3/14、フェニックスバトル。
これの開始前くらいの時間帯に、5/7のチケット当選のお知らせが来ました。
嬉しい、というかホッとしました。これでチケット争奪戦の螺旋から抜け出せます。
あとは4月を乗り切って5/7を待つばかり。今年もたくさんのお布施をしそうです。。。
ともあれ、本日のフェニックスバトルは興味のある試合をピックアップしてのディレイ視聴。
ということで今回のブログは、フェニックスバトルの観戦記です。
↓プレビュー記事
3/14(火)フェニックスバトル
第一試合、第二試合は問題なく田中湧也、石井武志の勝利。まあ、これらの試合は見るまでもないでしょうということで第三試合から視聴。
こちらは非常に興味深い一戦です。
酒井幹生(角海老宝石)vs京原和輝(博多協栄)
初回、まずは距離の探りあいからスタート、序盤に京原が右をヒット。その後は酒井も右を返しますが、ちょっと京原の右ストレートが上手くあたっている感じ。角度かな、ちょっと外側から巻き込むように打つ右は、酒井のガードの間隙を縫ってヒットしています。
しかし酒井も上下に打ち分けたコンビネーションで攻め立て、譲りません。
2R、酒井は少し距離を取る作戦か、キレのあるステップワーク。しかしこれに対して京原は大きく振っていき、この大きな右をヒット。酒井はクリンチでこの攻撃を分断、強く大きく振る京原とコンパクトなコンビネーションの酒井、上回るのはどちらか。
と思った中盤、バッティングにより京原が出血、ドクターのチェックが入ります。
ちょっと中断が長引き、嫌な予感がしたところで試合はストップ。
規定のラウンドに達していなかったため、負傷判定でドロー。
水谷直人(KG大和)vs河村真吾(堺春木)
前戦が武居由樹(大橋)、その前は藤岡拓弥(VADY)に僅差の判定負け、その前が勅使河原弘晶(当時三迫)、その前が3連続引き分けでその前が佐川遼(三迫)、清水聡(大橋)ということでもう随分勝ち星から遠ざかっている河村真吾。
ここを判定勝利で乗り切り、約5年ぶりの勝利。
強豪との対戦は糧になっていたのかもしれません。「めちゃくちゃ嬉しい」と素直に声に出していましたが、これは嬉しいでしょうね。敗れた水谷は連敗となってしまいましたが、勝者がいれば敗者もいる、これこそがボクシングの儚さです。
それいけ太一(KG大和)vs佐藤諄幸(厚木ワタナベ)
好調のそれいけ太一、KG大和ジム移籍後3連勝がかかります。もうタイトル戦が手が届くところに来ている分、油断なくがんばってもらいたいものです。
初回、太一がプレスをかけつつ距離を詰め、佐藤はサークリングしつつ距離をとり、ジャブ。太一はプレスをかけつつもバックステップの準備をして、相手の出方を伺っています。
太一がコンビネーションで攻めると佐藤もコンビネーションを返す、中間距離でのなかなか見応えのある攻防が続きます。後半、佐藤の右のショートでぐらついた太一。ちょっと危ないかと思いましたが、ここで強気に強いパンチで押し返し、左右のフックをヒット!
少しぐらついたように見えた佐藤に、大きな右フックを追加。これは頭の上をかすめたようなパンチでしたが、テンプルにでも入っていたのか、佐藤はダウン!
このあと、レフェリーはテンカウントを数え上げて試合はストップ!
それいけ太一、初回KO勝利!
スローで見るとフルスイングのパンチを頭の先に当て、佐藤の頭が揺れています。これで3連勝、日本タイトルは目の前です。
日本ユーススーパーフライ級王座決定戦
中垣龍汰朗(大橋)3勝(2KO)無敗2分
vs
山口仁也(三迫)2勝(2KO)無敗
そして本日の本当のメインイベントは新鋭同士の日本ユース戦。中垣にとってはユースタイトルとともに、その評価を取り戻せるかという戦い。
山口にとっては大チャンス、アマチュア時代のリベンジとともにユースタイトルが手に入る試合です。
初回、サウスポー同士。山口の体のキレがすごい。自ら攻めては退き、ときにどっしりと構えて左右の力強いボディ。
中垣も強気にコンビネーション、そうなると必然的に距離が近づき、山口がやりやすくなるか。クロスレンジでは明らかに山口のフィジカルの方が強そうで、ショート連打の回転力もありそうです。
2R、中垣はちょっと離れきれないのか、それともこの接近戦で戦おうということなのか、早々に接近戦。ここではやはり山口の回転力がすばらしく、この連打のさなかのパンチのアングルが素晴らしい。
ここでは中垣の顔が幾度も揺らされますが、中盤、中垣が巧く距離を取る場面も。
やはり中垣の得意な距離はストレートの距離であり、山口がもう一歩そこから近い距離。山口は巻き込むようなフック、叩きつけるようなショート、中垣はストレートが良いですがややパワーレスなイメージでしょうか。
このラウンド、中垣が出血、これはヒッティングのようです。
3R、山口は近い距離での戦いに自信を持ったか、グイグイいきます。ここで中垣はカウンター、これは巧いですが山口は全く止まる気配がありません。
中垣としてはもっと足を使った方が良いような気がしますが、ここで応戦。
ちょっと中垣はスタンスを広くしすぎており、スムーズに動けなくなっているのではないでしょうか。
近い距離での打ち合い、山口のブロッキングとフィジカルの強さ、パンチのパワフルさが目立ちます。中垣は幾度も顔面を揺らされており、これはかなり分が悪い戦いとなってしまいます。会場は盛り上がりますが、見栄えとしてはかなり山口寄りであり、この戦いで明らかにダメージを溜めてしまうのは中垣。
4R、ここも打撃戦でスタート!
ここで中垣は奥の手をストレートからアッパーへと変え、巧くパンチをコネクト。ここでヒットを重ねた中垣ですが、やはりこの山口はこの距離が強い。
相手の得意な距離で、なのか、それともここでたとえ負けたとしてもなにかを身に着けようということなのか、なにかを証明しようということなのか、中垣は相手の土俵である接近戦で巧くアッパーを織り交ぜて反撃。
5R、ここで中垣はジャブを多用、攻め気を崩す気はないものの、この距離は良い距離です。頭をつけてからショートのアッパー、コツンと当てるパンチではあるもののヒットを奪います。
中盤には山口がパワフルなパンチで攻め立て、中垣は押されつつも打たれつつも退かず、時折カウンターを取って応戦!
これは恐ろしい打撃戦、さすが「ユースタイトル戦」という大激闘!!
これはまた、微妙な判定の試合になりそう。。。
6R、このラウンドも当たり前のように打撃戦。やはり山口の方がパワフル。それでも、ゾンビのように接近戦を仕掛けていくのはどちらかというと中垣の方。
ただ、耐久力、身体の強さ、パンチの強さには少し差がありそうで、中盤少し中垣がぐらつく場面も。
クリーンヒットはどっちかわからないが、やはり見栄えは山口だと思います。ただ、よりハートを見せているのは中垣だと思います。
鼻から出血しながらも、明らかなダメージを負いながらもあくまでも接近戦を仕掛ける中垣、ここで山口が下がったところで中垣の左がヒット。
7R、前半、左ストレートから右フックをヒットしたのは中垣。しかし山口も左フックから右フックをヒット。
中垣は山口のパンチを外しての左、というのがよくあたっている気がします。それが打てる距離にいたい、もしくは、距離をつくるために山口を下がらせたい、というのが中垣の思惑でしょうか。
山口がコンパクトな連打を中垣にヒットすると、中垣もリターン。どちらも退かない、素晴らしい好き試合はラストラウンドに突入!!!
ラストラウンド、このラウンドも当然のように打撃戦。
「死力を尽くす」と言う言葉の通り、戦いに身を投じていくふたりの若武者。
このラウンドは山口のボディ攻撃が功を奏したか、中垣のガードは少し下がり気味、それに伴い顔面へのパンチも当たりやすくなります。
中垣の方が疲労、ダメージともに濃いものの、山口の打ち終わりには必ずと言って良いほどカウンターを狙います。
終始打ち合い、最後の最後まで勝利を諦めなかった二人のボクサーの戦いは終わり、勝負は判定へ。
判定は、76-76、77-75×2、山口仁也。
いやー、ものすごい激闘でした。
山口は非常にフィジカルが強く、パワーも技術もある素晴らしいボクサーですね。今後も非常に期待が持てます。
そして敗れた中垣、今回もハートの強さを見せました。ただ、特に序盤から早々に打ち合いに持っていった展開というのはどうだったのでしょうか。
これはもしかするとステップアップするためにあえて接近戦を挑んだのかもしれません。現に「明らかに勝ち目がなさそうだった」序盤をすぎると、中盤以降は盛り返し、「もしかしたら接近戦で打ち勝てるかも」そう思わせたことは収穫と言って良いでしょう。しかも、あのフィジカルを持つパンチャー山口を相手に。
ただ、どうしてもこの作戦は勝つために良かった、とは言えないような気がします。
フルラウンド、山口を完封することは無理でも、もっとしっかりと距離をとったボクシングをしていたらどうなったのか。。。とか思ってしまうわけで。
激闘王は、弟子も激闘王にしたいのか、それとも何か考えがあって、このようにしているのか。中垣に足りない部分を今、(負けることを恐れず)実践を経験しながら鍛えている、というのであれば、良いですね。
51.5kg契約8回戦
桑原拓(大橋)11勝(6KO)1敗
vs
ホセ・リバス(メキシコ)18勝(10KO)13敗4敗
手に汗握るセミファイナルが終了したので、ここはもう安心してその華麗なボクシングを堪能させてほしいと思う、スピードスター・桑原拓。
初回、まずはサークリングからはじめる桑原。このメキシカンはやや腰高で、いわゆる「メキシカン」していないボクサーに感じます。
あまり反応のよくないこのリバス、若くは見えないけどいくつだったっけ、とか思っていると、近づいたところで桑原の右アッパーから左フックがヒット、操り人形の糸が切れたように身体が硬直してリバスはダウン。
もうこれで終わりでも良いのでは?というダウンからすくっと立ち上がったリバスでしたが、ダメージはあったのか再開後すぐに後退。
ここで桑原はプレスをかけてコンビネーション、そして最後はビューティフルな左フックカウンター!!!
桑原拓、かっこよすぎる初回TKO勝利!!!
これはちょっとよくないところが一切みえない素晴らしいノックアウト劇。
まあ、実力差はありましたが、この倒し方は鮮やかすぎてかっこよすぎますね。
OPBF東洋太平洋王者として、ぜひ次戦は防衛戦に臨んでもらいたいですね。できれば国内の強豪を誰か退けてから世界に行ってほしい。
今後もやっぱり楽しみな、華のあるボクサーです。
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