信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】死闘、スミスvsウラソフのTR興行!コナー・ベン登場のDAZN!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

 4/11(日)、朝からイギリスでコナー・ベンが登場したマッチルーム興行、アメリカではベンと同じくウェルター級のプロスペクト、ジャロン・エニスが登場しました。

更にはジョー・スミスJrが難敵マキシム・ウラソフとWBOライトヘビー級王座を争う決定戦。

国内でも大阪や九州で興行があり、ボクシングファンにとっては嬉しい休日となりましたね。

私はというと仕事で、放映がある興行もほとんどリアルタイムでは見れず、Twitterのタイムラインは盛り上がっているんだろうな、と思いつつ情報遮断。

海外戦も国内戦も、非常に良いファイトが繰り広げられたようですね。

ということで、今回はDAZNで放映されたマッチルーム興行、そしてFITE.TVのPPVを購入して視聴したトップランク興行の観戦記です。

 

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

DAZN

4/10(日本時間4/11)イギリス

WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトルマッチ

コナー・ベン(イギリス)17戦全勝(11KO)

vs

サミュエル・バルガス(コロンビア)31勝(14KO)6敗2分

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名王者、ナイジェル・ベンの息子、コナー・ベン。そろそろ「ベンの息子」という肩書も必要ないほどの地位にきましたね。

対戦相手のバルガスは、エロール・スペンスJr、ダニー・ガルシア、アミール・カーン、そしてバージル・オルティスJrと歴戦を経験しているボクサー。

否が応にも、今回のベンは比べられてしまいます。

逆に、比べてくれと言わんばかりのマッチメイク。

 

そんな門番と化しているサミュエル・バルガスをコナー・ベンがどのような形でクリアするのかが焦点となる一戦。

大切にキャリアを築いてきた感のあるベンでしたが、前戦、ショーン・ポーターとフルラウンドを戦ったセバスチャン・フォルメラをほぼフルマークの判定で降しました。これでプロスペクトとしての評価を固めたと言っても過言ではありません。

そして今回、より(強豪と戦った)実績のあるバルガス戦。相変わらず観客らしき人のいない寂しいマッチルーム興行ですが、非常に楽しみです。

そしていよいよゴング。

 

ベンのジャブ、体いっぱい使って打つジャブは非常に伸びが良いです。

そのジャブからのワンツーも非常によく伸び、ワイルドなスイングながら回転力もあります。

バルガスはその右を真正面から受けてしまうので、ちょっと良くない。

そして1分が過ぎた頃、ワンツーを起点に右アッパーをヒットしたベン、そのままラッシュ!バルガスははやくも防戦一方!ガードもままならない、というかガードの間隙を縫ってベンの凶悪なブローが次々とヒット、危険を感じ取ったレフェリーがそのままストップ!

あっという間のノックアウト劇!

コナー・ベンの1RTKO勝利。

 

強かったですね、ベン。固まるバルガスに対して、パンチのセレクトが非常によく、あのように強打を連打できるのは非常に強み。今回はハナからジャブ、ワンツーの遠くからのパンチが冴え、素晴らしいボクシングでした。

右ストレートについてはまっすぐも、オーバーハンド気味にも打てるこのボクサー、そしてあの詰めの厳しさはやはり大型プロスペクト。今後に大いに期待を抱かせる内容ではないでしょうか。

一方バルガスは何もできず。スペンス戦からは時が経ちすぎていますので比べるべくもなく、決着が早すぎてオルティス戦とも比べられませんが、ベンが有能なプロスペクトであることだけはわかりました。

まだもう少し、力をつける時期でしょうが、これからも期待です。

 

4/10(日本時間4/11)オクラホマ州

この興行はヘビー級の試合が多いですね。全9試合のうち、5試合がヘビー級、1試合がライトヘビー級。ある意味「大型興行」。

今回は、セミセミから視聴します。トップランク興行はしっかりとお客さんが入っています。

ジャレッド・アンダーソン(アメリカ)vsジェルマイア・カーペンシー(アメリカ)

8戦全勝全KOのパーフェクトレコードを誇る、ヘビー級プロスペクト「ビッグベイビー」ジャレッド・アンダーソン。

まだまだキャリア形成の時期を出ません。

初回、アンダーソン、よく伸びるパワージャブを放ちつつ、プレスをかけます。サウスポーのカーペンシーはジリジリと下がり、時おり左を強振。しかしアンダーソンのバックステップでかわされ、ブロッキングされて当たりません。

アンダーソンはジャブから投げつけるような右ストレートを数発放ったのち、右をボディにヒットしてダウンを奪います。再開後は時間がなく、ゴング。

 

2R、アンダーソンは初回と同様、ジャブをついて右を放つというシンプルなボクシング。開始少々でまたその右をボディにヒットし、二度目のダウンを奪います。

そのまま立ち上がれず、10カウントを数え上げられたカーペンシー。

ジャレッド・アンダーソン、2RKO勝利。

非常にシンプルなボクシングで圧勝したアンダーソン。おそらく左も右も思った以上に伸びるのでしょうね。まだまだ、この段階ではジャブとストレートのみで対応できるアンダーソン、そろそろ強豪との対戦もみてみたいものです。

エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)vsブライアン・ハワード(アメリカ)

こちらも14戦全勝(11KO)というヘビー級プロスペクト、エフェ・アジャグバ。対するハワードは15勝(12KO)4敗と、勝ち星に対してのKO率は悪くはない選手。ただ、もう40歳。

初回、非常に落ち着いているアジャグバ。ハワードは顔が小さく、なかなかスピードがあります。後半にアジャグバの右が浅くヒット、やや効いたように見えるハワード。

 

このハワードの闘い方はディフェンシブ過ぎますね。アジャグバと比べ、体格に劣る分ディフェンシブに戦ってすら押されており、決着は早そうです。

2R 、ハワードは少しやる気になったか、先程よりも手が出ます。上下へのジャブの打ち分けなんかは良いですね。

しかしそれも序盤だけか、中盤にかけてはまた手がでなくなってしまいます。かなり後手に回っている感のあるハワード。アジャグバは出てこない相手に対してロープに詰めるものの、攻めあぐねているように見えます。

3R、ハワードは調子が出てきたか、このラウンドの序盤、自ら攻める場面を作り、その後はカウンターを狙えています。

しかし!ここでアジャグバのワンツーがハワードにクリーンヒット!ハワードはその右に対しカウンターの左フックを狙っていましたが、その左フックは空を切って錐揉み回転でリングに落下。

レフェリーが即刻ストップ、エフェ・アジャグバの3RTKO勝利。

とんでもないノックアウトでした。。。

 

ハワードは完全に意識を飛ばされたのではないでしょうか。この試合のことを覚えているかどうかも怪しい。

ハワードは、最初からカウンター狙いだったのでしょうがなかなかそのカウンターを打てず、少しずつ打てるようになってきたところで思いっきりアジャグバの右をもらってしまいました。恐るべきはアジャグバのパワー。

このノックアウトシーンはアジャグバのハイライトで何度も何度も流される事になるでしょうね。

素晴らしいノックアウト劇を見せたアジャグバ、こちらも次戦も楽しみです。

メインイベント

WBO世界ライトヘビー級王座決定戦

ジョー・スミスJr(アメリカ)26勝(21KO)3敗

vs

マキシム・ウラソフ(ロシア)45勝(26KO)3敗

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fite.tvのPPVで1,220円で購入可能です。

 

アツい試合を見せてくれるパンチャー、ジョー・スミスJr。前戦では元王者、エレイデル・アルバレスをノックアウトしてこの王座決定戦に名乗りを挙げました。

対してウラソフも前戦の勝利でこの王座決定戦の出場枠を確保しています。

ともに世界王座まであと一歩、届かない状態の二人のボクサー。勝ったほうが世界初戴冠、勝者はアルツール・ベテルビエフとの統一戦に進むそうです。

ちなみに、アルツール・ベテルビエフvsアダム・デインズというベテルビエフの最新防衛戦が、4/12(月)のWOWOWエキサイトマッチで放映予定。

↓予習しましょう。

wowow

 

さて、ゴング。頑張れジョスミ!

予想通り、というか期待どおり、ゴングと同時にダッシュするスミス!そしてウラソフもしっかりと迎え撃ち、その後はサイドへサイドへとまわりテクニカルなボクシングを展開。

ウラソフは距離とポジショニング、そして上体の動きでかわす気満々でほぼノーガード。対してスミスは一直線すぎますが、近い距離で身体を預けるようにしてパワーパンチを打ち込みます。

2R、一発一発を強く打とうとするスミスに対して、ウラソフは手数とコンビネーションで対抗。今のところはウラソフの軽めのコンビネーションが手数で上回っているようにも見えます。

というところで、1分過ぎ、スミスの右がカウンターとなってヒット!おでこに当たっているものの、良いタイミングでした。そしてスミスは終盤にも左フックをヒット。

 

ただ、ヒット数としてはウラソフの方が上で、スミスは左目上をカットしています。 

3R、フルスイングが非常に気持良いスミスですが、ウラソフのディフェンスはなかなか秀逸。なかなかクリーンヒットが奪えない上に、アッパーで顔を跳ね上げられ見栄えが悪いです。

4R、ウラソフの右フックの打ち終わりにスミスの左フックがヒット。やはり一発のパンチングパワーに勝るスミスは、クリーンヒットの数は少なくとも当たった時の印象が違います。

ラウンド終了後、ちょっと疲れの見えるウラソフ。スミスはここからが勝負かもしれません。

5R、序盤、ウラソフがグイグイと前に出てスミスに接近戦を仕掛けます。ここまでハイペースだったのか、足をあまり使わなくなりましたね。

接近戦でもウラソフは上手い。スミスも疲れとダメージからか、動きはやや鈍ってきており、かなり苦しい展開です。

6R、プレスをかけるウラソフ、サークリングするスミス。序盤と逆の展開です。

スミスは回復を図っているのか、それとも押されて下がっているのか。

ここまでの展開では、このラウンドを捨てるという選択はスミスにはないはずですが。。。

6Rはスミスが攻められる場面が目立ったラウンドでした。

 

7Rも早々からウラソフがプレス。スミスはそれをやや持て余していますが、開始30秒に左フックをクリーンヒット!下がるウラソフにチャージして見せ場を作ります。

その後、プレスの弱まったウラソフを押し返すスミス。疲れが見えるものの、後半はウラソフのボディを思い切りよく叩き、それを警戒して空いた顔面に右をヒット。スミス、半的の狼煙。

8R、早々にチャージしたスミスは右オーバーハンドをヒット。ここに来て何故か元気になったスミス、スピーディなジャブと右オーバーハンドで攻め込みます。

しかし中盤以降、ウラソフも攻め込み、試合は一進一退。

9R、スミスはジャブのダブル、トリプルから入るパターンが良いですね。上体がよく動くウラソフですが、連打には対応が難しそうです。ガードさせてしまえば、強いパンチを打ち込めます。ただのワンツーでは当たりません。

このウラソフも非常に気の強いボクサーですね。スミス相手にがっぷり四つで渡り合いながら、ステップで外すという自分のボクシングを貫いています。

 

このラウンド終盤はウラソフの優勢、コンビネーションでスミスを下がらせます。

10R、9R終盤の攻勢を受けて元気になったウラソフが今度はプレス。ただ、プレスをかけ続けたところで逆襲に合うのがこれまでのパターン。

このラウンドのうらソフは非常に冷静であり、スミスのことをよく見ています。打ち急がず、丁寧にコンビネーションを出し、打ち終わりに十分な警戒をしています。

11R、今度は先に攻勢に出たのはスミス。ポイント劣勢かと思われるスミスは、顔面へのパンチをなかなか当てられないため、このラウンドはボディを懸命に叩きます。

 

そうするとウラソフも顔面のガードがあき、終盤にスミスの右がヒット!

大チャンスのスミス、疲れた身体で攻め込み、ついにウラソフがダウン!可と思いきや、スリップ裁定。

組み合った時のスミスのパンチが、ウラソフの後頭部に当たったとの判断のようです。

ただ、スローで見るとウラソフの後頭部に当たっているのはナックルパートではないですね。ウラソフが頭を下げてしまったがために後頭部にかすってしまっているみたいです。手のひら側でも打てば効いてしまうので、これは仕方ないかもしれませんが。。。その前に効いてしまったウラソフにとっては、ここで休憩という幸運。

最終ラウンド、まるで1Rのように攻めでたスミス。そのフルスイングのパンチがウラソフを襲います。

ウラソフは身体で押し返し、やはりテクニカルなパンチを当てます。

この二人のボクサーは、12Rの間、自らのボクシングを全うしたと言えますね。

最後までともに攻める姿勢を崩さず、それぞれの武器の全てを注ぎ込んだ12Rにわたる戦争。

いやー素晴らしい、エキサイティングな一戦でした。

 

判定は、114-114、115-113、115-112の2-0でジョー・スミスJr!!

正直、分が悪いかと思いましたが、スミスの勝利となりました。

ウラソフ、残念でしたが素晴らしい闘いをしましたね。スミスは序盤、やや直線的すぎて、足を使われると思ったより追い足がないことがわかりました。

中盤以降に見せたボディを起点とした攻撃は、今後ウラソフよりも速く、勘の良いボクサーにも有効かと思います。

さて、このスミスがあのベテルビエフと戦って勝てるか、というと難しいかもしれません。ただ、この激闘型ファイター、ジョー・スミスJrは応援したくなるようなボクサーですね。

危険な闘い方をするために、心配も少々ありますが、ベテルビエフ戦も楽しみです。

ということで、今回はマッチルーム興行、トップランク興行の観戦記でした。

とにかくジョー・スミスJr、本当におめでとうございます。

非常にタフファイトでしたが、今後に期待しています。

 

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