信太のボクシングカフェ

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武居由樹の次戦はタイトル戦!OPBF王者、ペテ・アポリナルに挑む!!

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6/17(金)に流れたビッグニュース。

元Kー1王者の武居由樹(大橋)がプロボクシング5戦目でOPBF東洋太平洋王者に挑戦する、というものです。

現在武居はOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級15位、やや強引にもこのタイトル戦を組んだ大橋ジム、フェニックスプロモーションのマッチメイク力というのはすごいものです。様々な待機ボクサーたちをすっ飛ばして王座挑戦を果たす武居は、ジムの期待、ファンの期待を背負って王座へと挑みます。

ということで今回は、武居由樹にとっての試練の一戦となるOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ、その王者、ペテ・アポリナルというボクサーについて。

武居 由樹 Yoshiki Takei (@tankiti000) | Twitterより

 

武居由樹の歩み

2021年3月、鳴り物入りでプロデビューした武居は、デビュー戦、2戦目、3戦目を初回TKO勝利。続く4戦目を2RTKO勝利と、その期待を上回る活躍ぶり。

↓全4戦の観戦機。

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デビュー2戦目では当時無敗で地方ジムのホープ、竹田梓(高崎)を、3戦目では辰吉寿以輝(大阪帝拳)と分の良い引き分け(2R負傷判定)を演じた今村和寛(本多フィットネス)をそれぞれ初回でノックアウトしていますが、全て想像を上回る倒し方で勝ち上がってきています。

極めつけは前戦、河村真吾(堺春木)戦。

初めて経験した初回終了のゴングを聞いた武居は、2Rに入り、とんでもないタイミングととんでもない踏み込みスピードを持って飛び込みの右フックをジャストミート。

戦慄のノックアウト劇でした。

ここまでの試合を、ほぼワンパンチで効かせて終わらせてきた武居由樹。

まず一つ言えることは、「早く倒す」ことができる正真正銘のパンチャーである、ということです。しかし、いきなり強引に行くのではなく、しっかりと相手を見てとった上でベストパンチを当てることができる、というもの。ここまで続けばもはや偶然ではなく、必然の賜物であると言えるワンパンチ・フィニッシャー、それが武居由樹という「ボクサー」です。

 

OPBF東洋太平洋王者、ペテ・アポリナルとは

このアポリナルというボクサーについては、我々は多くのことを知りません。ただ、この名前はつい最近も目にしました。(「アポリナリオ」という表記もありましたが、BoxRecではApolinarという名前なので、アポリナルで良いと思います。どちらかというとPeteはペテで良いのか?ピート・アポリナルじゃなくて?)

このアポリナルはKJカタラジャ(フィリピン)とともに来日し、今回の井上尚弥vsノニト・ドネア2に際しての井上のスパーリングパートナーを務めています。

個人的には、「ドネアのサイズ対策」としてアポリナルが呼ばれ、「ドネアのカウンター対策」としてカタラジャが呼ばれていたのではないか、と思っています。

16勝(10KO)2敗の戦績をもつこのボクサーは、170cmと大きく、ドネアと同じ身長です。

この時、すでに井上のスパーリングパートナーとして2度目の来日(井上は過去の印象はない、と語っていたものの)だということで、1回目、井上のスパーリングパートナーを務められたからこそ2度目も呼ばれた、ということなので、もちろん侮ることはできません。

 

そして何より、このアポリナルはあの日本人キラー、ジョンリエル・ラモナル(フィリピン)をノックアウトで降し、戴冠したボクサーでもあります。

ということで映像をチェック。

170cmのアポリナルと、168cmのラモナル、ラモナルの方が身長が高く見えるのは気のせいか。データが間違っているのか、アポリナルがどつしりと構えているせいか。

ラモナルはあまりボクシングが上手い方ではなく、どちらかというと穴のある王者だった、という印象ではありますが、明らかにこのアポリナルの方が技術に優れています。

しっかりとしたガードポジションから、ブンブンと振り回すタイプではなく、単発のカウンターやコンビネーションを強く打ち、ラモナルに比べバランスにも優れているように見えます。強振してもバランスをあまり崩しません。また、盛り上がった筋肉は、体の強さを感じ、押し合いにも強そうで、そのブロッキングはかなり固い。

初黒星は2015年5月、のちに世界挑戦(エマニュエル・ナバレッテに挑戦)することになるジョー・サンティシマ(フィリピン)に初回KO負けをしています。

 

そしてラモナル戦の前に韓国人選手に8RTKO負けしていますが、サンティシマ戦を含めてこの2戦の敗北はフェザー級戦ですね。

スーパーバンタムでは2戦目、となるアポリナルは、まだこの階級で真価を見せていないボクサーだと言えます。

武居由樹はどれほど強いのか

さて、真価を見せていないボクサー、といえばこの武居由樹の方がもっと見せていません。

これまでにわかった武居由樹というボクサーは、速攻型のパンチャーである、ということぐらい。

初戦からすでにリング上での冷静さを見せた武居は、その勝ち方が圧倒的すぎて、ほとんど何も証明できていません。

これについては、対戦相手の質こそ違えど、ドネア1前のバンタム級の井上尚弥と被るところがあります。

大橋会長も、八重樫トレーナーも、これまでの武居の勝ち方を見て期待は非常に大きいところでしょう。

おそらく武居が今後、証明すべきものとしては、まずはスタミナ、そして戦略面、タフネス。

体のスタミナについては、八重樫トレーナーがついていることと、ボクサーの見本とも言える井上尚弥が近くにいること、等々で、そのトレーニングの充実ぶりは間違いなく、心配の必要はないと思われます。

同じく、心のスタミナもトレーニングはしているでしょうが、こればかりはピンチに陥った時、もしくは長いラウンドになった時、どれほど自分に打ち克つことができるかはやってみなければわかりません。12ラウンズにわたり、集中力をキープできるか、というのも不明な点として挙げられます。ただ、トレーニングではしっかりと長いラウンドでのスパーリング等もやっているでしょうから、ここも過度に心配する必要はないでしょう。

 

そして戦略面。

今まで、短いラウンドだけですが武居の試合を見てきたところで行くと、このボクサーは素晴らしい発想力を持ったボクサーに見えます。

河村戦でのあの右フックを見ると、その閃きを称えてしまいますね。あのタイミングでのあの踏み込みでのあのパンチは、反復練習の賜物とは違うものだと思います。

武居の攻めは、非常に多彩。これには、Kー1で培ったリングという非日常への慣れ、試合までのメンタルと体の作り方が関係しているのではないかと思っています。

ボクサーよりも試合の機会は多い、Kー1という舞台で戦ってきた武居は、調整に関してはどのボクサーよりもベテランだと思います。

この余裕を持った調整こそが、リング上でのあの冷静さを可能にしているのではないか、と推察しています。

最後にタフネス、これもまだ証明されていないことの一つ。

タフネスと密接に関わるディフェンス面も、まだまだ見れていないことが多い。ブロッキングの上からパンチをもらった時の反応も未知数。体の強そうな武居のことですから、ブロッキングで体が泳ぐ、ということもなさそうですが。

 

武居由樹はアポリナルに勝てるか

武居のここまでのリングパフォーマンスは圧巻です。圧巻すぎて、悪いところが見当たらないほど。

なので今回も、武居が先に動いて自分から攻めることで、また「武居の良さしか見えない」「序盤KO」で決着がつく可能性は結構高いのではないか、と思っています。

ただし、アポリナルにはキャリアがあり、武居が出てきたところで頭を下げる等の対応をし、後続打を断って反撃する、ということはできるかも知れません。

まあ、それでも引き出しの多そうな武居の方が、そういったものを含めたボクシングでも1枚も2枚も上だとは思いますが。

アポリナルは、バランスが良く、強いボクサーです。それでも武居由樹というボクサーは、もっともっと大きなポテンシャルを秘めていると思います。

今回、アポリナルのコンビネーションに対して、武居の「距離をとる」以外のディフェンスが見れそうで、そして長いラウンドに亘っての攻防が見れるかもしれなくて、これこそが楽しみ。アポリナルもカウンターはよく打っていましたが、それは相手がラモナルだったからでしょう。ハンドスピードが速く、また中間距離からどのパンチを放ってくるかわからない武居相手にカウンターを打てるか、というと難しいような気もします。

 

ただ、重ねて言いますが、アポリナルは2度(もっとかも)も井上尚弥に呼ばれたボクサーです。同階級では井上拓真と肩を並べるアジア王者であり、アンダードッグではありません。

それでもなお、武居のポテンシャルに期待してしまうわけです。

井上尚弥が倒してきたドネアやロドリゲス、パヤノ、マロニーといった強豪を、あんな形で倒せるバンタムが他にいないのと同様に、竹田や今村、河村をあんな形で倒せるスーパーバンタムは、日本にいないでしょう。

ということで、どちらかというと気になるのは今後の話。

ここまで、最短距離で駆け上がってきた武居は、どこに向かうのか。

スーパーバンタムという階級は、現時点で既に世界王者は2人しか存在せず、さらにPFPキングのモンスターが照準を定めている階級であり、同門の武居にはしばらく「世界戦」というチャンスは回って来なそう。

この試合の後、もしバンタムでも試合ができるのであれば、井上拓真(大橋)とともにバンタム級王座を狙う、というのも一つの手でしょう。

 

そして現在のところでいうと、このOPBF王座を武居が獲ることによって、国内スーパーバンタムの選手たちは「大橋ジムの壁」を避けて通れなくなり、自ずと興味深いマッチアップが決定していくことになります。

赤穂亮(横浜光)、久我勇作(ワタナベ)、近々復帰戦を戦う和氣慎吾(Flare山上)、元日本王者の古橋岳也(川崎新田)、元世界王者の小國以載(角海老宝石)、同じく亀田和毅(トライボックス)、数え上げればキリがないほどタレントは盛りだくさん。

是非とも武居には、この大橋会長が用意してくれた試練をクリアし、国内強豪との対戦に進んでもらいたいものです。

 

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