今回の3150FIGHT SURVIVALという興行は、亀田興毅ファウンダーが仕掛ける「3150FIGHT」の下部興行。この「SURVIVAL」で生き残ることで、本家の「3150FIGHT」出場へと繋げられる、ということのようです。勝利した出れる、ということではなく、良い印象を残さないとダメな感じもしますが。
ただ、このメインイベントに関しては、勝者が3150FIGHTが擁する緑ジムのOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者、力石政法との王座統一戦に進むのではないか、と思われる一戦。
こういうシリーズとなっていく戦いというのは、非常に興味深いものです。
そのメインイベントは坂晃典vs奈良井翼という強打者対決であり、セミには日本女子ボクシング界期待の千本瑞規も登場します。
ということで、今回のブログでは3150FIGHT SURVIVALの観戦記。
↓プレビュー記事
9/17(土)3150FIGHT SURVIVAL
56.0kg契約8回戦
田村亮一(JBスポーツ)vs横川聡也(ミツキ)
「ゾンビ」田村の入場、仮面がかっこいい。しっかりとキャラが出来上がっていますね。
初回からグイグイ攻めるのは田村。常に先手、ややラフめに横川に攻め入り、攻められた横川はやや後手。2Rは開始早々に横川が突進も、田村はこれを冷静に対処、その後はプレスをかけて右をヒット。その後も体の強さを活かして攻め入るのは田村。
3Rもグイグイ攻める田村、中盤に左ボディを効かせ、その後右オーバーハンドをヒット、明らかに動きの落ちている横川に休まず攻め入ります。
4R、田村は攻め疲れもあるかもしれませんが、このラウンドは中間距離でボクシング。しかし後半には前に出てボディを叩き、横川にダメージを与えます。
5Rもエネルギッシュに攻めるのは田村。序盤、横川も応戦しますが、長くは続きません。6R、余裕を見せる田村ですが、横川はそのタイミングで攻めれず。7R、前半に左右の強いボディで攻め込んだ田村はそのままラッシュ。しかしここで田村の瞼のカットでドクターチェック。これは田村にとってありがたくないタイミングのドクターチェック。
ラストラウンド、田村の左瞼から血は滴り落ちるものの、その傷も気にならないボクシング。上体を激しく動かし横川のパンチをかわしてカウンター、最後まで大きく動いて試合が終了。
78-74、79-73が2者、田村の勝利。
圧倒しながらも、ストップ勝ちとはならなかった田村。横川はタフでしたね。
田村は強いフィジカルと旺盛な手数を持ってはいるものの、やや的中率の面では物足りなさがありました。
62.0kg契約4回戦
福重浩輝(KWORLD3)vsベジータ石川(折尾)
この試合もベジータ石川のリングコスチュームがかっこいい。戦闘服を脱いでも戦闘服のシャツ笑。
しかし、こう言っては申し訳ないですが、やはりこの試合は1試合目か2試合目くらいにやるべきでしょう。
ベジータが以外とディフェンスが上手い。さほど体が強くないベジータは、結構まともにもらって倒れる、というのが定番のところですが、今回はかなり低めのダッキングでかわしています。福重のパンチはわかりやすいのでしょう。
こうなるとベジータに判定まで粘ってほしい。いや、勝ってほしい。
福重は最後まで強引な攻めを見せますが、4Rにわたる試合は終了。
判定は、40-36で福重の勝利。
早送りで見てしまった。。。
OPBF東洋太平洋女子ミニマム級タイトルマッチ
千本瑞規(ワタナベ)4勝(1KO)無敗
vs
パク・ヘス(韓国)6勝(1KO)8敗3分
さて、セミファイナル。女子ボクシング界期待の星、千本が登場。ここは快勝してもらいたいところ。
初回、パクは非常にひょろりとしていますが、その分リーチが長そうです。千本はどっしりとした構えからプレスをかけて鋭いジャブをヒット。
2R、ジャブ、左ボディは良いものの、その後が出ない千本。パクは手打ち気味ながらも回転力があり、入り際にこれをもらうのは見栄えがよくありません。
3Rもかなり手数が少ない千本。ジャブは良いのですが、パクはリターンでコンビネーションを出し、強いパンチではないもののこれが千本に当たっています。
4R、もしかして右を怪我しているのか、と思うほど右を出さない千本。ここは千本のジャブもヒットしていますが、やはり手数は少ない。
途中採点は、38-38が一人、40-36が二人、2-0で千本。
5R、ようやく右を出した千本、しかし入り際にパクのカウンター。途中採点を聞いて先手をとるようになったパク、もらいながらも攻め入ってクリーンヒットを奪います。
6R、ここは序盤、千本が良いコンビネーション。その後ガードを固めて距離を詰めます。このラウンドの千本はパワフル、ただパクも強いパンチをリターン。
7R、コンビネーションで攻め入るパク、千本のリターンは単発ながらも非常にパワーがあります。ただ、クリーンヒットの数自体はパクが上回っているように見えますね。
ラストラウンド、回転力のあるコンビネーションでパクが前に出てきます。このコンビネーションのリターンを狙う千本ですが、リターンしてもパクの手数は止まらないため、そこでパンチを被弾してしまいますね。
判定は、76-76、78-74×2、2-0の判定で千本の勝利。
パクはハートの強い非常に良いボクサーでした。個人的には、日本での試合でなければ千本の勝ちではなかったと思います。
途中採点がなければ、もっと焦っても良い試合展開のように思いますが、4R終了後の途中採点があったので負けはない、という感じで見てしまいましたね。
日本スーパーフェザー級タイトルマッチ
坂晃典(仲里)21勝(18KO)6敗
vs
奈良井翼(RK蒲田)8勝(7KO)1敗
さて、高KO率同士の楽しみなタイトルマッチ。
KO決着必至、ともに痛烈なKO負けからの再起戦。
期するところは大きいでしょう。
初回、ジリジリとプレスをかけるのは坂。習いはサークリングしつつ、コンビネーション。相変わらず良いジャブを出しますね。
坂野ジャブの打ち終わりに右をヒットした奈良井、そこから再度右をヒットして坂がダウン!
まだ開始1分程です!
ここで奈良井は冷静にプレスをかけてワンツーを主体として攻め入ります。
坂は回復を図ってステップ、ただ、ちょっとダメージはありそうです。
終盤にも奈良井の右が幾度もヒット、そこから左アッパー、左フックも入ります。何とかゴングに救われた坂。
2R、ここは前に出ていく奈良井、ですが坂は回復したのか打ち返し、右をヒット。互いのパンチが当たる距離での打撃戦、回転力に優れるのは奈良井!
1分過ぎ、今度は奈良井のジャブの打ち終わりに坂の右!下がった奈良井に攻め入る坂!ここで奈良井も打ち返すことで盛り返し、互いの自慢のパンチの交換です。
ここは坂がやや打ち勝っている印象か、それでもともに被弾が多く、予断を許さない状況が続きます。やはり瞬きは、厳禁。
終盤、坂が右カウンターを決めて奈良井がダメージを受けますが、その後、坂が踏み込むタイミングで奈良井の右もヒット、坂はダウン!だと思うのですが、これはスリップ裁定。むむむ。。池原さん。。。
3R、リング中央、打ち合い!!フィジカルが強いのは坂の方か、坂がグイグイとプレスをかけて奈良井を押し込んでいきます。しかしロープ際で奈良井は応戦、左フックをヒットして坂を押し返し、またリング中央。
後半、坂のワンツーで奈良井は足にきて、体が泳ぎます!チャンスの坂はワンツーで攻め込みますが、その打ち終わりに奈良井の右!今度は奈良井のアッパーで坂の動きが止まります!
なんという大激闘!!両者の魅力が存分に発揮された、素晴らしいファイトです。
4R、ジリジリとプレスをかける坂、サークリングしながら機を窺う奈良井。これがこの試合の本来のスタイル。
両者の距離はやや近めで、しっかりとパンチが当たる距離でのパンチの交換です。
中盤、奈良井は左ボディから右ストレートをヒット、その後は奈良井が攻めます。
それも落ち着き、また坂がプレスをかけていた後半、奈良井がまたもワンツーをヒット!そこから坂が打ち返すのを見極め、再度攻め入ると坂はダウン!!
立ち上がったところで奈良井は攻め入るものの、ここでクリンチに来た坂に押し倒されるようにリング外へ転がり落ちます。
これは、リングがそんなに高くなくてよかったですね。。。
二人とも、4Rで体力の限界が近いのかもしれません。
5R、早々にワンツーからの左ストレートをヒットした奈良井。足元がやや怪しくなっている坂にたいして様々なコンビネーションで攻め入ります。
坂はかなり足にダメージが見え、クリンチに逃げる場面も。
それでもショートの右で反撃した坂、奈良井は近い距離では気をつけなければいけません。
ハーフ、右と右の相打ち!!!これでダウンしたのは奈良井!!!
今度は坂が攻め入り、奈良井が応戦!
下がった奈良井に坂はワンツーをヒット、奈良井はかなり苦しいか。
坂は軽いパンチで奈良井のガードの上を打ち、ここで奈良井はクリンチ、そしてそのまま今度は坂が押し倒されてリング外。
終盤は奈良井が右を起点にラッシュ!!!素晴らしい手数で坂に攻め入りますが、これはクリーンヒットは少なく、坂も耐え忍び、終了ゴング!!!
途中採点は3者ともに47-45で奈良井!
いやでもしかし、あと5Rも見ていられる自信がありません。。。
6R、序盤に右と右の相打ち、ここでもダメージを受けたのは奈良井か。そこから坂がラッシュ、細かいパンチから左フックへつなげ、奈良井はダウン!!
かなりダメージのありそうな奈良井。
再開後、坂がラッシュしたところで奈良井は後退、坂が更に詰め寄ったところでレフェリーが割って入り、試合ストップ!!!!
坂晃典、6RTKO勝利!!!!
本当に素晴らしい試合を見せてくれた、坂晃典と奈良井翼。
KO決着必至、と確信していたものの、毎分、毎秒どちらかがストップ勝ちしてしまいそうな、とんでもない大激闘となりましたね。
もういったい何回ダウンしたのかわかりません。
ともに諦めないハートの強さ、一発で試合をひっくり返せるパンチの強さ、王者の意地と挑戦者の心意気、本当にエキサイティングなボクシングを見せてくれました。
坂、本当に素晴らしかった。
奈良井、本当に素晴らしかった。
坂晃典vs力石政法は、待ったなし、でしょう。
亀田ファウンダーが、この機を逃す事はないかと思います。
ダメージは相当なものだと思うので、インタビューは短めの方が良いのではないでしょうかね。
【宣伝】
ちょっと放心、ですね。一応宣伝しておきますが、ボクシング用品専門ショップをやっているので是非見てみてください!
いや、見る専の皆さん、皆さんもボクシングやりましょう。