・ヒメネス(コスタリカ)11勝(9KO)無敗
WBOフライ級のエリミネーター、とのことですね。WBO世界フライ級王者は、我らが中谷潤人。
さて、ゴング。勢いよく飛び出たのはヒメネス。サンドバルはサークリングしつつ鋭いジャブ。非常に積極的に攻めてくるヒメネス、サンドバルは距離とボディムーブでヒメネスの攻撃をかわします。
サンドバルはジャブが良く、機動力のあるヒメネスの顔面を幾度も捉えています。
2R、前ラウンドの中盤以降、よく動くのはヒメネス。サンドバルは左起点のコンビネーションでヒメネスを攻め立てます。
ヒメネスは運動量が多く、動きながらパンチを出せるボクサーで、こちらも好ボクサーです。
3R、ヒメネスはパワーもありますね。特にフック系のパンチは思い切り振り回してきます。ちょっとヒメネスの怒涛の手数にさらされているように見えますが、ジャブはサンドバルの方が良い。
4R、両者、前後に動きつつの打撃戦。ヤマ場が欲しいところですが、どちらか一方が極端に攻め込まれる場面は訪れません。
サンドバルはジャブの他にも右アッパー、左ボディも良いですね。
5Rも展開は変わらず、お互いに動きながらの打ち合い、ミスブローも目立ちます。ともにアグレッシブで良いですね。
6Rの中盤にはサンドバルが左フックカウンターをヒット。ここでヒメネスは動いて回復。終盤には強い右を当てる等して盛り返します。
7R、ヒメネスは非常に機動力があり、ここまで全く動きも衰えない事からスタミナも十分、パワーもあり、ハートも強い。これは素晴らしいボクサー。しかも、おそらくタフ。
手数も豊富で、このラウンド、サンドバルはこの手数とパワーにやや押されているように見えます。
が、ヒメネスはここで減点。ホールディング?確かに近い距離で抱え込んでしまったか。
8R、サンドバルも手数で対抗、近い距離での激闘が繰り広げられます。ともにキビキビと動き、様々なアングルからパンチを当てあいます。
後半、サンドバルが左右のフックを当ててヤマ場をつくり、ヒメネスはステップでエスケープ!ヒメネスはダメージがあるか、ピンチ!サンドバルはガンガン攻めますが、ここでもヒメネスはサンドバルの左腕を抱えこみ、追撃を阻止しています。こういうところも巧いボクサー。
9R、ヒメネスはダメージがあるか、サークリング。ただ、このヒメネスは動きながらのカウンターも得意なのでしょう、劣勢を感じさせません。
中盤には体を寄せ、近い距離でボディワークを使いながらのカウンター戦法、戦い方の引き出しはこのヒメネスの方が多いのかもしれません。
10R、このラウンドはガンガン攻めるヒメネス!旺盛な手数で攻め入り、サンドバルもそれに応戦!後半に入っても全く落ちないヒメネス、むしろ元気になっているくらい。サンドバルはほんの少しガードポジションが下がり、被弾が増えている印象。
11R、このラウンドもともにアグレッシブ。後半、少しサンドバルのクリーンヒットが上回ってきたか、というところでヒメネスの下がりながらの右カウンターがヒット!!これでサンドバルはダウン!立ち上がったサンドバルに、攻め入ったヒメネスでしたが、ここでゴング。
互角の展開の中で、ヒメネスは値千金のダウン奪取!!終わってもおかしくない位のタイミングで入った右でしたが、立ったサンドバルも素晴らしい。
ラストラウンド、当然のように攻めるヒメネス、サンドバルも強気に打ち返します!近い距離での打撃戦は、二人のボクサーのハートの強さを感じます!
ヒメネスとしてはアウェーの地で、倒しきらなければという思いは強いでしょうし、サンドバルとしても先程のダウンを挽回したいところ。
ともあれ、12ラウンズにわたる打撃戦は、両者ともに動きがほとんど落ちないまま終了。いや、やや疲れが見えるのはサンドバルの方か。
判定は、112-114×2、113-113、勝者はデビッド・ヒメネス!!!
ほとんど互角の展開だったので、どちらが勝ったかはわかりませんでしたが、地の利を活かしてサンドバルの勝利かと思っていました。
デビッド・ヒメネス、お見事です。
スーパーフェザー級12回戦
レイモント・ローチ(アメリカ)22勝(9KO)1敗1分
vs
アンヘル・ロドリゲス(ベネズエラ)20勝(10KO)1敗
レイモント・ローチというボクサーは、非常にディフェンス勘に優れたボクサー、だと思っています。今回は、しっかりとプレスをかけながら相手のパンチを外し、パンチを前でかわしつつ攻撃。非常に手数も出ていましたが、ロドリゲスも非常に反応がよく、回転力のあるボクサー。
振り回すフックはKO率以上の怖さがありましたね。ただ、全体的に試合を支配していたのはローチ。ロドリゲスはロープからロープへまわり、どうしても劣勢感が否めません。
4Rにロドリゲスはローチにローブローをクリーンヒット!スローで流れますが、ここまで完璧なローブローは珍しい。下腹部に当たる、ということはよくありますが、これはもうアレです。竿の上くらい。
5Rには右カウンターを効かせてチャンスをつくったローチでしたが、ロドリゲスも非常にディフェンスの良いボクサー。結局、ローチはロドリゲスを倒し切る事はできませんでした。
このアンヘル・ロドリゲスというボクサーは、非常にハンドスピードが速く、タイミングも持っています。ただ、やはりローチの方がクリーンヒットで大きく上回りました。ロドリゲスのポテンシャルを考えれば、もっと別の戦い方があるような気もしますが。
ローチは強いプレスをかけながら相手の反撃を無効化、ほぼ完璧に戦い切りました。このKO率の低さは気になりますが、何が行けないのかはよく解りません。倒しきれるボクシングをしているのに倒しきれない、というのは、パワーレス、ということなのでしょうか。
判定は、116-112×2、117-111でローチ。
ウェルター級10界戦
アレクシス・ロチャ(アメリカ)19勝(13KO)1敗
vs
ルイス・アルベルト・ベロン(アルゼンチン)19勝(9KO)4敗2分
基本的にはロチャがリング中央に陣取り、ベロンはそこからサークリングしつつ動く、という展開。2Rには早々にそれが顕著になり、ベロンは大きくリングを使う場面が増えていきます。ロチャは手数も豊富で、そしてパワフル。
ベロンはサバイバルモード、と言われても仕方のないようなステップワークを使う事も多く、中盤にはロチャのストップ勝ちが期待される試合内容。
かなりディフェンシブな戦いとなったベロン、こういうボクサーを仕留めきるのは容易ではありませんね。セミセミのローチvsロドリゲスもそうでした。
ベロンは基本的にはガードを固めてステップ、そして時折思い切り、振る。まだ力が余っている段階でこういう戦い方にシフトすることは、相手に警戒させることができ、相手が深く入ってくるのを防ぐ事ができる、というのは確かにありますが、見ている方としては面白いとは言えません。
ファイナルラウンドは非常に手数のでたベロンでしたが、当然遅きに失しています。
判定は、100-90×2、99-91でアレクシス・ロチャ。
スーパーライト級12回戦
ライアン・ガルシア(アメリカ)22勝(18KO)無敗
vs
ハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ共和国)37勝(26KO)3敗1分
ライト級、ではなくてスーパーライト級の戦いでした。事前に見たBoxRecではライト級12回戦となっていて、DAZNの表記もライト級12回戦。変わったのか??
ともあれ、この一戦は140lbs、スーパーライト級の12回戦のようです。
花火、DIORのガウン、ド派手に入場してきたキング・ライアン。そのパフォーマンスに注目です。
初回、まずはガルシアが鋭いジャブ。体格はやはりガルシアの方がでかい。明らかに強そうなジャブの他に、得意の左フックを中間距離からまわし、これをフォルトゥナはブロッキング。
少し手が出ないフォルトゥナはガルシアのスピード、パワーに呑まれているか。
ハーフタイム頃からガルシアの打ち終わりを狙い始めたフォルトゥナ、サウスポースタンスから左のオーバーハンド、右フックを振りながら迫ります。
しかし、外側からの大きなパンチはガルシアに距離でやすやすと外され、逆にガルシアのインサイドからの右ストレート、外側からは左フックで攻められます。
終盤、ようやくガルシアの体に届き始めたフォルトゥナの左。勝負はこれからです。
2R、少しずつジャブが出始めたフォルトゥナ。ガルシアはジリジリとプレス、から遠い距離から非常に良く伸びる右ストレート。
下がりながらの右ストレートもヒットしたガルシア、後半には1-2-1のコンビネーションもヒットし、プレスを強めます。
3R、パンチを出さずにフォルトゥナを追い詰めていくガルシア。頭も振らず、やや棒立ち気味に見えますが、フォルトゥナから見ると距離が遠いのでしょうか。もしくは、反応が良いために躱されるのが見えているのか。フォルトゥナはそのガルシアに先手で攻められていません。
長い距離からガルシアはやりたい放題、コンビネーションを打っては少しだけバックステップしてフォルトゥナの射程距離外、フォルトゥナは前に出るべきですがなかなか出られません。ただ、ガルシアの打ち終わりを狙うパンチはやはり怖い。
4R、ここもガルシアがプレス。フォルトゥナは左オーバーハンドを狙いますが、これは単発で単調、距離的には届くもガルシアはしっかりブロッキング。まっすぐの左と織り交ぜて使えばまだマシですが、完全に見切られてしまっています。
と、思っていたらそれをやったのはガルシアの方で、これまでほとんど見せていなかったやや長めの右フック。ここからコンビネーションへつなげ、下がったフォルトゥナを追いかけて左ボディ!これでフォルトゥナはダウン!マウスピースを吐き出して時間稼ぎ!
明らかにボディが効いたフォルトゥナでしたが、その後はガードを下げてヘッドムーブ、ガルシアを挑発!何故か動きが良くなりました。
5R、ダウンを奪われたからか、迷いがなくなった感のあるフォルトゥナは相打ち覚悟の左。今度はしっかりとガードを上げ、頭を振って近づこうとしています。
が、1分過ぎ、抜群のタイミングでガルシアの左フックがヒット!一拍置いて倒れたフォルトゥナ!
2度目のダウンから立ち上がったフォルトゥナに対してガルシアは攻め続けますが、フォルトゥナは足を使ってエスケープ。早々に回復した、わけではないと思いますが、ダメージを感じさせずに攻め込む場面も。
6R、開始20秒ほどのところでガルシアのワンツーフック・コンビネーションがヒット!またも得意の左フックでカウントを効かせ、レフェリーはストップ!!
ライアン・ガルシア、6RTKO勝利!!
決着後、すぐにフォルトゥナへ駆け寄り、フォルトゥナの健闘をたたえたガルシア。
いやー、強いですね。
ハビエル・フォルトゥナはほとんど何もできませんでした。
ライト級でもそうですが、スーパーライト級であればなおさら、フォルトゥナの不利は明らかではあったものの、強い倒し方でアピールしたライアン・ガルシア。
試合前から呼びかけている、タンク・デービスとの対戦はなるのでしょうか。
どうやらライト級に戻る気はなく、スーパーライト級で戦っていく、とのことですが、スーパーライト級よりもライト級でやってほしい、と思いますよね。タンクがスーパーライト級戦を受けるか、というとどうなんでしょうか。
何だか交わらなそうな気がする。。。
ということは、やっぱりスーパーライト級でテオフィモ・ロペス戦だと面白そうですが、トップランクなので難しいかもしれませんね。
これも何だか交わらなそうな気がする。。。
そしてUndisputedチャンプ、デビン・ヘイニー。ライアン・ガルシアは何だか興味がなさそうです。しかも、ライト級で戦うつもりはない、と。
これは交わらないのでしょうね。。。
かつて対戦が期待されたボクサーたちが、雌雄を決する日は果たして来るのでしょうか。
そしてスーパースター、ライアン・ガルシア。未だ、無冠。
本人はタイトルにこだわりはないようですが、やはりタイトル戦に絡んでほしい、と思うのは、私が未だにタイトル戦に魅力を感じてしまうオールドファンだからでしょうか。
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