信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ジャロン・エニスvsロイマン・ビラと、ルイス・ネリvsサルダール!

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バージル・オルティスJr(アメリカ)の戦線離脱は残念で非常に心配ではありますが、それがなくなってもジャロン・エニス(アメリカ)が登場するという層の厚さのウェルター級。

アメリカ・ニュージャージーで行われたジャロン・エニスvsロイマン・ビラの戦いを、U-NEXTが生配信してくれました。欲を言えば情報をもっと早くに出してほしいものですが。

そして日本のボクシングファンにとってもう一つの興味深い戦いがメキシコで行われています。それは、ルイス・ネリ(メキシコ)vsフローイラン・サルダール(フィリピン)。

すでにスーパーバンタム級での挑戦権を獲得しているネリは調整試合ですが、この戦いはアメリカでESPNが中継しています。

ということで今回のブログでは、エニスvsビラをメインに据えたPBC興行の観戦記、そしてネリvsサルダールの観戦記です。

 

7/8(日本時間7/9)アメリカ・ニュージャージー

エドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ共和国)vsジョセフ・アドルノ(アメリカ)

15勝(14KO)1敗のサントス、17勝(14KO)2敗2分のアドルノ。

ふたりのKO率の高さから、KO決着に期待を膨らませた一戦は、やや消化不良気味の一戦。互いにハードパンチと高いディフェンス技術を持つからこそ、警戒に警戒を重ねるような戦いでした。

その中でもやはりサントスの方が一枚上手出会ったことは事実であり、完勝というのもわかるのですが、やはり倒し屋たる所以をみせてもらいたかったところです。

ヨエルビス・ゴメス(キューバ)vsマーキス・テイラー(アメリカ)

こちらはプロスペクト、ヨエルビス・ゴメスをAサイドとして用意された一戦でしたが、アップセット。テイラーがダウンを奪いボックス、ゴメスの強打は不発に終わります。

反応の良いテイラーは、ゴメスの攻めに対して上体を使ったディフェンスや、距離をコントロールして被弾を防ぐ。見事、PBCやファンの期待を裏切る判定勝利を得ました。

かくいう私も、ゴメスの豪打爆発に期待していた一人なので、ちょっと残念です。

 

IBF世界ウェルター級暫定タイトルマッチ

ジャロン・エニス(アメリカ)30勝(27KO)無敗

vs

ロイマン・ビラ(コロンビア)26勝(24KO)1敗

さて、そんな感じで、好マッチメイクながらもやや盛り上げに欠ける結果を築いてきた本PBC興行、メインイベントはスペンス、クロフォードをもしのいでウェルター級No.1という声すらあるジャロン「ブーツ」エニスの登場です。

注目のゴング。

まずはエニスがビラのまわりを回りながら、顔面、ボディへ鋭いジャブを飛ばします。さて、この長い距離ではビラはあまりにも無力。ただ、これは想像し得たことなので、ビラがこれからどのように距離を詰められるか。

初回の3分はビラは攻撃の糸口を掴むことはできず、ラウンドが終了。

2R、今度はサウスポースタンスから鋭いジャブを飛ばすエニス。ビラはパンチを出すタイミングをなかなかつかめないでいますが、中盤以降、少しずつ「らしさ」を発揮していきます。ようやく、パンチを「振り回す」事ができ始めています。

3Rもやはりエニスのジャブ、カウンターストレートでビラが近づくことはままなりませんが、要所要所でパンチを振り回すビラ。

中盤、エニスの左をヒットされますが、そのリターンで右を返したビラ、これがとうとうエニスにヒット!

ビラはようやくパンチが当たりはじめ、その手数やヒット数はエニスの方が圧倒的に上ではありますが、ビラにも少しずつチャンスが出てきます。

 

4R、スイッチヒッターで、パンチングパワーは申し分なく、ディフェンステクニックにも優れるジャロン・エニス。ビラは懸命にプレスをかけ続けて勝負をかけますが、はっきり言ってミドルレンジではパンチを出すこともままならないほどに圧倒的にエニス。接近戦ではかろうじて一縷の望みを見いだせる、という程度です。

この化け物、エニスに果敢に挑むビラ、応援したいけどなかなか勝ち筋は薄い。

5R、それでもビラは勿論諦める素振りはなく、グイグイと前進して強振。エニスのジャブに幾度も阻まれながらも、ひとたび近づけば嵐のように左右のフックを振るいます。

特にこのビラのタフネスには驚かされます。エニスも辟易としているかもしれません。

ここまでのポイントはすべてエニスに流れているのは当然としても、ラウンドを追うごとビラは良くなっています。

6R、距離を支配しているのはエニス、ペースも勿論エニス。そしてヒット数も圧倒的な差があるのでしょう。しかし、それでもビラのプレスも効いてきたか、というこのラウンド後半、エニスの右オーバーハンドがビラにヒット、このパンチでビラはぐらり!

ここはサバイブしたビラですが、フィニッシュは近いかもしれません。

7R、ビラはあまりダメージを感じさせない立ち上がり。ですがエニスはこのラウンド、フィニッシュを狙ってかビラのプレスをしっかりと受け止め、接近戦で応戦。

この近い距離でのディフェンス能力からのリターンもエニスが圧倒的に上であり、このラウンド中盤にもエニスはアッパーで効かせます。

終盤にも右オーバーハンド、右ストレートから左アッパー、様々なパンチをヒットしたエニス、何ですかこのとんでもない強さは。

 

8R、このラウンドもミドルレンジからのスタートながらも、後半にはクロスレンジファイト。この接近した状態、ビラの持ち込みたい距離ですらエニスはビラを圧倒。様々なアングルのパンチを使い分け、ビラを下がらせます。

ビラはかなりダメージを溜め込んでいるようにみえ、これは非常に危険な状態に陥りかねません。陣営は判断を降した方が良いのかもしれません。

9R、エニスが観客を煽ってスタート。これはフィニッシュラウンドとなるか。

まだまだ抵抗するビラ、ダメージは相当なものでしょうがまだそのパンチに力は宿っています。が、ちょっとふらついている場面も。

抵抗しているからこそレフェリーも止めませんが、結構危険な気がします。後半、ビラはマウスピースを吐き出してしまいます。

10R、ここにきてもプレスをかけるビラ。エニスはサークリングしつつ安全圏から戦う前半を過ぎ、中盤にワンツーから攻め込みます。接近戦となったことで手を出し始めるビラ、しかしビラのパンチにもう鋭さが消えてしまってきています。

ここでまだまだ切れ味鋭いエニスのパンチが幾度となくヒット、右フックでぐらりときたビラに左オーバーハンドをフォロー、これは当たっていないと思いますが、ビラはマットに落ち、ここでレフェリーがストップ!

ジャロン「ブーツ」エニス、10RTKO勝利!!!

いったい何ができないのか、ジャロン・エニス。スペンス、クロフォードに引けをとらない才能です。

これがウェルター級。。。と考えると、やはりその頂きは高い。

まあ、エニスが強いのは当然としても、ビラも想像以上に頑張ったと思います。前戦、ラシディ・エリス戦も素晴らしかったですが、この試合でもハートの強さを見せました。が、ちょっとタフすぎて心配になるレベル。

やっぱりウェルター級は面白い。

 

7/8(日本時間7/9)メキシコ・メテペック

ルイス・ネリ(メキシコ)34勝(26KO)1敗

vs

フローイラン・サルダール(フィリピン)33勝(23KO)6敗1分

メキシコはメキシコ州、メテペックという都市で行われた興行。メキシコ興行ながらも、ESPNでの放送もあったカードなので、視聴が可能でした。

我らが(笑)ルイス・エステバン・ネリ・エルナンデス(本名)は、日本で色々やってくれてしまったので非常に認めたくない人も多いでしょう。かくいう私も大嫌いだったのですが、一周回って好き、とまではいかないまでもやはり興味のあるボクサー。

スーパーバンタム級に上げ、パワーがやや目減りした、というのはおそらく当たり前のことで、バンタム級時代に比べて評価が下がったことも頷けます。

普通は、階級を上げて評価が上がる、なんてことは、よほど前の階級で無理をしていない限り不可能なことです(約1モンスターを除く)。

スーパーバンタム級のネリに、パワーレスとか色々という人もいますが、バンタム級で非常にパワフルだっただけのこと。その評価を改めざるを得なかったのは、前戦でアザト・ホバ二シャン(アルメニア)を11RKOで仕留めたことでしょう。

この戦いにより、WBC世界スーパーバンタム級王座への挑戦権を獲得したルイス・ネリ。

 

現在のこの階級のWBC王者はスティーブン・フルトン(アメリカ)であり、このフルトンは7/25(火)に井上尚弥を迎えて防衛戦なので、単純に考えればこの勝者に挑むことになります。ということはネリも日本に見に来るのかな??

ともあれ、相手のフローイラン・サルダールは日本でのおなじみのボクサーで、木村翔に挑んだり、福永亮次や村地翼、比嘉大吾と戦ったりと幾度も日本のリングにも登場しています。

ただ、ついこの前まではスーパーフライ級で戦っていたボクサーであり、やはりこの試合はネリの調整試合の域を出るものではありませんね。

ところで、ジャロン・エニスを見たあとだからか、ネリのヒゲが可愛く見えます。まあ、エニスにしろ、フルトンにしろ、ネリにしろ、こういうヒゲを生やせるのは良いですね。明らかに、顎を狙いづらくはなりますから。ワセリンをべったり塗れば滑るでしょうし、その状態でクリンチしてこのワセリンが相手の目の中に入る、なんてことを考えれば対戦相手にとっては非常にリスクとなるものです。

ともあれ、ゴング。

 

初回、ネリが軽やかにステップを刻み、両者前手で様子を見ます。サルダールも調子は悪くなさそうで、長い右ストレートを打ち込んでいき、これは浅くながらもネリに届きます。

1分が経とうかというところ、両者大きなフックを打ち合うという突然のエキサイト!

サルダールはアグレッシブに攻めますが、ネリもしっかりと応戦、リングがかなり滑るのか、そこを気にする素振りも見せますね。

集中力の問題なのかちょっとリターンが遅れている雰囲気のネリ。ただ、打ち出すと止まらないのは相変わらずで、サルダールが攻めた後の攻撃では、かつて武器にしていた回転力を見せて反撃します。

2R、ネリがちょっとペースアップ、身体を振ってプレス。そこから左をヒット、ここで一気に攻め込むと、サルダールは膝を折ってダウン!

立ち上がったサルダールは、願ったりかなったりと打撃戦に応じますが、さほどクリーンにヒットしていないように見えたパンチでもダメージを被ってしまったのか、ズルズルと下がってしまって手が出ません。

コーナー際に追い詰められたサルダールは、2度目のダウン。

やはりダメージがあるか、緩慢な動きのサルダールをネリは攻め立てると、サルダールはこのラウンド3度目のダウン、レフェリーは試合をストップ。

ルイス・ネリ、2RTKO勝利!

 

今回のネリは、「倒しに行こうとして倒した」という感じでしたね。目を引くような素晴らしいパンチでノックアウトした、というよりも、連打の中でたまたま当たりどころが良かったというか悪かったというか。。。アグレッシブネスという所では良かったですが、前戦のホバ二シャン戦ほどの出来ではありませんでした。

まあ、調整試合ですから、仕方ないですね。

ともあれ、井上尚弥参戦で俄然盛り上がるスーパーバンタム級、ルイス・ネリの参戦はどのようにして叶うのか。

 

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