信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】エキサイト・イン・N.Y.!スルタンのアップセットと、セペダvsバルガス!!!

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10月の最終週、日本ではA-SIGNとDANGANの共同興行が行われ、その素晴らしいマッチアップもさることながら、期待以上の激闘に次ぐ激闘。

小さなタブレットで見ていた私も全身に力が入り、見ているだけでも非常に疲れた興行だったので、現地観戦の方々はよほどでしょうね。

そしてこの激闘を演出してくれたボクサーの皆さんには本当に頭が下がります。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

さて、その翌日となった日本時間10/31、ニューヨークではホセ・セペダvsホスエ・バルガスをメインとしたトップランク興行、そしてラスベガスではジャマル・ジェームスvsラジャブ・ブタエフをメインとしたPBC興行が行われました。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

リアルタイム観戦ができない私は、仕事が終わって帰宅してから観ていますが、Showtimeはアーカイブ配信まで少し時間がかかるので先にESPNを視聴。

なので今回のブログでは、まずはTR興行、セペダvsバルガスの観戦記です。

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10/30(日本時間10/31)アメリカ・ニューヨーク

カルロス・カラバロ(プエルトリコ)14戦(14KO)無敗

vs

ジョナス・スルタン(フィリピン)17勝(11KO)5敗

まずはセミファイナル、WBOインターコンチネンタル・バンタム級タイトルのかけられた一戦です。

パーフェクトレコードのカラバロに、日本でもお馴染み、カシメロに勝利したこともあるジョナス・スルタンが挑みます。スルタンはアンダードッグ、敵地でホープを喰えるか。

カラバロがこのパーフェクトレコードを持ったまま世界挑戦まで上り詰めれば井上尚弥の対抗馬として少々期待できるのかもしれません。

 

ハロウィンだからか、スルタンはバットマンの仮装ですね。カラバロは特に仮装はしていませんが、プエルトリカンへの大きな声援はやはりホーム感を感じさせます。

初回のゴング。スルタンの上半身はこんなに大きかったか、と見紛うほどですね。特に脊柱起立筋が大きく盛り上がっており、背中が左右にぱっくりと割れています。

まずは両者様子見、スルタンがプレスをかけてジリジリとにじり寄り、時折大きく攻める、という展開。サウスポー・カラバロはなかなか慎重な立ち上がりですね。

スルタンは重そうなパンチを強振、カラバロはスピードとキレ、コンビネーション。

2R、スルタンが強いパンチで攻め込み、その打ち終わりにコンビネーションを放つカラバロ。開始30秒のところでスルタンの右ボディアッパーがヒット、下がったカラバロを追撃したスルタンは、右アッパーを顎に決めてダウンを先取!!

 

攻め気に逸るスルタン、カラバロは足を使ってエスケープしたのち、カウンターで反撃!まだカラバロが力を残している事を知り、その後のスルタンはトーンダウン。しかしスルタンの思い切り放つ右ストレートはブロッキングで受けるには強すぎます。

3R、このラウンドもスルタンはプレス&プレス!アップセットを起こす気満々です。サークリングするカラバロをロープに詰め、大ぶりの右フックで大きく踏み込んだスルタン!返しの左フックとカラバロの右が相打ちとなりましたが、前に出る勢いの分でスルタンが打ち勝ち、カラバロはまたもダウン!!

その後もガツンガツンと思いパンチで攻め込むスルタンに、やや押され気味なカラバロ。また膝をつきますが、これはスリップ。しかしこうまでリングに倒れるということは、何かしらのダメージか、トラブルを抱えているのかと勘ぐってしまいます。

 

終了ゴング直前、今度はコンビネーションで攻め入るカラバロに対して、スルタンが大きくバランスを崩し、グローブをマットに付いてしまいます。ちょっと微妙な感じのダウン判定でスルタンは不運に見えましたが、このラウンドはダウン1度ずつ。

4R、カラバロはどっしりと構えて、落ち着いてきましたね。スルタンのジャブの引き際に対してジャブを放ち、前手のうまさはカラバロの方が上に見えます。

このラウンドはカラバロがサイドステップを駆使して上手く戦い、終盤にはスルタンのアッパーに合わせて左ストレートカウンターをヒット、本領を発揮し始めます。スルタンは少し苦しい展開になってきました。

5R、カラバロは余裕が出てきた感じがしますね。スルタンが強いボディストレートを打ち込めば、そのリターンとして顔面への左ストレートをお見舞い。

 

スルタンの踏み込みに対して最小限のバックステップ、攻めてはサイドからの攻撃と乗りに乗ってきたカラバロ。スルタンはブロッキングの上からカラバロのパンチを受けてよろめきます。カラバロのパーフェクトレコードは、伊達ではありません。

6R、プレスをかけるスルタンとサークリングするカラバロ。スルタンは強い一発、カラバロはコンビネーション。その持ち味は当然変わらず、ここまではカラバロが上手く戦えているように見えます。

と思った1分過ぎ、踏み込んだカラバロに対してスルタンの右ストレートカウンターがヒット!カラバロはこの試合3度目のダウン!!

こうなるとスルタンのプレスは自信満々、カラバロはやや弱気なサークリング。またも形勢が逆転です。

7Rも展開は同じ。カラバロが攻めた時のスルタンの右ストレート、又は左フックのカウンターは怖いですね。思い切り振ってきます。

 

このラウンド序盤はなかなか攻めきれないカラバロでしたが、終盤にはスルタンの打ち終わりにいくつものカウンターをヒット、着実にダメージを与えていきます。またカラバロのペースになってきたか。

これはとんでもないシーソーゲーム。

8R、変わらずプレスをかけ続けるスルタンですが、少し攻めが単調か。そこにカラバロはパンチをあわせます。

スルタンのパンチはフォロースルーが効いている分、打ち終わりにグローブを戻すのに時間がかかり、そこにカラバロの左右のカウンター。スルタンは左目下あたりをカットしているようで、ダメージも感じられます。

このラウンド終盤、ストレートで攻め込んだカラバロは大きな見せ場を作り、残り2Rでのドラマを期待させます。

9R、大きく観客を煽り、そしてスタッフに早くリングを降りろと注意されたカラバロ陣営(笑)、カラバロはここで勝負をかけるかもしれません。

まだまだスタミナの残るカラバロはコンビネーションで攻め込み、ディフェンスに気をつけているそぶりのスルタンのガードの上からパンチを叩き込みます。スルタンはダメージなのか疲労なのか、ふらつく場面が増えていますね。これは危ないか?

 

と思った矢先、ジャブから軽い右ストレートを出し、左フックをクリーンヒットしたスルタン!ここでカラバロはまたもダウン!!!!

スルタンはこの終盤において値千金のダウンを奪取、これにまた警戒を強めたカラバロはやはりやや弱気なサークリング。

しかしカラバロは既に4度のダウンを奪われており、他のラウンドでポイントをピックアップしていたとしてもかなり厳しいです。行かざるを得ません。

ラストラウンド、かなり疲弊しているはずのスルタンですが、最後とばかりにパワーパンチを放って前進。踏み込みの鋭さも目減りし、ガードもルーズになりながらもパワーパンチだけは振り回す力を持っています。

カラバロはまだしっかりとした足取りでボクシングをしており、キレのあるカウンターもコンビネーションも打ち込んでいますが、とにかくこのスルタンはタフ。

 

そして終了のゴング。

3者ともに74-73、ユナニマスデシジョンでジョナス・スルタンが勝利!!!ビッグアップセットです!

アンダードッグとして呼ばれたアメリカのリングで、見事、パーフェクトレコードを持つホープを破って見せました!

ただ、内容としてはカラバロの方がボクシングは上手く、フィジカルの強さとパンチの強さ、要はパワーで押し切った形のジョナス・スルタン。

初回にこのスルタンを見た時に、上体の筋肉量がものすごい、と思いましたが、まさにそのとおり、自らのストロングポイントを本当によくわかったボクシング。

 

バンタム級の絶対王者、井上尚弥に挑戦するとすれば、その自慢のパワーパンチは活かせないような気がしますが、今後、世界へ出ていく日本人ボクサーにとってはかなり大きな壁となるかもしれません。

あの勢いで、あそこまで振ってこられるとかなり怖い。特に序盤に注意なボクサー。

しかもスルタンは、このカラバロ戦でも見せていたように、カウンターも狙えるボクシング。そしてそのカウンターも強振、もらってしまえば非常に怖い。

恐るべし、ジョナス・スルタン、今後の動向に注目です。

 

ホセ・セペダ(アメリカ)34勝(2KO)2敗2NC

vs

ホスエ・バルガス(プエルトリコ)19勝(9KO)1敗

世界王者クラスの実力者である、ホセ・セペダ。私の大好きなホセ・ペドラサを破り、前戦ではイバン・バランチェクとの大激闘。

これまで世界に挑戦するも跳ね返されたセペダは、あとは世界王者へのチャレンジを待つ身です。

そんなセペダは、はっきりいって格下相手の調整試合で良いわけですが、なぜかここで相手は実質無敗のプロスペクト、ホスエ・バルガス。

 

唯一の敗戦は反則負け、この23歳をここで迎えるには危険な気がしています。

そしてもう一つの心配は、セペダが前戦の超大激闘のあと、壊れていないかどうか、というところです。

WBCシルバーのベルトが賭けられる一戦、いよいよゴング。

まずは中間距離でのジャブの差し合い。両者ともにジャブの得意なボクサー、ここの趨勢が勝負の分かれ目となる可能性すらあります。

スタンスが広く、ステップでの運動量が多いバルガス、左手を下げ、スウェーバックを多用するセペダ、ともにサウスポーながら両者の戦い方は異なります。

1分過ぎ、セペダがジャブから左オーバーハンドをクリーンヒット!前のめりに倒れたバルガス!!!

立ち上がったバルガスは大きくよろめき、これはもう止められてもおかしくありません。しかしレフェリーは続行を指示!

 

足元が怪しいバルガスに対して、セペダは攻めます。ロープに詰めてストレートの連打を見舞ったところでバルガスは崩れ落ち、レフェリーが試合をストップ!!!

ホセ・セペダ、衝撃の1RTKO勝利!!!!!

まだ様子見の段階からの、一発のノックアウト劇。セペダはその強さを見せつけ、プロスペクトをはねのけて見せました。

 

いや〜、素晴らしいノックアウト勝利でしたね。

バルガスは本領を発揮する前に敗れてしまいましたが、これもまた、ボクシング。

セペダにとって、もう少し大変な試合になるかと思っていましたが。。。

スロー再生が流れると、見事に左同士のカウンターになっています。セペダのパンチはいわゆるボラード、全体重を乗せた素晴らしい左オーバーハンドでした。

いやむちゃくちゃかっこいい。

 

スーパーライト級は現在4団体統一王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)が君臨。セペダはラミレスにも本当に良い勝負をしており、しかもその試合以降のパフォーマンスが素晴らしい。

絶対王者、テイラー相手にも十分チャンスがあるんじゃないかと思っています。

テイラーも好きなボクサーですが、セペダも好きなボクサー。こんな勝ち方をされると、セペダの一発総取りを期待してしまいますね。

もしテイラーvsセペダが決まれば、テイラーにとっても最大の試練となるかもしれません。

今から楽しみです。

 

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