信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】エフェ・アジャグバvsステファン・ショウのヘビー級戦!アダム・ロペスはエイブラハム・ノバとのサバイバル戦!

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衝撃的なノックアウト決着となった、1/14(土)のダイナミックグローブ。

1月は国内外のボクシング興行はさほど活発ではありませんが、いきなりKOオブ・ザ・イヤー級の決着が生まれてしまいましたね。どちらかというと豊嶋を応援していた私からすると、やや微妙、ただ、佐々木尽の素晴らしい勝ち方に感動を覚えるがために、複雑な心境でもあります。

さて、海外に目を向けてみれば、ビッグマッチこそないものの、トップランク興行は非常に興味深い興行です。

メインイベントはエフェ・アジャグバが無敗のステファン・ショウを迎え、セミファイナルではこのショウと戦うはずだったグイド・ヴィアネッロが登場。

そしてそのアンダーカードには、アダム・ロペスvsエイブラハム・ノバというサバイバルマッチ。

ということで今回のブログは、1/14(日本時間1/15)に行われたトップランク興行の観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

1/14(日本時間1/15)アメリカ・ニューヨーク

スーパーフェザー級10回戦

アダム・ロペス(アメリカ)16勝(6KO)3敗

vs

エイブラハム・ノバ(アメリカ)21勝(15KO)1敗

さて、私的メインイベント。私的、というか、日本のボクシングファンの多くにとって、もしこの興行に興味があるとすればこのアダム・ロペスvsエイブラハム・ノバでしょう。

今回はスーパーフェザー級戦ながら、ロペスもノバも本来はフェザー級で戦うボクサーであり、特にアダム・ロペスに至っては井上尚弥がLA合宿に行った際にパートナーの経験があり、その経験を買われてこの試合のあと、日本に来る事が決まっているそうです。

ノバは前戦でロベイシー・ラミレスにキャリア初黒星、ラミレスの強さが際立った一戦ではありましたが、ノバも強豪です。

この試合は、今回のトップランク興行の「メインカード」ではなくプレリムス(アンダーカード)。そのカードの最終戦として放映されていました。

初回、ロペスが体を振りながらプレス。ノバはサークリングしながらカウンター狙い。ともに小気味よいテンポで攻防を繰り返します。最初から様子見はないようで、遠くからでも近くでもその攻防は非常に見応えがあります。

2R、ロペスは大きく体を動かし、ノバの鋭いジャブを外そうと試みます。ただ、リング中央を陣取るのはノバで、なかなかこの深い懐に入っていけません。

ノバは低い姿勢から踏み込むと、ジャブ、左フックをヒット。コンビネーションの回転力もあり、カウンターも巧い。

3R、このラウンドも序盤はノバのジャブで行く手を遮られるロペス。しかし1分頃、接近戦に持ち込むと一気にチャージ!この接近戦で山場をつくったロペスは、リングIQを発揮してこのラウンドの残り時間を非常に丁寧に戦っています。

 

4R、ノバは速いジャブ、から右カウンター、そこから一気に攻め込みます。この攻めは非常に迫力があります。ロペスはこの厄介なジャブとカウンターにより、ちょっと距離を詰める事ができないまま時間を潰してしまいます。

互いに印象的なヒットを奪えなければ、手数とリングジェネラルシップの問題でノバにポイントが流れてしまいそうな雰囲気。

しかし残り30秒のところでようやく接近戦に持ち込めたロペス、左右のボディを叩いて反撃。

5R、ここでギアを上げたロペス、鋭い踏み込み。しかしそこでノバのカウンターも機能、ともに手数を多く出し、ヒットを奪い合う展開です。

近い距離でのパンチの交換、ノバの左フック?がカウンター気味にヒット!これでロペスはダウン!!

残り時間は1分強、ジリジリとプレスをかけるノバ!ロペスは落ち着いて歩くようなステップワークで距離を取り、ノバはそこを攻める事はできず。

6R、折返しを過ぎ、ジリジリを話されていく雰囲気のロペス。相打ちでよりダメージを受けてしまうのはロペスで、ここはパワー差がでてしまっている印象です。

ロペスはチャージ、ノバは上体の動きでこれをかわすと、その後反撃。この反撃でパワーパンチでロペスを脅かし、ロペスはこの試合2度目のダウンを喫します。上から押さえつけられてのスリップにも見えましたが、レフェリーはダウン判定、これは運がありません。

更なるビハインドを被ってしまったロペス、逆にノバは勢いに乗り自信満々に攻め入ります。

後半、ロペスはスイッチしてノバの前進を止める事には成功しますが、効果的な攻撃はできず。

7R、ロペスは行くしかありませんが、ノバは鋭いジャブとパワフルな左右のフックを放ってきます。ロペスのパンチはコンパクトで非常に良いですが、ちょっと迫力には欠ける。

このラウンド傍外にクリーンヒットは少ないですが、攻めの形をしっかりつくっているのはノバで、そのシャープなパンチは非常に見栄えのするものです。

 

8R。ここまでのトータルパンチスタッツはノバが63/288、ロペスが57/208。ヒット数はほとんど変わりませんが、やはりノバの方が攻勢に優れます。

ロペスは体を振って低いダックから強引に攻め込みます。が、ノバは下がりながらもパワーショット。一発の重みで劣る中、ロペスは手数と回転力。

ガードの上からでももらった時の見栄えの面でもやはり違いがあり、この接近戦の展開はロペスの望んだものであるかもしれませんが、ロペスにとって少し分が悪そうです。

しかし後半、アダム・ロペスは右カウンターをヒット。印象的なヒットを生むとともに、その後はしつこい連打でノバを下がらせます。これぞメキシコ系アメリカ人、ロペスの真骨頂!

9R、ロペスは逆転を狙ってプレス。ノバは乱打戦に巻き込まれまいと下がりながらのジャブ。このジャブは全く衰えません。

ノバのムーブは非常に大きくなっており、ロペスのプレスの強さが伺えます。しつこく追うロペス、そこにカウンターを狙うノバ。後半、ノバの右カウンターで一瞬動きの止まったロペスでしたが、すぐさま正気を取り戻してパンチを返します。

ラストラウンド、初っ端からこれでもかと言うほど強いプレスで攻め込んだロペス。しかしもう後がない分、少なくともダウンを奪わなければいけません。ここでロペスはノーガードで誘ってカウンターを狙うも、ノバは乗ってはきません。

中盤以降、近い距離での打撃戦へと展開したこの試合は、互いにアッパー、フックを打ち合い、互いにクリーンヒットを奪い合う展開です。ガツンガツンと頭もぶつけ合い、フック、アッパーをカウンターのタイミングで当てあい、ともにハートを見せます。最後は、ロペスがノバをロープ際へ押し込み、そこをノバが反撃、右フックでロペスをぐらつかせてラウンドが終了。

 

素晴らしい大激闘でした。

判定は、97-91、98-90×2でエイブラハム「スーパー」ノバ!

まあ、これは致し方ありません。2度のダウンを奪われているアダム・ロペス、判定では勝ち目はありませんでした。

またも善戦のアダム・ロペスではありましたが、この後少し休んで日本でお待ちしております。

そしてエイブラハム・ノバ、やっぱりこのボクサーは強い。

そのノバを圧倒的に打ち負かしたロベイシー・ラミレスは、強いというかもう怖いレベル。

 

ヘビー級10回戦

グイド・ヴィアネッロ(イタリア)10勝(9KO)無敗1分

vs

ジョナサン・ライス(アメリカ)15勝(10KO)6敗1分

イタリアのヘビー級、ということだけで珍しいですが、素晴らしい戦績を誇るグイド「ザ・グラディエイター」ヴィアネッロ。非情に(体型が)スマートなボクサーです。

さて、ゴング。

ともにオーソドックスの構え、ハイガードのヨーロピアンスタイルから、軽やかなステップを踏むヴィアネッロ。ライスは左手を下げたスタイルで、アグレッシブにジャブ放つヴィアネッロに比べてややカウンター狙いの様相です。

後半、ヴィアネッロが大きく右を振っていきます。ライスはやや後手。

2R、ヴィアネッロ、本当にヘビー級か?と思うほど、体がキレています。初回よりもギアを上げ、回転力のあるコンビネーションも放っていきます。

ライスは常に先手をとられてしまい、ストッピングジャブ、もしくはスウェーしながらの左フックが精一杯です。

3R、開始早々、ダブルジャブで攻め込むヴィアネッロ。非常に機動力が豊かなヴィアネッロ、ライスはどっしりと構えてジャブカウンター。

中盤、不用意に攻めたヴィアネッロにライスの右がカウンターになってヒット。したように見えましたが、ヴィアネッロはケロリとしています。

 

4R、前後のステップワークからジャブを放ち、時折右のビッグパンチを狙うというヴィアネッロのボクシング。打って離れて、というボクシングは、ヘビー級のトップボクサーには少ないタイプですが、非常にオーセンティックなボクシング。

右のビッグパンチはバナナ・ストレートで、外側から回すパンチですね。もうちょっと内側から打てれば、右側にダックするライスに当たりそうなものですが。

5R、ここまでのトータルパンチスタッツが出ますが、ヴィアネッロは45/150、ライスは21/82。このラウンドからよりアグレッシブになったヴィアネッロ、距離を詰めてアッパー等も使っていきます。

ヴィアネッロが勢い良く踏み込むと、ライスも頭を下げてかわそうとするので、バッティングの危険性もありそうです。

6R、寸胴体型のライスの方が体の強さはありそうで、ヴィアネッロが踏み込んで距離を詰めても押し返されることもしばしば。こうなると、ヴィアネッロが疲れてしまわないか心配です。

中盤、ライスのワンツーがヒット!この全体重を乗せた右ストレートで、ふっ飛ばされるヴィアネッロ!!そこからは強気に出るライス、ただ、こちらは明確に疲れが見えます。

ヴィアネッロは左目付近から出血、これはライスの右ストレートによるものか、それともバッティングか。

 

7R、1分も経たないうちにドクターがヴィアネッロの左目の傷をチェック。左まぶた、ですね。すでに早くも血だらけです。

レフェリーがジャッジペーパーを集め始めます。試合はストップのようです。

レフェリーの降した裁定が気に入らないのか、コミッションがレフェリーに講義しているように見えます。

レフェリーは一旦リングの下に降りてVTRをチェック、ヴィアネッロ陣営に歩み寄り、「パンチ」「TKO」と伝えています。これはおそらく、当初レフェリーは負傷判定という判断を降したものの、物言いが入り、6Rのライスの右でカットした、という裁定に覆ったようです。

こうしてVTR検証をしてあげられると、先日のバラダレスvs重岡の裁定もNCとならずに済んだのではないか。

ということで、ジョナサン「ジョニー」ライス、イタリアン・プロスペクト、グイド・ヴィアネッロに7RKO勝利!

全体的にはヴィアネッロがリードしていましたが、結局はヘビー級、右の一発で勝負がついてしまいました。ただ、ヴィアネッロは良いボクサーでしたね。

 

ヘビー級10回戦

エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)16勝(13KO)1敗

vs

ステファン・ショウ(アメリカ)18勝(13KO)無敗1NC

メインイベントはエフェ・アジャグバが登場。無敗のプロスペクト、ステファン・ショウを迎えます。

アジャグバではトップ戦線に届きそうにない。。ということが現実的な状態であるから、ここは未知のショウを楽しみに見たい。

初回。やはりヘビー級ボクサーの中では非常にスリムで絞れているアジャグバはスピーディ。対するショウもしっかりと絞れている体躯で、ともにスピードがあります。

先に攻め入ったのはアジャグバですが、中盤頃にはショウががっちりとガードを固めてプレスをかけ始めます。

2Rもアジャグバがプレスをかけてスタート。ショウは軽やかなステップでサークリング、それを長いジャブで追いかけるアジャグバ。

初回に続いて、ジャブのさしあいという雰囲気です。

 

3R、アジャグバがワンツーで攻め込むと、ショウもワンツーをリターン。このショウの右は当たったように見えました。

徐々に右を使う回数が増えていくように思う両者ですが、ともにジャブが素晴らしい。

4R、ちょっとショウはアジャグバのプレスに押されているか、リングをまわるサークリングの軌道が少しずつ大きくなってきます。

ただ、大きくまわりながらもアジャグバの打ち終わりにリターンを決める姿も。

5R、序盤、ショウがアジャグバのジャブに右カウンターをリターン。これは巧いですが、当てただけ、という感じのパンチ。

ただ、ちょっと自信を持ったのか、このラウンドはショウも積極的にコンビネーションを振るう場面も目立ちます。

6R、アジャグバはプレス、少し強引に攻め込んでいきます。ここで活きるのがショウのジャブで、このジャブは固いガードポジションからまっすぐ、ノーモーションで最短距離。スピードもキレもある、良いジャブです。

7R、展開は変わらず。ただ、前ラウンドあたりからショウはガードを下げる事も多くなっており、アジャグバの距離を見きったと感じているのかもしれません。ポイントはどちらとも言えないラウンドが多いからこそ、ショウはもう少し攻めたいところ。

8R、両者、ジャブをヒットする場面は比較的多いですが、決定的なパワーパンチをヒットすることは少ない。採点としても非常に微妙な感じになりそうですが、残り3ラウンズ。

このラウンドはアジャグバのジャブが上回った印象で、幾度かショウの顔を跳ね上げます。このジャバー同士の戦いは、とても先に当てたもん勝ちのヘビー級とは思えませんね。

 

9R、なかなかエキサイティングな場面は訪れません。アジャグバはプレスをかけてジャブ、ショウはサークリングしつつジャブ、時折コンビネーションで押し返す。少し眠気が襲ってきますが、あと3分ちょっとなのでがんばります。

ラストラウンド、中間距離で打ってはかわして打つというリターン合戦。ここに来て非常に見応えのある攻防です。まあ、ラストだからということなのでしょうが。

ここでもアグレッシブなアジャグバがジャブでショウの顎を跳ね上げ、軽くながらも右もヒット。ポイント的には厳しいような気がするショウですが、そのままのペースで試合は終了。

判定は、96-94×3、エフェ・アジャグバ。

意外とショウにもポイントが流れていた、という印象ですね。ともあれ、エフェ・アジャグバは薄氷の勝利ですが、この代役の相手に力の差を見せる事はできませんでした。

ステファン・ショウは好ボクサーではありますが、決定力には欠ける印象で、巧くはあるが強さというとちょっと感じませんでしたね。

現在のヘビー級トップ戦線は、強く、タフで大きいボクサーだらけ。

現在のトップ戦線はいつ世代交代できるのか。。。

 

 

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