信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】オコリーvsチェスラック!五輪金・ヤファイのデビュー戦と壮絶KOのアンダーカード!

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2月最終週、見応えのある興行が多かったですね。

アップセットも多かったですし、議論を呼ぶ判定もあり、素晴らしいノックアウトが生まれた試合もありました。

ようやく見終わった2月末の興行、最後はローレンス・オコリーvsミハル・チェスラックをメインに据えたDAZN興行。

今回のブログでは、オコリーvsチェスラックonDAZNの観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

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2/27(日本時間2/28)イギリス・ロンドン

キャンベル・ハットン(イギリス)vsジョー・ダッカー(イギリス)

リッキー・ハットンの息子はまだまだプロスペクトと呼べる存在ではありませんが、元世界王者の息子ということで注目度は抜群。DAZN放映の第1試合に登場です。

36歳というダッカーは19戦というキャリアはあるものの、やはりハットンに経験を積ませるための相手。

初回からハットンのジャブが良く、そこからつなげる右オーバーハンドもよく決まります。打っていく際のガードポジションの甘さもあって、ハットンも被弾はありますが、リズムよく、ジャブから組み立て、そこからのパンチの組み立てもスムーズです。

 

序盤にジャブ、左フックでダッカーの右目付近を切り裂いたハットンは、その後も自分のリズムをキープし、最終6R、コンビネーションをヒットしたところでレフェリーがストップ。

キャンベル・ハットンがデビュー以来6連勝(2KO)を記録、これで2連続KO勝利です。

ファビオ・ウォードリー(イギリス)vsアリエル・エステバン・ブラカモンテ(アルゼンチン)

こちらは12勝11KO無敗というウォードリーに注目。早いラウンドでのKOも多いウォードリーですが、初回は落ち着いた立ち上がり。プレスをかけつつ相手がくればスッと引き、ボディムーブも良いですね。

2Rに入ると大きく振っていくウォードリー、開始30秒にオーバーハンドでダウンを奪取。立ち上がったブラカモンテを攻め、ブンブン振り回して最後は左フックでフィニッシュ。

カリム・ゲルフィ(フランス)vsジョーダン・ジル(イギリス)

WBC9位のゲルフィ、WBA6位、IBF7位のジル、フェザー級の世界ランカー対決です。これは見応えがありそう。ゲルフィの保持するEBUヨーロピアン・フェザー級タイトルの防衛戦として行われる12回戦です。

初回から積極的にコンビネーションで攻めていくのはジル。左右のボディが良いですね。しかしそのボディの打ち終わりはガードが空いてしまい、狙われています。

ジルは結構リーチがありそうで、良いジャブも放ちますし、ボディムーブもコンパクトで速いです。手もよく出ますし、これは34歳のゲルフィにとってちょっと厳しい戦いになりそうです。

 

ただ、ゲルフィも手数は少ないながらもギルの旺盛な手数の間隙を縫ってコンパクトな左フックをヒット、そのブロッキングも固く、クリーンヒットはそこまで許しません。

中盤に入ると少し攻めあぐねるギル、そこを見逃さないゲルフィは6Rに攻勢をかけます。このタイミングを逃さないあたりは歴戦の雄です。

そして迎えた7R後半、ゲルフィーのワンツースリーのコンビネーションをまともに浴びたジルはダウン!ラッシュするゲルフィーはジルの頭を抱えて、そのままマットにダイブしてしまいますが、事故が起きなくてよかったレベル。DDTですね。

続く8Rは当然攻めに攻めるゲルフィ、ジルをコーナーに釘付けにしてストレートの連打!しかしここでなんとジルが右カウンターを決め、ゲルフィを下がらせます。一旦はリング中央に戻った両者ですが、ジルは自らコーナーに戻り、ゲルフィを誘ってカウンターを狙います。体力の回復も図っているのでしょう。

しかしここでカウンターを失敗してまたゲルフィに攻め込まれ、その後またカウンターを決めます。もう何が何だかわかりませんし、一体どちらがダメージを被ったのかよくわかりません!

9R、またもコーナーに誘いこむジル。その状態からゲルフィは打ち込みますが、ディフェンスに徹するジルに対してパンチを当てる事ができません。

 

そしてほとんどパンチを出さず、足を動かさず、体力、ダメージを回復したジル。

残り1分を過ぎた頃から反撃をはじめ、時折強いワンツー、コンビネーションで攻める場面をつくりはじめます。

そしてこのラウンドのこり数秒、ジルの右のショートカウンター!!ゲルフィは仰向けにダウン!!!レフェリーは試合をストップ!

ジョーダン・ジル、劇的な9RTKO勝利!

これはすごい試合!現代版のロープ・ア・ドープです。

あのジリ貧状態から、類まれなディフェンススキルを見せ、回復したところで渾身の一撃。この作戦には非常に勇気がいると思います。ポイントはここまで、ゲルフィ優位と出ていたようです。

この劇的な試合はきっと見た方が良いです。DAZNを契約している方は、3/7(月)までですのでお急ぎを。

 

ガラル・ヤファイ(イギリス)デビュー

vs

カルロス・バド・バウティスタ(メキシコ)10勝(3KO)4敗1分

東京五輪フライ級金メダリスト、ガラル・ヤファイのプロデビュー戦。デビュー戦が世界タイトル戦のセミファイナルという異例、デビュー戦がWBCインターナショナル王座決定戦という破格の対応。

さて、ヤファイは期待に応えられるか。

グイグイと強いプレスをかけるサウスポー、ヤファイ。非常に攻撃的で、左オーバーハンドはとてもパワフルです。

メキシカン、バウティスタはKO率も低く、あまり怖いボクサーではないのかもしれませんが、とはいえプロデビュー戦で様子を見る事もなくこの前進はヤファイのハートの強さを語ります。

パンチを当てるテクニック、ディフェンステクニック、コンビネーション等々、ヤファイとバウティスタは比べるまでもありません。初回を圧倒して終えたヤファイ。

 

2Rに入るとバウティスタもボディを中心に強振、意地を見せます。バウティスタも思い切り打つロングの右フックは非常にパワフル、しかしヤファイのほうがサイドステップ、パンチの的確性に優れます。

3Rもバウティスタは右を狙いますが、その度ヤファイはバウティスタの左側に回り込み被弾を回避、まっすぐの左ストレートと右フックを駆使して優勢。

4R、バウティスタは荒々しくパンチを放ってチャージ。しかしそれをしっかりとディフェンスでしのぎ、コンビネーション。終盤コーナーに詰まるバウティスタですが、まだまだ諦めません。

5R、体をかがめてボディを狙うバウティスタ、かなり頭は低いですがレフェリーの注意はなし。その低い頭に左ストレートをヒットするヤファイはやはり巧い。

ここまでスタミナも落ちる事なく戦ってきたヤファイは、残り1分ほどのところで左ストレートをヒットしてダウンを奪取。

 

再開されるも、バウティスタ側のコーナーが棄権の意思表示をしたようで、試合はストップ。

ガラル・ヤファイ、プロデビュー戦を5RTKOで見事勝利。

やっぱり強い、ガラル・ヤファイ。プロデビュー戦は緊張もなく難なく乗り切りました。デビュー戦がタイトル戦だったので、早々に世界戦線に上がっていこう、というところなのでしょう。

フライ級という日本人にも大いに馴染みのある階級、日本人ボクサーとの対戦も非常に楽しみです。

WBO世界クルーザー級タイトルマッチ

ローレンス・オコリー(イギリス)17勝(14KO)無敗

vs

ミハル・チェスラック(ポーランド)21勝(15KO)1敗1NC

初回のゴングと同時にともに前に出てパンチを振るいます。距離が近くなりすぎていきなりのクリンチ。その後はチェスラックはやや距離を獲るボクシングに変更しますが、1分過ぎ、オコリーの右がチェスラックにヒット!ちょっとぐらついたようにも見えました。

 

その後もコンビネーションとか戦法とか関係なく、荒々しく攻めるオコリー。オコリーのボクシングは美しくはありませんが、とにかく長いジャブを突いてでかい右を当てる、というシンプルなもの。今日は何だかとくに荒く、距離感がいまいちです。

インターバル中もセコンドから「ワンツー」と連呼されているあたり、もっとちゃんとジャブをついて正しい距離でツーを打て、ということを言われているのだと思います。

2R、やはり距離が詰まります。クリンチの距離になると、チェスラックはホールドを多用。今日のオコリーはかなり入れ込んでいるように見えます。グイグイと体で押していきますが、強いパンチを打てる距離ではありません。

3R、ようやく少し落ち着いた距離で待てるようになったオコリー。今度はチェスラックが大きく踏み込み、クリンチが発生。中間距離ではともになかなか手が出ず、にらみ合い。

 

4R、オコリーは左をプッシング気味に使い、右ストレート。これがいつものボクシング。しかしこのチェスラックはこの距離では危険なため、打ちながら近づいてクリンチ。そしてそこからのパンチ。

二人は非常にエキサイトしており、会場も盛り上がっているように見えますが、これはなかなかの泥試合です。

5R、開始早々にレフェリーの注意を受けたのが良かったのか、このラウンドオコリーは足をつかってボックス。その中でジャブを使い、チェスラックの打ち終わりに右ストレート。

そしてワンツーをヒットして、チェスラックはダウン!!これこそがオコリーです!

その後は当たり前のように荒々しくなるオコリー、近づけばホールドするチェスラック。

6Rもオコリーは攻めるも倒せず。チェスラックもダメージから回復し、攻めてきます。近くなればクリンチ、ともにホールドが割とひどい。7Rも同じく、クリンチが多めな展開です。しかし終盤、チェスラックはアッパーを巧打、これはオコリーも効いたか?

8R開始後また注意。それでも止まない両者のクリンチとホールド。終盤にももう一度注意。

仕方ないのでしょうが、こういう展開は見ている側にとっても有り難くはないですね。

9Rも展開は大きく変わらず。

 

10R序盤はオコリーが足を使った事で少々距離があいたかと思いましたが、やはり詰まりすぎてしまう場面は訪れます。これは今日はオコリーの右は炸裂しそうにありません。

会場はオコリーコール。

11Rも序盤こそ距離が開くものの、やはりクリンチ。もみ合いの中から抜け出そうと両者ともパンチを繰り出します。が、このラウンド後半にもレフェリーの注意が。

ラストラウンドも両者のパンチの数こそ多くなったように見えますが、さほど展開は変わりません。オコリーはこの試合展開にかなり疲れているように見えます。この試合後半は、オコリーからクリンチに行く事が非常に増えたように感じます。

オコリーがクリンチ状態からチェスラックを押していくと、リングの外に落ちてしまいそうな勢い。これはレフェリーも大変です。

ということで、大した動きもないままに規定の12ラウンズが終了。それでも会場の歓声はすごかったので、盛り上がったようですね。

私は少々眠くなってしまいましたが、判定は3-0でオコリーを支持。

ローレンス・オコリー、12R判定勝利で見事防衛です。

パンチのダメージよりも、クリンチによる肉体の疲労が両者ともに上回るのではないでしょうか。個人的にはオコリーの豪快なノックアウトを期待していたので、ちょっと残念な試合内容でしたが、こういう日もあります。次戦に期待したいです。

 

 

 

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