信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

チャリティーボクシングイベント「Legend」を視聴した感想は「最高でした。」

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チャリティーボクシングイベント、Legend。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

開催に至っては選手はもとより観客全員にPCR検査を課す等、なかなか観戦にはハードルが高く、更にはチケットも高額だったため、チケットの売れ行きは苦戦したようです。

ただ、会場に見に行く事はできなくとも、こうしてPPVで生配信してくれるのは本当にありがたい事。

コロナで地方から東京へ行くのは憚られる中、お金を払えば見れるということはありがたく、またその払ったお金が少しでも世間様のお役に立てるのであれば是非もなし。

ということで、私も視聴しました。

本日のブログは、「Legend」で行われたエキシビジョンマッチの感想です。

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第1試合 

元WBO世界フライ級王者 木村翔(花形)

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元K-1スーパーバンタム級王者 武居由樹(大橋)

木村の入場曲は、竹原ピストルの「オーバー ザ オーバー」。いつもの入場曲は気分が上がりますね。対して武居はQueenの「I was born to love you」。田中恒成(畑中)と同じ曲。かつてこの2曲が流れた日が思い出されます。

入場時、花火が上がったりとボクシングイベントにはあまりない演出。どちらかというと格闘技イベントに近いです。

これは解説の声、実況の声も会場に響いているんですね。

いきなりヘッドギアなしのスパー。

木村がプレスをかけ、武居がステップを刻みます。武居はパンチが大きいですが、アングルも当たるパンチの選択も良いですね。

武居は元K-1選手らしく、体の厚みがあります。木村はあまりサウスポー得意ではないかもしれませんね。武居はボクシング上手いです。蹴りアリの格闘技をやっている人は、上体の動きをあまり使う事はないはずですが、武居はそこももうフィットしている感じがします。

 

距離感も良いですね。K-1はよく知りませんが、これはボクシング転向、非常に期待できます。解説陣も舌を巻いていますが、トカちゃんはちょっと五月蝿い。。。

武居としては、良い顔見せになったのではないでしょうか。これを見たボクシングファンは期待できるボクサーだとわかりましたし、同じ階級のボクサーたちは戦慄を覚えたかもしれません。

デビュー戦は3/11、54.5kg契約ということなので、スーパーバンタム級。なので様子をみながらバンタム級(53.52kg)で戦っていくのかな、と思います。

第2試合

元3階級制覇王者 八重樫東(元大橋)

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WBA世界ライトフライ級スーパー王者 京口紘人(ワタナベ)

京口の煽りVで「最後のボクシングキャリアを注目してもらいたい」発言が気になったのは私だけでしょうか?もう終わりを意識しているのでしょうか。。。

八重樫東の「Move on」も感慨深い。。。京口のアメリカデビュー戦の入場曲は何にするんでしょうかね?邦楽はあちらのイメージに合わないので洋楽やインストを選択してもらいたい。

ふたりはヘッドギアを装着。そりゃそうですよ。

好戦的に攻めていく京口、割と容赦なし?このふたりは結構距離が合いますね。ヘッドギアつけて正解、両者ともにクリーンヒットを奪い合う展開。

 

八重樫は鍛えているため、現役時代と変わらぬ体つきをしています。もらいながらも相打ち気味で打つその姿は、現役の頃を彷彿とさせますね。

しかし本当に解説が五月蝿い。解説というか雑談。ということで音声は切ります。

ラストラウンドはバチバチの打ち合い。「激闘王」スタイル。京口もここは自分の土俵、全く退きません。3分間しっかりとした打ち合いが見れました。

八重樫東、この人をまさにレジェンドというのでしょう。現在は指導者として活躍していますが、教えている選手にも気持ちとしても、練習相手としても寄り添えるトレーナーでしょうね。

すごいのひとこと。

しかし、いつも渡嘉敷、竹原、畑山のYoutubeチャンネルを楽しく拝見させてもらっていますが、トカちゃんの解説?雑談?がこんなに不快だとは思いませんでした。(個人の感想です。)

 

第3試合

東京五輪75kg級日本代表 森脇唯人(自衛隊体育学校)

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WBOアジア・パシフィック・スーパーウェルター級王者 井上岳志(ワールドスポーツ)

リング上で相対すると、井上の体の分厚さ、そして森脇の身長の大きさが目につきます。井上はアマ時代から(当時あまり理解されなかった)筋力トレーニングをしていたときいた事がありますので、同じルーツを持つとは思えないほどの体つきの違い。高身長の森脇は細く見えてしまいます。

初回から井上らしく、ガードを固めて中に入ります。森脇はやはりスピード豊か。

と、早速井上がカット。バッティング?パンチ?ちょっとわかりませんが、左目眉付近ですね。ヘッドギアをつけていなければこれが怖い。スローが流れてもどちらかわかりませんね。

森脇の動きはキビキビしていて素晴らしい。アマチュアボクシングというマイナー競技、プロボクシングファンでも知らないアマチュアボクシングというスポーツ、その良いアピールになるのではないでしょうか。

 

井上の鬼フィジカルで押される場面はあるものの、足さばきも上体の動きもよく、クリーンヒットはもらいません。これが日本のトップアマ、その力を存分に見せつけてくれています。

アマ選手が、正装(ユニフォーム姿)で出てきてくれるのはなんだか良いですね。上半身裸のプロ選手と堂々と渡り合う姿は、プロアマの垣根が取り除かれた証にも感じます。この大舞台で、らしさを存分に発揮した森脇唯人。

元トップアマながら、完全にプロボクサーとして国内からは頭ひとつ抜け出ている井上相手に森脇がここまで遜色なくやれた事は素晴らしいと思います。

東京五輪がなくなったら、プロ転向するのでしょうか?それともパリを目指すのか?いずれにしろ、楽しみですね。

 

第4試合

秋山佑汰(自衛隊体育学校)

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平岡アンディ(大橋)

成松大介欠場。欠場なの?はまさかのこのタイミングで知りました。

いきなり連れてこられた秋山。。。当日なんですね、これは大変。しかも相手は平岡アンディ。秋山はヘッドギアを着用です。

サウスポー同士、入場時は緊張していたように思えた秋山でしたが、体は軽そうです。アンディはやはり反射神経が良いですね。トップアマのスピードにも全く遅れをとることがありません。アンディは上体の動きも素晴らしいですね。なかなかこういう動きをするアマ選手はいないので、秋山は闘いづらそうです。

アンディ、思っていた以上にショートの距離でのパンチのアングルが上手い。大きなサークリングから鋭いジャブ、近づいてはショート。上手い。

 

ラストラウンドはパンチをまとめる場面もつくったアンディ。ちょっと秋山はさすがに仕上がっていないのか、ラウンドが進むにつれスピードはもとよりパンチの正確性で差が出てきます。

個人的にアンディはスーパーライト級で世界と戦うにはややパワーレスに感じますが、フィジカルも含めてやはり日本ではトップ。遠距離、中間距離、近距離でのテクニックは特に国内では敵なしではないのでしょうか。

インタビューでWBOアジア・パシフィックタイトルをやりたかったけど逃げられた、と言ったアンディ。なかなか国内では対戦相手に苦労するでしょうね。

国内のタイトルは置いておいて、海外で地域タイトルを目指してもらいたいです。

 

第5試合

東京五輪69kg級日本代表 岡澤セオン(鹿児島県体育協会)

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日本ユース・スーパーライト級王者 佐々木尽(八王子中屋)

イベント前のSNSでの舌戦から盛り上がっている両者。日本中量級のトッププロスペクト、佐々木はその倒しっぷりがA-SIGN興行で注目され、破竹の勢い。

そして岡澤セオンは、2020年に行われた国際大会で入賞し、日本人選手で唯一自力で東京五輪出場権を獲得したアマMVP。東京五輪が開催されれば、メダルの期待もあります。

ある種、最も純粋なプロ・アマ対決であり、お互いのプライドをかけた、最も「ガチ」な一戦かもしれません。

意外にも先に仕掛けたのはセオン。セオンの方が距離感、ジャブ、コンビネーションに優れています。これがアマキャリア。

佐々木も一発狙いにはなっていませんが、佐々木の右手を上げてアピールにはちょっと賛同しかねますし、馬鹿にしているように見えてしまうのは私だけでしょうか?

 

2Rになると佐々木は動きで撹乱し、セオンの懐に飛び込む事を試みます。しかし、当たりません。セオンはその佐々木の動きにも翻弄されず、攻められてはかわし、攻めてはパンチを当て、その技術を発揮。勢いのある佐々木ですが、全く触らせないセオンに脱帽。

ただ、佐々木は一発があるので、最後まで気を抜けないのも事実。

ラスト、佐々木は破れかぶれなのか、とにかくこの場でこの動きができる度胸がすごい。変な動き(笑)をする佐々木、ロイ・ジョーンズスタイルになるセオン!

佐々木はノーガードで打たせます。打たれ強さに自信もあるのでしょうが、これは危険。ただ、このショーマンシップは褒められるべきでしょう。

19歳にして、盛り上げ方を知っている佐々木、そしてトップアマの技術を大いに見せたセオン。

勝利者インタビューでは、5月に湯場海樹(ワタナベ)とのユース王者同士の一戦がまとまるかもしれない、と発表。これは非常に楽しみですね。

 

第6試合

日本スーパーフェザー級王者 坂晃典(仲里)

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元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者 内山高志(元ワタナベ)

ノックアウトダイナマイト、内山高志。個人的には、オールタイムの日本人ボクサーの中で、私の最も敬愛するボクサー。

そして坂晃典、私の最も注目する日本王者のひとり。

内山の仕上がりは、逐一KOチャンネルにあがっていたので、少しずつ仕上がってきたのは知っています。ただ、坂は現役バリバリ、しかもここのところ評価が上昇している日本王者。

どんなスパーリングになるのか非常に楽しみです。

内山はギアなし、坂はギアあり。

 

黒がよく似合う、内山。その佇まい、右手で口元をこする仕草は、まさに現役時代のそれです。グローブがでかいからか、それとも年のせいか、スピードはやや落ちているように思います。

それでも内山の右は結構バチバチと入りますし、左ボディもヒット。やはり4年のブランクはあるものの、ここまで築いてきたものは体がしっかりと覚えているのかもしれません。

2Rは坂がスタンスを広くし、ジャブをついてスタート。しかしジャブといえば内山。上からはたくようなジャブは威力も充分で、坂の突進を阻み、更にボディへの右ストレートで止められます。終盤、坂が近い距離で連打を繰り出し、このラウンドは終了。

内山、完全にペースを掌握しつつ、自分の距離で戦っています。

ラストラウンド、坂がヘッドギアを外します。

ギアを外して明らかに動きがよくなった坂。ここまでは遠慮していたのかもしれません。危険な右ストレートが交錯、坂の入り際の左ボディ。現役の内山であれば、倒せていたタイミングのパンチでしょう。

随所で技術的なカウンターを見せた内山。坂はこのレジェンドと手を合わせられた事で、大きな経験になったのではないでしょうか。

 

坂から、内山への大きなリスペクトが感じられた事も非常に素晴らしかったです。大きなリスペクトがなければ、前回の防衛戦から間をほとんどあけず、このエキシビジョンマッチを受けたりはしないでしょうから。

ともあれ、内山高志という不世出のボクサーが、こうしてリングに、観衆の前のリングに戻ってきてくれた事が嬉しくてなりません。

第7試合

WBAスーパー・IBF世界バンタム級世界王者 井上尚弥(大橋)

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元WBC世界フライ級王者 比嘉大吾(Ambition)

日本ボクシング界史上最高傑作、モンスター井上尚弥。そしてみんな大好き、比嘉大吾。

井上尚弥のボクシングを堪能しつつ、比嘉の復調具合、一発にも期待したい、何とも不思議な期待をしてしまう一戦。

比嘉が低い姿勢から入るのは、良い時の比嘉大吾。大晦日からの試合間隔は少ないですが、比嘉の調子は良さそうです。

比嘉が攻めますが、井上のパンチの方が的確に当たります。接近戦でも的確なカウンター。その後も井上はノーガードになったり、サイドへの速い動きを見せたりと、やはり役者が違います。これは本当に14オンスのグローブをつけたスピードなのか。。。

 

ボクシングでは井上に敵わない。比嘉は攻め続ける事でなんとかしたいところ。しかし近い距離でも井上のコンパクトなパンチが比嘉を襲います。井上のパンチを浴びても前に出る比嘉、しかし容赦ない井上。

比嘉は何度も何度も押し戻され、何度も何度も顔を跳ね上げられます。

ラストラウンドの前にヘッドギアを外す両者、しかしこれは比嘉、大丈夫か?

井上はサウスポーにスイッチも、これは倒せるサウスポー。ノーガードで詰め、歴然の力の差、井上はよけるのも上手いしガードも非常に固く、比嘉のパンチは通用しません。

逆に比嘉は、井上のパンチをガードの上からでもダメージを与えられてしまっています。

右アッパーの3連打、それでも前に出る比嘉!!

これは!比嘉大吾の、精神的な意味合いでの大復活と言っても良いのではないでしょうか。

モンスター井上相手に、打たれつつも一歩も退かない比嘉大吾。そこに、可能性を見いだせました。

井上尚弥のスパーリング相手がなかなか決まらなかった。。。それはそうでしょうね。ほんとに本当の「ガチ」でやっていたら、比嘉は倒されていたかもしれません。

この井上ex比嘉、非常に見応えのあるエキシビジョンマッチでした。

 

「Legend」を見終えて

このエキシビジョンマッチ、PPVで3,300円。高いか安いか、というと、私は安いと感じましたね。

よく、ボクサーの練習段階で「お金の取れるスパー」だという組み合わせが存在しますが、今回のガチ度はそれほどだったように思います。

これぐらいの金額で、各ボクシング興行も見れれば、(毎興行とはいかないまでも)購入するんですけどね。

会場の演出、煽りV、解説は不要に思いましたが、こういう盛り上げ方はボクシング界も参考にするべきではないでしょうか。

メインの井上尚弥の強さを再認識できたこと、そして比嘉大吾が恐れずに前に出続けてくれたこと。

セミで内山高志がリングに立ってくれたこと。

岡澤セオンはじめアマボクサーがその矜持を見せてくれたこと。

武居由樹というプロスペクトの素晴らしさを見れたこと。

その他のエキシビジョンマッチも素晴らしく、非常に満足なイベントでした。

お客さんの楽しめるエキシビジョンマッチって、こういう事ですね。

 

 

 

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