信太のボクシングカフェ

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WBO発表、「お咎めなし」のカシメロが進むのはバトラー戦か、それとも井上尚弥戦か。

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12/11(日本時間12/12)、WBO世界バンタム級タイトルマッチが行われる予定でしたが、王者、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は前日計量の際、会場に現れず。

指名挑戦者であるポール・バトラー(イギリス)は当然のことながら計量をクリア、そして何故か突然ジョセフ・アグベコ(ガーナ)が計量会場に現れて計量をクリア、試合はWBO世界バンタム級王座決定戦として行われるというアナウンスがなされました。

しかし、計量会場に現れなかったカシメロに対しては、王座剥奪というのが本来の筋というもの。

ガーナ人であるアグベコが、当然のようにドバイに現れ、しかもウェイトを作れているという状況は非常にキナ臭い。

ともあれ、その後バトラーはこの措置を受け入れず、試合への出場を辞退。プロベラムの名前を冠した最初の興行は、幸いにももう一つのタイトルマッチ、サニー・エドワーズ(イギリス)vsジェイソン・ママ(フィリピン)戦をメインに挙行されました。

 

以前から体重苦が伝えられていたカシメロは、ウェイトをつくれなかった、との見方が多く、そのためアグベコに準備をさせていた、との見方が当然のように思います。

しかし、カシメロサイドのエクスキューズは「急性胃腸炎」。WBOはその医師の診断書を提出することで、カシメロのWBO王座は剥奪しないとの見解を示していました。

そして、その医師の診断書を提出したカシメロは、お咎めなしでWBO王座を保持する、ということが発表されました。

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news.yahoo.co.jp

疑いだけでは罰せられない、ということでしょうか。

状況的には、明らかにカシメロはウェイトを作れなかった、ということだと思うのですが、いずれにしろWBO公式の見解としては、カシメロに優位に働きました。

個人的には、WBO王座を誰が持っていても良いんですが、結局のところ唯一の疑問は、井上尚弥の4団体統一が叶うか、否か、というところです。

 

今後のWBO王座

カシメロは、今度はYoutuberとのエキシビジョンでリングに上がるそうです。まあ、この辺の批判は置いておいて、公式戦としてはやはりポール・バトラーが黙ってはいないでしょう。

ポール・バトラーの指名挑戦権獲得という流れも実際は怪しいものですが、バトラーはWBOが認めた指名挑戦者です。

その指名挑戦者との一戦で計量会場に現れなかったカシメロは、本来王座を剥奪されてしかるべき、これは共通認識だと思います。

しかしWBOの降した裁定はそうではなく、これは今後のボクシング界に同様の事柄が起こりうる、ということになりますね。つまり、体重が危ない、というボクサーは真正直に体重計に乗らず、そのまま病院へ→なんとかして診断書を書いてもらう。

そうすれば王座は剥奪されずに済むし、何のペナルティもありません。

 

この辺りは、契約書に織り込まなければならないと思いますが、おおよそどの場合でもボクサー同士(の政治力)は平等ではなく、どちらかがAサイド、どちらかがBサイドに分かれている場合が多いです。例えばカネロが好き勝手に試合を決められるように、立場の弱い側がこういった条件を契約書に織り込むことは難しいでしょう。

ともあれ、おそらく多くの人にとって残念ながら、WBO王者はカシメロ。そしてWBOはカシメロvsバトラーの再交渉をするように求めているので、当然のごとくここはバトラーが権利を主張するでしょう。もしカシメロがここでバトラー戦を嫌がるようなら、カシメロの王座は剥奪、バトラーと誰かの王座決定戦が組まれる事になりそうです。

井上尚弥、4月は本来カシメロだった、との噂

これはあくまでも噂ですが、井上尚弥の「4月中旬」「アリーナ」という次戦については、本来カシメロだったというもの。

しかし、カシメロのWBO王座があやふやになってしまったことで、大橋秀行会長は「最有力候補はドネア」と発言したのではないか。

 

さて、この4月、井上vsカシメロは復活するのか。

これは、やはりバトラーが入ってくると思うので、難しいかもしれませんね。

もし、大橋陣営が、バトラーに待ち料を払ってでも、4月に井上vsカシメロを実現させたい、という事情があれば別ですが、はっきり言って井上vsドネア2の締結の方が状況的に非常にイージー。

大橋プロモーション、井上尚弥は勿論のこと、ドネアもやる気満々ですし、プロベラムのリチャード・シェーファーだってやる気です。

なので、カシメロのWBO王座が復活したとしても、4月はドネア戦が濃厚ではないか、と思います。

井上尚弥の4団体統一は叶うのか

仮に、4月中旬に井上尚弥vsノニト・ドネア2が実現して、井上尚弥が勝ち残り、ジョンリエル・カシメロvsポール・バトラーが行われ、カシメロが勝利した場合。

 

それでも尚、絶対実現する、とは言い切れないのがボクシング。

カシメロがここからゴネ始めれば、井上はスーパーバンタム級へ転級する可能性があります。

井上尚弥は、一番の希望として2022年春、夏に統一戦を行い、年末にスーパーバンタム級への転級と言っていますが、その中で「統一戦の交渉がこじれたら転級」の可能性も示唆しています。

www.nikkansports.com

この「こじれたら」は間違いなくWBO王座のことであり、カシメロ相手でもすんなり行くとは思えませんし、更にもしポール・バトラーが勝ってしまった場合、もしくはカシメロが王座を諦め、王座決定戦になってしまった場合は井上尚弥は避けられてしまうのではないか、と思ってしまいます。というかバトラーからすると、わざわざ井上尚弥にWBO王座を献上しにいくような戦いはしないのではないか。

この辺りは、このポール・バトラーを、プロベラムのリチャード・シェーファーがどのように説得できるか、ということにもかかっているかもしれません。

 

カシメロのWBO王座保持を受けて

WBOはカシメロが王座を保持することと同時に、カシメロvsバトラーのりスケジュールを、15日以内に決定するようにプロベラムに通知したそうです。

年明け早々くらいには、カシメロvsバトラーの日程が決まりそうですが、もしこれにカシメロが従わなかった場合、バトラーと誰かの王座決定戦となることが予想され、バトラーはプロベラム所属のボクサーなので、もしかしたらプロベラムに王座がいくのかもしれません。

バンタム級王座統一に乗り気のプロベラム所属の選手が王座を保持することは、悪くはないと思います。

この場合、水面下であればそう遠くないタイミングで答えは出そうです。

そうならない場合、つまりはカシメロがバトラーとのリスケジュールを受け、それに勝ち、井上vsカシメロが決まったとしても、全くもって楽観視はできません。

カシメロにはウェイトオーバーの前歴があり、加えて今回も実質的には計量失敗、春にしろ夏にしろ、コンディションを作ってきてくれるかどうかは心配です。カシメロ自身の調子、という意味では、コンディションを崩すぐらいならウェイトを諦めるというタイプだと思うのであまり心配はしていませんが、ウェイトオーバーの状態で来られると萎えますし、そのせいで井上が怪我を負ってしまうとかになると大変な騒ぎ。

 

カシメロは、チームに所属していたドーピング違反で有名なコンディショニングコーチ、アンヘル・エレディア氏と袂を分かった、ということが伝えられています。

この事により、カシメロがウェイトを作れなくなったのであれば、もう二度とバンタムの体は作れないのではないか、と思います。カシメロは普段から身体がかなり大きく、もしこのエレディア氏が減量薬等の指導を行っていたとすれば、もともと節制が効くタイプでない(推測です)カシメロは、ウェイトを作る事すら困難かもしれません。

WBOはなかなか厳格な団体、と思っていましたが、今回の措置は少し残念。

ともあれ、個人的には井上尚弥に4団体統一のチャンスが来さえすれば、まあいいか、と思っています。しかしそのチャンスが、このWBOバンタム級タイトルのゴタゴタでこじれてしまうようなら、もう悠長に「バンタムでの4団体統一」と言っていられなくなりますね。

もう、4団体統一ならず、でも仕方ない、というマインドに切り替えます。

それでも一縷の望みをたくし、ここは大橋会長の腕の見せどころ、なんとか4団体統一を成し遂げてもらいたいものですね。

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