今年のバレンタインデーを覚えていますか?
日本時間で今年の2/14、アップセット・オブ・ザ・イヤー候補にもノミネートされるであろう一戦、ジョシュ・ウォーリントンvsマウリシオ・ララが行われました。
もう随分前の事のようにも感じますが、まだ半年前のことです。
前IBF世界フェザー級王者、ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)は、当時のWBAレギュラー王者でるシュ・ツァン(中国)、またはWBC王者のゲイリー・ラッセルJr(アメリカ)との統一戦を目指していました。
ラッセルJrとの交渉は、ラッセル側が報酬が安すぎる(といっても100万ドル)という理由で試合は成立せず、WBAのレギュラー王者であったツァンとの統一戦については、WBA側が認めず。スーパー王者にレオ・サンタ・クルス(メキシコ)がいたために、レギュラー王者であるツァンとの統一戦を認めないというのは当時のWBAの決めていたルール上、筋の通ったものでした。
果たしてツァン戦を目指して、ということなのか、それとも一度大苦戦を強いられた当時のIBF指名挑戦者、キッド・ギャラハッド(イギリス)を避けたのか、それはわかりませんが当時のウォーリントンは IBF王座を返上、そしてマウリシオ・ララ(メキシコ)なるボクサーと調整試合を選択しました。
尚、ウォーリントンの返上により、空位となったIBF王座は、ギャラハッドが決定戦により戴冠しています。
そしてその調整試合のはずだったマウリシオ・ララ戦で、ウォーリントンはまさかの初黒星、それもダウンを奪われての完璧なノックアウト負けを喫してしまいました。
この「まさか」の負けは、当時ボクシングファンの間でかなり話題になっていましたね。
そして半年の月日を経て、両者が再戦。
今回のブログでは、9/4(日本時間9/5)に控える、マウリシオ・ララvsジョシュ・ウォーリントンの再戦、DAZN興行についてです。
9/4(日本時間9/5)イギリス
マウリシオ・ララ(メキシコ)23勝(16KO)2敗
vs
ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)30勝(7KO)1敗
ララはウォーリントンに勝利したことで一気に株とランクを上げ、現在IBFランキングでは3位(1位と2位は空位)のトップコンテンダーの位置につけ、その他にもWBCで4位、WBOで7位と世界上位ランクにつき、世界挑戦のウェイティングサークルに入っています。
この再戦は、まさにウィナー・テイクス・オール。
果たしてウォーリントンが評価とランキングを取り戻すのか、それともララがウォーリントンを返り討ちにして、引導を渡すのか。
出身地のイギリス・リーズにあやかり、「リーズ・ウォリアー」というニックネームを持つウォーリントンは、地元リーズにこの強敵を迎え、リベンジを目指します。(前回はロンドン)
並々ならぬ決意を持つウォーリントンは、前戦の直後のインタビューで、「ララと再戦して勝てない場合、引退をする可能性が高い」と言っています。
同胞、アンソニー・ジョシュア(イギリス)に意見を求め、敗戦から立ち直るためのメンタルを学んだ、とも答えていました。
しかし、ウォーリントンはジョシュアほど(闘いの幅、という面において)器用ではなく、手数を武器にしたスタミナファイトが彼の信条。おそらく闘い方を変える事はできないのではないでしょうか。
そうなると、マウリシオ・ララとは非常に相性が良くない。
ララは、こちらも不器用ながら、一発一発を力強く打ち込むメキシカンファイター。前回はその強い一発が4Rに完全にウォーリントンを捉え、あの時勝負が終わっていてもおかしくはありませんでした。
何故だか続行させたレフェリー、そしてそこから盛り返したウォーリントン。
ララを効かせた場面もつくりましたが、結局は9Rに力尽きてしまいました。
それを可能にしたのは、マウリシオ・ララのパワーパンチです。
ウォーリントンの前進&手数で押し切るファイトでは、今回もララのパワーパンチの被弾は避けられないでしょう。そこに、前回と違って全力で警戒し、コンディションを整えていくということが非常に大切になってきます。
おそらく前回は、「負けるはずがない」という油断が、本人にも陣営にもあったでしょう。(我々ファンにもあったはず。)
今回、ウォーリントンは言い訳ができません。抜群のコンディションで、地元リーズの声援を糧に、世界戦線へ戻ってきてもらいたいものです。
この半年、フェザー級戦線は大きく変わっています。
シュ・ツァンに変わってリー・ウッド(イギリス)がWBAレギュラー王者となり、同暫定王者にはマイケル・コンラン(イギリス)がつきました。そしてWBAは暫定王者を撤廃、ウッドとコンランに指名戦をオーダーしています。
このイギリス国内対決ならば、ここにウォーリントンが混ざる事は容易なのではないか、と思います。
ララの勝利はスペクタクルであり、非常に興奮するものではありましたが、ここはもう一度、ジョシュ・ウォーリントンというパワーレスながらそれを補って余りあるエンドレスファイターぶりに期待したいです。
セミファイナルは、女子4団体統一ライト級王者、ケイティ・テイラー(アイルランド)が登場です。
18勝(6KO)無敗というパーフェクトレコードを誇るこのテイラーは、UndisputedChampであり、女子ボクシング界のアイコンのひとりです。
対戦相手は18勝(1KO)3敗1分というジェニファー・ハン(アメリカ)というボクサーで、アジア人(中国?)の血が入っていそうなボクサーですね。
予想としては、テイラー絶対優位は動かないところでしょう。
そして、おそらくその前に組み込まれるであろう(もしくはセミファイナルになるか?)、このカード。
WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトルマッチ
コナー・ベン(イギリス)18勝(12KO)無敗
vs
アドリアン・グラナドス(メキシコ)21勝(15KO)8敗3分1NC
本来、7月末に開催される予定だったこの一戦は、コナー・ベンのコロナ罹患により延期に。この一戦はマッチルーム・ファイトキャンプのメインイベントだっただけに、非常に残念でしたね。
しかし、一月ほどの延期を経て無事開催されることが決まっています。
たった一ヶ月で大丈夫なのか。。。?とも思いますが、少し前にはジョシュア・ブアツィvsリチャード・ボロトニクス戦でも会場に姿を現していましたので、きっと大丈夫なのでしょう。
「ダーク・デストロイヤー」ナイジェル・ベンの息子にして、英国のプロスペクト、「デストロイヤー」コナー・ベンが登場です。
世界王者を嘱望されるベンは、前戦でサミュエル・バルガス(コロンビア)、その前にセバスチャン・フォルメラ(ドイツ)を降しており、一つ一つ課されたテストをクリアしていっている、という状況です。
今回のグラナドス戦もその流れを組むようなマッチメイクで、もうそろそろ大きな勝負をかけても良いのではないか、とも思いますが。
フォルメラはショーン・ポーターと戦い、バルガスはエロール・スペンスJr、ダニー・ガルシア、アミール・カーン、そしてバージル・オルティスJrと戦い、それぞれ敗れています。
そして今回のグラナドスは、エイドリアン・ブローナー、ショーン・ポーター、ダニエル・ガルシア、ロバート・イースターJrと戦い、敗れています。
世界タイトル戦こそ経験していないものの、世界のトップと戦ったボクサーをしてキャリアを積ませるのは実力も測れ、歓迎なのですがこのグラナドス戦で卒業なるか、というところ。次は元王者あたりを相手にしてもらいたい。
さて、グラナドスは上記の通り、歴戦の雄。8敗していますが、実はKO負けは一度のみ、相手はダニー・ガルシア。
ここでベンが衝撃的なノックアウトを飾ることができるのであれば、一気に評価を高めることができるのかもしれません。
しかし、グラナドスは心身ともにタフで、おいそれと倒せるようなボクサーではありません。敗北した戦いにおいても、とにかく接戦が多い。
ベンはここで停滞したくないですね。
ウェルター級は、王者たちはもとより、プロスペクトたちも本当に粒ぞろい。同じくプロスペクトのバージル・オルティスJr(アメリカ)は、難敵エギディウス・カバラウスカス(リトアニア)を見事に倒しきって見せました。
↓観戦記
今回、コナー・ベンがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみです。
これからどんどん新陳代謝が進んでいきそうナこのウェルター級、クロフォードやスペンスたちもうかうかしていられない。。。そんなふうに思える試合を期待しています。
そして、今でなくてもいいので、いつしか統一戦あたりでオルティスvsベンというのも見たいものですね。プラットフォームはDAZN、このままふたりが順調に勝ち進み、諸々(契約とか)が問題なく上手くいけばいつかは。。。
ということで、今回のブログは来週に迫ったマッチルーム興行のプレビューでした。
ベンは問題なく勝利する事が絶対で、そのパフォーマンスにこそ焦点が集まります。
そしてジョシュ・ウォーリントン、もしかするとこれが最後になるのかもしれません。前回のKO負けの記憶がまだまだ残る中、ウォーリントンにとっては厳しい闘い。是非とも実力を発揮し、悔いのないように戦ってもらいたいものですね。
ボクシングは夢の潰しあい。勝者はすべてを手にする、本当に厳しい世界です。
この興行は、DAZNで生配信。イギリス興行なので、日本時間9/5(日)AM3:00開始と早いです。正直、DAZNは試合順がいつもわからないんですよね。。。
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