信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】DAZN視聴!英国でキコ・マルティネスの復活と、米国でジョジョvsウィリアム・セペダ!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

10月の最終週末が終わり、いよいよ11月に入ります。

11月は1日から世界のボクシングファンが注目する、ライトフライ級の頂上決戦からスタートです。

リングマガジン王者でWBAスーパー王者である京口紘人とリングマガジンランキング1位でWBC王者の寺地拳四朗、ともに実績を残してきた二人の激突は現在のライトフライ級の頂上決戦と呼ぶにふさわしく、軽量級版スペンスvsクロフォードとは言い過ぎか。

11/1(火)17:30〜!Amazonプライムビデオへの加入はこちら!

 

私も11/1はさいたまスーパーアリーナに行ってきますが、その前に週末の観戦記を書いてから旅立たねば心残り。

そんなわけで、今回のブログでは日本時間10/30(日)に行われた注目興行、ロマチェンコvsオルティスの影に隠れてしまった注目ファイト、ジョセフ・ディアスvsウィリアム・セペダの一戦と、日付としては同日にイギリスで行われたDAZN配信興行の観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

↓ロマチェンコvsオルティスの観戦記はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 


10/29(日本時間10/30)アメリカ・カリフォルニア

ジョセフ・ディアス(アメリカ)32勝(15KO)2敗1分

vs

ウィリアム・セペダ(メキシコ)26勝(23KO)無敗

日本では注目ファイトとは言いづらいこの試合ですが、メキシカン・アメリカンであるジョジョとメキシカンであるセペダの一戦は好試合必至。

プレビュー記事を書くも、PV数には恵まれませんでしたが、この試合の観戦記は個人的に残しておきたい。

初回がスタート。プレスをかけるのはセペダ。素晴らしいKO率を誇るセペダですが、まだまだ未知の部分も多い印象。広いスタンスから鋭いジャブを突き、攻め込みますがジョジョの左右のフックの方がパワーに優れるか。

ただ、このセペダの持ち味はパワーではなく、止まらない連打。セペダはいつリズムに乗れるか。

ジョジョが後ろ手のフックからアッパーをヒットさせるも、セペダは一切引かず、強いワンツーから連打を返します。このすぐさまリターンできるハートの強さも素晴らしいボクサーです。

 

2R、開始早々に打ってでるセペダ。右ジャブから、左ストレートから、連打を繰り出します。

このハンドスピードが速いわけでもなく、回転力に優れるわけでもない連打は、体幹の強さと練習量がものを言うスタイルで、そこで培った気持ちの強さとタフネスを物語っているように思います。

ジョジョは時折、このセペダの手が止まった瞬間にリターンを狙うも、そのほとんどが単発であり、両者の繰り出したパンチの数は既に大きな開きが出ていそうです。

3R、ジャブワンツーから入ったセペダ。打ちまくり打ちまくり、ジョジョが良いパンチを返しても気にしない。

このパンチ数、もしかするとセペダを知らない人にとってはオーバーペースに思うかもしれませんが、セペダはこれが平常運転。そう、ブランドン・フィゲロアよりもバランスに優れ、そして距離感をよくした感じ、それがウィリアム・セペダです。

2分頃、ジョジョはようやくコンビネーションで攻め込みますが、それすらもセペダの手数に飲み込まれてしまいます。

4R、このラウンドもガンガンいくセペダ、ジョジョがようやくまともにパンチを出せたのは30秒も過ぎた頃。ゴツゴツと固そうなパンチ、おそらく6ー7割程度で打っているセペダのパンチは、後半頃には多少弱まるものの、手数はおおむねこのまま。

ジョジョは何とかしなければ、攻撃の糸口すら掴めずに終わってしまうかもしれません。

 

5R、これはまずい、と思ったか、このラウンドの先手はジョジョ!しかしその後、セペダも10発くらいのコンビネーションで反撃、まるでアマチュアボクサー並みの手数です。

このラウンドはジョジョの反撃も目立ちますが、セペダはストレートの距離で釘付け、その後も連打を見舞う等、やはり攻めている時間はセペダの方が長いでしょう。

6R、ジョジョはセペダの攻撃に対してブロッキング一辺倒。ブロッキングに頼ってしまうと、反撃の機会を逸します。と、思ったら同時打ちのタイミングでジョジョの右がヒット!セペダは少しぐらついたように見え、会場が湧きます。

ここで少しおとなしくなったセペダはバックステップ、クリンチで回復を試み、ジャブを連打してジョジョを遠のけます。ジョジョはここがチャンス、やはりブロッキングでやりすごさず、打ち合いに勝機を見出したい。

7R、回復したのか、ペースを持っていかれまいとしたのか、セペダがストレート系のパンチを放って前進。この距離で釘付けにしておけばフッカーであるジョジョに怖さがないのでしょう。セペダはただただ手を出しているように見えて非常に冷静、もしくは「ストレートの連打」を何気なく出せるようにトレーニングをしてきているのでしょう。

 

8R、先手をとって先に動き、先にパンチを出して頭を動かすセペダ。ジョジョはちょっと一発頼りなところがあり、攻撃の隙をなかなか見出せないでいます。一発がカウンターで当たれば形成を逆転できる可能性はありますが、いかんせんセペダの拳の弾幕にジョジョが拳を立てられるタイミングは非常に限られています。

9R、ジョジョの一発に対して少なくとも3〜4発、下手すると10発くらい返すセペダ。

この苦しいラウンドに入ったためかセペダの手数は若干落ち、もしくは少し抑えているためか、ジョジョはここを好機として前進。

10R、かなりのダメージを感じさせるジョジョ。やはりブロッキングは衝撃もあり、ここまでの手数を誇るセペダから、クリーンヒット以外でもダメージを受けているように見えます。

セペダのディフェンスは、というと、非常に大きくスタンスをとり、その幅のある右足と左足の間で重心を移動することで上体を前後左右に動かし、的を絞らせません。

ラウンド後半、ジョジョが攻め入ると大歓声が起きますが、大きなクリーンヒットはなし。

 

11R、ジャブからストレートの連打、そこにボディも交えて自分のリズム、自分のリズムで手を出すセペダ。対してジョジョは近づこうとするもセペダのストレート連打に阻まれ、ブロッキングしか手がありません。

残り1分頃のところではジョジョはほとんど手を出すことができず、足もなかなか前に進みません。セペダはまだ十分に足も動き、自分のリズムで戦っている分、元気に見えます。

ラストラウンド、ジョジョにも序盤のような手数は感じません。しかしその分、軽めのパンチながらも手が出ています。ともすれば、強いパンチでなく軽いパンチ×数で対抗していればどうなったのでしょうか、とか妄想してみる。

が、時はすでに過ぎ去り、ラウトラウンド。「軽打の連打」というには力強いウィリアム・セペダの攻撃に、そのブロッキングは破られ、「強打」というには迫力を感じないジョジョ・ディアスのパンチをセペダはブロッキング、ステップ、ボディムーブ。

 

こうして、最初から最後まで自分のボクシングを貫いたウィリアム・セペダと、結果的に自分の距離に入り込めないまま12Rが過ぎたジョジョ・ディアスの勝負は終了。

判定は、119-109×2、118-110でウィリアム・セペダ!!

この大一番で素晴らしいボクシングを披露してくれました、ウィリアム・セペダ!

やっぱりこのノンストップ連打は止められません。

最初から最後までほとんどペースが変わらない、というのは非常に驚異的で、今回の試合では相手のパンチがヒットしてもほとんど顔色を変えないというタフネス、ダメージを受けると冷静に回復、と色々な側面も見せてくれました。

ウィリアム・セペダ、この試合で多くのことを証明し、更なる舞台へ飛躍します。今後も期待のボクサーです。

 

10/29(日本時間10/30)イギリス・ロンドン

ジョーダン・ジル(イギリス)27勝(8KO)1敗1分

vs

キコ・マルティネス(スペイン)43勝(30KO)11敗2分

この試合は、イギリスはロンドン、ウェンブリーアリーナで行われましたが、メインイベントはケイティ・テイラーvsカレン・エリザベス・カラバハル。ただ、最も興味があったのは、そのアンダーカードで行われたこのIBFのエリミネーターです。

来日して長谷川穂積とも戦ったキコ・マルティネスが、イギリスのプロスペクト、ジョーダン・ジルにアウェーの地で戦います。

 

キコ・マルティネスはもう十分な実績を残してもいますし、前戦でのジョシュ・ウォーリントン戦での敗戦をみると、引退しても良いのではないか、とさえ思ってしまうのですが、やるからにはこの36歳の挑戦を応援せざるを得ません。

しかし、ホームで戦うプロスペクトのジョーダン・ジル、こちらはパワーレスな印象も受けますがなかなかのテクニシャンで、オーセンティックなボクサーファイター。そして、英国ボクシングブランド「FLY」のサポートを受けるボクサーですから、こちらも応援しています。

ということで、個人的にはどちらが勝っても嬉しいし、どちらが負けても悲しい、結果どちらも応援できないという一戦がスタート。

初回、マルティネスの低い姿勢にあわせてか、ジルもやや広めのスタンスで低い。

ぐいぐいとプレスをかけるマルティネス、ジルは速いジャブとコンビネーションで対抗します。

もっとアウトボクシングに振り切った方が、マルティネス相手には良いのではないか、とも思いますが、要所で前に出てコンビネーションを放つジルは、ホーム戦で勝負の一戦、ちょっと気負いもあるような気もします。

マルティネスは良くも悪くもいつも通り、常にアウェーで戦ってきたようなボクサーなので、まさにいつも通りでアグレッシブ。

 

2R、ジルは左右に動き、アウトボクシングにシフトか。マルティネスは得意の飛び込んでの左フック、強引な踏み込みを見せていきます。

ジルは下がりながらのパンチをヒット、やはりこの戦い方が良さそうですね。後はロープやコーナーに詰まらないようにステップワークを気をつけ、集中力を持続させることが肝要です。

3R、サークリングするジル、プレスをかけるマルティネス。開始30秒ほどのところでロープに詰まったジルにマルティネスのワンツーがヒット!一拍おいてジルはダウン!!立ち上がったジルに容赦なく攻め入るマルティネス!ジルのコンビネーションをもらいながらも前進、ジルは大きく動氣回りますが、マルティネスのこのプレスのかけ方はさすが歴戦の雄。

マルティネスは決して手数は多くないですが、のしのしとまさに雄牛のように歩き、ジルにプレッシャーを与えていきます。

 

ワンツーで攻めていた手をワン・アッパーに切り替えると、このアッパーがジルにヒット、ジルはこのラウンド2度目のダウン!!これは見事なダウン奪取です。

ジルが立ち上がると、間も無くラウンドが終了。

4R、マルティネスは試合を決めようと、これまで以上に強い前進。ジルは大きく動きますが、マルティネスはジルのコンビネーションを気にすることなく歩くようにプレスをかけ、ロープ、コーナーへ追い込んでいきます。

ジルがロープからロープへエスケープするように動くようになってしまった中盤、やや近めの距離で右オーバーハンドをヒット、ジルはよろめくように後退。下がりながらもパンチを出すジルを相手に、マルティネスはまたも右をヒット、ジルはダウン!

ここからも相手を擦りつぶすようなプレスをかけたマルティネスは、後半に左フックをヒットしてダウンを追加、ここでもジルはダウン、レフェリーは試合をストップ!!

 

キコ・マルティネス、4RTKO勝利!!!

「終わった」と思ったら生き返ったのは、もう何度目なのかわからない、キコ・マルティネス。

この生命力というものはどこから湧いて出てくるのでしょうか。

こういうボクサーのことを、「生物的に強い」と言って良いのではないか、とさえ思います。

ジルは残念でしたが、ちょっとパワーが違いました。パンチングパワーだけでなく、やはりフィジカル全体がやや細いジルと、フィジカルのパワーでは階級最上位ではないか、と思えるキコ・マルティネス。このマルティネスに対して、思いっきり離れて戦えれば良いのですが、マルティネスのプレスを受けて距離はなかなか中途半端で、マルティネスが踏み込めばちょうど当たる、くらいの距離ではより分が悪い。

ともあれ、キコ・マルティネス、またも世界戦線に復帰。

年齢もあるし、このファイトスタイルということもあるので、あまり無理はしてほしくはありませんが、やはり、やるからには引き続き応援していきたいと思います。

 

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ジョーダン・ジル他、イギリスのトップボクサーたちをサポートする「FLY」も取り扱ってます。多分、日本ではここだけです。

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