今年もあとわずか!
というところで井上尚弥vsマーロン・タパレスも終わり、セミファイナル堤聖也vs穴口一輝は本当に素晴らしい戦いであり、ボクシングファンやっててよかったなーと思う12/27。
結局のところ気になるのは、井上尚弥の次戦の相手と、国内(=世界ともいう)で異常なまでのタレントが揃ったバンタム級の話。
そのうち、今回のブログではスーパーバンタム級、井上尚弥の対戦相手について書いていきたいとおもます。井上尚弥が「来年、再来年とまたこの階級で」と語ったことをきっかけとして、スーパーバンタム級コンテンダーたちは何を思うのか。
井上尚弥が2024年、2025年をスーパーバンタム級で過ごすのであれば、4戦から多くて6戦か?とも思いますが、果たして誰を選ぶのでしょうか。
「ファンが喜ぶ試合を」
常日頃から、「強い相手と戦いたい」と語る井上尚弥は、調整試合を挟まずにここまできました。
「勝って当たり前」どころか、「圧勝して当たり前」「倒して当たり前」という下馬票の中で、想像以上のパフォーマンスを見せてくれたことも多かったし、相手の頑張りによって期待以上ではなかった試合もいくつかありましたね。
前者で言うとフルトン戦、ドネア第二戦、もっと遡ればロドリゲス戦やパヤノ戦、もちろんナルバエス戦など枚挙に暇がありません。
後者で言うと、今回のタパレス戦もそうだったかもしれないし、バトラー戦やディパエン戦も戦前の予想からすると粘られた、と言えるのでしょう。
ただ、結局のところタパレス、バトラー、ディパエンらのボクシングでは勝つことは不可能なボクシングだったために、はっきり言って苦戦とは言い難く、この辺りは相手の心身の問題もあるでしょう。対してドネアやロドリゲスは確実に勝利する方法を模索した上で序盤でKOされており、KOの早い遅いで優劣を決めることは馬鹿らしいことでもあります。
まあ、タパレスは自身の一発に期待し、ディフェンシブに戦いながらも最後の最後まで逆転を狙っていた節もあるので、「健闘した」と言って良いと思いますが。
さて、話がそれましたが、井上尚弥は次戦の相手としてはやはり強者を望み、それでいて、「ファンが喜ぶ試合を」「声をあげてください」と伝えてあります。
筆頭はルイス・ネリか
これは喜ばないファンもいると思われますが、そうは言っても筆頭はルイス・ネリです。
カシメロがもっと良いパフォーマンスを見せてくれていれば、この地位はカシメロだったかもしれません。
ドーピング疑惑(あくまでも疑惑です)、ウェイトオーバー(これは確信犯w)というダブルコンボを日本のボクシングファンの脳裏に焼き付けたルイス・ネリ。
当時の絶対王者、山中慎介との2連戦の際、初戦でメキシカンビーフ事件、2戦目でウェイトオーバーをしたネリは、日本のボクシングファンに純粋に嫌われている、おそらくほぼ唯一のボクサーです。
この2連戦を経て、JBCはネリに対して永久追放という謎のサスペンドを課しました。これは当時から非常に謎で、ただの感情論としか思えない愚行。
そしてこの度、予想できたことではありますが、この処分を「条件付き解除」するというニュースが流れます。
記事では、
ネリ本人やプロモーターらから日本での活動を許可してほしいという申請があれば資格審査委員会で協議する。処分後に約5年間、特に問題を起こしていなければ許可されるはず
と出ています。
処分後に約5年間、特に問題を起こしていなければ
エマヌエル・ロドリゲス戦で体重超過(試合は行われず)してましたけど、これはどうなるんでしょうかね。日本国外の試合なので無視、ということであれば処分は解除されるのでしょうけど、それで良いのか?
「日本で問題を起こす」ことはできません。なぜなら追放中だから。
そんなわけで謎も多いわけですが、おそらく流れ的にはどうにか理由をつけてネリの処分は解除されるのでしょう。アメリカでは井上vsネリを開催させるだけのファンベースはなく、井上のファイトマネーを考えるとさすがにメキシコ・ティファナとはいかないでしょうから。
「2024年5月、日本でルイス・ネリとの初防衛戦」というのはマスゴミたちが食いつく格好のネタであり、大きなお金も動く。日本ボクシング界としてはやらない理由がないでしょう。
ネリはフィゲロアに敗北を喫して以降、良いパフォーマンスを見せてきています。
特にホバニシャン戦は素晴らしかった。
格下に当たるものの、フローイラン・サルダール戦でも強さを発揮。このサルダールに栗原があっという間にやられて、となるとやはりサルダールだって世界レベルではないかもしれませんが強いボクサーです。
なのでネリにはタイトル挑戦の資格は十分にある、と個人的には考えています。
ドーピングはあくまでも疑惑です。シロかクロかと問われれば、シロになってしまうのです。いまだにネリのドーピング問題について騒いでいる人たちは、同様にカネロやJCマルティネスもシロ判定であり、逆にいうとクロ判定が出てしまった尾川堅一のことはどう思っているのでしょうか。
ウェイトオーバーも然り、世界タイトルマッチでウェイトオーバーというのはタパレスだってそうだし、とりあえずネリはスーパーバンタム級ではウェイトオーバーをやらかしてないはず。
まあ、ウェイトがオーバーしている計量前日に冷蔵庫を開けてレッドブルを飲んでしまうような奴なので、信じろというのは無理かもしれませんが、それなりのサスペンド処分を用意して当日を迎えれば良いと思います。
山中慎介vsルイス・ネリ2の時は私も会場にいましたし、当時は許せる気持ちは全く持っていませんでした。ボクシングの試合であんなにも大きなブーイングを生で聴いたこともなかったし、まさか自分もブーイングするとは思っていませんでしたが、ネリはちゃんとリングの上で実力を証明してきたこともまた事実。
5月、ルイス・ネリ戦。
この戦いが実現すれば、会場はまたブーイングに包まれるのかもしれません。
あの時は自分もやってしまいましたが、できればそういうことはしたくないな、と思うので、この試合が決まれば今回のようにLeminoで観戦します。多分。あ、いや、東京ドームだったら行きます!いつもホールどまりで、入ったことないから!
おそらくすでに噂になっているこの戦いに対して、フェニックス・プロモーションは交渉を開始するのでしょう。おそらく特にファイトマネーの問題でネリがゴネなければ(井上と戦いたい、とするネリの言葉が本心であれば)これは問題なく締結しそうな気がしますが、如何に。
グッドマンとアフマダリエフ
ルイス・ネリはWBCの指名挑戦者であり、本来的には「戦わなければいけない相手」です。ただ、それを回避できるだけの力は、今の井上尚弥にはある、とも言えます。
WBCがこの試合をオーダーするか、というと、どうなんでしょうか。少なくとも交渉が開始されたり、ある程度の展望が見えなければ指令しないような気もしています。
WBCとしても、井上尚弥というPFPファイターを自分たちの王座から失いたくはないはずです。
対して、そういう忖度をあまりしないイメージなのがIBF。
IBFの指名挑戦者は、サム・グッドマン。
2023年にはかなり飛躍したイメージで、3月に元世界王者のTJドヘニーを撃破。この時、ドヘニーはオーストラリアを主戦場としての初戦でしたが、見事プロスペクトの踏み台となってしまいましたね。この後、元王者としてプロスペクトたちの踏み台になっていくかと思いきや、同じオセアニアの日本という場所で大復活、中嶋一輝、ジャフェスリー・ラミドを撃破して今やリングマガジンランキングのスーパーバンタム級10位にも名を連ねています。
話が逸れましたが、グッドマンはドヘニーを撃退後、ライース・アリームとのIBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に出場。
大方の予想を覆してアリームに判定勝利を挙げてIBFの指名挑戦権を勝ち取っています。
非常にオーセンティックなボクサーファイターというイメージで、隙の少ない好ボクサー。ただ、パワーパンチャーというわけではないので(17勝7KO無敗)、井上相手と戦える武器がない、とも言えます。健闘する可能性はありますし、そのボクシングは日本のファンも好むところだと思うので、井上と戦えば井上戦後、マロニーのように日本のファンが応援してくれるボクサーにはなりそうです。
アリーム戦後も2戦しており、2023年は4戦(4勝)。2024年に世界挑戦しても良い時期にはきていますが、あとはIBFのオーダー待ち、でしょう。
そしてムロジョン・アフマダリエフは、タパレスに2冠を奪われてしまったボクサー。
タパレスは非常にやりづらく、アフマダリエフはもしかするとタパレスのキャリアにしてやられた、ということだったのかもしれません。
はっきり言えば試合としてはどちらが勝ってもおかしくないような戦いであり、ここには運というものも介在しています。
やっぱりあのタパレスのディフェンス能力というものは並ではなく、MJは得意のフィジカルを封殺されてしまった、と思えば納得もいこうというもの。意外とタパレス陣営はしっかりと戦略を練り、臨んでいたのではないかというのは、今回の井上戦を見ても感じたことですね。
アフマダリエフは前戦でケビン・ゴンサレスに圧巻の8RTKO勝利、WBAの指名挑戦権を獲得しています。
ディフェンス第一、とは考えず、常に倒す姿勢を見せる井上にとっては、やはりこの階級最大のライバルというとムロジョン・アフマダリエフではなかろうか、と思います。アフマダリエフとの正面衝突は非常に危険であり、互いに耐久力も有している分、ドネア1戦以来の大激闘となる可能性すらあります。
2024年こそ3戦を!
はてさて、残るWBOのトップコンテンダーはIBFと同じくサム・グッドマン。つまりは、段階を踏んで一つずつ指名戦をクリアしていけば、4つの世界タイトルを防衛していくことは可能、と考えられます。
そこでやはり望むのは、毎年願っている通り、井上尚弥の1年間に3試合を見たい、ということです。
5月にネリをボディで倒し、8月末くらいにグッドマンを無傷で倒し、12月にムロジョン・アフマダリエフとガチンコ勝負。これこそが私の望む2024年のレジュメであり、やることがなくなった2025年にはフェザー級へ挑んでほしい。
個人的にはやっぱりアフマダリエフ戦が見たいので、グッドマンはスルーしても問題ないですが、IBFがそれを許してくれるか、というと「否」でしょう。
いずれにしろ、基本的にこの3人のボクサーとは戦う運命にあります。
2024年の井上尚弥のキャリアが、滞りなく進み、ボクシングを賑やかにしてくれることを願います。そして2025年、井上尚弥がスーパーバンタム級で過ごすのであれば、また新たなライバルが台頭してきてくれることを待ちましょう。
いずれにしろ2024年、井上尚弥が誰と戦うのか。そして、新たなライバルの出現はあるのか、ないのか。目の離せない1年になりそうですね。
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