信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

伊藤雅雪vs三代大訓!赤穂亮、佐々木尽他登場のA-SIGN興行、Youtube観戦記!!!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

いよいよ本日はA-SIGNボクシング興行!注目カードの多さの他、本場ラスベガスを日本で再現すると意気込む演出、そしてYoutubeでの生配信、動画や写真の撮影は自由。

たくさんの新しい試みが、日本ボクシング界の未来の姿なのかもしれません。

本日のブログでは、このA-SIGN興行の観戦記を書いていきたいと思います。

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12/26(土)A-SIGN BOXING

68.0kg契約6回戦

西川宏次郎(八王子中屋)vs向後大寿(上滝)

様子見の1R、向後はジャブが鋭く、西川はガードを固めてプレス。もっとプレスを強めたいところですね。2Rの後半、向後がラッシュをしかける場面があり、西川は防戦。時折返すパンチもやや迫力に欠けます。

やや落ち着いた3R、西川は更にガードを固め、頭を振りますが向後のジャブで詰められません。4Rも下がりながらパンチを出す向後の方がクリーンヒットが多いように見えますね。

5R、強引に飛び込んでいく場面もある西川ですが、向後のジャブにとめられ、アッパーを巧打されます。

最終ラウンドもなかなか近づけない西川。向後はジャブを連打、足を使って周り、近接距離ではアッパー。

西川の攻勢が支持されたこともあるのでしょうか、三者三様の引き分け。

 

私には向後がしっかりとアウトボックスしたように見えましたが。西川の右オーバーハンドがいくつか入っていましたが、あれがポイントを持っていったのでしょうか?

ライト級6回戦

山口拓也(ワールド日立)vs野口将志(一力)

軽快にサークリングする野口、山口はセオリーにない動きでフックをブンブンと振るっていきます。2R、山口もいくつかの強い右を当て、野口も突進してくる山口に対して、離れ際にうまく左をヒット。

3R 、野口は右アッパーを意識的に使い、山口の右オーバーも警戒。山口は愚直に前に出ます。4Rの終盤には野口がワンツーをヒット、負けじと山口も右オーバーハンドをヒット。5Rも同様にまわる野口、前進する山口。一進一退の攻防です。

最終ラウンドはともに手数が多く、打撃戦に!一発一発に力を込めて愚直な姿を見ていると、こちらも拳に力がこもります。

死力を尽くした一戦は、判定へ。

勝者は、野口!(58-56、56-58、58-57)どちらに転んでもおかしくない試合でしたね。野口将志はこれでとうとう連敗をストップ。おめでとうございます。

 

バンタム級8回戦 

千葉開(横浜光)13戦12勝(8KO)1敗

vs

石川春樹(RK蒲田)10戦8勝(6KO)2敗

一度の延期を経ての大注目の一戦!ホープ同士のこの決戦は、夢の潰し合い。

1R目は様子見ながら、両者ともにとにかく速い。ヤマタクを見た後だからか、殊更速く感じます。後半になるにつれて距離も縮まり、ものすごい緊張感です。

2R、序盤は千葉がフェイントを含めて先に仕掛ける場面が目立ちます。やや千葉が優位に立ったか、と思った終盤、石川が千葉をロープに詰めてラッシュする場面も。

 

3Rも千葉から仕掛けます。石川はディフェンスは良いものの、後手にまわっています。

4Rまずジャブで完全に打ち勝って見せる千葉。終盤にはアッパーもヒット、石川のパンチをほとんどもらわずにこのラウンドで完全にペースを掌握。石川は苦しい。5Rも千葉のペースか。石川も前に出る場面もありますが、千葉の方が一枚上手です。

6R、このラウンドも千葉が攻勢。終盤には石川をロープに詰めてラッシュ。千葉開、素晴らしいボクシングを展開しています。

7R、千葉は強く、非常に俊敏です。石川は千葉の打ち終わりを狙いますが、完全に反応する千葉。パンチも多彩であり、石川のガードを縫うようにいくつものクリーンヒットを奪います。

 

最終ラウンドは近い距離でパンチを交換し合うスタート。石川はどうしてもロープに詰まってしまい、見栄えも悪い。そして千葉はロープに詰めて連打を見舞いながらも、頭の位置を変え、打てばバックステップやサイドステップを踏むという冷静さ。そのポテンシャルをいかんなく発揮し、最後も石川をロープに詰めてゴング。

素晴らしいボクサー同士の、本当に見応えのある8ラウンズ。本当は両者を勝者にしたい想いですが、判定はやはり千葉開。

ホープ、石川を完璧に抑え込んだ千葉は、完全復活と言っていいでしょう。

対して石川は残念な結果に終わりましたが、そのセンスは充分に発揮しました。亡きお父さんとの夢を、これからも追いかけてもらいたいですね。

 

ウェルター級8回戦

坂井祥紀(横浜光)37戦24勝(13KO)11敗2分

vs

小畑武尊(ダッシュ東保)13戦8勝(3KO)4敗1分

逆輸入ボクサー、坂井。2戦連続のサウスポー戦で真価を見せられるか。

初回からプレスをかける坂井。サウスポー小畑はやや押され気味か。2R、ジリジリとプレスをかける坂井、右ジャブが良く出る小畑。ただ、勝負所の接近戦では後手にまわってしまいます。 3R、少し坂井のプレスが弱まったか、坂井は見る時間が増えます。ここで小畑がプレスをかける場面も。ただ、クリーンヒットはあまりありません。

4R、坂井のパンチは空振りでも非常にパワフル。小畑はジャブはよく出ますが他は打たれてから打ち返すというスタイルで、相変わらず後手。5Rも同様です。この流れは最後まで変わらないかもしれません。

 

6R、坂井が小畑をロープに詰める。坂井の方がパワフルですが、一発一発を強く打つスタイルなので、回転力は小畑の方が上のような気がします。小畑はそこに接近戦での活路を見出したい。しかし、なかなかジャブ意外の手が出ない。

7R、小畑も接近戦でのコンビネーションが出てきました。やはり回転力は小畑。しかし坂井の方が全体的な手数の多さ、クリーンヒットの多さがありますね。

ラストラウンドも近い距離での打ち合い。小畑としては打ち勝つ事で活路を見出したいでしょうし、坂井はもう一つ何か欲しい。ここまで圧倒してきているので、本来であれば倒しきってほしいですね。

しかし、初回からほぼ変わらない展開のこの一戦は判定へ。

坂井祥紀の3-0判定勝利。

坂井、あのエネルギッシュなファイトを、初回からラストまで何も変わらずにやりきれる事は素晴らしいですね。ただ、やはり倒し切るボクシングを見たい。

小畑も非常にディフェンスが良かったですね。ただ、どうしても後手にまわってしまったのが敗因だったと思います。

 

日本ユース・スーパーライト級王座決定戦

佐々木尽(八王子中屋)9戦全勝(8KO)無敗

vs

石脇麻生(寝屋川石田)11戦8勝(6KO)2敗1分 

大注目のユースタイトルマッチ。大注目の豪腕・佐々木尽は、過去最強のボクサー、石脇麻生を対戦相手に迎えます。

初回、佐々木がいきなり攻めます。左フックがむちゃくちゃ速いです。石脇は冷静にジャブをついてサークリング。

佐々木は速く、パワフル。振りが大きいパンチもありますが、外からのパンチは見えにくく、速いのでこれも効果的でしょう。

佐々木、ガードの上からでも充分効きそうな左右のフックで攻め立て、その後左フックをヒットしダウンを奪います。

立ち上がった石脇、クリンチに逃げます。かなり足がふらつきます。

 

ラスト30秒、ワンツーからの左でまたダウンを奪った佐々木、再開後も攻めますが。。。石脇がギリギリのところで耐え抜きます。

2R、ガードの上からでも佐々木の強打は受けたくない石脇。石脇はしっかりとまだ回復していないとは思いますが、ジャブを中心に近い距離でパンチを返していきます。

かなり余裕を持っている佐々木、色々なコンビネーションを試しているように見えますね。

3R、佐々木の攻勢!佐々木は身体全体を使ってパンチを打ちます。途中、佐々木はガードを固め、石脇に打たせます。じっくりとガードを固めて打って、その間はしっかり石脇を見ます。

これは恐ろしいですね。

石脇のパンチをひとしきりガードの上から受け、その後佐々木は多彩な角度からのパンチで猛攻。

そのほとんどを石脇にヒットし、最後はまた左フックでフィニッシュ。

佐々木尽の3RTKO勝利。

 

Youtubeを見て、試合後のインタビューを聞いて、非常に好青年だと感じます。それでもあのゴングが鳴った後のあの殺戮本能というのは(良い意味で)狂気を感じます。ウェルターを主戦場とするのか、スーパーライトなのか。来年中に日本チャンピオンを目指したいと語るこのスーパーホープ、底が知れません。

まだ長いラウンドを経験していない、というのは一つの不安要素でもあります。あのペースで最後までいけるのか。それを証明する日が近いうちに来るのか、それともまだまだ来ないのか。

石脇麻生、強敵ではありましたが、佐々木を止めるにはもっともっと強敵を連れてこないといけない。佐々木の次の対戦相手、ちゃんと見つかるんでしょうか。。。

セミファイナル スーパーバンタム級8回戦

赤穂亮(横浜光)39戦35勝(23KO)2敗2分

vs

中村祐斗(市野)17戦11勝(8KO)5敗1分

「ジャパニーズ・フラッシュ」赤穂。前戦では素晴らしいボクシングを見せ、長いトンネルを抜けたような一戦に見えました。対する中村は、元々スーパーフライ級のボクサー。赤穂との対戦を承諾した俠気に、まずは拍手を贈りたいです。そして大物食い、なるか。

初回、両者ともに軽やかにステップを踏み、まずは中間距離での攻防です。残り1分ほどのところで赤穂の左ボディが大きな音を立てて響きます。ややプレスをかけつつステップを踏む赤穂、中村は少し消極的にみえます。 

 

2R、中村が先制のジャブ。赤穂はなめすぎるとよくないかもしれません。しかしパワーに勝る赤穂、強いボディは静かな会場に響き渡り、効果的です。赤穂はディフェンスも良いですね。

ボディを効かせた後は、かつて呼ばれた「暴君」に戻ったかのような乱打!フォロースルーをしっかりと効かせたパンチは、空振りでも迫力充分。最後は右アッパーが火を吹き、中村はダウン。

倒れた中村をみたレフェリーはノーカウントで試合をストップ。

テクニカルな部分を見せつつ、最後は力でねじ伏せた赤穂。これが今の新生・赤穂亮のスタイルですね。ただ、軽いジャブをもらっていたりもあったので、それが命取りになる危険性もあります。集中力を切らさず戦える相手を探す必要があるかもしれません。

ジョンリエル・ラモナル(フィリピン)に挑戦したいとインタビューでこたえた赤穂。

こういう状況下なので、そこにこだわらず国内のサバイバルマッチもみたいですね。

 

メインイベント ライト級10回戦

伊藤雅雪(横浜光)29戦26勝(14KO)2敗1分

vs

三代大訓(ワタナベ)10戦9勝(3KO)1分

いよいよメインイベント!

勝って吉野修一郎(三迫)と闘うのはどっちだ。

初回、様子見の段階ではありますが、三代のステップ、ジャブが良いです。スッと踏み込むジャブにいとうは反応しきれていません。

2R、三代はステップ、上体の動きが自然とフェイントになっています。三代はジャブを武器に右も突き、伊藤は攻めるタイミングが難しいようです。しかし終盤、三代のジャブに対応し始めた伊藤、右クロスをヒットさせます。この対応能力はさすがですね。

3R、右を打ちながらのステップインが効果的に見える伊藤ですが、やはり三代のジャブはかなり厄介。このままのペースだと伊藤はかなり焦りが出てきてしまうのではないでしょうか。

 

三代は伊藤が攻めてくると素早くバックステップ、もしくはクリンチで攻撃を分断。

4R、ここまでは完全に三代のペース、流れをそろそろ変えないとまずい伊藤。伊藤はプレスを強め、歩くようにして距離を詰めていきます。このラウンドはともに良いパンチをヒット。伊藤の右オーバーハンドは効果的ではありますが、三代のジャブも非常に見栄えが良いです。

互角のラウンドで、伊藤はまだペースを取り戻したとはいえません。

5R、伊藤の右も当たりますが、三代の右もヒット。三代は足が止まらず、常にステップを踏みつつ伊藤の攻撃に対応しています。三代はコンビネーションもスムーズで、ここまでのダメージも、疲労も伊藤の方が大きそうです。

6R、伊藤がジャブを積極的に出しはじめました。伊藤のワンツーに対し、三代はワンツーフック。中間距離での打撃戦です。ようやくリズムの出始めた伊藤ですが、あまり攻め急がない方が良いのかもしれません。

終盤はまた中間距離での打ち合い。

 

7R、三代はポジショニング、そしてタイミングがすごく良いですね。相手が「攻めてこないだろう」というタイミングで攻めている、というか。

伊藤は出ていくところでジャブをもらって顎が上がってしまうタイミングがあるので、非常に見栄えがよくないです。三代の方が余裕があるようにみえ、伊藤は攻める際に力みが見えます。

8R、力強く振っていく伊藤、三代は脱力からノーモーションの左ジャブ、そして速いコンビネーションで対抗です。やっぱり三代のジャブの見栄えが良いように見えます。

9R、ともに手数が増え、パンチには力がこもっています。三代はワンツー左ストレート、接近戦でもステップを上手く使います。上体の動きも併せて、非常に良いディフェンス。

伊藤はプッシング気味の左から右ストレートというコンビネーションをこの試合何度か放っていますが、これは三代のジャブを抑える効果もあってなかなか効果的。

ラストラウンド、後がない伊藤は前に出続けます。しかし三代のパンチも的確で、しっかりと応戦。終盤には良いボディショットを打ち、最後の最後まで打ち合った両者。

 

10Rを闘い抜いての判定は、2-0で三代大訓。

接戦ではありましたが、全体を通して、三代が試合全体を支配したように見えました。

素晴らしいジャブだと知ってはいたものの、予想以上の三代のジャブ。三代大訓のジャブは、世界レベルだと実感しました。

そして、やはり接戦をものにする力が強い三代、エキサイティングなボクサーではありませんが、その技術一つ一つに感嘆します。ジャブからステップ、上体の動き、それが一つのまとまった芸術のようです。

そして時折見せた高速コンビネーション、これもまた非常に有効でしたね。

惜しむらくは、今回の会場の雰囲気と、「ギンギラギンにさりげなく」があまりマッチしていなかったように(個人的には)感じたことでしょうか。。。しかも、Youtube観戦だと、別の音まで入り混じってしまっていて、もうなんだか大変な感情になりました。

冗談はさておき、吉野vs三代という試合も、非常におもしろい試合になりそうですね。あのジャブをかいくぐって吉野が三代を捉えるのか、それとも、伊藤ほどの踏み込みスピードがないと思われる吉野は、三代のジャブに貼り付けにされるのか。

ライト級ウォーズ決勝、来春開催です!(たぶん)

 

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