全日本新人王決定戦への予習もいよいよ最後です。
全部読んでくれる人、いるでしょうか笑
いいんです、自分で読むから。
ともあれ、今回は東日本新人王決勝戦のフェザー級以降。
またあらためて、全日本新人王戦のプレビュー記事は書きたいと思いますが、現時点で中止となっている試合もあってコロナ憎し、です。
ともあれ、これ以上中止の試合が増えないように祈るしかありませんね。
さて、ということで今回は、これまで3度にわたってアップしてきた2021年度西軍代表決定戦、東日本新人王決勝の最終回の観戦記です。
フェザー級
渡邊海(ライオンズ)vs吉田諒(ワールドスポーツ)
5勝(1KO)無敗の渡邊、6勝(4KO)1敗の吉田。吉田は前年もこの東日本新人王決勝戦へ上がってきましたが、初回TKO負け。2度目の東日本新人王決勝に臨みます。
19歳の渡邊と、30歳の吉田。年の差は10歳以上でKO率も大きく違う、正反対のふたりのように思いますね。
初回ゴングと同時に攻め入ったのは吉田!その突進をかわした渡邊が、右を吉田のテンプルにヒット!
これで右膝をついた吉田、効いています!!
それを見たレフェリーはカウント途中でストップ、渡邊が初回TKO勝利で見事東日本新人王に!!
これは衝撃でしたね。
KOなら吉田か、というところでしたが、吉田はその攻撃性が裏目に出てしまった感じ。
渡邊は嬉しい嬉しい2度目のKO勝利、突っ込んでくる相手に対して非常に冷静、かわすだけでなくパンチを出せた、ということが大きかったですね。抜群のタイミングでした。
今回は吉田にしろ、渡邊にしろ実力を出し切れた試合ではありませんでしたが、これもまたボクシングのおもしろさ。
渡邊には全日本新人王決定戦で大暴れしてもらいたいですね。そして2度にわたり、東日本新人王準優勝という実績の吉田の再起にも期待したいです。
スーパーフェザー級
李鎮宇(角海老宝石)vs中村駿(横浜光)
6勝(2KO)無敗、駒澤大出身の李、4勝(3KO)2敗2分、3度目の新人王挑戦の中村。
ともにしっかりとしたキャリアを積んでおり、好試合が期待できます。
初回のゴング、まずワンツーを飛ばしたのは中村。中村は良いリズムからジャブ、ワンツーを飛ばしますが、李はスッと距離を詰めて右オーバーハンドをヒット。
李は非常にガードが固く、ブロッキングが上手い。そこからの左ボディは非常に強烈です。
2R、ガードを固めてプレスをするのは李。李がフックで攻め込めば、中村もしっかりと打ち返します。李の左右のボディの見栄えが良く、顔面へのクリーンヒットも李が上回っている印象です。
3R、中村は良いリズムをキープしていますが、李の踏み込みは速い。距離が詰まれば李のボディが中村を襲い、おそらく距離を取りたいであろう中村ですがなかなか距離をつくれません。
4Rも展開は変わらず、主導権は李にあるでしょう。中村も諦める事なく李を迎え打ちますが、このラウンドは李の顔面への右クロスが幾度となくヒット。ボディを攻めに攻めて、今度は顔面。素晴らしいゲームメイクです。
5R、このラウンドものっけから距離を詰めてボディを打つ李。中村もワンツー、そしてボディも交えてよく攻めますが、李はガードが固く、すぐさま打ち返してくる技術もハートもあるボクサーです。
残り1分頃、中村の右が李にヒット!ここを好機とばかりに攻め込む中村でしたが、終盤、李の右カウンターを浴びてしまいダウン!レフェリーは試合をストップ!
李鎮宇、劇的な5RTKO勝利で東日本新人王に!
このまま判定だと思いましたが、素晴らしいTKO勝利で見事東日本新人王に輝いた李。
ディフェンスが非常に良く、そこからのリターンが素晴らしかったですね。中村のジャブの打ち終わりにボディで踏み込むタイミングは早々に掴んでおり、非常に安定感を感じさせました。
勝利者インタビューでは「さぬきうどん愛」を語った謙虚なボクサー、香川県出身の私としては応援せざるを得ませんね。
ライト級
柳堀隆吾(花形)vs池上いつ己(八王子中屋)
6勝(1KO)2敗の柳堀は2度目の新人王戦。池上は1勝無敗1分の18歳。
初回、サークリングしてジャブをよく突くのは柳堀。池上は体を振りながらジリジリとプレス。柳堀は良いリズムです。しかし近づくとパワー、回転力は池上の方に分があるかもしれません。
2R、プレスを強めた池上、強気に攻めます。対アウトボクサーの追いかけ方(足の使い方)はまだ改善の余地がありますがとにかくしつこく追っていきます。
中盤以降は柳堀がジャブはもとよりアッパー等アングルを変えたパンチを使い、上手く距離をキープしながら戦っている印象です。
3R、展開は変わらず、サークリングする柳堀と追う池上。ともにクリーンヒットを奪い、ともに連打も出てきてヒートアップの展開。後半、池上が右をヒット!これで少し動きの落ちた柳堀、追撃されるもサバイブ。
ラストラウンドも攻めに攻める池上。その攻勢を受けて立った柳堀、近い距離での打撃戦!
後半、池上のボラードのような右オーバーハンドがヒット、ここから更にヒートアップした両者は気持ちの入った打ち合い!!
非常にむずかしい判定は、2-1のスプリットで柳堀を支持。
素晴らしい試合でしたね。全日本新人王戦でも、この柳堀のアウトボックスに期待です。
スーパーライト級
関根幸太朗(ワタナベ)vs鳴海拓郎(RK蒲田)
1勝(1KO)無敗の関根、3勝(2KO)2敗の鳴海。中量級にふさわしいハードパンチャー同士の一戦、鳴海は2度目の新人王戦です。
初回のゴングと同時にダッシュして強振したのは関根。
この関根は非常にハンドスピードも速い。
その後も速く、強そうなジャブで攻め入り、左ボディをヒットします。
続く中盤にも素晴らしい左ボディを数発ヒット、下に注意をそらしたところで顔面への左フック!鳴海はダウン!!
再開後、ダッシュで襲いかかる関根!
ロープにつまった鳴海の画面を、右ストレートで跳ね上げたところで鳴海陣営からタオル投入!レフェリーが割って入り、ストップ!
関根幸太朗、初回TKO勝利!
試合時間としては1分44秒という短い時間ではありましたが、この関根のポテンシャルは見れたように思います。
ゴング後、ダウン奪取後のダッシュで相手に詰め寄る姿が良かったですね。
鋭いジャブ、パワフルな左ボディを持ち、どのパンチでも倒せそうな体の強さが見えました。
今後も期待したいボクサーです。
ウェルター級
芦沢広樹(角海老宝石)vs横内龍也(一力)
5勝(4KO)2敗の芦沢は36歳、6年ぶり3度目の新人王戦だそうです。対して横内は1勝(1KO)無敗、アマ20勝(20敗)ということでギリギリC級デビューですね。
初回、横内はかなりガッチリした体つきのサウスポー、ジリジリとプレスをかけ、右フック、左ストレートで芦沢を追い詰めます。ちょっと早くも効いてしまったか、芦沢。
警戒してかなりガードを上げた芦沢ですが、なかなか手を出すに至らず、やや消極的な戦い。ちょっとパワー差を見せつけられてしまった感じでしょうか。
2R、芦沢はやはり消極的であり、パワー、スピードに勝る横内も強引にはいきません。
横内は素晴らしい動き、入るパターンも幾通りも持っていますが、ちょっと攻めあぐねている印象でしょうか。
3R、ガードをガッチリと固める芦沢、手も長いのですっぽりと覆われ、打てるスペースが限られてしまうんですね。横内はリズムをとりながら何とか攻め時を探しますが、なかなかお見合いの時間が長いです。
しかし、中盤に突如として訪れた接近戦!ここで横内は水を得た魚のように連打!一力ジムのセコンドは首にかけていたタオルを手に持ち、棄権の準備という大ピンチですが、ここで芦沢はど根性で打ち返し、横内の攻撃を分断。
その後、芦沢は横内のボディを打って反撃、横内は嫌がっている、を通り越してボディが効いたか。
ラストラウンド、横内はステップを使ってカウンター狙いか、今度は芦沢がプレス。
横内は単発気味となり、ボディのダメージなのかスタミナ切れなのか、そのステップも足元が定まりません。
判定は、3-0で横内を支持。
最初に飛ばしすぎたのか、後半苦しい戦いでしたね、横内。初回を見た感じは、早い決着を予感させるものでしたが、とにかく芦沢は非常に頑張りました。3R、明らかに棄権の準備をしていた陣営でしたが、そこからの盛り返しは素晴らしかった。
勝った横内も課題の見つかった良い試合だったと思います。
次戦、どのような成長を見せてくれるのか楽しみです。
ミドル級
草村龍弥(角海老宝石)vs岡村弥徳(八王子中屋)
2勝(2KO)無敗の草村、2勝(1KO)無敗の岡村。この岡村は、デビュー戦で赤井英五郎(帝拳)を初回TKOで破ったボクサーですね。
初回、サウスポー草村が様子見のジャブを飛ばし、岡村が入ろうとしたところを右フックで回します。この右フックは大きな音を立てて会場に響き、会場からはどよめきの声。
岡村が攻めると草村はバックステップ、ロープ近くに。
更に攻めた岡村の攻撃を躱しながら、カウンターとなる右フック!!
この右フックで仰向けに倒れた岡村を見て、レフェリーは即刻ストップを宣告。
草村龍弥、初回KO勝利で東日本新人王へ!
この東日本新人王決勝戦、最後の一戦にして戦慄のKO劇でした。
190cmとうい高身長の草村に対しては、どうしても前にでて勝負をせざるを得ません。そこにあわせる強烈なカウンター、これは本当に大きな武器。
これは素晴らしいミドル級、今後も大注目です。
ということで、長くかかりましたが2021年の西軍代表決定戦、東日本新人王決勝戦の観戦記を書いてきました。
これで2/6(日)の全日本新人王決勝戦の予習もバッチリですね。