日本での放送がないためか、非常に注目度の薄いサブリエル・マティアスvsジェレミアス・ポンセ。
スブリエル・マティアスと呼ばれてみたり、イェレミアス・ポンセと呼ばれてみたりと名前が読みづらいのも原因なのかもしれません。いや、逆に知名度が低いから日本での呼び方が統一されないのか。
ともあれ、このIBF世界スーパーライト級王座決定戦は大注目です。
勝利のすべてをノックアウトで片付けているコンビネーションパンチャー、サブリエル・マティアスと、無敗で駆け上がってきたアルゼンチニアン・スタイルとも言える力強い南米スタイルを貫くジェレミアス・ポンセ。
非常に楽しみながら、ライブ配信では見れず、一日の情報遮断を敢行してShowtimeのアーカイブを視聴。
アンダーカードにも注目試合が名を連ねますが、今回はとりあえず時間の関係でメイン飲みの視聴です。
ということで今回のブログは、サブリエル・マティアスvsジェレミアス・ポンセ、ジョシュ・テイラーの返上したIBF世界スーパーライト級王座の決定戦です。
↓プレビュー記事
2/25(日本時間2/26)アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス
IBF世界スーパーライト級王座決定戦
ジェレミアス・ポンセ(アルゼンチン)30勝(20KO)無敗
vs
サブリエル・マティアス(プエルトリコ)18勝(18KO)1敗
確かにリングコールはイェレミアス・ポンセと聞こえ、発音をもとにするとイェレミアスが正しいのかもしれませんね。
ブルーとホワイト、アルゼンチンの国旗をイメージしたであろうガウンニミを包み、ポンセが先に入場。
続いてマティアスが入場、こちらは生歌、アカペラですね。ジミー・レノンのコールは「スブリエル」に聞こえますが、実況の声は「サ」と「ス」の間くらい。
そしてジミー・レノンJrの「It's Showtime!!」はいつ聞いても良い。
さて、注目の一戦、ゴング。
先にジャブを出したのはポンセ。長いリーチを活かして肩を入れたジャブを早々に突いていき、30秒が経とうかという頃には力強いコンビネーションを出していきます。
マティアスはまだ見ている段階で、ブロッキングでこれを防ぎます。非常にキレがあり、パワフルなポンセの攻撃を距離で外すでもなく真正面から受け止めるマティアス、時折打ち返すもののやはりいつもどおり上体が浮き気味、こういうスタイルはちょっと不安定に見えてしまいます。
後半に入るとポンセは更に手数を増やし、これがまた様々なアングルから出てくるパワーパンチ。マティアスは押されているように見えますが、かつてと違いディフェンスに非常に気を使うようになったマティアスは、これも計算済みなのでしょうか。
初回は間違いなくポンセのラウンド。
2R、またも出てくるのはポンセ。頭をつけての打ち合い、ここはマティアスの土俵でもあるし、ポンセの得意な距離でもあります。
身体全体を使ってパンチを打ち込んでいくポンセの方がフィジカルに勝るか、グイグイとマティアスを押し込んでいきます。力強いアッパー、右の打ち下ろしを繰り出すポンセ、しかしマティアスは下がりながらもその的中率は高く、腰高で、一見ただ手で振り回しているように見えるパンチは非常に威力があるという不思議。
最初から最後まで打ち合った3分間、いつの間にかマティアスが押される場面は少なくなり、終盤にはマティアスの左フックのいくつかがカウンターとなってヒット、マティアスはそこから回転力のあるコンビネーションへとつなげていきます。
3Rもリング中央での打ち合いからスタート。マティアスはエンジンがかかってきたのか、得意の近距離でのコンビネーションを見せていきます。
ポンセも負けじと力強いパンチを上下に打ち分けて応戦、そして身体で押し込んでいきます。
すでにフルラウンドいくつもりはない、という意思表示の二人のボクサー。手数はポンセですがマティアスはしっかりとしたブロッキング、そしてコンビネーション。
甲乙つけがたい時間が過ぎ、クリーンヒットを奪い合うものすごい展開!早くもこのラウンド終了後、スタンディングオベーションをする観客も。
4R、このラウンドも当然打ち合いからスタート、マティアスは非常に力の抜けたコンビネーションを放ち、真逆といえる力感のあるパンチを放つポンセ。
真正面から挑むというのがポンセで、非常に不器用と言えるボクシング。マティアスは少しずつ立ち位置を変えながら、ブロッキングの角度も変え、パンチのアングルも変え。。。と幾度となくポンセの顔を弾くパンチ。
終盤、左フックをヒットしたマティアス、この肩の抜けたコンビネーションパンチはサブリエル・マティアスの真骨頂。これで多くのボクサーをマットに沈ませてきました。
ポンセのこの攻勢にも、ここまで素晴らしいブロッキングを見せています。
5R、頭の位置をずらしながら、ポンセにくっついてコンビネーションのマティアス。ポンセは両ガードを高く掲げてはいるものの、真ん中が空いているスタイルで、更にマティアスの真正面に立ってしまうからか、マティアスのアッパーをよくもらっています。
Showtimeの採点が出ますが、1R、3Rがポンセ、2R、4Rがマティアスと綺麗にシーソーゲーム。
中盤、ポンセの攻撃をしっかりとブロックしたマティアスは、左アッパーでポンセの顔を跳ね上げます。その後、身体で押されるも得意のコンビネーションで攻め込み、そこから徐々に押していきます。ボディアッパーを交えたコンビネーションと左フックを決めると、ポンセはここでダウン!!!
立ち上がったポンセに襲いかかるマティアス、ポンセはピンチですがここを距離を潰して凌ぐと、ラウンド終了のゴング!
いやー、すごい。終盤、ポンセも勇気ある、見事なサバイバル術でした。
6Rが始まるかと思いきや、実況が「It's Over!!!」と叫んでいます!!どうやらジェレミアス・ポンセ陣営が棄権を申し出たようです。
サブリエル・マティアス、5R終了TKO勝利!
IBF世界スーパーライト級王座を初戴冠!!!
いやー、これは強い。互角に見えましたが、違ったのは耐久力なのか、それともやはりパンチングパワーなのか。
マティアスは絶対に打ち合ってはいけないボクサーで、スタイル的にはこのポンセは(結果的に)かなり相性が悪かったのかもしれません。
そう考えると、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)だって怪しいし、レジス・プログレイス(アメリカ)すらも怪しくなってきます。
テオフィモ・ロペス(アメリカ)とかは相性が良いのかもしれませんが、コンビネーションパンチャーであるマティアスに対しては、ちょっとカウンターも取りづらいかもしれません。
ということは、現在のトップどころとの相性的には、この階級はこのサブリエル・マティアスである可能性だってある、そんなボクサーだと思います。
ポンセもエネルギッシュで、非常にアグレッシブなボクサー。
この辺りに勝たなければ、この階級の王座はない、と考えると、やはりかなり厳しい道程ですね。
スーパーライト級には、日本にはアジア王座を持つ平岡アンディ(大橋)、永田大士(三迫)らがいますが、このレベルまで上がっていかなければいけないとなるとやっぱり生半可ではありません。
ともあれ、このサブリエル・マティアス、非常にエキサイティングで面白いボクサー。なぜあのスタンスで強烈なパンチが打てるのかは謎が謎を呼びますが、今後も大注目です。
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