12/11(日本時間12/12)にWBC世界バンタム級王者、ノニト・ドネアが暫定王者、レイマート・ガバリョを迎えての防衛戦。
そして同日、ドバイではWBO世界バンタム級王者、ジョンリエル・カシメロが指名挑戦者、ポール・バトラーを迎えての防衛戦。
そして12/14(火)には、WBAスーパー・IBF世界バンタム級統一王者である井上尚弥がアラン・ディパエンを迎えての防衛戦。
たった3日間に一気に4団体それぞれのベルトがリングに上がり、そして来年春と噂される統一戦へと向かっていきます。
ここでのパフォーマンスにより、後に控える統一戦への楽しみ具合が増減しますね。
今回のブログでは、12月中旬に行われる、バンタム級4団体統一戦、準々決勝ともいえる3つの戦いと、そのアンダーカードについて書いていきたいと思います。
↑リングマガジンのバンタム級ランキングは、井上、ドネア、カシメロの順。4位にはガバリョには敗北を喫したものの、評価の下がらないエマニュエル・ロドリゲス。
チームイノウエ関連でいうと、11/11(木)の井上拓真vs和氣慎吾、ライブ配信が決まりましたね!これは現地に行けない人にとっては非常に嬉しいはず。FODプレミアムに入会すれば、ライブ配信が見られます。
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12/11(日本時間12/12)アラブ首長国連邦・ドバイ
WBO世界バンタム級タイトルマッチ
ジョンリエル・カシメロvsポール・バトラー
日本時間で12/12、AM5:00〜という放送枠でWOWOWで放送されるカシメロvsバトラー。この興行の正式発表が、なんだかんだで一番遅かったですね。
リバプールかドバイか、という情報でしたが、どうやらドバイに落ち着いたようです。
ドバイのコカ・コーラ・アリーナ。
カシメロについては置いておいて、ポール・バトラー。
名前はよく聞く、というかよく聞いたボクサーですし、長く世界ランクにとどまっているボクサーなので勿論知っていますが、試合は余り見たことがありません。
KOハイライトを見ると、しっかりとしたファイティングポーズからブロッキングをしてからのリターンや、カウンターセンスを感じるボクサーです。当然自分からも攻めますが、ガチャガチャ攻めるタイプのボクサーではなさそうですね。
ただ、エマニュエル・ロドリゲスとの試合ではガードの隙間にバシバシジャブを当てられる姿が非常に目立ちます。この試合はあまりカウンターを取れてはいないですね。
イギリス人らしいボクサー、堅実ではあるものの、意外性は少ないと見えます。
33勝(15KO)2敗という戦績で、2敗はIBF世界スーパーフライ級タイトルに挑戦したゾラニ・テテ戦、IBF世界バンタム級タイトルに挑戦したエマニュエル・ロドリゲス戦のみ。
テテ戦の前にIBF世界バンタム級タイトルをスチュアート・ホールから奪っています(防衛戦をせずに返上)ので、一応元王者ですね。
カシメロvsバトラーについては、カシメロがしっかりと強いプレスをかけられれば良いと思います。カシメロの不安要素としては、いつもそうですがオフの時にかなりデカくなり、ウェイト大丈夫?コンディション大丈夫??と心配してしまいます。
ここ最近は、結果的にしっかりと仕上げてきているので、そういうボクサーなのかもしれませんが。ともあれ、コンディション面は整えてきてもらいたいですね。
カシメロのプレスをバトラーが12Rにわたりいなせるか、というと疑問符がつくので、ここはカシメロにしっかりとノックアウトで勝ち切ってもらいたいところ。
カシメロには是非日本に来てもらいたいので、ここはカシメロを応援したい。
↓カシメロvsリゴンドーの観戦記
IBF世界フライ級タイトルマッチ
サニー・エドワーズvsジェイソン・ママ
モルティ・ムザラネからタイトルを奪ったエドワーズの初防衛戦。このママ戦は、本来9/11に執り行われる予定でしたが、試合の数日前、エドワーズが負傷により延期。
ジェイソン・ママは以前、田中恒成のスパーリングパートナーとして来日も経験しているボクサーですね。
フライ級、ということで中谷潤人の対抗王者。もしかするとママにタイトルが移動したほうが中谷にとっては統一戦をやりやすくなるかもしれませんね。
とはいえ、サニー・エドワーズ。ここはムザラネを破ったのがフロックでなかったことを見せてもらいたい。
↓以前のプレビュー記事
この興行のアンダーカードには、ドニー・ニエテスも登場予定。対戦相手は、今の所TBAとなっていますが、どうなるのでしょうね。
同じく相手未定ですが、イギリスのスーパーフェザー級ホープ、アーチー・シャープも登場予定です。
これはなかなかに興味深い興行ですね。
12/11(日本時間12/12)アメリカ・カリフォルニア州
WBC世界バンタム級タイトルマッチ
ノニト・ドネアvsレイマート・ガバリョ
正規王者、ノニト・ドネアと暫定王者、レイマート・ガバリョの団体内統一戦としてセットされた一戦。
試合当日は39歳という年齢になるレジェンド、ノニト・ドネアと、25歳の若き王者、ガバリョの試合は、フィリピン人対決。
ドネアは前戦、不利とも言われたノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との一戦でウバーリを圧倒しての4RKO勝利。あの日のドネアは本当に強かった。
↓観戦記
全盛期=身体能力を表すのであれば、ドネアの全盛期というのはとっくに過ぎているでしょう。しかし、年齢を重ねたことで積み上げてきたキャリア、勝利も敗北も、惨敗も経験してきたドネアのこの勝ち方は、井上拓真を破ったノルディーヌ・ウバーリの良さを一切出させることなく、得意のカウンターを当てまくった、ドネア史上でもハイライトの一つとなるようなノックアウトだったと思います。
さて、前戦のウバーリ戦、そしてその前、井上戦と強さを見せているドネアですが、次戦も最強のドネアが出てくるか、ということについてはわかりません。
それは年齢の問題もあれば、ガバリョの前戦のパフォーマンスから、油断というものが多少は存在するかもしれない、という懸念です。
井上戦の前、ステフォン・ヤング戦のドネアの出来は決して良くありませんでした。この時はドネアは下馬評で優位、井上戦、ウバーリ戦は不利予想。つまり可能性があります。
さて、24戦全勝(20KO)という素晴らしい戦績を持つレイマート・ガバリョは、前戦、エマニュエル・ロドリゲス戦で大きく大きく、評価を落としてしまったボクサーです。
スプリット判定で生き残ったこの試合は、リングサイドで見ていたジャッジ以外はおそらくロドリゲスの勝利を支持した、というほどの疑問の残る判定。
ただ、それまで4連続KOで勝ち上がってきたことと、ドネアと比較できる一戦としてはステフォン・ヤングと2018年3月に戦い、ダウンを奪った上で大差判定勝利を挙げていること、間違いなく弱いボクサーではありません。あの一戦のみでガバリョの強さ(または弱さ)を判定することは危険だと思います。
そして25歳という年齢は、まだまだ向上の途中であり、ロドリゲス戦よりも大きく向上している可能性は大いにあります。
あの日のロドリゲスは逃げのステップに徹し、それを捕まえられなかったガバリョ。では、そのステップをドネアが使えるか、というとこれは難しい話。
あの日のロドリゲスは、おそらく自身の打たれ脆さを自覚し、とにかくパンチをもらわないように気をつけて逃げ回っていた、とも表現できます。(異論は認めます笑)そういう部分がガバリョにポイントが流れてしまった原因とも考えられなくはありません。ガバリョを贔屓にする意味はないはずですから。
ドネアはロドリゲスほど足を使うことはないでしょう。数歩のバックステップこそすれ、基本的にはカウンターを狙ってあまり下がらず戦うはず。そうなるとガバリョのパワーパンチが炸裂する可能性はあり、結構な危ない距離でのパンチの交換がされるのかもしれません。
とはいえ、やや大振りとなってしまうガバリョのパンチに、ドネアがカウンターを合わせるのは至難ではありません。結局のところ、ドネアの方が上、という向きで良いとは思うのですが、当然、侮れば危ない。ガバリョはそれだけのパワーを持っているボクサーだと思います。
ブランダン・リーvsファン・ヘラルデス
このドネアvsガバリョのShowtime興行は、トリプルヘッダーと紹介されています。3つのうち、もう一つの試合はスーパーライト級の22歳、23戦全勝(21KO)のプロスペクトであるブランダン・リーが登場です。
対戦相手は、ファン・ヘラルデス。このボクサーは聞いたことがあるな、と思ったらレジス・プログレイスがジョシュ・テイラー戦での敗北後、復帰戦を戦ったボクサーですね。試合はウェイトオーバーしてアドバンテージを得たプログレイスが3Rで圧勝。
プログレイス戦までは16勝1分、負けなしできていたボクサーですね。
リーはここまで14連続KO勝利、しかもかなり早い回で倒すパワーパンチャーです。今回も豪快なノックアウトに期待したいですね。
最後にもう1試合の放送があると思うのですが、現時点ではわかりません。
12/14(火)日本・両国国技館
WBAスーパー・IBF世界バンタム級統一タイトルマッチ
井上尚弥vsアラン・ディパエン
この井上尚弥vsディパエンについては、正式発表時に書きました。
↓正式発表!井上尚弥vsアラン・ディパエン
井上本人も正式発表前から言っていた通り、調整試合の域を出ません。
しかし、ここでキャリアの空白期間を作るよりは良いですし、何より日本でまたその勇姿が見れることについてはありがたい。
今回はドネア戦の時ほど熾烈なチケット争いではなかったのか、チームイノウエの先行販売で見事チケットをゲットしたので、12月14日は両国国技館に行かせてもらいます。
11/11の井上拓真vs和氣慎吾も行きますが、最近フェニックスバトルばっかり。。。その前が7/21のフェニックスバトルでしたからね。こちらはユーリ阿久井からチケットは買いましたが。
さて、このアンダーカードには上に紹介した記事で書いているので、今回は省略。
バンタムは4団体統一へ向かうのか
さて、少し前の情報ですが、ボブ・アラムは井上尚弥について、年内に日本で1試合、来年春に日本でもう1試合、そして夏にアメリカで1試合、というようなことを言っていました。
大言雑言を吐くアラムのことをどこまで信じていいのかはわかりませんが、このスケジュールはありがたいので信じることにします。
春に日本でカシメロ、夏にアメリカでドネア、だったらもう言う事がありません。
個人的にはドネアとの4団体統一戦は、アメリカでやってもらいたい。前戦で年間最高試合クラスの試合となった井上vsドネアを、今度はアメリカのファンに見せてあげてもらいたい。
おそらく、今度は差が開いていることが予想されますが、ここで井上の強さを本当の意味でアメリカで見せつけてもらい、評価を固めてもらいたいと思うのです。
ドネアは大好きなボクサーですので、もちろんドネアの奮戦にも期待したい。
そしてカシメロ戦というのは、アメリカよりも日本でやる方がきっと盛り上がります。「カシメロ憎し」の日本人の思いは、一時よりも落ち着いているとは思いますが、まだまだカシメロはヒールでいてくれています。
と言うことで、カシメロも、ドネアも、井上尚弥も、3人ともに勝利する前提でここまで書いてみましたが、カシメロにしてもドネアにしても、果ては井上尚弥にしても、ここでまさかの敗北を喫するという可能性はゼロではありません。
もしバトラーが勝ったり、ガバリョが勝ったりした場合、この4団体統一へ向かっている機運が止まってしまわないとも限りません。カシメロにしても、ドネアにしても、きっと統一へ向かう気持ちがあると思うので、ここを取りこぼしてほしくはありません。
是非ともここは3人の王者たち、カシメロ、ドネア、そして井上に勝利してもらい、来年の4団体統一戦へ向かってもらいたいですね。
↓12/12のバンタム級2興行は、WOWOWで見れます。
バンタム級ウィークの前には、ライト級ウィーク!!