信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】いざ井岡戦へ、アンカハスの防衛戦!怪物アントワン・ラッセルは元王者を迎える。

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2月末は国内外で注目試合が目白押し!(毎週言ってる笑)

イギリスでは世界スーパーライト級4団体統一王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)の登場、日本では世界を窺う日本フライ級王者、ユーリ阿久井政吾(倉敷守安)、その翌日にはローレンス・オコリーがDAZNに、平岡アンディがひかりTVにそれぞれ登場します。

さて、本当はもう一つ、注目の一戦が「ありました」。

WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、ロジャー・グティエレス(ベネズエラ)vsクリス・コルバート(アメリカ)。

しかし、この一戦は王者グティエレスがコロナ罹患、延期となってしまいました。非常に残念。。。

試合に出場予定だったコルバートはそのままで、代役としてエクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)との戦いに臨みます。

 

しかし、落ち込むことはありません(と自分に言い聞かせる)。なぜならセミもセミセミも、超がつくほどの大注目のマッチアップだからです。

ということで、今回のブログでは、このコルバートvsガルシアをメインに据えたPBC興行、実はメインはアンダーカードにある、と思うような興行のプレビュー記事です。

2/26(日本時間2/27)ラスベガス

スーパーフェザー級12回戦

クリス・コルバート(アメリカ)16勝(6KO)無敗

vs

エクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)14勝(10KO)無敗3NC

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元WBA世界スーパーフェザー級暫定王者、クリス・コルバート。暫定王座はWBAの王座削減策により剥奪(という表現が正しいかはわかりません)され、指名挑戦者に。

そして今回、正規王者であるロジャー・グティエレスとの指名試合の予定でした。

しかし、冒頭でも触れた通り、グティエレスがコロナ罹患、欠場となっています。

そして代役であるエクトル・ルイス・ガルシアとの一戦となりましたが、BoxingSceneのスケジュール、及びShowtimeの番組紹介ではWBAのエリミネーターと紹介されています。

既に挑戦権を持っているはずのコルバート、もう一度、挑戦者決定戦のやり直しということになるのでしょうか。まあ、興行的に穴をあけるわけにはいかないのと、12回戦で戦いたい、ということなのかもしれませんが、現在スーパーフェザー級の世界ランクには入っていないガルシアが、もし万が一、これに勝てばスーパーフェザー級の指名挑戦者になるのは良いのでしょうか。

まあ、そこは置いておいて。

ネクストスター候補、クリス・コルバートは、異常なほどスピーディなコンビネーションを持ち、ディフェンス技術に優れ、非常にボクシングIQの高いボクサーというイメージ。

 

やや安全運転気味かと感じるボクシングを展開しながら、攻め込む時は鋭い踏み込みと素早いコンビネーションで攻め込むため、ハイライト動画では非常にアグレッシブなボクサーに見えます。

12Rを通して見ると、手を出さない時間も多いように感じますね。誘い込んでカウンターを打ってみたりとボクシングの幅も広い事を感じますし、接近戦ではかなりワイルドにパンチを振るいながらも頭の位置を変えており、徹底したディフェンスへの意識も感じさせます。

一発で倒すハードパンチこそ持っていないですが、遠心力を振っていくオーバーハンド系のパンチは非常に強く、しかもそこから重心を戻しながらパンチを打つ、というバランスにも秀でたボクサー。正規王者、グティエレスと戦ったとしても、触れさせないで完勝できるんじゃないか、と思っていました。

さて、対してエクトル・ルイス・ガルシア。もともとフェザー級のボクサーで、WBA世界フェザー級ランキングでは5位にランクイン。前戦はスーパーフェザー級で戦っているので、転級したのかもしれません。

ハイライトしか見ていませんが、映像を見る分には広めのスタンスからしっかりとワンツーを打ち込むタイプのボクサーで、力いっぱいフックを振り回す事もあり、高いKO率もうなずけます。

 

17戦のキャリアで3つのノーコンテスト。うち一つはYoutubeに上がっていたので見ましたが、ガルシアが右フックを振り回し、それを対戦相手の首根っこにひっかけてしまい、そのまま自分の左ひざに対戦相手の頭をぶつけてしまった、という内容。

まあ、なかなか荒々しさのあるボクサーということですね。

打ち込めばバックステップ、距離で外し、鋭く踏み込む、距離が近くなればコンビネーションというよりも強い連打で攻め込むタイプのガルシア。

こうなるとやはり、コルバートの速いコンビネーションについていける気はしませんし、ガルシアの攻撃はコルバートのステップ、もしくはボディワークで空転させられそうな気がします。

唯一、オーソドックスだったグティエレスから、サウスポーのガルシアに、試合2週間前というタイミングで変更となったことがどうなのか、というぐらいですが、コルバートの技巧をもってすればそれすら苦にはしないでしょう。

ここはコルバートに力の差を見せつけてもらってストップ勝ちしてもらい、タイトル挑戦への弾みをつけてもらいたいものです。

 

スーパーライト級10回戦

ゲイリー・アントワン・ラッセル(アメリカ)14勝(14KO)無敗

vs

ビクトル・ポストル(ウクライナ)31勝(12KO)3敗

さて、そんなメインイベントよりも気になるのはこっちのセミファイナル。スーパーライト級のプロスペクト、ゲイリー・アントワン・ラッセルが、元WBC世界スーパーライト級王者、ビクトル・ポストルとの一戦に臨みます。

いよいよ、怪物クラスの実力を保持していると思われるアントワン・ラッセルが世界のトップ戦線に躍り出てくる、そんな試合になるかもしれません。

アントワンは前戦で好戦績を収めていたジョバンニ・サンティアゴ(プエルトリコ)を一蹴、その強さを見せつけてくれました。

しかし、実績を残している「元世界王者」という肩書きを持つキャリア豊富な対戦相手というとこのポストルが初めてのこと。

 

既に全盛期は過ぎたと見られるポストルですが、前戦はスーパーライト級のトップ・オブ・トップの一角であるホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)に善戦。かなり良い戦いを見せてくれました。

その他の2敗も、現在の世界スーパーライト級4団体統一王者・ジョシュ・テイラー(イギリス)に判定負けを喫したもの、WBC王者時代の統一戦として戦ったテレンス・クロフォード(アメリカ)に喫したものであり、どの敗北も階級を超えて「一級品」と思われるボクサーのみに喫したものと言って良いでしょう。

そんなポストルを対戦相手に選ぶとは、アントワン・ラッセルは非常に強気。

このアントワンは元WBC世界フェザー級王者ゲイリー・ラッセルJr.、バンタム級コンテンダーのゲイリー・アントニオ・ラッセルの弟であり、おそらく最もポテンシャルを持っているボクサー。

 

アマ経験も豊富で、アマ時代には今最も光り輝いているプロスペクト、ジャロン・エニス(アメリカ)ですらも勝てませんでした。他にも、エイブラハム・ノバ(アメリカ)、ジャーメイン・オルティス(アメリカ)といった現在のプロスペクトたちは、悉くこのアントワンに敗北を喫しているようです。

ただし、ビクトル・ポストルというボクサーは、もともと非常に距離感に優れたウクライナ人であり、ジャブやストレートに相まってステップワークにも優れ、オフェンシブにもディフェンシブにも戦える万能型であると言えます。さらにそこにキャリアが加わっており、3敗を喫しているにしてもノックアウト負けは一つもありません。

さて、ここでこの怪物プロスペクト、アントワン・ラッセルが、このポストルを倒し切れるのか、というのは一つの焦点。14勝全KOという戦績を誇るこの怪物が、ポストルをノックアウトできたとすれば、一気に世界タイトルを嘱望されることになるでしょう。

それとも老獪なテクニシャン、ポストルがそれを捌き、判定に逃げ切り、あまつさえ勝利を手にするのか。

これは非常に楽しみな一戦です。セミがメインです(意味不明)!!

改めて、スーパーライト級は化け物だらけ。この階級で世界を目指す平岡アンディには、頑張ってもらいたいですね。

 

IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ

ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)33勝(22KO)1敗2分

vs

フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)13勝(8KO)無敗

そしてこちらも要注目、井岡一翔(志成)の対抗王者にして次戦で対戦する可能性の高い、ジェルウィン・アンカハスの10度目の防衛戦。

2016年にマック・ジョー・アローヨ(プエルトリコ)から王座を奪い、2020年は試合なし、2021年には1試合のみと恵まれませんが、既に9度の防衛を果たしています。

その強さは折り紙付きで、よくいるフィリピン人のように何が何でもアタックする、というスタイルではなく、時折足を使ったりとボクシングもうまいですし、綺麗なパンチも打てます。そしてチャンスと見るや獰猛に襲いかかるキラー・インスティンクトも有しており、荒くも見えますが穴の少ないボクサーだと思います。

 

フィリピン人ボクサーのようなイチかバチかブンブン振り回す、という奔放なイメージは少なく、そのボクシングからも真面目さを感じられるジェルウィン・アンカハス。

そんな優等生のイメージのアンカハスの対戦相手は、アルゼンチンのフェルナンド・マルティネス。このボクサーはグイグイと突進してくるファイタータイプのボクサーのようです。

映像を見た感じでは、グイグイとプレスをかけたと思うとスッとバックステップ、これはなかなかに秀逸。ファイタータイプでありながらも足も速いし、バランスも非常に良いですね。

私が見た動画は対オーソドックスでしたが、本当にスッと距離を詰めて回転力があり、パワフルなパンチを当てていました。良いボクサーですね。

どちらかというとストレートよりもフックが得意な感じのするいわゆるフッカー、サウスポー相手だとオーソドックスの時よりも距離が詰めにくくなってしまうので、アンカハスに対してストレートで対抗するか、それともフックの距離までスッと距離を詰められるか、この辺りがマルティネスにとっての勝負どころとなりそうな気がします。

アンカハスは一発で倒せるパンチ力を有している分、やはり優位は動かなそうです。とはいえ、このマルティネスもハードパンチャー、そして互いに距離をとっての戦いよりもパンチの当たる距離での攻防がありがたいタイプなので、激戦は必至。KO決着は濃厚でしょう。

 

アンカハスの不安要素としては、やはりウェイトの問題。世界タイトルを奪取してから既に5年半。当時24歳だったことを考えると、体が大きくなるのも当たり前で、どんなに自制していようともウェイトの問題は出てきているはずで、事実、2021年末に井岡戦が実現していたら、それを最後にウェイトを上げるという話も出ていたと思います。

アンカハスに望むのは、ここを「怪我せずに」勝利してもらい、井岡戦に臨んでもらうのが日本のボクシングファンにとってはベスト。頑張ってもらいたいものです。

放送・配信

この一戦は、全米ではShowtimeが生中継。「トリプルヘッダー」として開催され、Showtimeでの中継は上記の3試合です。日本時間で2/27(日)12:00〜となっています。

残念ながら日本での生放送・生配信はなさそうです。

WOWOWでの放送も今のところ(2/17現在)は放送予定が出ていないですね。こういうのTBSでやれば良いのに。井岡戦の宣伝も兼ねて。

 

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boxingcafe.hatenablog.com

 

 

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