足を怪我しているにも関わらず、フジロックフェスティバルに行ってきた私。
一応PCは持っていったものの、そんな状況でブログの更新はできるわけはなく、書きたいプレビュー記事と観戦記は予定が詰まってしまっています。
なので今週〜来週にかけてはサクサクとアップしていきたいな、と思っています。
ということで今回は、週末の国内興行、ダイナミックグローブとグリーンツダ興行のCRASH BOXINGのプレビュー記事です。
8/6(土)ダイナミックグローブ
WBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチ
豊嶋亮太(帝拳)15勝(9KO)2敗1分
vs
アダム・ディウ・アブドゥラミド(フィリピン)17勝(9KO)10敗
2021年、王座初挑戦で非常に評価を高めていた長濱陸(当時角海老宝石)を破り、初防衛戦が当時WBOアジアパシフィック王者だった別府優樹(当時久留米櫛間&別府優樹)とのアジア2冠統一戦、そして極めつけは無冠の強豪、坂井祥紀(横浜光)を明確に降して2冠王座を防衛。
間違いなく、2021年に最も大きく飛躍した日本人ボクサーの一人でしょう。
なんとも激動の2021年を過ごした豊嶋が、2022年初登場となるのが今回の一戦です。
対戦相手はアブドゥラミドというフィリピン人ボクサー、ウェルター級のフィリピン人ボクサーというのはなかなか珍しい部類ではありますね。そう言ってしまえば、アジア圏全域がそうなのですが。
このアブドゥラミドは前戦が2022年3月で、ロシアで戦って無敗のビタリ・ぺトリャコフ(ロシア)に6RTKO負け。これまでに10敗していますが、アブドゥラミドが負けた相手の多くは無敗、もしくは敗戦の少ないボクサーで、逆に勝利しているボクサーは勝ちと負けが半々か、負け越しのボクサーが多い状態。
しかも、OPBFランキングには入っているようですが、WBOアジアパシフィックのランキングには(このブログを書いている8/2時点では)入っていません。これからねじ込むのでしょうか。そもそもこのWBOアジアパシフィックのランキングはあまり更新されていませんね。
このアブドゥラミドは、フィリピンの国内王者、とのことですが、フィリピンは日本同様に中量級は活性化していません。豊嶋にとっては、防衛戦とはいえ調整試合とも言えますね。豊嶋の強さを知っているからこそ、この辺りのボクサーには負けはおろか苦戦もしてほしくはありません。
そのファイトスタイルも相まって、村田諒太の後継者(まだ引退とは言っていませんが)といえばこの豊嶋しかいません。是非とも日本の中量級の力を世界に示してもらいたい。
アンダーカード
李健太(3勝1KO無敗1分)、矢代博斗(2勝2KO無敗)、浦川大将(7勝4KO1敗)、嶋田淳也(1勝無敗)、野田賢史(2勝2KO1敗)、小川寛樹(今戦デビュー)といった帝拳ホープたちが続々と登場です。
対戦相手の力量次第ではありますが、前回のダイナミックグローブ同様、進行が早くなる可能性は大いにありますね。
帝拳ホープたちはコロナとそれにプラスしてGGGvs村田のためにジムに通えない期間があったはずで、結構なブランクをつくっています。是非ともその鬱憤を晴らすような勝ちっぷりを期待したいものです。
放送・配信
このダイナミックグローブは、日テレG+で録画放送。そう、残念ながら録画放送です。
なのでもう全体的に早い回のノックアウトで終わってくれても良いくらいですね。
放送日は、8/9(火)21:30〜とのことなので、同日にFODプレミアムで生配信されるダイヤモンドグローブと時間がかぶるのかな?かぶらないのかな?くらいですね。
まあ、正直ダイヤモンドグローブを見てからダイナミックグローブを見る、というのは非常に疲れると思うので、どちらかは後日にするかもしれません。。。
8/7(日)CRASH BOXING
フェザー級8回戦
下町俊貴(グリーンツダ)14勝(10KO)1敗2分
vs
水野拓哉(松田)17勝(14KO)3敗1分
2017年の全日本新人王であり、元日本ユース・スーパーバンタム級王者である下町。現在5連続KO勝利中と勢いがあり、一つの引き分けを挟んで12連勝中でもあります。一つの敗戦はデビュー3戦目のことであり、今となっては過去のこと。
しかも対戦相手の質も非常に高く、現日本ユース・フェザー級王者英洸貴(カシミ)を5RTKOで降す等、関西のホープと言って差し障りがありません。
その下町の相手が松田ジムの水野。こちらも元日本ユース・スーパーバンタム級王者。
これまでのキャリアではデビューから水野の一歩先を歩いていたイメージで、2019年にはWBOアジアパシフィック王者、森武蔵(現志成)への挑戦経験もあります。
森武蔵戦で判定負け、続く再起戦となった松本亮(大橋)戦でも判定負けを喫してはいますが、一定以上の実力を示し、特に松本戦は互角の内容。不運なダウンポイントにより判定負けを喫し、ランキングさえも失ってしまいましたが、この下町戦は捲土重来の大チャンスと言えます。
強豪相手とはいえ2連敗中の水野は、ここで結果を残したいところ。下町のホームに乗り込むことも含め、モチベーションは非常に高いはずです。
対してホームで迎え撃つ下町にとっては、水野は高い壁。現在はノーランクとはいえ、水野拓哉という実力者を退けることができれば、タイトルに絡んでいくボクサーになれるはず。
これは非常に勝敗不明、両者にとってもかなりタフなマッチメイクに思えます。これはすごい試合を組んだものだと感心しますね。
大注目のホープ対決です。
58.0kg契約8回戦
前田稔輝(グリーンツダ)9勝(4KO)無敗
vs
ジュンリエル・ラモナル(フィリピン)17勝(10KO)10敗6分
そしてまた、超強気なグリーンツダ。前戦で木村蓮太朗(駿河男児)との接戦を制した前田は、日本でもお馴染みのジュンリエル・ラモナルとのノンタイトル戦。
フェザー〜スーパーフェザーで戦っている前田にとっては、1、2階級下のボクサーとなるラモナルではありますが、ラモナルの破壊力といえば日本のボクシングファンにはお馴染み。
前戦で(今度武居由樹と戦う)ペテ・アポリナル(フィリピン)に10RKOで敗れて王座陥落しているものの、前OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者。
その前はランディ・クリス・レオン(フィリピン)というボクサーにノンタイトル戦でアップセットを食らってもいますが、もともと安定しているイメージはないだけに、あまり驚きはありません。
圧巻なのはその前の2試合で、日本が誇るスーパーバンタム、和氣慎吾(Flare山上)、久我勇作(ワタナベ)を続けてアップセットで倒してしまっています。
前田は元々距離感に秀でた慎重なボクサーですが、ここはより慎重にならざるを得ません。
同い年である下町と共に、グリーンツダのホープは試練とも言える一戦ですね。
下町、前田、揃って勝ってタイトル戦線に名乗りを挙げてもらいたいものです。
そのほかのアンダーカード!
ウェルター級8回戦
アッチャリア・ブーンモ(タイ)12勝(11KO)無敗
vs
石脇麻生(石田)9勝(7KO)5敗1分
石田ジムのボクサーたちは、これでもかというほどハードなマッチメイク路線を歩んでいますが、その筆頭こそが石脇麻生。
近藤明広(一力)、粕谷雄一郎(当時角海老宝石)、李健太(帝拳)、池田竜司(竹原&畑山)、等々と拳を交えています。
今回はタイのナショナル王者ということで、戦績がまたものすごい。
BoxRecを確認すると、タイ人ボクサーにありがちな戦歴(ほとんどが未勝利や負け越しボクサー)ではあるものの、デビュー戦以外をKO勝ちして現在11連続KO勝利中。
実力者があってもここまで倒せるものではないと思いますし、みてみると早い回でのKOが多いことから、ハードパンチを持っているはずです。
序盤に行きすぎず、後半勝負の気持ちで準備してもらいたい。
ライトフライ級8回戦
シットヒサク・シムシー(タイ)12勝(12KO)無敗
vs
川満俊輝(三迫)6勝(3KO)1敗
グリーンツダジムと契約する、タノンサック・シムシーの実弟であるというシットヒサク・シムシー。こちらはパーフェクトレコードで、戦歴は言わずもがな。
弱冠20歳というシムシーですが、兄・タノンサックを見たツダジム陣営が、その才能に惚れ込んで契約をした、という話で、弟もきっと同じように才能溢れるボクサーなのだと推察ができます。(弟もグリーンツダと契約しているのか?)
かつて京口紘人(ワタナベ)への挑戦が決まっていた兄・タノンサックは元世界王者、矢吹正道(緑)との一戦を控えています。弟としても、ここを勝って兄につなげたいところでしょう。
ちなみにこのシットヒサクは世界ランクも持っているようで、WBAで10位。川満としては、前戦WBOアジアパシフィックタイトルへ挑戦するも跳ね返され、後退したところではありましたが、ここは大きなチャンス。
兄同様、強打を活かすファイトスタイルを持っているであろう(映像は見ていません)シットヒサクと、重岡銀次朗(ワタナベ)に敗れるまで3連続KO勝利と勢いづいていた川満、ミニマム級という最軽量級ではありますが、KO決着濃厚の一戦と言って良いと思います。
放送・配信
この大阪の注目興行は、残念ながらライブ配信がなさそうです。(あればまたお伝えします。もし知っている方がいれば教えて下さい!)
BoxingRaiseでは録画配信予定、とのことで、当日深夜にはメインの試合はアップされるのではないか、と思います。
これは翌日までしっかりと情報遮断して、注目試合を楽しむことをおすすめしたいですね。
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