なんとか色々と書きたいプレビュー記事は間に合いそうです。
いくつかをまとめて書くと、一つ一つは薄くなってしまいますがご容赦ください。
週末はアメリカではバージル・オルティスJrの病気からの復帰戦であったり、国内ではダイナミックグローブとクラッシュボクシングという東西での注目興行があったり、ですが、個人的に非常に楽しみにしているのがイギリスの興行。
アメリカではESPNで放送されるトップランク興行には、リー・ウッド(イギリス)戦での敗戦から復帰戦を戦うマイケル・コンランが、そしてDAZNで放送されるマッチルーム興行には、ダルトン・スミスが登場です。
どちらも非常に基礎的な事がしっかりとしているいかにもイギリス的なボクサーで、こういうボクサーはボクシング競技をやる上で大変参考になるボクサーたちです。
ということで今回のブログでは、週末、2会場で行われるイギリス興行のプレビュー記事。
8/6(日本時間8/7)イギリス・ベルファスト
マイケル・コンラン(アイルランド)16勝(8KO)1敗
vs
ミゲル・マリアガ(コロンビア)30勝(26KO)5敗
イギリス、とはいっても北アイルランドのベルファストで行われる一戦は、アイルランド国籍でベルファストを拠点にしているコンランのどホームです。
イギリス、アイルランドでのコンラン人気は凄まじいもので、マリアガはおそらく大きなブーイングに包まれることになるのでしょう。
こういう場合、マリアガを応援したくもなりますが、今回、私が応援するのはマイケル・コンラン。
コンランは2012年のロンドン五輪で銅メダルを獲得し、2016年のリオ五輪にも出場。準々決勝でウラディミール・ニキチンに判定負けを喫しますが(ちなみにプロできっちりと雪辱)、判定を不服として中指をたて、それが大きく問題視されたボクサーです。
そのことを機にアマを去り、プロ転向したコンランは連戦連勝。決してエキサイティングとはいえないボクシングではあるものの、イギリスボクシングのオーセンティックなものを継承した、由緒正しき(?)イングリッシュ・ボクサーです。
2021年にTJドヘニー(アイルランド)を破ってWBA世界フェザー級暫定王座を獲得も、程なくWBAが王座削減に動き、この暫定王座はあっという間に無くなりました。それでも、指名挑戦権は有しており、2022年3月にWBAレギュラー世界フェザー級王者のリー・ウッド(イギリス)へ挑戦。
超がつくほどの大激闘で大接戦、2022年のファイト・オブ・ザ・イヤーの最有力候補に数えられようか、というほどの白熱した一戦は、最終12R、リー・ウッドが劇的なノックアウト勝利。
下馬評では優位と見られていたコンランでしたが、初挑戦で初戴冠とならず、初黒星を喫してしまいました。
それでも決して評価を落とすような内容ではなかったこの敗戦からの復帰戦が今回の一戦です。
対戦相手のマリアガは、これまで3度の世界挑戦を果たしているハードパンチャーで、ここ最近はやや負けが混んできているように思えるボクサー。
2015年にニコラス・ウォータース(ジャマイカ)、2017年にオスカル・バルデス(メキシコ)、同年にワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に挑んでいますが、ストップ負けはロマチェンコ相手のみ。(ストップ負けというかこの頃はロマがノー・マス無双をしていた頃。)
2020年以降はジョエト・ゴンサレス(アメリカ)に負け、再起戦では勝利するも前戦ではエドゥアルド・ラミレス(メキシコ)に判定負け、そして今回の一戦となります。
ここはコンランに良いところを見せてもらいたいですね。そして世界戦線に復帰してもらいたい。
WBAレギュラー世界フェザー級王者、リー・ウッドとの再戦はまた激闘になる予感で非常に興味がありますが、ウッドにはWBAスーパーの同級王者であるレオ・サンタ・クルス(メキシコ)との試合が持ち上がっています。
ちなみに、先日WBC王座への挑戦権を獲得したアイザック・ドグボエ(イギリス)がウッドと戦いたい(逆にいうとWBC王者のナバレッテとは戦いたくない?)と話しており、その流れで「マイケル・コンラン戦も同様に興味がある」としています。
コンランvsドグボエなんて、これはまた垂涎のマッチアップ。ドグボエも現在の国籍はイギリス(拠点はアメリカのフロリダ)ということなので、コンランがここに勝てばワンチャンありそうな感じが、しないでもありません。
是非実現してもらいたいですね。実現したらどっちを応援するか迷うのですが。
放送・配信
この興行は、アンダーカードにはアイルランドのプロスペクトたちが大集合です。アイルランド人にとってはお祭りみたいな興行ではないでしょうか。
コンラン人気からか、(それともただトップランク興行だからなのか)アメリカでもESPNが生中継。
そして日本では、FITE.TVがPPV配信をしてくれる予定です。
配信日時は、日本時間で8/7(日)AM3:00〜。多分メインはAM6:00かAM7:00頃ではないかと思います。
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そんなマイケル・コンランと契約を結んでいる、(おそらく試合でも使用するでしょう)FLYのグローブは、なかなか日本では手に入りません。
私の始めたボクシング用品専門ショップでは、8/1〜正式な取引を開始し、現在(8/7まで)はなんと5%OFFで提供可能です。
7月までは本国でも在庫切れを起こしており、本国で在庫補充があったことから取り扱いを開始しましたが、いつ無くなるともしれません。是非、買えるうちにどうぞ。
8/6(日本時間8/7)イギリス・シェフィールド
ダルトン・スミス(イギリス)11勝(9KO)無敗
vs
サム・オメイソン(イギリス)17勝(7KO)3敗1分
イギリス・イングランドのヨークシャー州、シェフィールドといえばあのナジーム・ハメドを生み出したお土地柄ですね。
シェフィールド出身の25歳プロスペクト、ダルトン・スミスのプロ12戦目です。
このスミスについてはよく知らなかったので、いくつかのハイライトを視聴。非常にガードが高く、そして固く、足が使えてカウンターを打てる、というボクサーで、総合力としては非常に高いですね。
KO率ほどのパンチングパワーは感じませんが、前々戦のレイ・モイレッティ(アイルランド)を倒した試合を見る感じでは、非常にタイミングに優れています。
このスミスも、伝統的な英国ボクサーの流れを組むオーセンティックなボクサーファイターで、やっぱり私はこういうスタイルが好きです。(こういうスタイル「も」かもしれません。)
キャリア4戦目までは明らかなアンダードッグ相手だったスミスの相手は、その後それなりの相手となり、今回もその続き、という印象。今回はスミス初の12ラウンズということで、おそらく初のメインイベントに抜擢。
前戦は尾川堅一(帝拳)vsジョー・コルディナ(イギリス)、その前はキコ・マルティネス(スペイン)vsジョシュ・ウォーリントン(イギリス)といったイングリッシュヒーローたちのアンダーカードに抜擢されている分、期待値は高いと見ます。
2022年のリング登場は3度目と頻繁にキャリアを積み重ねており、順調に勝っていってジョシュ・テイラー(イギリス)の後継王者に座らせたい、ということでしょう。
サム・オサリバンというボクサーについてはもっと知りませんが、前戦は2022年5月、4回戦で戦っています。(判定勝利)
その前が2019年9月ということで大きくブランクをつくっているので(コロナの影響か?)、完全に調整試合として一試合挟んだ、ということで4回戦だったのかもしれませんね。
ともあれ、ここはダルトン・スミスのお手並み拝見。DAZN放映の興行のメインを張る、ということであれば、期待して良いのではないでしょうか。
放送・配信
この興行はDAZNで生配信。
日時は、日本時間8/7(日)AM3:00〜と北アイルランド・ベルファスト興行とモロかぶり。日本でもそうですが、ちょっとは配慮したほうが良いのでは。
イングランドに住む人はDAZNを見て、北アイルランドに住む人はFITE(イギリスでもFITEで中継)を見るのでしょうか。というか、同時視聴か。
イギリスも、アメリカも、そして日本も、ボクシングはアツい。
そういえば誰かがK-1やRIZINに負けている、と言っていたようですが、何をもって勝ち負けとするのかは私にはよくわかりません。ボクシングはあまりエンターテイメントに走らないでほしい。たとえどんなに注目を集めたとしても、イロモノの試合は私にはいらない。あくまでも、競技性の高いスポーツであってほしいと願います。