信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ルイス・ネリは過去最高の状態で日本に来る。インタビューで語る井上尚弥戦。

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我らがルイス・ネリ(ビバメヒコ)のインタビュー記事がBoxingSceneに出ていました。

記事の表題は「Luis Nery Calls Naoya Inoue ‘Overrated, Overconfident and Ordinary’」というもので、直訳すると「ネリは井上尚弥について過大評価、過信、平凡と批判した」となります。

ルイス・ネリが「井上尚弥は過大評価されている」と語っていることは以前からであり、ある種一貫していると言っても良いですね。

なぜ、ルイス・ネリはこんなにも自信満々なのかはボクシングファンにとって非常に疑問ながらも、東京ドーム決戦を盛り上げてくれる良い記事でもありました。

ということで今回のブログは、我らがルイス・ネリについて。

記事の原文はこちら

 

 

 

ブギーマン

ルイス・ネリは、モンスターを倒すブギーマンとしての役割を受け入れている。なんだかわかりそうでわからない記事ですが、「ブギーマン」というのは恐怖の対象を指すようですね。

では、ネリはナオヤ・イノウェイにとってのブギーマンとなりうるのか。

35勝(27KO)1敗、見事な戦績のネリですが、井上尚弥の26勝(23KO)無敗という戦績と比べてしまうと、見劣りすると言わざるを得ません。

その戦歴を紐解くと、井上尚弥は世界戦の戦績だけでも21勝(19KO)、それも4階級を股にかけてのものであるし、その道程でバンタム級とスーパーバンタム級で4団体を制覇しているバケモノです。

ネリの世界戦の戦績というと実は計算しづらいですが、山中戦第一戦目(ドーピング)と山中戦第二戦目(ウェイトオーバー)を計算に入れたとしても3勝(2KO)1敗、山中戦の2つを抜いてしまえば1勝1敗となります。

 

 

 

あれ?これはネリを2階級制覇王者と呼んで良いのか??

山中戦第二戦、日本のボクシング興行では聞いたこともないような大ブーイングでネリを迎えたファンたちの中には、未だ納得のいっていない人も大勢いるでしょう。かくいう私も現地にいた一人ではありますが、もはや時の流れが風化してくれているのはありがたい性格のおかげです。

ルイス・ネリには、口だけでなく本気でブギーマンとなれるように努力して日本に来てほしいと願います。

ネリはノックアウトを求めて

本題に入ると、ネリはインタビューではっきりと答えています。

まず、井上が非常に優れたファイターであるということと、ネリ自身のキャリアの中で最大の試合である、ということを認めた上で、それでもなお、井上は過大評価されている、と語っています。普通のファイターだとも。

 

 

 

まさかそこまで見る目がない、とは思いません。この発言はショーマンシップに則ったものであり、普通のファイターと戦う程度の準備しかしていない、ということはないはずです。

そしてネリはノックアウトを求めている、とも語っています。

国民性なのか、マーロン・タパレス(フィリピン)もそうでしたが、ネリも楽観的な思考の方が強いでしょう。ポール・バトラー(イギリス)はすでに挑戦前に弱気になっていた状態でファイトプランを立てたのでしょうし、多くの日本人ボクサーが海外で戦う時、さほど楽観的にファイトプランを考えられないのではないかと思います。

これはどっちが良いとか悪いとかではなく、悲観的よりだからこそ最大の準備をして試合に臨むし、楽観的だからこそ敵地であろうとどのような状態であろうとも最大限の力を発揮できるのではないか、と考えられます。

ともあれ、ルイス・ネリには戦うための覚悟がちゃんと足りている。

 

 

 

つまりは、井上尚弥に必要以上の畏怖の念を抱かない、リスペクトしすぎないことがナチュラルにできています。

これができなかったのがバトラーであり、スティーブン・フルトンであり、おそらくこれができていたのはタパレスだったのでしょう。

ルイス・ネリの自信

ネリの打倒井上尚弥の自信は、一体どこから来るのか。

ネリは語ります。彼は小さく、他の選手たちと同じように普通のファイターだ、と。同じ階級であり、さらに井上がライトフライ級上がりだと考えると、サイズについてネリが必要以上に警戒をする必要はないのは事実。

そして井上は戦い方を知っているファイターであり、速く、聡明であり、またパワーもある、ということを認め、逆に弱点としてパンチを打つ際に隙ができる、と語っています。

映像で見れば井上はパンチを打つ際に顎が上がり、特に力をこめて打つ場合にオープンガードになりがちです。これは人間として当たり前のことですが、未だかつて誰もそこを突けていないということもまた事実。

 

 

 

稀に井上はジャブの相打ちで顎が上がることもありますが、ダウン経験はないしこれまで効かされたこともほとんどありません。(逆に一発だけ効かされたらKO勝利したとしても苦戦と言われる始末)

誰もがわかっていてそこを突けない、それは弱点と言っても良いのでしょうか。

ルイス・ネリの凄さ

このボクサーは、規律が正しくない、だらしないボクサーだと思います。

唯一の敗戦、ブランドン・フィゲロア戦では試合一週間前(だったかなー?間違えてたらすみません)に10kg以上オーバーしていた、とか自分で言っていたし、ウェイトオーバーで流れたロドリゲス戦では計量前日の夜中に冷蔵庫を漁ってレッド・ブルを飲んだ結果オーバーしたり。

減量の苦しみに耐えられないボクサーが、試合で気持ちを見せられるということはまずない、と信じたい。

それでもこのルイス・ネリというボクサーは、アザト・ホバニシャン戦ではハートの強さを見せ、強敵ホバニシャンを11RKOで降しています。

 

 

 

この戦いこそがルイス・ネリのベストバウトであり、4団体統一王者への挑戦切符を勝ち取った試合でもありますね。

もしかしたらこの試合で一皮剥けたのではないか、と思えるネリは、続く調整試合でフローイラン・サルダール(フィリピン)を2RKOで一蹴。この時はまあ、そうだろうなとか、サルダールはもしかすると終わったボクサーなのかな、とか思ったわけですが、その後サルダールの栗原慶太との2連戦を見るに、この試合はもしかしたらネリが圧倒的に強かっただけなのかもしれません。

ホバニシャン戦ではたった一ヶ月のトレーニングだった、と語るネリ。今回の井上戦では、みっちり3ヶ月だそうです。

ホバニシャン戦の3倍強いネリを期待してみましょう。

 

 

 

ルイス・ネリの状態は過去最高

一度はネリを永久追放したJBCに対しては、当初は気にも留めなかった、と。そしてネリが井上と戦うことになれば儲かると判断して、この禁を解いたのだろうと語っています。これは多分、まさにその通り。大橋ジムからの要請もあったのでしょう、ここは残念ながら否定できません。

そしてここでネリは至極まともなことを言っています。

「私は無敗ではない。チャンピオンでもない。勝っても負けても問題はない。彼にはリスクがある。再戦条項はない。それは彼が自信過剰だからだ。」

オッズは井上が-1400、ネリは+800という大差。井上vsタパレスが井上-1200、タパレス+700だったということを考えると、若干タパレスよりも評価が低い、ということになります。

だからこそ、ルイス・ネリは失うものが全くなく、そして井上にとっては失うものは大きい。そして、再戦条項はない、ときています。

 

 

 

おそらく大橋ジムやチーム井上の考え方、哲学的なものから、再戦条項をつけなかった、と考えるのが妥当なのでしょう。

ただ、ネリにとっては負けても失うものが何もないというのは事実でもあるし、今のネリはホバニシャン戦からサルダール戦と過去最高の状態を保っている、と言える状態です。

ただ一つ、ネリが間違ったことを言っているとするならば、「それは彼が自信過剰だからだ。」という部分。

チーム井上は自信過剰だからという理由で負けた時のことを考えないのではなく、常に背水の陣を背負うために「負けを考えない」のだと思います。

ともあれ、この失うものが何もない、ということがわかっているルイス・ネリ、特攻精神でPFPキングへ挑戦してきてもらいたい。

最後に

このインタビュの最後に、ネリはこの試合に勝った後、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と戦い、それを最後としてグローブを吊るすという発言をしています。

ルイス・ネリの思惑通りに行けば、彼は絶頂期でボクシングを引退することになりますね。それもまた、一興です。

 

 

 

さて、気になったというかこの記事の中で最も的を得ている言葉は、その前段にありました。

その前段ではネリのキャリアを簡単に振り返り、以下のように書いています。

After several instances of changing trainers and missing weight throughout the years, Nery says he’s finally gotten his career back on track.

But for how much longer remains to be seen.

直訳すると、

何年にもわたって何度かトレーナーを変えたり、体重を落としたりした後、ネリーはようやくキャリアを軌道に乗せたと語る。

しかし、どれくらい長く続くかはまだ分からない。

 

 

 

とのこと。

現在順調に思えるネリのキャリアは、結局この後いつ、どのようにして一気に失速するかは分かりません。

ルイス・ネリにとって、今、一番良い状態で最強の相手に挑める時期です。

重ねて言いますが、絶対王者に対してどこまで頑張ってくれるのかを私は見たい。

井上尚弥の勝利を確信していますし、当然圧勝を期待したいところではありますが、ネリの頑張りによって良い試合になるのが一番良い。

なお、このネリのインタビューに対し、コメントはネリ批判が多い。まあ、それが一般論。

 

 

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