信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】日テレG+、ダイナミックグローブ!永野佑樹vs別府優樹、赤井英五郎vs岡村弥徳。

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アメリカで中谷潤人が初防衛に成功。

過去、日本人ボクサーで、初防衛戦をアメリカで行った例はあるものの、成功した例はないそうです。本来であれば、日本で行われる予定だった中谷vsアコスタは、偶然にも日本の状況を鑑みてアメリカ開催となり、「史上初」を見事に果たした中谷。

アメリカでの放映はESPN+(オンデマンドの放送)のみで、ケーブルTVでの放送こそなかったものの、きっと多くのボクシングファンの目にとまった事でしょう。非常に誇らしい勝利でした。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

同日の日本時間9/11(土)、日本ではダイナミックグローブが開催されました。

しかし、この日のメインイベント、芝力人(真正)vs岩田翔吉(帝拳)の日本ライトフライ級タイトルマッチは、岩田のコロナ陽性反応により延期。

当初予定されていた全5試合のうち、3試合が延期となってしまい、全2試合という興行になってしまったこのダイナミックグローブは、チケットの全てを払い戻し、且つ、無料で観戦出来るイベントとなったそうです。

東京近郊に住んでいれば絶対に行きましたが、遠方に住み、当日は勿論仕事だった私はTV観戦。

今回のブログでは、全2試合となっても開催してくれたダイナミックグローブ、日テレG+視聴の観戦記です。

 

↓プレビュー記事

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東日本新人王予選 ミドル級4回戦

赤井英五郎(帝拳)デビュー

vs

岡村弥徳(八王子中屋)デビュー

「浪速のロッキー」赤井英和氏の息子、赤井英五郎。ボクシングを始めた時期は遅くとも、やはり倒し屋のDNAを持つこの赤井は、アマ経験を経てプロデビュー。ラグビー、アメフト経験のある赤井は、ガタイがすごいですね。

「ロッキー」の続編である「クリード」の主題歌で入場というのは、ニクい。

対して岡村は中央大学在学中にボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。八王子中屋ジムという非常に勢いのあるジムに所属、デビュー戦だけに情報がありませんが、注目選手である赤井との一戦はテレビ放映も含めて恵まれていますね。

初回のゴング。

 

岡村がジャブを飛ばし、赤井は左フックを強振するスタート。

軽いコンビネーションを出す岡村、手数はよく出ます。数多い手数の中で、岡村の右フックがヒット!赤井はガードを高く掲げるものの、相手のパンチに対応はできていません。

赤井は力みすぎか、一発一発のパワーはありそうですが回転は非常によくない。

対して岡村は回転力があり、様々なアングルからパンチを出す事でブロック一辺倒の赤井のガードの間隙を縫い、パンチをヒットしていきます。

中盤に左フックをヒット、その後も右ストレートもヒットした岡村、効かせた後も次々とパンチをヒットしていきます。

赤井はかなりガードがルーズ、懸命に打ち返すものの岡村のジャブで顔が跳ね上がったところでレフェリーがストップ!

岡村弥徳、1RTKO勝利!

 

岡村はデビュー戦を勝利で飾り、赤井は初戦で黒星。

赤井はかなり危険なもらい方をしており、ストップは致し方ないですね。非常に残念。月並みですが、ここから這い上がってもらいたいですね。

対して岡村、4回戦らしく手数が多く、また多彩なアングルからコンビネーションを出せる好ボクサーですね。デビュー戦であり、アマ経験もないことから全くもって情報のないボクサーでしたが、これで一躍、名を知らしめた結果となりました。

とはいえ、ここから新人王戦を勝ち抜かなければ多くのファンに認めてもらう事は難しい。

岡村にしろ、赤井にしろ、ボクシング人生はまだ始まったばかり。

とりわけ、個人的には赤井の今後の奮戦に期待したいものです。

 

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日本ウェルター級挑戦者決定戦

永野祐樹(帝拳)18勝(14KO)3敗

vs

別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)21勝(20KO)2敗1分

2018年10月、両者は戦い、永野が判定勝利。

その後永野は日本王座を、別府はWBOアジア・パシフィックのそれぞれのタイトルを獲得し、それを失う事でまたもこの挑戦者決定戦で相まみえることとなりました。

ともに後がなく、サバイバルマッチという意味合いが強い、この挑戦者決定戦。

 

勝てば一歩進み、負ければ大きく、大きく後退するという、ウィナー・テイクス・オールの一戦です。

永野にしろ別府にしろ、ガウンを羽織らない、己の肉体のみでの入場。無骨な者同士の、再戦が始まります。

ゴング。

ともに身体を少し揺らしつつリズムを取りながら、ジリジリと距離を測ります。別府は軽やかなコンビネーションを様子見で放ち、永野はジャブを打ち左の当たる距離まで詰めようという展開。

別府が上体をリズミカルに振り、永野に的を絞らせまいとしています。そして代わりに右ストレートをダブルで放つ等、上手く戦っています。まずは別府は良い立ち上がり、永野はまだ様子見の段階ではありますが、やや固いか。

 

2R、永野はまっすぐの左ストレートを主体として攻めますが、別府は当然それを織り込み済み、左への警戒心は強い。

別府は永野の右足の外へと回りながら攻撃、良いポジションです。

しかし正面に立つと永野の左ストレートが飛んでくるので油断はできません。

後半、別府の左フックがクリーンヒット!永野はバランスを崩します。その後も永野の左の打ち終わりに右ストレートをヒット、手数も多く、このラウンドも別府が優勢です。

3R、ガードをガチっと固めて距離を潰しにかかる永野。別府はステップワークからコンビネーションで対抗。別府の上体の動きが少なくなってきたことで、永野はいくつかの左ストレートをヒット。

別府は大きくサークリング、下がっていきますがこれは余り得策とは言えません。

 

永野は右ジャブで狙いを定めた所で左ストレート。やはり別府はブロックで受けるのはよくありません。どんどん永野がノッてきます。

何度も何度も左ストレートを繰り出すこの愚直なスタイルは、永野の真骨頂。

終盤、お返しとばかりに別府が右ストレート、右アッパーをヒットしますが、このラウンド終了直前、永野の左ストレートがかすって別府はダウン!立ち上がったところで終了ゴング。

4R、別府は身体を振り、ワイルドなパンチを振るって勝負をかけます。先程のラウンドのように逃げるためのフットワークはやめたようです。しかしいつの間にかコンビネーションは少なく、ややtな発気味。

永野は愚直に右ジャブで照準をつけ、押し込むような左ストレート。

 

そして終盤には左フックをヒット、その後も別府のアッパーに対して左フックカウンター!その後かすった左ストレートでまたもダウンを奪った永野、別府はかなり苦しいです。

5R、永野が開始早々にジャブから左ボディストレート、その後左ストレートを顔面に返してまたも別府がダウン!

立ち上がった別府は攻勢をかけますが、ここでまた永野の右フックがヒット、これもまたかすっただけに見えますが別府がダウン。

永野佑樹、5RTKO勝利!

 

永野は序盤、固さが見られたものの、やはりハマれば強い。これで最強挑戦者として、一度敗れた小原佳太(三迫)へと挑むこととなりますが、なにかをもうひと載せしないと厳しい戦いとなるかもしれません。

ただ、小原に敗北を喫して以降、おそらく小原を倒すためだけにボクシングの練習をしてきたと思われますので、「小原に勝つためのボクシング」という一筋の光明にも期待したい。

対して別府。

 

これは残念な敗戦、決して調子は悪くなさそうでした。

当然、本人にしかわからないことですが、今回は前戦の敗戦でのこころの傷が癒えぬまま、挑戦者決定戦が巡ってきたとのこと。結局のところ気持ちがつくれていなかったことが敗因とも言えます。

更に、ちょっとあのダウンの仕方は、危険な感じもします。

ボクシングに臨む気持ちの強さ、戦う理由というものは、ボクシングにとって最も重要なものだと思います。戦う理由、戦いに臨む気持ちがつくれないのであれば、辞めた方が良い。

 

別府優樹、これにて引退ということになるんでしょうね。

福岡県久留米市、ボクシングでいうと僻地とも言えるこの地方から、全日本新人王(MVP)を獲得、そしてデビュー14連続KOを記録し、WBOアジア・パシフィック王者となった事は偉業だと思います。

とりわけ、ここ数年に行われた永野戦、矢田良太戦、豊嶋亮太戦は非常に記憶に残るボクシングでした。

ともあれ、永野は一歩前進し、別府は大きく後退、または引退。

小原vs永野の再戦は、永野にとって厳しい戦いになりそうで、小原にとってはメリットの少ない試合にはなってしまいますが、このコロナ禍がまだ続くようであれば、やらざるを得ない、そんな試合になりそうですね。

 

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