もうすぐ春ですね!!!
いや、暦の上ではもう春ですね。
2023年にはPFPキングが中3日で登場する、というとんでもないファイトウィークがありましたが、2024年のそれは長く、またさらに興味深いものです。
そして今回ももちろん日本のボクシングファンにとっての中心はナオヤ・イノウェイですが、その前後1ヶ月ちょいくらいのところでこの世の終わりかと思うくらいの注目試合が目白押し。
ということで今回のブログは、2024年上半期に行われる注目試合をピックアップしていきます。(全て現地時間)
- 3/2 ルイス・アルベルト・ロペスvs阿部麗也
- 3/8 アンソニー・ジョシュアvsフランシス・ガヌー
- 3/30 ティム・チューvsキース・サーマン
- 4/20 デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア
- 5/4 カネロ・アルバレスvsジャモール・チャーロ
- 5/6 井上尚弥vsルイス・ネリ
- 5/12 ワシル・ロマチェンコvsジョージ・カンボソスJr
- 5/18 オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー
- 6/1 アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボル
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3/2 ルイス・アルベルト・ロペスvs阿部麗也
阿部は初の海外戦、しかも相手は超強敵、ルイス・アルベルト・ロペス。
とにかく一発の怖さがあるロペス、阿部としては一瞬も気が抜けない12ラウンズとなるのでしょう。ただ、阿部もキコ・マルティネスのプレスを躱し切り、ダメージを与えての判定勝利をものにしている分、かなり勝負論はあると見ています。
日本に久々のフェザー級のベルト、そして伊藤雅雪以来のアメリカでの王座奪取、期待したいですね。
フェザー級以上ともなると世界も熱視線、ここで勝てば阿部の評価は爆上がりでしょう。
この興行はダブルヘッダー、WBA世界フェザー級王座決定戦、オタベク・ホルマトフvsレイモンド・フォードも注目です。
3/8 アンソニー・ジョシュアvsフランシス・ガヌー
そこから1週間もしないうちに、サウジアラビア興行です。
この3月、というのはリヤド・シーズンの最後くらいでしょうか、まさにリヤドシーズンのメインイベント的なボクシング興行となりそうですね。
タイソン・フューリーに対して善戦したフランシス・ガヌー、ボクシング2戦でフューリー→ジョシュアというトップボクサーとの対戦はかなりエグいキャリアです。
他にチャン・ツィーレイvsジョセフ・パーカーというWBO暫定王座戦、レイ・バルガスvsニック・ボールというWBCフェザー級タイトル戦がありますね。
ツィーレイはジョー・ジョイスを連覇したアジアの星、パーカーもワイルダー撃破で株を上げたところ。これは非常に楽しみです。
そしてバルガスvsボール、こちらはまたもフェザー級戦。この1週間はフェザー級から目が離せません。
3/30 ティム・チューvsキース・サーマン
3月末はアメリカのAmazonプライム興行!メインイベントはティム・チューvsキース・サーマン。そのほかにロランド・ロメロvsイサック・クルス、そしてエリスランディ・ララvsマイケル・ゼラファというトリプルヘッダーです。
Amazonは初回からトリプルタイトルマッチを捩じ込んでくる力の入れよう、とはいえ一つ一つの注目度としてはさほど高くないかもしれませんね。
とはいえ、やはりPBC×Amazonの初回、という大事な興行、ここは盛り上がってもらいたいところ。
ところで。。。日本でもAmazonが放映してくれるのかは気になるところ。
4/20 デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシア
こう見ると4月はもう少し何かあっても良いかもしれませんね。
現在のところビッグマッチと呼べるのは先日発表されたデビン・ヘイニーvsライアン・ガルシアくらいでしょうか。
ここはまだアンダーカードの発表がありませんが、おそらくPPVとなるともう2つ3つ豪華カードが入ってきそうな感じ。
以前にも書きましたが、マジでガルシアに勝って欲しい。
ガルシアが勝てば、またまた大きなことを言ってボクシング界を盛り上げてくれそうです。
対してヘイニーが勝って、どんなにトラッシュトークをしても盛り上がらないのが現実。だって誰もヘイニーとやりたいとは思わないもの。。。
5/4 カネロ・アルバレスvsジャモール・チャーロ
このほど発表された、カネロvsチャーロ兄。これまた考えうる限り一番残念なカードに落ち着いてしまいましたね。
デビッド・ベナビデス、デビッド・モレル、そしてハイメ・ムンギア。
もしかするとまだカネロ戦は早いかも、とか思いつつも、これらの若きボクサーたちとやってくれた方がファンとしては何十倍も盛り上がります。
ただし、これらのボクサーはカネロにとっても大きなリスクがある、ということも理解できます。
そんな中で。。。一応ストーリーがありそうなチャーロ兄を選択したカネロ。
とにかくガッカリ、ではあるものの、やはりスーパースターのシンコ・デ・マヨ登場は必須であり、あと数年はボクシング界を引っ張っていきたいという思惑が見えるマッチアップ。
はてさて、今年の後半(9月)、もしくは来年にはそろそろカネロに批判が集中してきそうな雰囲気も感じるので、こういうマッチアップはこれで最後か、今年で最後になりそうな予感もします。
5/6 井上尚弥vsルイス・ネリ
すでにリングマガジンのスケジュールには記載済み、あとは正式発表を待つのみというこのカード。
もはや今の興味は、そのアンダーカードにありますね。
15,000人収容の有明アリーナのチケット倍率が10倍だった、とのことを考えると、東京ドーム50,000人はこのカードだけでも埋まりそうな感じはしますが、やはりせっかくの東京ドーム興行、アンダーカードも豪華にしてもらいたいところです。
これがちゃんと成功したならば(その確率は非常に高いと見ていますが)、2025年に進出することになるフェザー級初戦とか(もタイトルマッチだろうし)も注目度的にドームでできそうですね。
あと数年、井上尚弥がいるうちのボクシングブームは精一杯楽しみましょう。
5/12 ワシル・ロマチェンコvsジョージ・カンボソスJr
元PFPキング、ロマチェンコはデビン・ヘイニー戦での敗戦からの復帰戦が、タイトルマッチ。対戦相手がジョージ・カンボソスJrということは、もうこれが最後のチャンスなのかもしれません。
タレント揃いのライト級にあって、残念ながらカンボソスは元王者とはいえ1段階下、と言えると思います。非常に基本に忠実であり、勤勉さが見て取れるボクサーではあるし、運動量も素晴らしいものがありますが、ほかのライト級がジャーボンタ・デービス(一応)、シャクール・スティーブンソン(一応)と考えるとこの王座決定戦はロマチェンコにとって大きなチャンス、だからこその背中は崖です。
ロマチェンコは衰えているのか否か、と問われれば、かつてのモチベーションや反応、動きと比べて全盛とはいえないと思っています。そこにきてずっと「ロマチェンコと戦いたい」と言ってきたカンボソスのモチベーションの高さは、想像するに余りあるものです。
キーショーン・デービス、エドウィン・デ・ロス・サントス、フランク・マーティン、下からの才能も突き上げてくるこの階級で、ロマチェンコがもう一度輝けるか、必見です。
5/18 オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー
本来であれば今週末だったんですね、このフューリーvsウシク。
フューリーがスパーリング中の怪我で試合が延期となり、すぐさま決まった新たな日程は5月。この日からの延期については、延期の理由を作ったボクサーに対しての罰則金が適用されるため、多少の怪我で延期になる可能性は低いと言えるでしょう。今回のフューリーの傷は多少のものではありませんでしたが。
この試合はおそらく再戦というのも視野に入っているのでしょう、2024年のヘビー級のタイトル戦線はこの試合が中心です。
ここでフューリーが勝利すれば、ジョシュアが絡んでくる可能性はありますが、ウシクが勝った場合はチャン・ツィーレイあたりが絡んでくるのかも。
カネロ→井上ネリ→ロマチェンコカンボソス→ウシクフューリー。ここまで約半月。ビッグマッチが目白押しですが、これはよほどのインパクトを残さなければ話題としてはすぐに消えてしまいそうですね。
6/1 アルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボル
2024年最後のビッグマッチとなり得るのか、それともまだ出てくるのか。
とにかくロシア圏出身のボクサー同士の4団体統一戦は、よほどのことがない限りは実現できそうにありませんでしたが、そのよほどのことが起こるのが中東のオイルマネーです。
ここに挙げた9つの試合のうち、3つがサウジアラビアの恩恵を受けている、と考えると、やはりここからのボクシングの中心地はサウジアラビアとなりそうですね。
これが一過性のものではなく、今後何十年と続いていくイベントにはなって欲しいな、と思いつつ、ちょっとペース早くないか?と思うのもまた事実。あんまりペースが早いと、アンダーカードも含めて良いカードを揃えづらくなるし、何しろ「焦らされる」「待たされる」ことに慣れているボクシングファンにとってはちょっと気持ちが追いつかないところもあります。
ともあれ、このベテルビエフvsビボルは、「ロシア圏出身」という共通項を持つボクサー同士の、パンチャーとテクニシャンという真逆の戦いであり、カナダに戦いの場を移してアグレッシブに王座を集めてきたベテルビエフと、コツコツとマイペースに一つの王座を守り続けてきたビボル、似ているようでも全く違った二人の対戦です。
こういった対比というのはボクシング界でしばしば起こりますが、このアメリカやイギリス出身ではないボクサー同士のビッグマッチは本当に稀であり、この試合に限ってはAサイドだのBサイドだのもない、純粋な戦いです。
これはもう楽しみだ、という言葉しか出てきませんね。
ということで来月以降も続々と楽しみが続く我らがボクシング界。
季節の変わり目は体調を崩しやすい、と言いますが、皆様お体に気をつけて、春のビッグマッチを楽しみましょう。
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