明日から怒涛の国内戦&海外ではスーパーライト級の4団体統一戦。
翌週にはウーバーリvsドネア、ヘイニーvsリナレス、6月に入っても井上尚弥vsマイケル・ダスマリナス、ワシル・ロマチェンコvs中谷正義と行き着く暇もありません。
この下りを毎日書いているような気もしますが、とにかくボクシングファンは忙しい。
目の前の試合(観戦)に集中しようとしている矢先、次々と発表される国内注目試合に、もう気持ちがてんやわんやです。(嬉しい悲鳴です。)
昔からボクシングを見ているファンとしては、「ここでこの二人を当てるのか」とか、「ここはもっと安パイな相手でいいのでは?」とか思ってしまいますが、もうそんな時代ではないようですね。コロナが消え去ったとしても、こういう本物vs本物のマッチアップという流れはきっとしばらくは止まらないでしょうから、次々と注目試合が決まるこの流れに、我々も慣れなければなりません。
ということで、今回のブログはここ数日に発表された、7月の大注目試合をまとめておきます。
7/3(土)ダイナミックグローブ
伊藤雅雪(横浜光)vs細川バレンタイン(角海老宝石)
これは驚きましたね。。。まさかこの二人の対戦とは。
A-SIGN BOXINGのYoutubeチャンネルで発表されたこのカードは、すぐに細川側もYoutubeで反応、知名度のあるふたりのボクサーの対戦は大いに興味を掻き立てられますね。
細川が自身のYoutubeチャンネルで言っていたように、「負けたもの同士」の試合でここまで盛り上がることも珍しい。「勝ったもの同士」の試合である、吉野修一郎(三迫)vs三代大訓(ワタナベ)という試合はまだまだ陽の目を見ませんが、何も進んでいない可能性もありますね。
さて、伊藤のことは王座に返り咲いてもらいたい、と常々思っていましたが、相手があの細川バレンタインとなると話は別。
私はバレンさんをずっと応援しており、これまでに現地観戦もしばしば。
吉野戦は見に行けなかったですが、その前の有岡康輔(三迫)戦、激闘となったデスティノ・ジャパン(ピューマ渡久地)戦と、いくつかの試合を生観戦していることもあり、あの情熱的なファイトに魅了されている一人です。
ちなみに、細川の前向き教室が大好きな皆さんは、細川がYoutubeでデビューする前、金尾さんのつくったドキュメンタリーはご覧になられていますか?FIGHTSTORYというチャンネルで、細川に密着したドキュメンタリーが作成されていますが、これがまた秀逸。
↓吉野戦の前に書いたブログの中に、リンクが貼ってあります。
ということで、今回は細川バレンタインを応援しますが、とはいえやはり分は悪い。
身長165cmという細川がやるべきことは唯一つ、中に入って打撃戦を展開することです。対して伊藤は、もともとボクシングもできるボクサーファイターであり、世界戦以降、打撃戦を好みます。その分、引き出しは多いと思います。
伊藤はさらにフィジカルも強く、減量をしない細川に対して、フィジカルでも上回っているかもしれません。
その辺りはぶつかってからでないとわかりませんが、まず伊藤が細川の土俵で闘うのか、もしくは勝ちに徹する等別の戦法を選択するのか。同じ土俵に立った時、両者の力の差はあるのか、ないのか。伊藤がフィジカルで負けた場合、どういう選択をするのか。
ともに連敗は避けたい、ある種の悲しみを孕んだ一戦でもありますね。
7/8(木)フェニックスバトル
中垣龍汰朗(大橋)vs花田歩夢(神拳阪神)
アマ8冠、大橋ジムのホープ中垣と、メキシコ帰りの逆輸入ボクサー、花田。
中垣21歳、花田19歳と非常に若いホープが、日本ユーススーパーフライ級王座決定戦で激突します。
ユース王座戦というのは好試合が組まれる事も多く、また内容も素晴らしい試合が多いですが、この大注目ホープ同士をここでぶつけるか、というのが正直な感想。
欲を言えばまだふたりともキャリアを積む時期ではありますが、このコロナ禍の中ではそうも言っていられないのでしょうね。
中垣はプロ3戦目ながら、確かな技術とカウンターを武器に危なげなくデビュー以来2連続KO勝利。
花田も日本デビューからは3戦目、前戦ではマンモス和則(中日)を相手にダウンを奪い、接戦をものにしています。これはマンモスが気持ちのこもった、素晴らしいボクシングを展開したために苦戦ともなりましたが、この接戦を乗り越えた事は非常に大きい。メキシコでの経験も含めて、プロの経験値では間違いなく花田に分がありそうです。
ただ、前戦、マンモスの強打の前に花田は効かされており、見ようによっては弱点を露呈したとも言えます。
まだまだ戦力を分析するに至るほどのキャリアを積んでいない、原石同士の一戦は、この一戦だけでなく後々までつながるドラマが生まれそうな予感。
セミファイナルでは坂井祥紀(横浜光)に善戦し、大橋ジムの安達陸虎を1Rで沈めた小畑武尊(ダッシュ東保)が登場、他には溜田剛士(大橋)vsそれいけ太一(湘南山神)、新旧ミニマム旧新人王対決として森且貴(大橋)vs小島蓮(江見)等、興味深い試合が盛り沢山。
7/21(水)フェニックスバトル
日本フライ級タイトルマッチ
ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)vs桑原拓(大橋)
これまた悩ましい試合。
ユーリ阿久井政悟も、桑原拓も、もうデビュー以来ずっと応援しているボクサー。そんなふたりには、激突してほしくなかったのが半分、もう半分はどちらが強いのかが非常に楽しみ。
とはいえ、地方ジムのハンデを背負うユーリ阿久井をここは応援します。
スピードスター、桑原拓に、速効型パンチャーのユーリ阿久井のパンチが序盤に当たれば非常におもしろいですね。
誰かが言っていましたが、桑原は「はじめの一歩」の板垣学とかぶる。なるほどな、と思いましたね。そして、ユーリ阿久井はそのライバルである今井京介とかぶります。
ユーリ阿久井は前戦、藤北誠也(三迫)戦でしっかりとボクシングを組み立てる巧さと、スタミナ、集中力を証明しましたが、ボクシングそのもの、駆け引きは桑原の方が上回っているように思います。
ユーリ阿久井にとっては敵地となる後楽園ホール、ここで桑原を迎えうつことは容易な防衛戦ではありませんが、是非ここに勝って、力を証明してもらいたいです。
セミファイナル・アンダーも激アツ
セミファイナルにはスーパーバンタム級8回戦、石井渡士也(REBOOT.IBA)vs南出仁(セレス)!これまたとんでもない試合ですね。
日本ユースバンタム級王者、石井は前戦で世界ランカー石田匠(井岡)にチャレンジするも初黒星を喫しました。そして南出も前戦はGOD'S LEFTバンタム級トーナメントの2回戦で中嶋一輝(大橋)にTKO負けで初黒星。
石井が5戦目、南出が6戦目とプロキャリアは浅いものの、両者ともに極めて評価の高いボクサーであり、日本ランクを手にしています。この試合も、この段階でぶつかっていいのか。。。と思ってしまう一戦。
これもなかなか甲乙つけがたい一戦であり、勝敗そのもの、そして試合内容もおそらくハイレベルなものとなり、楽しめそうですね。
セミセミには湊義生(JM加古川)vs橋詰将義(角海老宝石)。
2014年全日本新人王の橋詰、井岡ジムから移籍しての初戦をようやく迎える事ができそうです。17勝(10KO)2分と無敗をキープしており、日本王座にも挑戦経験があります。
その相手は、「あの」湊。前戦は桑原拓に判定負けながら、その前は元日本王者の大場浩平(サンライズ)にTKO勝利。その前は白石聖(井岡)、その前はユーリ阿久井。
とにかく強敵としか闘っていない湊、強敵と戦いつつ着々と力をつけており、非常に楽しみなボクサーなのです。前戦、地力で勝る桑原相手に、ハートの強さを存分に発揮して善戦と言える試合内容だった湊、次は橋詰と全く楽な試合をしませんね。。。
いずれにしろ、今回もまたアツい試合を魅せてくれると思います!
「ダイナミックグローブ」と「フェニックスバトル」
ダイナミックグローブは、日テレG+の放映で、月イチ生放送というのがあります。伊藤vs細川は生放送かもしれません。違ったら、いったいどんな試合が生放送になるのか。。。というぐらいのビッグマッチですよね。
フェニックスバトルは。。。。今まで何度も恨みつらみを書いてきましたが、後日、フジテレビで深夜のディレイ放送、そして関東ローカル。
もう本当に勘弁してもらいたいです。
正直、ユーリ阿久井の試合は、地元興行である桃太郎ファイトで良いです。桃太郎ファイトなら、生配信とはいかないまでも、当日の深夜にはBoxingRaiseにアップされるので、そこの情報遮断は容易い。
日本のテレビ局は、ボクシングファンからするともう邪魔でしかない。勿論、テレビマネーがあってこそのボクシング興行だというのもあるとは思うのですが、何とかならないものか。時代錯誤も甚だしいですね。