いつの間にやら。
本当に「いつの間にやら」スーパーミドル級という階級が盛り上がっています。
ミドル級というのは大体いつの時代でも人気の階級ですが、そこから8lbs重いスーパーミドル級というのは比較的地味な階級だったはずです。
そもそもそんなに歴史がない階級であり、スーパーミドル級の名王者は?と問われればあまり出てきません。ロイ・ジョーンズJrがほんの少しいた時期もありましたが、(対戦相手も含めて)真価を発揮したのはその階級ではなく。
スーパーミドル級という階級は、(たぶん人気がなかったがために)スーパーシックスというWBSSの前身のトーナメントを生み出した階級。おそらく重量級にも関わらず組みやすかったのでしょうね。
さて、そんなスーパーミドル級は、そこまで粒揃いとはいかなかったので、カネロの蹂躙もある程度予想通りのもの。
しかし!!!
ここにきて粒が揃ってきており、見逃せない階級になりつつあります。
その中心地にいるのは、もちろんカネロ。
おそらく、カネロの対戦相手も近々発表になろうかと思いますが、今回のブログではこのスーパーミドル級を見ていきましょう。
「無敗」だらけのスーパーミドル級ランキング
なんだかんだと結局このリングマガジンのランキングを参考にしてみるのですが、王者のカネロ、3位のカレブ・プラント、5位のジョン・ライダー、この3人を除く8名は全て無敗のボクサーです。
未だ実力未知数、とも言えます。
このランキングは1/29(月)現在のものですが、週末のムンギアvsライダーは反映されていませんね。ジョン・ライダーを相手にあの倒し方、ムンギアはもしかするとトップ3に入るかもしれません。そうなるとモレルの評価の低さは際立ちますが。
重量級らしく、変に判定タイプのボクサーはおらず、このランキングに入っているボクサーたちはしっかりと倒す力を持ったボクサーたち。
例えばタイトルがかからない試合にこの11人のうちの2人が戦うとなると、注目すべきマッチアップとなりますね。
王者はカネロ、1位にベナビデス
もう完全にビバメヒコ体制のスーパーミドル。「スーパーミドル」といえば欧米人というイメージですが、これもまたいつの間にかメキシカンのワンツーフィニッシュ。日本では、日本のライバルはメキシコとフィリピンと思いがちですが、メキシコのこの振れ幅はものすごいことです。(ベナビデスの国籍はアメリカ)
とにかく王者はカネロであり、トップコンテンダーはデビッド・ベナビデス。これはもはや、疑いのないことなのかもしれません。
2位にはパワーパンチャー、クリスチャン・ムビリ。「Solide」(=固い)という異名を持つこのパンチャーは、カメルーンにルーツを持つフランス人、現在はカナダを主戦場として戦っています。
この階級が盛り上がるのはカネロを起点としていますが、これまで無双を誇ってきたカネロも加齢なのか攻略されつつあるのか、ビボル戦以降はスーパーミドルでもややパフォーマンスが落ちている印象を受けます。
果たしてベナビデス、ムビリといったパワーパンチャーが集うこの階級で、どこまで生き延びることができるのでしょうか。
4位のデビッド・モレルはリアルディール
3位のケイレブ・プラントよりも、4位のデビッド・モレルの方が上ではなかろうか。
モレルは今のところ全く隙が見えず、キューバ出身のボクサーらしい素晴らしいステップワークに加え、恐ろしいパンチャーとしての才能を持っています。
2m近いリーチ(BoxRecによると199cmとのこと)を持ち、またテクニックも有し、さらに若い。あと数年したらモレルの時代が来るのではないか、と思っています。
あと数年というのはカネロがいなくなったあと、という意味ですが、おそらくそれとともにベナビデスも消えるでしょう。(これまでも体重超過を易々犯してきたベナビデスは、もしカネロとの対決が叶えば、この階級にいる意味がなくなる)
そうなると完全にこのモレルは絶対王者となりますね。
その前に強さを見せつけて欲しい。ぜひともベナビデス、もしくはムンギアがこのモレルと戦って欲しいものですが、彼らは大事なスターなので、なかなかそうもいかないでしょうね。プラントなら良いですか?
いずれにしろ、強敵と対戦することでその全貌が明らかになりそうな気もしています。
モレルに続くジョン・ライダーに関してはもう説明は不要でしょう。よくぞこの地位まで上がってきたものです。
「未知」とも言える強豪たち
ここからもまだまだ無敗が続くこのRating。
6位にはエリック・バジニャン。中央アジアのアルメニア出身、カナダ国籍のこのバジニャンは、前戦でロナルド・エリスを6RKOに仕留めています。
デビッド・ベナビデスを相手に11Rまで粘り、ムビリにも10R判定まで粘ったエリスを、です。
その一つ下はウラディミール・シシュキン、こちらは完全に教科書的なボクサーファイター。あまり派手さはありませんが、非常に堅実に戦います。出身がロシアということもあり、ドミトリー・ビボル的な立ち位置になっていくかもしれません。
8位にはディエゴ・パチェコ、昨年12月に発表されたアンダー25のPFPランキングで、5位にランクされる22歳。このランキングの中でも一際若いパンチャーは、まだまだ時間がある分、ゆっくりとキャリアを築いていけば良いでしょう。
9位のムンギアは、次回発表でもっとランキングが上がる可能性がありますが、10位が意外にもエドガー・ベルランガ。ちなみにこの二人は26歳で同い年ですね。
ベルランガは16連続初回KOというとてつもない記録を成し遂げたあと、5連続判定勝利。
来月、パドレイグ・マクローリーという無敗のボクサーと対戦予定、そろそろKO復活が見たいところです。
「スーパー」なミドル
さて、このスーパーなミドル級に、あと2-3年くらい経てばさらにミドル級から強豪ボクサーたちが上がってくる可能性は否定できません。
スーパーミドル級のその下、ミドル級のボクサーたちを見てみると、リングマガジンでは王者不在、1位はジャニベック・アリムハヌリ。
その下にカルロス・アダメス、エリスランディ・ララと続きますが、年齢的にみると7位のイライジャ・ガルシア(20)、10位のハムザ・シーラズ(24)といったボクサーたちはきっとこの階級に上がってくるはず。
ディエゴ・パチェコと同年代とも言えるこういったボクサーたちがこのスーパーミドルに上がってくるとなると、また盛り上がることができそうですね。
それまで、カネロにはまだまだ活躍してもらわなければなりません。
まずは次のシンコ・デ・マヨ、カネロの対戦相手に注目です。
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