大晦日決戦、井岡一翔(Ambition)vs田中恒成(畑中)まであと一週間。12/31、WBO世界スーパーフライ級王者は、「Still」なのか、「New」なのか。海外でも注目されるこの一戦は、今後のスーパーフライ級の世界戦線に大きな影響を与える事になると思います。
そして、直近のニュースで飛び込んできたのは、2021年3月13日、WBAスーパー王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とWBC王者のファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)が統一戦で激突する、という話題。
かねてより噂として上がっていたこの一戦は、正式決定のようです。
2012年にライトフライ級で対戦した両者は、ロマゴンの僅差判定勝利。エストラーダは雪辱に燃えている事でしょう。
ここ数年、スーパーフライ級という階級は大きな盛り上がりを見せています。
アメリカの大手ケーブルテレビ、HBOが「Super Fly」と銘打った興行を開催したのは2017年。しかしその興行は、HBOのボクシング中継撤退により残念ながら3度の興行を持って終了してしまいました。
しかし、それを受け継いだ形でマッチルームが軽量級に力を入れているように感じますね。
↓2020年10月、DAZNで配信されたまるでSuperFlyのような興行。
かつてローマン・ゴンサレス(ニカラグア)がミニマム級からライトフライ級、そしてフライ級を制し、PFPキングとなったのは2015年頃の話。
続く2016年にロマゴンはスーパーフライ級を制し、4階級制覇を達成します。
しかし、2017年、初防衛戦でタイのシーサケット・ソールンビサイ(タイ)にまさかの僅差判定負け。再戦ではシーサケットのハードパンチをモロに喰らい、衝撃の4RKO敗けを喫してしまいました。
尚、この時同じリングで井上尚弥(大橋)がアントニオ・ニエベス(アメリカ)を難なく退けています。
ロマゴンを倒した事でPFPランキングに顔を出したシーサケットでしたが、 4度目の防衛戦で、一度は退けたファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)に僅差判定負け。
ここ5年近く、トップ選手が入れ替わっていないともいえるこのスーパーフライ級は、そろそろライバル対決全てに決着がつきそうです。それは、タイトル統一に向けて動いている、とも言えます。
ここで各階級王者の現状を振り返っていきたいと思います。
WBAスーパー王者
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
前戦、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)を相手に危なげなく防衛。次戦はファン・フランシス・エストラーダとの王座統一戦が決まっています。
勝利した場合、WBCの指示によりシーサケット・ソールンビサイ(タイ)との指名試合が待っています。あのKO敗けの記憶がある今、シーサケットとの相性は最悪と言ってもいいと思います。
WBC王者
ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)
シーサケットに競り勝ち、王者となったエストラーダは、現在この階級で最も評価されている王者です。前戦ではカルロス・クアドラス(メキシコ)に大激闘の末打ち勝ち、その強さを示しました。
階級アップの噂もあるエストラーダ、ロマゴンに勝利すればシーサケットとの指名戦に臨むのか、それとも、もう決着はついているとバンタム級に上げるのか。
WBAレギュラー王者
ジョシュア・フランコ(アメリカ)
マロニー弟、アンドリュー・マロニー(オーストラリア)に勝利して戴冠したフランコ。再戦では議論を呼ぶノーコンテスト。マロニーは再戦を要求、こちらもエストラーダvsロマゴンとおそらく同時期にオーストラリア開催が濃厚とのことです。
IBF王者
ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
我が道を行っています。一時期、WBA王者フランコとの統一戦の話題が上がりましたが、上記の結果の通りノーコンテスト→再々戦となるのでおそらく消滅でしょう。
そしてアンカハスもウェイトの問題があり、階級アップは時間の問題と見る向きもあります。
WBO王者
井岡一翔(Ambition)
12/31に一つ下の階級の王者だった田中恒成との防衛戦の予定。
ともに自信がありそうです。非常に楽しみですね!
井岡陣営としては、イスマエル・サラストレーナーが来日できるということはプラスに働く材料かと思います。
Youtubeも含めて、SNS等でもたくさんの情報を発信している田中恒成と、ほとんど情報がなく(いつもどおり)、現在の調子がどうかとか全然わからない井岡一翔。
全く真逆とも言えますね。
私は、井岡一翔を応援していますが、田中恒成が勝っても驚きはしません。
いずれにしろ、この試合の勝者は日本を背負ってアメリカに行って戦ってほしいです。
そうすればきっと、この階級で4団体統一も夢ではないと思います。
そして、同じく軽量級、ライトフライ級ですが京口紘人がマッチルームと契約。
この度は大手プローモーターのマッチルームと契約しました
— 京口紘人 Hiroto Kyoguchi (@HirotoK1127) 2020年12月24日
チームカネロの一員としてより一層精進して参りますので応援のほどよろしくお願いします@EddieHearn @DAZNBoxing@CANELOTEAM pic.twitter.com/peqod9EiL4
マッチルームはもしかすると、比較的お金のかからない軽量級ボクサーを物色し、日本を次のマーケットに定めている現状なのかもしれませんね。そうなってくると軽量級ボクサーたちの試合も、海外のボクシングファンに届きやすくなるのかもしれません。
チームカネロ、エディ・レイノソ。。。個人的にはあまり良い響きはしませんが、そういう方面であれば応援しましょう。(ゲンキンです。)
軽量級は速く、テクニカルで非常におもしろい。それを海外の人たちに伝えてもらえれば嬉しいですね。
↓福永vs中川の一戦も、海外の人達にも知ってもらいたい大激闘。