4月ももう中旬。
私の地域ではようやく桜が咲く頃です。
5月の頭はエマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)が大阪に来たり、カネロvsムンギアがあったり、そして東京ドーム興行があったりと盛りだくさん、今はまだ雌伏の時。
そういえばロドリゲスは勝てば少し滞在し、東京ドームに来るのでしょうか。
同じ階級の4人の王者のうち2人が登場するのだから、こない方がおかしいレベルかもしれませんね。
さてさて、足元に目を向けると4/13(土)にはLemino放映で初の大阪興業、下町俊貴(グリーンツダ)vsデカナルド闘凛生(六島)、4/14(日)には密かに楽しみなジョーダン・ジル(イギリス)vsゼルファ・バレット(オーストラリア)、そしてジャレッド・アンダーソン(アメリカ)vsリヤド・メルヒー(ベルギー)といった注目試合が並び、来週にはもうデビン・ヘイニー(アメリカ)vsライアン・ガルシア(アメリカ)。
毎度のように思いますが、「オフ」という期間がないボクシングという競技を好きになってよかった。全く飽きも来ませんし、暇になることは一切ありません。
毎日ニュースを眺めるだけでも楽しいボクシング、ということで今回のブログは幾つかのニュースをピックアップ。
カネロvsベナビデスの可能性
5/4(日本時間5/5)、毎年恒例のシンコ・デ・マヨ興行。
ここで対戦が期待されたカネロvsベナビデスでしたが、結局カネロはハイメ・ムンギア(メキシコ)との対戦を決めています。
ムンギア戦というのも個人的に非常に興味深いものですが、世界のボクシングファンはしつこくベナビデス戦を望んでいるようです。
ムンギアではカネロの相手にならない、というオッズが出ているようですね。
ということで幾度も取り沙汰されるこのカネロ・アルバレスvsデビッド・ベナビデスですが、結局カネロはこのベナビデスとやりたくはないのです。
ベナビデス側は5500万ドル(約83億円)の報酬を提示した、とのことなのですが、カネロは首を縦に振らず。カネロはベナビデス戦に際して1億5000万ドル〜2億ドルを求めている、灯され、これは日本円にすると230億円〜300億円くらいになり、もはや天文学的数字です。
ベナビデスは他にも水分補給条項を設ける、等の提案をしているようなのですが、カネロの意志は固そうです。
カネロがベナビデスを恐れている、これも十分に考えられることではありますが、もし自分がカネロ陣営だったとするならば、カネロよりもパワーがあり、圧倒的にでかいベナビデスとは戦わせたくない、というのが正直なところでしょう。
もしこれが最後の戦いと決めるのならば戦う可能性はありますが、はっきりいって得るものは何もありません。
盛り上げるだけ盛り上げて、またいつしかベナビデスが自滅するのを待つ、これもまたリング外での戦いの一つ。正直、報酬をどんなに上げようともカネロはなびかないように思いますが、果たして9月の対戦はあるのか。
ちなみにカネロが戦いたい、と語ったのはベテルビエフvsビボルの勝者。
だったら、個人的にはベテルビエフvsカネロが見たいですね。
ジャロン・エニスはマッチルームへ
これはビッグニュースに数えられるものではないでしょうか。
これまでPBCで戦ってきたジャロン・エニスがマッチルームへ移籍、というニュース。
一応、現在のジャロン・エニス(アメリカ)の状況をおさらいしておくと、戦績は31勝(28KO)無敗、ウェルター級のプロスペクト。
プロスペクト、なんて言ってしまうとアレなんですが、すでにWBO世界ウェルター級王者として君臨しており、そのボクシングは非常にダイナミックであり、スピード、パワー、テクニックに優れ、とてつもない才能を感じさせるものです。
この「ブーツ」エニスは、ウェルター級においてテレンス・クロフォード(アメリカ)やエロール・スペンスJr(アメリカ)に次ぐ評価を得ているボクサーで、もしかしたらすでにスペンスは超えているかもしれないです。
2023年7月を最後にリングに立っていないエニスは、タレント豊富なマッチルームであらためてキャリアを築いていく格好になりますね。まだ26歳、これからプライムタイムを迎える怪物クラスのボクサーを獲得できたとあっては、マッチルームはホクホクでしょう。
当然のことながら、このエニスが目指すのはクロフォード戦。
しかし、クロフォードは上の階級に興味を示しており、その範囲はスーパーミドル級のカネロ・アルバレスまで上がっています。つまり、クロフォードの目的は名誉的なものや最強の証明ではなく、カネです。すでに最強の証明は成し遂げた、ということなのでしょう(し、事実そうであるとも思います)。
さてさて、クロフォードは一応WBC・WBO世界スーパーウェルター級統一王者のセバスチャン・フンドラ(アメリカ)への指名挑戦者となる予定。これをすんなりクロフォードが受けるのか、というとわかりませんが、クロフォードの方が選べる立場です。
あくまでも大金を求めて叶わぬ可能性の高いカネロ戦を追い求めるのか、それとも一つ上の階級をとって4階級目を目指すのか。一度4団体を統一しているウェルター級で、エニスを迎えるという選択肢は可能性としては低い、というかほぼないと言えますね。
そんな最強不在の中、今後ジャロン・エニスはウェルター級でどのような輝きを放つのか。
クロフォードが去ったとしてもこの階級は粒揃い、もしPBCに居続けるのならばエイマンタス・スタニオニス(リトアニア)と見たかったのですが、いずれにせよもう少しアクティブに戦ってもらいたいですね。
シンコ・デ・マヨ
そんなわけでシンコ・デ・マヨの興行の話に戻ります。
まず、カネロ・アルバレスvsハイメ・ムンギア、こちらは世界スーパーミドル級4団体統一タイトルマッチとして行われます。
そのほかのアンダーカードが発表されていました。
co-main(日本でいうセミファイナル)はマリオ・バリオス(アメリカ)vsファビアン・マイダナ(アルゼンチン)。
ヨルデニス・ウガス(キューバ)を破ってWBC世界ウェルター級暫定王座を獲得した「アステカの戦士」バリオスが初防衛戦に迎えるのは、あのマルコス・マイダナの弟です。
バリオスは暫定王者とはいえ、おそらくクロフォードは今後返上するでしょうから、実質的には王者ですね。ウガス戦では素晴らしいパフォーマンスを見せたバリオス、果たしてウガス戦同様のパフォーマンスを見せられるか。
そしてその前の試合、PPVファイトの2戦目を飾るのは我らがタレ目界のヒーロー、ブランドン・フィゲロア(アメリカ)。こちらは前戦でマーク・マグサヨ(フィリピン)を撃破してWBC世界フェザー級暫定王座を獲得しており、初防衛戦となりますね。対戦相手はかつてノニト・ドネア(フィリピン)を破ったこともある元王者ジェシー・マグダレノ(アメリカ)、現王者のレイモンド・フォード(アメリカ)に敗れて以来の再起戦でタイトルショットです。
そしてPPVのオープニングファイトはWBA世界ウェルター級タイトルマッチ、エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)vsガブリエル・マエストレ(ベネズエラ)。
悲運とも言える王者スタニオニスは、2022年4月、ラジャブ・ブタエフ(ロシア)との素晴らしい無敗対決を制してWBA世界ウェルター級レギュラー王座を獲得。その後、バージル・オルティスJr(アメリカ)との対戦が組まれるもキャンセルに次ぐキャンセル、さらにキース・サーマン(アメリカ)との試合が組まれるもこちらも流れ、2年という長いレイオフ期間を経てようやく初防衛戦が決まりました。
今度こそは、と思いますが、あと3週間、まだまだ油断はできません。
せめて無事に開催されることを願いますが、久々のリング、どのような戦いを見せてくれるのかは非常に楽しみな一戦ですね。
ゴールデンウィークがやばい
ゴールデンウィーク、というか5月はやばい。
全て日本時間で、5/4にエマニュエル・ロドリゲスvs西田凌佑、翌日にはカネロvsムンギア、その翌日には井上尚弥vsルイス・ネリ。この3日間だけでなんと世界タイトルマッチが9試合もあります。
そしてその週末の5/11にはワシル・ロマチェンコvsジョージ・カンボソスJr、さらにその翌週の5/19にはサウジアラビアでタイソン・フューリーvsオレクサンドル・ウシクまであります。ちなみに同日にはエマニュエル・ナバレッテvsデニス・ベリンチクも。
ここまで固まってしまうと、普通の生活が蝕まれてしまうのではないかというほどで、もはや楽しみを通り越して恐ろしさすら芽生えてきます。
こんなに恵まれてて、良いのでしょうか。
とにかく5月を生き切ることだけを考えて、今を一生懸命に頑張ろう、と思います。
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