信太のボクシングカフェ

信太のボクシングカフェ

ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

「黄金の中量級」の再来の呼び水となるか。ジャーボンタ・デービスvsライアン・ガルシアは4/22に激突!!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

今から40年ほど前、1980年というのは中量級が一時代を築いた時代でした。

それまでヘビー級中心だったボクシングは、パワーだけでなくスピード、テクニックが重視される時代に移っていったのがこの時代、と考えて間違いないでしょう。

そこで主役となったのは、五輪でも金メダルを獲得したレイ・チャールズ・レナード、つまりはシュガー・レイ・レナード。そこに、脇役と呼ぶにはふさわしくない第二、第三の主役たち、トーマス・ハーンズやロベルト・デュラン、そしてラスボスとして君臨したマービン・ハグラーが絡み、その他にも歴史に名を残すボクサーたちを巻き込んで「黄金」と呼ばれる時代を築いていきました。

私は90年代からボクシングを見始めたので、この熱狂をリアルタイムでは知りません。

しかし、2010年代の後半、このかつての中量級を模したかのように、ほんの少し下の階級で台頭してきたアメリカン・ボクサーたちがいました。

 

80年代のように、まるでリーグ戦のような戦いはまだ、ありません。

1つの大きな理由は、80年代に比べてプロモーターが細分化された、ということ。

80年代当時、ボブ・アラムが一人で仕掛けたこの中量級戦線は、現在、それぞれのプロモーターが選手を囲う時代になってしまったがために、実現しにくくもなってしまいました。

しかし、その壁を取っ払い、ようやく実現間近まで迫ったのがジャーボンタ・デービスvsライアン・ガルシアという、超人気者同士のビッグマッチ。

現代のBIG4と呼ばれたボクサーたちの初激突。このことは、今後のリーグ戦のきっかけとなるのでしょうか。

今回のブログでは、ライト級〜スーパーライト級に展開される、2020年代の黄金の中量級戦線について。

Tank Davis-Ryan Garcia: "The Deal Is Done" | BoxingInsider.com

 

ジャーボンタ・デービスvsライアン・ガルシアは最終合意!

プロモーター間の壁、というか、要はボクシングの試合を放映するプラットフォームの壁、といった方が今や正しい。

ジャーボンタ・デービスは、メイウェザープロモーション所属時代からずっとShowtimeでの放送であり、当時メイウェザーは「PBC所属の選手としか戦わせない」と名言していました。これは、Showtimeとメイウェザーとの関係性だったのか、そういう契約だったのか、いずれにしろデービスの試合はShowtimeでしか放送されない、ということを伝えていました。まるで○○先生の作品が読めるのはJUMPだけ、的な、集英社の囲い込み戦略のようです。(今は違うのかな?)

その後、デービスはGDPを設立、今はメイウェザープロモーションを離れ、形式上はセルフプロモート。それでも、ここまでShowtimeとの関係は切れていません。

 

対してライアン・ガルシアは、デビュー以来?オスカー・デラホーヤ率いるGBP所属のボクサー。デラホーヤと同じくラテン系のアメリカ人である彼は、一時カネロと仲良くし、カネロとデラホーヤが袂を分かつ時についていったかに見えましたが、なんだかんだで結局元サヤに収まっています。こちらのGBPのプラットフォームはDAZNで、GBPはDAZNのアメリカ進出を大いに支えている立場でもあると思います。

この戦いが合意に至った、というのは非常に特別な意味があり、最終的にはGBP、DAZNが譲歩した形になってはいるものの、その譲歩を導き出したのはライアン・ガルシアの熱意であり、またジャーボンタ・デービスの熱意でもあるのでしょう。

特にGBPのトップスターとも言えるライアン・ガルシアが、(デラホーヤからすれば)我儘を押し通してまで戦いたい、と言ったのは意外であり、デラホーヤとしてもそれを無視することができなかった、という事は、ボクシングファンからすると非常に好ましい出来事のように思います。

これは、ボクサー同士が「本気で」闘りたいのならば、実現の可能性はある、ということなのですから。

 

ともあれ、一応すでに3階級を制覇している王者であるタンク・デービスと、WBC世界ライト級の暫定タイトルを獲ったというだけのライアン・ガルシアであれば、ガルシアがデービス側に合わせる、というのは至極まっとうなような気もします。ガルシア自体はタイトルはいらない、ということですが、ここはタイトルにおいて格付けするのが一番手っ取り早く、また納得性があろうかと思います。

日程は4/22(日本時間4/23)、当初の予定よりも1週間遅れで決まりました。

これは楽しみ、という以外に言葉が見つかりませんね。是非とも、シュガー・レイ・レナードvsトーマス・ハーンズ第一戦のような、歴史に残るような素晴らしい試合を期待したい。

 

テオフィモ・ロペスとデビン・ヘイニー

2010年代の終わり、上記のジャーボンタ・デービス、そしてライアン・ガルシアのほか、テオフィモ・ロペスとデビン・ヘイニーがライト級のプロスペクトとして名を連ね、BIG4と呼ばれていました。

この中で、最初にタイトルを獲ったのはジャーボンタ・デービスで2017年、そしてその次に正規タイトルを獲ったのがテオフィモ・ロペスです。

ロペスは中谷正義(当時井岡)とのIBF世界ライト級挑戦者決定戦を勝ち、2019年12月、ときの王者リチャード・コミーに挑戦。

このコミー戦の右カウンターは、今でもロペスのベストパンチに数えられるもので、2RTKO勝利で世界初戴冠を果たすという最高の結果をもたらしました。

 

その後もワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を降して3団体統一王者(+WBCフランチャイズ王者)となりますが、その統一王座の防衛戦で伏兵、ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)に破れ初黒星。

2022年はペドロ・カンパ(メキシコ)を破り再起、その後はサンドール・マーテイン(スペイン)に辛勝ということで評価を上げられてはいません。

ただ、次の戦いは元世界スーパーライト級4団体統一王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)。

ロペスはWBCの意味不明さにより、ライト級での4団体統一王者になりそこねてしまいましたが、実質的な4団体統一王者とも言えます。つまりこれは、元4団体統一王者同士の一戦と言ってもよく、ロペスはここで勝利すれば一気に話題の中心へ返り咲けるかもしれません。

そしてデビン・ヘイニー、こちらは紛れもない世界ライト級4団体統一王者。にもかかわらず、この影の薄さは何なのか。

ヘイニーはロペス戴冠の3ヶ月前、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)とWBC世界ライト級暫定王座決定戦を戦い、これを戴冠。

 

その後、アルフレド・サンティアゴ(ドミニカ共和国)、ユリオルキス・ガンボア(キューバ)、ホルヘ・リナレス(帝拳)、ジョセフ・ディアス(アメリカ)を退けてジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)との王座統一戦に臨みました。

本来、カンボソスが戦いたかったのはワシル・ロマチェンコでしたが、ちょうど戦争が勃発、対戦相手がヘイニーになり、4団体統一戦になった、という経緯でしたね。

さて、ここを楽勝したヘイニーは、初防衛戦でカンボソスを返り討ちにしています。

結局、「議論の余地のある」王者であるデビン・ヘイニーは、ロマチェンコともやっていないし、WBAレギュラー王者であるジャーボンタ・デービスともやっていない。この事が「議論の余地がある」という理由でしょう。

ヘイニーvsロマチェンコは5/20と噂されていますが、これが実現し、ロマチェンコを退けて初めてヘイニーは「Undisputed」(議論の余地なき)王者となり、PFPランキング入りも認められる事になるのかもしれません。

 

テオフィモ・ロペスはスーパーライト級へ行ってしまいましたが、ヘイニーもおそらくロマチェンコ戦を最後にスーパーライト級へ転級するのではないか、と思われます。

そうなると、このBIG4の戦いの舞台は、スーパーライト級で整う事になりそうです。

今後のBIG4

ジャーボンタ・デービスvsライアン・ガルシア、この戦いで優劣がついたとしても、その商品価値はさほど落ちないのではないか、と思われます。

理由は、テオフィモ・ロペスやデビン・ヘイニー、これらのボクサーとの対戦を望まれる立場にあるであろう、という事からです。

ライト級での激突があったならば。。。と悔やまれますが、スーパーライト級でもその脇を固めるボクサーたちは非常に魅力的です。

ここまでのスーパーライト級は、WBSSを優勝し、4団体統一王者まで上り詰めたジョシュ・テイラー(イギリス)が最強で間違いはないのですが、王座統一後はモチベーションの問題なのか、停滞気味。そもそもこの4団体王座も、接戦を繰り返して統一したものですから、トップどころの実力は伯仲していた、と見るのが一般的な事柄でしょう。

 

そうなると、テイラーのほかに、レジス・プログレイス(アメリカ)なんかは調子を上げているとも言えますし、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)もホセ・ペドラサ(プエルトリコ)を破り、次はリチャード・コミー(ガーナ)戦と息巻いています。

ジョシュ・テイラー戦で一躍有名になったジャック・キャトラル(イギリス)、マイキー・ガルシアを破る殊勲を上げ、テオフィモ・ロペスにあと一歩まで迫ったサンドール・マーティン(スペイン)、そして本日試合をしているサブリエル・マティアス(プエルトリコ)vsジェレミアス・ポンセ(アルゼンチン)の勝者、etc、etc......

みんな(というか私が)大好きスティーブ・スパーク(オーストラリア)、それからエルビス・ロドリゲス(ドミニカ共和国)、ゲイリー・アントワン・ラッセル(アメリカ)といった倒し屋たち、数え上げればキリがありません。

ライアン・ガルシア、デビン・ヘイニーが24歳、テオフィモ・ロペスが25歳、そしてジャーボンタ・デービスが28歳。

デービスだけはちょっとアレ(年齢的な意味ではなくて)ですが、その他の若いボクサーたちは、あと10年近くに渡って我々をたのしませてくれるはず。

今後、プロモーターの垣根を超えたライバル対決を、大いに期待しましょう。

 

 

【宣伝】

ボクシング用品専門ショップ、やってます。

英国で大人気、FLYのボクシンググローブ等の取り扱いを再開!相変わらず供給は不安定ですが。。。

是非覗いてみて下さい。

boxingcafe.base.shop

 

 

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ