信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】世界ライト級のNext Generation!!レイモンド・ムラタヤvsディエゴ・トーレス!

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モンテカルロでは寺地拳四朗最大のライバルと思われたIBF世界ライトフライ級王者、シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)が敗れた11/4(日本時間11/5)。

アメリカではエフェ・アジャグバvsジョー・グードルという日本のファンの誰の目にも止まらないヘビー級ノンタイトル線、そして世界からほぼ見放されているWBC世界クルーザー級タイトルマッチ、イルンガ・マカブvsネポール・ミクラエリアンが行われていました。

このうち、マカブvsミクラエリアンはマカブが3RTKOで敗れての王座交代劇もありましたが、個人的な注目はアジャグバvsグードル、ではなく、そのアンダーカードで行われたレイモンド・ムラタヤvsディエゴ・トーレス。

ということで今回のブログは、このムラタヤvsトーレスと、ライト級について。



 

無敗のプロスペクト対決!!

この試合の前には、ヘンリー・レブロン(プエルトリコ)vsウィリアム・フォスターⅢ(アメリカ)という無敗対決のあったこのトップランク興行。メインが素晴らしい時はアンダーカードはプロスペクトたちの調整試合が主ですが、メインが大したことない(失礼)の時のトップランクのマッチアップたるや素晴らしい。

レブロンvsフォスターはフォスターが勝つのかな、と思っていましたがレブロンが2-0の判定で勝利していましたね。(試合は見ていません)

無敗プロスペクト同士の対決というのは、いつのタイミングでも非常に興味深いものですが、今回のようにたくさんの試合がある場合で、興味ある順に見ていくのであれば、コルディナvsバスケス、ノンシンガvsクリエルと来て間違いなくムラタヤvsトーレスとなります。

一つの理由は、もともとこのムラタヤには注目していたこと。このムラタヤにはガブリエル・ムラタヤという兄がいて、こちらは軽量級(バンタム)であることからも注目。この兄は「マエストロ」のニックネーム、現在10勝5KO無敗のボクサーですが、弟レイモンドのニックネームは「Danger」、素晴らしいKO率を誇るボクサーです。

この兄弟は非常に素晴らしいテクニックを誇り、弟レイモンドはとてつもないパワーを保持しています。しかも、大人気階級であるライト級ということもあり、注目しないわけにいかないボクサーです。

 

 

 

そしてもう一つ、この試合に注目していた理由は、この試合が世界タイトルマッチ2歩くらい手前、というポジションの試合だからです。

この試合は、WBOグローバルのライト級タイトルマッチであり、NABFのタイトルマッチでもあります。

ムラタヤがAサイドの試合ではありますが、このムラタヤは前戦、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)と王座決定戦を争い、ミゲル・ベルチェルト(メキシコ)をノックアウトしたジェレミア・ナカティリャ(ナミビア)をたった2Rでノックアウトしており、世界タイトル戦への道のりとして足りないのはあと「元世界王者」くらいのもの。

そんなタイトル戦線に絡んでいこう、というムラタヤの対戦相手が無敗のプロスペクト、となると、この無敗のプロスペクトであるディエゴ・トーレスにも同様のチャンスが与えられた、という形になります。ここでトーレスがムラタヤを食えば、一気にその地位をとって変わることができるのです。

ムラタヤにとっても、18勝17KO無敗というとてつもないパンチャーであるトーレスは危険な相手です。

ということで、この無敗パンチャー同士の試合を見ていきたいと思います。

 

 

 

11/4(日本時間11/5)アメリカ・ネバダ州

レイモンド・ムラタヤ(アメリカ)18勝(15KO)無敗

vs

ディエゴ・トーレス(メキシコ)18勝(17KO)無敗

初回、広いスタンスからプレスをかけるのはムラタヤ。やや後ろ荷重、前足をかなり前に置いて広いスタンスをとるボクサーは最近非常に多く、ことアメリカのボクサーたちはこれが主流と言えるでしょう。

それでいてバックステップも素早いムラタヤは、リング中央を陣取って鋭いジャブで攻めつつ相手が出てくればバックステップ。まだ様子見段階ながらもワンツーフックのコンビネーションをトーレスのガードの上に叩き込んでいます。

2Rに入るとムラタヤは力強いコンビネーションでトーレスを下がらせます。相手が攻めてきた時には大きなバックステップであり、そこからすぐリターンを打つなどの繊細さこそはないもの、とにかくその攻撃はパワフルで、打ち終わりもしっかりと距離をとってケアできています。

 

 

 

3Rに入るともうトーレスの勝ち筋はほぼ見えず、トーレスはとにかくムラタヤの攻撃をブロックでしのぎ、力強いワンツーで攻め入るのみ。しかしこの鋭い踏み込みのワンツーもムラタヤの大きなバックステップに躱されてしまい、ターゲットエリアにパンチを当てることはできていません。

4R、トーレスもここから奮起して自ら攻め入る場面を作ります。ムラタヤは大きな動きでこれをかわし、大きな動きでコンビネーションを返します。

5R、さらに手数を増やしたトーレス。エンジンがかかってきたのか、ムラタヤのプレスに慣れたのか、かなり強引に攻めていきます。

それでもかなり上体のでかいムラタヤはパンチングパワーと共にフィジカルパワーでもトーレスに勝り、トーレスの攻撃を意に介さず自分の攻めたい時に攻めている感じ。

6R、中盤、やや外側からの右をヒットしたムラタヤは、下がるトーレスを追い詰めていきます。トーレスもさすが無敗のプロスペクト、という攻撃を見せますが、ムラタヤは動じることなく自分のボクシングを貫いています。

 

 

 

7R、トーレスは特にオーバーハンド気味の右が鋭い。そのほかにパンチへの反応もよく、ブロッキングも良いですね。但し、ムラタヤ相手にはパワー負けしていることもあり、ブロッキングでムラタヤのパンチを吸収しきれていないことも事実。

それでも勝利を諦めず、果敢に攻め入るトーレス。

後半、攻め入ったトーレスに無慈悲な右カウンターを浴びせ、後退させたムラタヤは、ブロッキングの上から強い右を当ててトーレスをさらに下がらせます。

8R、かなりダメージのありそうなトーレスですが、諦めずに先手。すでに距離を見切っているムラタヤは、最小のバックステップでこれを躱すとリターンを決め、トーレスにダメージを与えます。

1分が過ぎる頃、回転力のあるコンビネーションの中で(多分)左をヒットするとトーレスはダウン。立ち上がったトーレスをレフェリーが歩かせた後、焦点が定まらなかったのか、レフェリーはストップを宣告しました。

レイモンド・ムラタヤ、8RTKO勝利!!

 

 

 

強い強い、レイモンド・ムラタヤ。

力みなく打つパンチは非常に速く、それでもパワーがあるのでしょう。幾度もトーレスのガードは揺らされており、きっとガードの上からでもダメージを重ねて行ったと思われます。

無敗のプロスペクト同士、無敗のパンチャー同士の対戦は、結果的にレイモンド・ムラタヤの圧勝劇。大味な部分がありますが、非常にエキサイティングなパンチャーであり、誰でもノックアウトできる可能性を秘めていると言えます。

混迷のライト級、光はどこに!?

世界のライト級、4団体統一王者というのは言うまでもなく岡村隆史デビン・ヘイニー(アメリカ)。ただこのヘイニーは次戦でレジス・プログレイス(アメリカ)とのスーパーライト級戦を控えており、はっきり言ってライト級の世界タイトルというのは全然動きません。

ちなみにリングマガジンのランキングを見ると、チャンピオンにヘイニー、1位にロマチェンコ、2位にタンク、3位にイサック・クルス、4位にライアン・ガルシア、5位にシャクール。

このうちでタンク、キングライは独自路線のため、ボーナスステージくらいに思っておけば良いとして、ヘイニーもライト級にとどまるのかは次戦次第。ロマチェンコは不活動感を強めていいくので、実際はイサック・クルスとシャクールくらいのものです。

 

 

 

その後は6位にウィリアム・セペダ、7位にフランク・マーティン、8位にジョージ・カンボソスJr、9位にマキシ・ヒューズと続いて10位にムラタヤが滑り込んでいます。

さて、レイモンド・ムラタヤという才能の本当のところは、果たしてどうなのか、というのが考えてみたいところ。

個人的にはやっぱりカンボソスやヒューズよりも現時点ですでに上のように思え、マーティンは怖い。セペダは、どうでしょうか。

そしてこの中にはランクインしていないですが、恐ろしいパンチャーエドウィン・デ・ロス・サントス。このボクサーがシャクールと闘い、善戦しようものならこのランキングに入ってくる可能性は大いにあります。

もし、シャクール相手に何もできず、一方的に負けた場合、ある種アンダードッグの扱いを受けることでプロスペクトたちやそれこそこのランキングにいるフランク・マーティンあたりが対戦を呼びかけ、逆に倒してしまって再浮上、なんて未来もあるのかもしれません。

ともあれ、ライト級のネクスト・ジェネレーション。

 

 

 

ヘイニーが階級を上げていくと仮定すると、やはり中心となるのはシャクール・スティーブンソンで間違いがありませんが、このレイモンド・ムラタヤも非常に楽しみです。ただ、みた感じムラタヤは上半身が異常な程にでかく、もしかするとライト級で戦える時間はそんなに長くないのかもしれません。

いずれにしろ、混迷のライト級、いや、今後昆明に向かっていく(または向かって行ってほしい)ライト級、主役級の一人としてレイモンド・ムラタヤを推します。

 

 

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