信太のボクシングカフェ

信太のボクシングカフェ

ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】井上拓真vs石田匠。技巧派同士の戦いは、意外な打ち合いになり得るのか。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

あとたった1度の土日を乗り越えれば、次の週末はゴールデンウィーク。

お盆よりも年末年始よりも、今年のゴールデンウィークは楽しみです。

個人的には大型連休になるので、楽しみな反面こんなに休んで良いのかという不安もあるのですが、何と言っても今年のゴールデンウィークは東京ドーム決戦のインパクトがでかい。

私も末席のチケットを購入しているのですが、東京ドームという会場柄、肉眼で視認できるレベルにないことは明らか。それでも現地に足を運ぶ意味とは何なのでしょうか。

ボクシングを見るなら配信がよく見えるし、コストも時間も大きくお得にもかかわらず、多くのファンが東京ドームに集うのは、この「ボクシングin東京ドーム」の雰囲気を味わいたい、という方が多いのでしょう。

きっとマイク・タイソンが日本に来た時もそうだったのだろう、と思いを巡らせてみる。

ということで今回のブログは、東京ドーム興行、配信としては第二試合となる井上拓真vs石田匠のプレビュー記事。

 

 

 

5/6(月・祝)東京ドーム

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

井上拓真(大橋)19勝(5KO)1敗

vs

石田匠(井岡)34勝(17KO)3敗

井上拓真のこれまでの実績はすでに言うまでもありません。

2013年12月にプロデビュー、いつの間にかプロとしてのデケイドを迎えた井上は、ずっと井上尚弥と比べられるという運命を背負ったボクサーです。

そのプレッシャーは計り知れません。

兄同様にあっという間に世界王者になるのだろう、と思われた拓真のキャリアは、プロ5戦目で地域タイトルを獲得する、というところまでは同じ。

 

 

 

その後は地域タイトルの防衛をしつつ世界を窺っていたのか、想像以上に長い期間のキャリアの形成期を過ごしています。その間、久高寛之、増田健太郎といった日本のトップを退け、2018年9月に世界挑戦者決定戦を勝ち抜いての世界挑戦。これは暫定王座決定戦でしたが、見事戴冠しています。

ただ、このタイトルは初防衛戦であり団体内王座統一戦となったノルディーヌ・ウバーリ(フランス)戦で手放しています。

正直、勝てない試合ではなかったし、ここで負けるとは思っても見ませんでした。

ただ、もし拓真のキャリアがここで終わっていたならば、我々の記憶に刻まれることはなかったのでしょう。

この敗戦の後のキャリアこそ、本物のキャリアだと言えます。

 

 

 

復帰戦ではOPBF東洋太平洋王者、栗原慶太(一力)に挑戦。栗原の強打を空転させての判定勝利、その後はスーパーバンタムにあげて和氣慎吾(FLARE山上)、古橋岳也(当時川崎新田)を撃破。この国内強豪に当てる、というスタンスは拓真のキャリアの醍醐味でもありますが、もし今回勝ち残ったとすればその後の戦いにも活きてきそうなものですね。

調整試合を挟んだ後、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)との王座決定戦は大凡戦ながら、前戦でのジェルウィン・アンカハス(フィリピン)では今までの鬱憤が大爆発したかのような素晴らしいファイトで保持するWBA王座の初防衛をクリアしています。

ソリス戦は「絶対に勝たなければならい」という戦いであり、慎重になったと本人も認めていますが、この辺りのメンタルブロックがありそうです。このソリス戦で評価にかなわない戦いを見せてしまった拓真がアンカハス戦で素晴らしいパフォーマンスを見せたのは、きっと「評価をあげたい」という思いがあったからではないか、と推察しています。

つまりは「ねばならない」というMUSTで考えるよりも、「したい」というWANTで考えた時の方が、良いパフォーマンスを発揮できるのではないか、ということです。

 

 

 

井上拓真は今回、どのようなメンタルで石田を迎えるのか。さほど追い詰められたメンタルではなく、「良い形で勝ちたい」というWANTであるように思うが、如何に。

さて、挑戦者石田匠、こちらもしっかりと段階を踏んで登ってきたボクサー。待たされすぎた、といっても良いほどです。

2009年にプロデビューした石田は、井岡一翔と同じジムで鎬を削った盟友です。

主に関西で、しかも外国人を相手にキャリアを積んだ石田が全国区になったのは、やはり日本タイトルを取ってからでしょう。

2014年、戸部洋平(当時三迫)に勝利した石田は初タイトルをつかみ、その後の防衛戦では江藤大喜や木村隼人、船井龍一といった国内強豪を破り、タイトルを返上。そして2017年、待望の世界初挑戦のチャンスを掴みます。

場所はイギリス、カーディフ。配信なんてものもなかったような記憶ですが、敵地イギリスでカリド・ヤファイに挑戦した石田は、初黒星を喫します。

次のチャンスはその2年後、IBFから挑戦者決定戦のオーダーを受けた時。これは幸運にも日本開催ながらも、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)を相手に1-2の惜敗、2度目のタイトル挑戦を逃します。

 

 

 

このイスラエル・ゴンサレスはその後、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に挑戦して善戦していることから、当然石田も世界レベルであるということは伺えますね。

その後は石井渡士也(現RE:BOOT)に判定勝利、田中恒成(畑中)に判定負け。

石井は若く、非常に危険な相手ではありましたがしっかりとアウトボックスしていたし、田中に対しては勝利で全くおかしくなかったような戦い。世の中がコロナ、ということもあり、この厳しいマッチメイクを評価を下げることなく逆に上げて乗り切ったことは非常に大きなことでしたね。

そして世界への足がかりとして最後とも言えるチャンスが到来した2023年6月、WBA世界バンタム級挑戦者決定戦に勝利して挑戦権を獲得、今回の一戦を迎えることになります。

 

 

 

王者と挑戦者

王者と挑戦者、どちらも我々日本のボクシングファンにはお馴染みのボクサー。というのは、国内でしっかりとした実績を残している、という点においてです。

当然、2度世界王者となり、さらに多くの国内強豪を退けている井上拓真の方に分がありますが、石田は年齢的にも状況的にもラストチャンス、ここは期するものがあるはずです。

石田はヤファイ戦からかぞえて6年と半年、さらに前戦から2ヶ月半しか試合間隔が空いていない拓真と比べて、準備と対策は入念というのも考えられます。

ボクシングの勝敗は、実力のみではつかず。2ヶ月半という準備期間は、肉体的にも精神的にも疲労が抜けきっていない状態でトレーニングをスタートしていないか、その状態でスタートして追い込めているのか、というのは井上拓真にとっての不安材料になり得るかもしれません。

 

 

 

さらに相手はベテラン、石田匠。例えばアメリカのボクシングファンが石田のことを知っているか、というと知らないのでしょうが、我々はよく知っている、実力のあるボクサーです。

173cmとこの階級でもまだまだ長身の部類に入る石田は素晴らしいジャブを持っており、身長、リーチ共に石田から大きくアンダーの拓真はインサイドに入らなければいけません。前戦のアンカハスはサウスポーだったので、戦い方が大きく変わってくることも注意点の一つ。

それでもなお、やはり井上優位に思うのは、基本的に非常に安定したボクシングを展開するからに他なりません。

前戦のアンカハス戦、力を込めて打つ場面でもその振りは非常にコンパクトで、お手本通り。大きなミスを犯さない、という点においては(パフォーマンスかもしれませんが、時折振りかぶって強打を打つ)井上尚弥以上の冷静さをキープできるボクサーなのかもしれません。

例えば中間距離での戦いとなった場合、リーチの短い井上のジャブが上回れば、石田としてはどうしようもないかもしれないし、その展開は十分にあり得るものかもしれません。

石田は自らの距離をキープし、拓真のパンチの届かないところでどのようなボクシングができるか、が鍵となりそう。

 

 

 

二人は「バチバチに打ち合う」とインタビューでぶち上げていますが、普通に考えるとそんな展開にはならないはず。どちらかというと打ち合いたいのは前戦で自信をつけた拓真の方でしょうか。それともこの大一番で、石田がスタイルチェンジとも言うべき打ち合いを仕掛けるのでしょうか。

石田も打ち合えないというボクサーではないですが、フィジカル面において旗色は悪いように感じるので、打ち合うべきところで打ち合う、が正解だと思います。

そうなるとやはり大切になってくるのは、それ以外の時間をいかに支配するのか、と言うリングジェネラルシップの面。

どのような試合展開になるのか、経験豊富な両者がどのような戦略を持って試合に臨むのか、これは初回から目が離せない戦いになりそうですね。

ということで、いよいよ間近に迫った東京ドーム決戦。

4/23にはボクマガの特別編集も販売されるようなので、楽しみに待ちましょう!

【購入はこちらから】

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

プライバシーポリシー お問い合わせ