1/15(日本時間1/16)は、2022年の世界タイトルマッチ初め。
日本ではどマイナーですが、WBO世界ライトヘビー級王者、ジョー・スミスJrが登場です。
対戦相手は、当初カラム・ジョンソン(イギリス)でしたが直前でコロナ陽性反応が出て舞台を降り、代わりにスティーブ・ジェフラードなるボクサーが立つ事になりました。
ジェフラードがどの程度のボクサーか正直分かっていないのですが、まずは世界ランクに入っていないというジェフラードを迎え、「初防衛戦」としてWBOが承認してくれるのか。これは無事認定されたようで、WBO世界王座の防衛戦、ということになっているようです。
さて、ジョー・スミスJr。
The road to the Light Heavyweight title was no easy task for Joe Smith Jr. ⚒#SmithGeffrard | SATURDAY | ESPN pic.twitter.com/hhCtmIa1NX
— Top Rank Boxing (@trboxing) January 13, 2022
上のツイートにあるように、このボクサーは(世界王者なので当然なのですが)なかなかに険しい道程を経て世界王者となったボクサー。非常にアグレッシブで、激闘型で、愚直なイメージであり、応援したく成るボクサーです。
顔がめちゃくちゃ小さく、リーチが超長いのに前で戦うのが好きなんですね。
ということで、ジョー・スミスJr応援隊としてESPNを視聴、今回のブログではその観戦記です。
1/15(日本時間1/16)
フェザー級10回戦
エイブラハム・ノバ(プエルトリコ)20勝(14KO)無敗
vs
ウィリアム・エンカルナシオン(ドミニカ共和国)19勝(15KO)1敗
こちらもノバの相手はいつの間にやら変更になっていますね。ノバの相手はサカリア・ルーカス(ナミビア)というボクサーだったと思いますが、エンカルナシオン(リングコールを聞くとこう聞こえました)に変更。戦績は立派です。
金髭が特徴のノバ、マスコットキャラクターみたいなのもいますね。
両者が向かい合うと結構なサイズ差を感じます。まずはノバがサークリング、ジャブを飛ばしますが、エンカルナシオンもステップは非常に軽やか。
プレスをかけるエンカルナシオンは、中盤、ノバのジャブに右カウンターをヒット。若干慌てた感のあるノバですが、すぐに落ち着き、ジャブ、エンカルナシオンに当てられた右カウンターと同様のカウンターを繰り出します。
2R、エンカルナシオンはハイガード、まっすぐでコンパクトな右ストレートの打てる、およそ黒人には少ないタイプのボクサーに見えます。しかしこのラウンドはノバがプレスを強め、後退する場面が目立ちます。ただ、エンカルナシオンの右のタイミングは結構侮れません。
3R、ノバにかなりリズムが出てきました。速いジャブで誘い、カウンターを狙います。エンカルナシオンがその誘いに乗らなければコンビネーションで攻め込みますが、エンカルナシオンのガードはなかなか固い。
後半、エンカルナシオンはスイッチしますが、特段何も起こせず。これは結構やりづらいボクサーです。
4R、ノバが引き続きカウンター狙いのため、プレスをかけるのはエンカルナシオン。後半はノバも前進、打撃戦に発展します。エンカルナシオンはパワーパンチでがんばり、ノバはガードがさほど固くない。いや、エンカルナシオンのパワーがすごいのか。結構ノバのガードは振れてしまいます。
5R、このラウンドは序盤からアグレッシブなノバ。左右のボディからコンビネーションをヒット、エンカルシオンを下がらせます。6Rも序盤からノバが右から入るコンビネーションで優勢、エンカルシオンはかなり苦しい展開。鉄壁だったガードも崩れることも多くなり、間を抜かれることもしばしば、それでもこのエンカルシオンはタフさも持っていました。
7R、ここまでのパンチスタッツには大きな差。ノバは106/363、エンカルシオンは52/237。エンカルシオンはガードの時間が長く、なかなか手が出せずにいます。
ノバはフィニッシュを狙っているように見えますが、エンカルシオンはしぶとい。幾度も顔を跳ね上げられ、ガードを破壊されながらも、耐えに耐え、力強いパンチを返します。
このラウンド終盤、右ストレートをクリーンヒットしたノバ、荒々しく攻め立てます!エンカルシオンはグロッギー間近!大ピンチですが、何とかサバイブ。
8R、ちょっと反応も落ちている風にみえるエンカルシオン。ノバのいくつかのパンチを浴びたところで、レフェリーはストップ。
エイブラハム・ノバ、8RTKO勝利。
納得はいかなそうなエンカルシオンですが、あの展開では仕方ないかもしれません。エンカルシオンも打ち返してはいたものの、ダメージは明らかでした。(これが日本人ならストップが早いとか文句を言ってしまいそうですが汗)
このエンカルシオンの調整期間は少なかったはずで、そうとすれば善戦といえる内容だったと思います。
ともかくエイブラハム・ノバ、やはり強さを見せつけて勝負を決めました。
これからはフェザー級が主戦場なのでしょうか。今後も気になるボクサーですね。
WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ
ジョー・スミスJr.(アメリカ)27勝(21KO)3敗
vs
スティーブ・ジェフラード(アメリカ)18勝(12KO)2敗
ゲフラード、と表記していましたが、他のところでは「ジェフラード」表記が多かったので長いものに巻かれます笑。
本来はスミスJrとカラム・ジョンソンという極上のタフファイトを見れる予定でしたが、ジョンソンがコロナに罹患、代役としてジェフラードとなりました。
このジェフラードはWBOの世界ランキングには入っていなかったボクサーですが、1/8に試合を控えており、その試合をキャンセルしてスミスJr戦を選択。ともあれ、結果敵に無事にWBOの承認を得て、世界タイトル戦となって良かったです。
注目の一戦、ゴング。
初回、先に出たのは王者、スミスJr。強いジャブからガンガンと攻め入り、ジェフラードは早くもロープ際。顔をしっかりと覆うようにガードを固めるジェフラード、そこから鋭いジャブを飛ばして対抗します。
ガードを固めるジェフラードに対して、スミスは右オーバーハンドを打ち込み、ジェフラードの体を泳がせます。ちょっとパワー差がありますね。
2Rもいきなり出ていくスミス。軽いストレートの連打でジェフラードをロープに釘付け、近づいてボディ。その後もジャブで距離を測って右のオーバーハンド、右ボディフック。ジェフラードのジャブはダック、ウィービングで空を切ります。
3R、やっぱり先に手を出すのはスミス。このラウンドはスミスのいくつかの右オーバーハンドがヒット。スミスは右ストレートは軽く打って、右オーバーハンドは強く打っていますね。
終盤はスミスの左右の強いボディがジェフラードを襲います。
4Rはジェフラードもコンビネーションで攻め入る場面を作ります。ジェフラードとしてはこのままズルズルいきたくありません。よくがんばります。
しかし明らかにパワーで勝るスミス、後半に入ると左右の荒々しいフックで攻め立て、ジェフラードは後退。
5R、ジェフラードはまたあまり手が出なくなってしまいます。ガードの時間が長く、スミスのジャブをブロッキングしてしまうのでスミスとしてはきっと非常にやりやすい。ジェフラードはこの長いジャブを外したいところですが、ボディムーブを持っていません。
後半、スミスの右でディフェンス一辺倒になってしまったジェフラード。ガードを固めますが、そのガードを割ってはいるスミスの左右!もうそろそろ、止め時かもしれません。
6R、変わらずアグレッシブに攻める王者、スミス。どちらが王者で、どちらがチャレンジャーかわかりません。スミスは初防衛戦ですが、守る気はさらさらない、戦う王者です。
非常にディフェンシブなジェフラードに対し、攻めに攻めるスミスですが、ここまでディフェンシブだとなかなか苦労します。
7R、下がりながら戦うジェフラード、時折コンビネーションで攻めますが怖さはありません。スミスはグイグイとプレス、力強いパンチを打ち込んでいきます。
ジェフラードはそろそろ勝負をかけなければ、アップセットは起こりません。
8R、ジェフラードが下がるのを止め、スミスのプレッシャーを受け止め始めました。一緒に打ち合えば、もともとジャブは悪くないですし、コンビネーションも出ます。
しかしやはりパワーでスミスが押していき、ジェフラード劣勢は変わらず。
9R、このラウンドもゴングと同時に先に手を出すスミス。いきなりジェフラードをロープにつめて連打、角度を変えてまた連打。ガードの上から軽い連打をうけたジェフラードは、ここであっけなく膝をつき、ダウン宣告。あまり立つ気もなさそうでしたが、カウント途中で陣営が棄権の意思表示、ジョー・スミスの勝利が決まりました。
ジョー・スミスJr、9RTKO勝利!
ダメージの蓄積もあったのでしょう、ジェフラード。アップセットはなりませんでした。
やはりこの代役挑戦者を相手には、力の差が大きかった印象ですね。ジェフラード、当然アップセットを起こす気がなければ受けなかったでしょうから、秘すものはあったのでしょうが、その片鱗も見せられず。
終わってみれば圧勝劇、ジョー・スミスJrは代役挑戦者相手とはいえ株を上げました。
そして、激戦続きのスミスの被弾がこの程度で済んだ事を少々安堵しつつ、次戦のパフォーマンスにも期待したいものです。というか、カラム・ジョンソンとやってもらいたい。
↓ライトヘビー級にもっと注目してほしい!という記事。