週末、海外ではたくさんの注目試合がありますね!
イギリス、アメリカではコネチカットとオクラホマ、それぞれで非常に興味深い興行が詰まっております。
日本ではコロナの感染者数が増えたと逐一話題になっていますが、海外ではなんだかあまり気にせず興行をしているようにも見えますね。
コロナを終わらせるのも、この騒動を続けるのも、結局はマスコミなのではないか、と思ってしまいます。
特に欧米ほど感染者数も多くないような日本においては。。。
まあ、私のような人間は、時の流れに身を任せるだけであり、文句言ってるだけですが。
さて、ともあれ本日のブログは週末の海外興行についてです!
4/10(日本時間4/11)イギリス
WBAコンチネンタル・ウェルター級タイトルマッチ
コナー・ベン(イギリス)17戦全勝(11KO)
vs
サミュエル・バルガス(コロンビア)31勝(14KO)6敗2分
「ダーク・デストロイヤー」ナイジェル・ベンの息子にして、「デストロイヤー」の異名を持つコナー・ベン。
「ダーク」の冠が取れたのは、父と比較しての素行というところなのでしょうか。その辺りは聞こえてこないので何とも言えませんが、父・ナイジェルは現役時代は薬物を常習していたり、(これはナイジェルのせいではありませんが)対戦相手に後遺症を残したりと、決して良いイメージではないのかもしれません。
このコナー・ベン、前戦ではショーン・ポーター(アメリカ)とフルラウンドを戦ったセバスチャン・フォルメラ(ドイツ)に完勝しています。
↓観戦記
この時のベンは、スピードでもパワーでもフォルメラを上回っていましたが、タフなフォルメラを倒せず、フルラウンドを戦い抜いています。
初回から最終10Rまでほぼ同じ動きでボクシングを続けられるスタミナは、練習の賜物と言って良いでしょう。おそらくしっかりと練習しているボクサーだと思います。
スピード、コンビネーションに優れ、パワーもあり、そしてディフェンス能力もなかなか高いコナー・ベン、今回のサミュエル・バルガスは勝って当たり前の相手ともいえます。
ただ、この一戦が注目の訳は、そのバルガスのこれまでの対戦相手にあります。
バルガスは、これまでこのウェルター級のトップボクサーやプロスペクトたちの踏み台となってきたボクサーです。
2015年には、世界王者となる前のエロール・スペンスJr(アメリカ)に4RTKO負け。
2016年には2階級制覇を成し遂げ、統一戦を目指していたダニー・ガルシア(アメリカ)の調整試合の相手を務め、7RTKO負け。
2018年にはクロフォード挑戦前のアミール・カーン(イギリス)の調整試合の相手を務めて12R判定負け。
そして2020年にバージル・オルティスJr(アメリカ)の相手を務め、7RTKO負け。
↓観戦記
これまでストップ負けはスペンス、ダニガル、オルティスの3人だけであり、今回ベンがバルガスをストップすることができればこのバルガスを通して、世界王者、世界王者候補に並ぶという事になります。
そんな位置づけの今回の一戦、ベンが力を発揮してこのウェルター級の門番をストップするのか、それともバルガスが意地を見せるのか、興味深い一戦ですね。
こちらの試合はDAZNで生配信。日本時間4/11(日)AM3:00〜です。
いつも通りだと、メインは7:00頃からでしょうかね。
4/10(日本時間4/11)アメリカ・コネチカット州
ジャロン・エニス(アメリカ)26勝(24KO)1NC
vs
セルゲイ・リピネッツ(ロシア)16勝(12KO)1敗1分
絶対王者、テレンス・クロフォードを中心にして2冠王者エロール・スペンスJrが君臨(興行の中心はこちらか?)、マニー・パッキャオというレジェンドを抱き、更に次点には元王者たちが続き、加えて若きプロスペクトが台頭してきている激アツ階級のウェルター級。
↓ウェルター級の記事です。
コナー・ベンよりも、バージル・オルティスJrよりも、きっと評価が高いのはこのジャロン・エニス。
プロスペクトたちが互いにどれほど意識しているのかはわかりませんが、オルティスが前戦でモーリス・フッカーにTKO勝利をしたことは、きっとエニスに大きな刺激を与えている事でしょう。
前戦はクリス・ヴァン・ハーデンを早々と圧倒し始めたところでバッティングによるノーコンテスト。そのパフォーマンスを期待してみていましたが、非常に残念な結果でした。
対しては元IBFスーパーライト級王者である、リピネッツ。
近藤明広(一力)との王座決定戦を制して戴冠、その初防衛戦でマイキー・ガルシア(アメリカ)に敗れたのが唯一の黒星です。
前戦は2020年10月、IBF世界ウェルター級暫定王座決定戦でカスティオ・クレイトン(カナダ)とドロー。
エニスがこのリピネッツに良い勝ち方ができれば、その後は誰とやっても非常におもしろいマッチアップとなりそうです。
そしてこの興行には、他にも注目試合が。
IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ
ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)32勝(22KO)1敗2分
vs
ジョナサン・ジェイビエール・ロドリゲス(メキシコ)22勝(16KO)1敗
プリティーボーイ、アンカハスももう29歳。日の出の勢いで世界タイトルを獲得、初期の防衛戦では強さを見せましたが、やや停滞しているような時期もありました。
復調しつつあるところでこのコロナ禍に突入、今回は1年5ヶ月ぶりの試合、試合勘がやや心配です。
そういえば先日のアフマダリエフvs岩佐戦で思い出したのですが、アンカハスvs船井龍一戦も、「さあ、ここからだ」と思ったところでストップされてしまいました。それとかぶるんです。あのまま続けていても勝算は薄かったかもしれませんが、おそらく挑戦者側の覚悟というものは相当なものだったので、最後までやらせてあげてほしかったのが本音。船井はその試合を最後に引退し、現在はキッチンカーを経営しています。いつか行きたい。
対してロドリゲスも2020年は唯一、12月に試合をしているものの、1Rで終わらせています。その前は2019年6月ということで、こちらも試合勘は心配ですね。
ロドリゲスはフェリペ・オルクタにストップ勝ちしている選手で、そのKO率を見てもパンチはありそうです。映像を見ると、結構しっかりとジャブをついて、突進力があります。つっこむ時は真正面から行くイメージがあるので、サウスポーアンカハスとは頭のぶつかり合いに注意したいところですね。アンカハスも突っ込んでこられると頭を下げてしまうイメージがあるので。
軽量級のハードパンチャー同士の一戦は、KO決着の可能性が高いです。ともに好戦的であり、パンチを持ち、ディフェンスはやや甘い。
ともあれ、ここはアンカハスが問題なく勝利し、トップオブトップのトーナメントからのけものにされている井岡一翔(Ambition)との統一戦に進んでもらいたいですね。ここが日本人にとっては一番の関心事ではないでしょうか。
他にはリトアニアのオリンピアン、ウェルター級のプロスペクトであるエイマンタス・スタニオニスが世界王座に一歩(二歩か?)届かないトーマス・デュロルメ(プエルトリコ)との一戦。ここに勝てばスタニオニスも注目プロスペクトの仲間入りですかね。
他にもマーク・マグサヨ(フィリピン)、イベンダー・ホリフィールドの息子であるイバン(アメリカ)がプロ6戦目と見どころたくさんの興行ですね。
アメリカではshowtimeが放送。
4/10(日本時間4/11)オクラホマ州
WBO世界ライトヘビー級王座決定戦
ジョー・スミスJr(アメリカ)26勝(21KO)3敗
vs
マキシム・ウラソフ(ロシア)45勝(26KO)3敗
本来、2月に開催予定だったこの一戦は、試合の数日前にウラソフのコロナ感染により延期。この程(おそらく)開催を迎えることとなりました。
かつてバーナード・ホプキンス(アメリカ)の最終戦の相手を務めて話題となったスミス。あの一戦はホプキンスをリング外に弾き出し、そこで試合がストップ。
このストップのタイミングについては疑問が残るような結果となりましたが、ホプキンス唯一のストップ負けという記録だけが結果としては残りました。
そこから、個人的にはさして注目していなかったスミスは、その後ドミトリー・ビボルに挑戦して判定負け。ジェシー・ハートを破って再起後、前戦のWBO世界ライトヘビー級挑戦者決定戦へ望みました。
そこで元王者のエレイデル・アルバレスを見事にノックアウト。
観戦記
その闘志あふれるファイトスタイルと、パンチングパワーが絶妙にマッチして、強さを発揮したジョー・スミスJr。この世界戦が一気に楽しみになった記憶があります。
この試合でも、あわやアルバレスをリング外に叩き出そうかというパンチを繰り出したスミス。そのハードパンチには夢がありますね。
ウラソフもここまで世界タイトルに届いておらず、ともに勝った方が世界初戴冠というアツい一戦。
ここはスミスの初戴冠を見たい。
このアンダーカードもトップランクのプロスペクトたちがこぞって出場します。
セミファイナルはナイジェリアのヘビー級、エフェ・アジャグバ(14勝11KO無敗)が登場します。
このボクサーは、ヘビー級において非常に優れたボクシングをします。パワーパンチに頼らずしっかりとボクシングをするこのボクサーに、ヘビー級に旋風を巻き起こしてほしいと期待するボクサーです。
ヘビー級には、理不尽なパンチを持つボクサーの他に、技術屋も必要だと思っています。このスタンダードなボクシングで(パワーもあります)、是非トップに上り詰めてもらいたいです。
この興行は、アメリカではESPNで中継ですが、なんと日本でもFITE.TVのPPVで見れます!
いや〜、久々FITE.TVで注目試合の配信がされますね。
PPVの価格は1,220円、安いと思います。
これからもESPNで放映する興行は、全てPPVで良いのでやってもらいたいですね。
日本時間4/11(日)10:00からの配信です。メインはお昼頃、ですかね。
(オクラホマとの時差は13時間です。)