信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ティム・チューvsテレル・ガウシャ!チューは4団体統一王座挑戦への最終試練!

日本時間で3/27(日)は、注目試合のオンパレード。

DAZNではキコ・マルティネスvsジョシュ・ウォーリントン、ESPNではミゲル・ベルチェルトvsジェレミア・ナカティラ、そしてShowtimeでティム・チューvsテレル・ガウシャ。

ということで、これらの観戦記を書いていきますが、今回のブログは、この中で個人的に最も注目の興行、ティム・チューvsテレル・ガウシャのPBC興行の観戦記です。

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3/26(日本時間3/27)ミネアポリス

エルビス・ロドリゲス(ドミニカ共和国)12勝(11KO)1敗1分

vs

ファン・ホセ・ベラスコ(アルゼンチン)23勝(14KO)2敗

ドミニカンプロスペクト、魅力あふれるパンチャーのロドリゲスに対するは、レジス・プログレイスやマリオ・バリオス等の一線級との対戦経験のあるベラスコ。

プログレイス、バリオスには倒されて敗北しているベラスコを倒してみせろ、と言わんばかりのマッチメイクですね。

初回、ベラスコがプレス。サウスポーのロドリゲスは鋭い右ジャブ。静かな立ち上がりです。

ベラスコが攻め込んだ時、ロドリゲスのリターンはやはり鋭い。ただ、ベラスコも良いジャブを打っています。

最終盤、距離が近くなったところで左右のフックを打ち合います。エキサイティングな場面は、すぐそこです。

2R、やはりプレスをかけるのはベラスコ。距離ではずしつつ、リターンでの強いブローをを狙っているふうなロドリゲス。まだ、展開としては静か。

3R、ロドリゲスのワンツーを打てばベラスコはバックステップ。これはベラスコにとってはかけ続けているプレスを台無しにするものではありますが、自身もパンチを食わないという利点もあります。

このラウンドに入ると、激しく攻め入る場面を見せ始めたベラスコ、非常に巧く戦っているように見えます。

4R、中盤にロドリゲスの右フックがヒットし、ぐらついたように見えたベラスコでしたが、その直後の右をリターン。譲りません。

 

ただ、この後はこれまでのラウンドよりもロドリゲスがベラスコのプレスによって下がる場面が少なく、戦いはリング中央です。いや、どちらかというとロドリゲスが踏み込むことが多くなり、ベラスコがワンツーで押し込まれ、大きくバックステップを踏む場面が増えてきました。

5R、明らかにコンビネーションを使い始めたロドリゲス。ベラスコはジャブ以外のパンチがなかなか出ないのと、ロドリゲスのプレスに押されてサークリング。

後半にもアッパーを交えたコンビネーションで攻め込んだロドリゲス、ジリジリと突き放します。

6R、このラウンドも時折見せるコンビネーションと、左右のボディで優勢のロドリゲス。ロドリゲスは利き手のボディが非常によく、遠い距離での左ボディストレートのほか、コンビネーションでもこのパンチを織り交ぜてきます。これはオーソドックスに対して非常に有効なボディですね。

 7R、前半、やはりこのボディを交えたコンビネーションで攻め込んだロドリゲスは、右フックをガードの上からヒットしてダウンを奪取。その前の左ボディストレートがキーのような気がします。

立ち上がったベラスコに対して攻め込むロドリゲス!しかしベラスコも強いパンチで反撃!!試合は一気にヒートアップ!!

 

ベラスコの必死の反撃を凌いだ後は、今度はアッパーを交えたコンビネーションで、ベラスコは堪らず2度目のダウン!!

ここでも立ち上がったベラスコは、なんとここで強いパンチでラッシュ!!気持ちの強さを感じます!

負けじと打ち込むロドリゲスに、値千金の右カウンターをヒットしたベラスコでしたが、その後はロドリゲスの左ストレートをヒットされてこのラウンド3度目のダウン!!立ちあがろうとしたベラスコでしたが、レフェリーはテンカウントを数え上げました!

エルビス・ロドリゲス、7RKO勝利!!

1度目、2度目のダウンはいずれもガードの上から薙ぎ倒すような右フック。ガードの上からも効いてしまうほどのパワーパンチなのでしょう。最後の左ストレートはガードを固めるベラスコの外側から、非常にテクニカルに当てたパンチでした。

いやー、やっぱり強い、エルビス・ロドリゲス。ベラスコも気持ちの強さを見せて非常に頑張りましたが、及ばずでした。ロドリゲスの今後のキャリアは非常に楽しみですね。

 

ミシェル・リベラ(ドミニカ共和国)22勝(14KO)無敗

vs

ジョセフ・アドルノ(アメリカ)14勝(12KO)無敗2分

「サルサ・アリ」というニックネームを持つ、モハメド・アリそっくりの風貌を持つリベラ。その出で立ちは、在りし日のアリを彷彿とさせますね。

そんなリベラの対戦相手は、こちらも無敗のジョセフ・アドルノ。無敗のプロスペクト同士の対決です。

初回、まずはジャブの差し合いからスタート。少し低い位置から出るリベラのジャブの長いこと。アドルノも真っ直ぐで素晴らしいジャブを打ちますが、やはりジャブはリベラが上か。

2R、空中戦、ともいうべき、ジャブが当たるか当たらないかの距離での攻防。どちらも極端にクリーンヒットが少ない中で、中盤に右ストレートをヒットし、後半にもジャブでアドルノの顔を弾いたリベラでしょうか。

3Rも展開は変わらず。リベラはややプレスをかけていますが、時にアドルノの反撃にあいます。4Rにはリベラがこれまでよりもよりアグレッシブに攻め込みます。サイドに回り込むアドルノは、それを凌いでリターンという展開。

やっぱりよりヒットしているのは、リベラのジャブ、のように思いますが、アドルノとしてはやはりリベラの出先を叩きつつ、確実にリターンを取る戦法のようです。

 

5R、序盤にリベラは体を左斜め前方に倒すというフェイントを入れてからの右オーバーハンド。巧い。中盤にアドルノも右をコネクト、ただ守勢の時間が多すぎる印象です。

と、思ったら、6Rには今度はアドルノの攻勢が目立ちます。コンビネーションでアドルノが攻め立て、中盤には右フックをカウンターでヒット!これで少しリベラがぐらつきます!

しかしすぐに立て直したリベラは、警戒しつつもプレスをかけ続けてラウンドが終了。

7R、引き続き、強気に攻めるリベラは序盤に左フックをヒット。アドルノは攻める時の迫力は十分ですが、その多くはサークリングの時間、これでもしポイントが取れているのであれば非常に賢い戦い方ですが。。。

8Rも大きなヤマ場はありませんでしたが、9Rに入るとプレスを強めたリベラにアドルノも呼応。少しずつ打撃戦の様相です。徐々に距離が近づき、コンビネーションを打ち合う展開ですが、下がるのはアドルノ。

ラストラウンド、ここが勝負とばかりにコンビネーションで攻め込むアドルノ。断続的で、クリーンヒットは少ないながらも見た目的には効果がありそうです。リベラはプレスをかけるも、なかなか攻め込む糸口を掴めないでいるように見えます。

規定の10ラウンズを終了し、ロープに登って勝利をアピールしたのはアドルノ。

判定は、3者ともに97-93でミシェル・リベラ!まあ、そうでしょうね。

アドルノのあの自信満々の姿により、正直不安になりました笑。アドルノもさすが無敗のボクサー、非常に能力の高いボクサーだとは思いましたが、ちょっとディフェンシブすぎたか。

順当に勝利したリベラは、現在WBA2位をはじめ4団体全てでランクイン。それでもなお、このライト級のベルトはまだ少し、遠いのかもしれませんね。

 

ティム・チュー(オーストラリア)20勝(15KO)無敗

vs

テレル・ガウシャ(アメリカ)22勝(11KO)2敗1分

そしていよいよメインイベント。すでに指名挑戦権を得ているチューは、ここでは絶対コケたくありません。そして、このアメリカの雰囲気に少しでも慣れておきたいところでしょう。

とはいえ、ガウシャも非常にテクニックがあり、危険な相手。

これまでKO負けの経験がないガウシャを、倒し切る事ができるのか、というのは焦点の一つです。

初回、早々にジャブを放っていくのはガウシャ。やる気満々です。チューはジリジリとプレス、いつも通りのストロングスタイルでプレスをかけます。ガウシャのジャブは非常に良く、チューの顔面にヒットしますが、チューは全く動じることがありません。その代わり、チューのパワージャブはガードの上からでもガウシャをのけぞらせます。

しかし!

 

2分頃、軽いワンツーで攻め込んだチューに、ガウシャの右カウンターがヒット!!なんとチューがダウン!!

立ち上がったチューを攻め立てるガウシャ!!ダメージはあるはずですが、それを感じさせないチューはしっかりとパワーパンチを打ち返し、波乱の初回が終了!

いきなり驚きの展開です!!

2R、ダウンを奪われても強気のチューは、やはりプレス。ガウシャは素晴らしいジャブからコンビネーションで対処するものの、後半にかけては明らかに手数が減ってしまいます。ちょっとチューの迫力に気圧されてきたか?

3R、ガッチリとガードを固め、バックステップも駆使してカウンター狙いのガウシャ。ガウシャのジャブをものともせず、ゴリゴリとフィジカルで攻め立てるチュー。まあ、そうなりますよね、という展開に突入です。

ガウシャのコンビネーションはチューにガッツリとガードされますが、チューの攻撃でガードを固めているガウシャは体が泳ぎます。同じ階級とは思えないほどのフィジカル差。ガウシャのパンチはよく当たっていますが、、チューは全く効かないと言わんばかりにプレスを全く緩めることがありません。

 

4R、ガウシャはグッドジャバー。ジャブとストレートでチューを突き放しにかかります。しかし、チューのかなり強いプレッシャーにさらされているガウシャは、チューのパンチをガードしているもののダメージを溜めているかもしれません。

後半にはロープにつまり、防戦一方。そのガウシャに対して、ガードもお構いなしに右オーバーハンドを放つチュー。

5R、インターバルでちょっと元気になったガウシャは、ジャブとコンビネーションを次々と放っていきます。そこを冷静に対処したチューは、30秒ほどのところでガウシャのジャブの打ち終わりに右クロスをヒット!丸まってしまったガウシャに、容赦なく強いパンチを浴びせかけます。

ロープ際、何とかブロッキングで凌いだガウシャでしたが、その後もチューの攻撃は止まず、ガウシャはガードを固めてロープからロープへエスケープしながらカウンター狙い。

6R、ガウシャは完全にハイガード、ジャブ、コンビネーションからサイドへエスケープ。チューはジリジリと詰めたところからパワーパンチを放てる時に思い切り打つ、という展開。もう、ガウシャは倒されないようにする、というので精一杯に見えます。

チューは軽いパンチと重いパンチを使い分けてガウシャを攻め立てますが、ガウシャのガードは固く、そして非常にタフ。

 

7R、展開は変わりませんが、ガウシャはチューが攻めてくるところに右クロス。このカウンターに一縷の望みを託し、高いガードポジションを保ち続けます。しかしガウシャの戦場は、変わらずロープ側のまま。これがガウシャにできる精一杯の戦いだと理解できますが、このままではジリ貧です。

後半にも猛攻にさらされながらも、かろうじてジャブを返すガウシャ。このジャブは当たりこそするものの、チューを止めるに至りません。

8Rも展開は変わらず。どちらも自分の戦い方ができているという状態なので、変える必要はないのでしょうが。分が良いのはおそらくチューの方で、ガウシャは初回のようなダウンを取らなければいけません。

後半、チューがラッシュをかければガウシャも反撃、しかしその反撃の後間も無くチューの逆襲。終盤にはチューがアッパーでガウシャの顔面を跳ね上げ、フィニッシュの近さを予感させます。

9R、それでもラウンド序盤は、ジャブを突き、コンビネーションで攻めるガウシャ!体のタフネスだけでなく、心も強いボクサーです。そんなガウシャの攻撃にも、余裕すら感じさせるティム・チュー。この相手の攻撃を「気にすることがない様」はかつてのGGGのようです。

 

10R、ガウシャは元気な序盤を過ぎると、亀のように固まってチューの攻撃を何とかブロッキングでいなしつつ、単発のカウンター。心が折れてもおかしくないこの展開で、このガウシャの頑張りには心が打たれます。ロープ側、ブロッキングとボディムーブを駆使して凌ぐガウシャに対して、様々なコンビネーション、フェインを駆使して攻め立てるチューですが、ディフェンシブなガウシャを攻めきれず。

11Rになると、「序盤、元気なガウシャ」のターンすらほとんどなく、チューのほぼ一方的な蹂躙タイム。チューは軽いコンビネーションで攻め立てて行きますが、さすがチューのパンチに慣れも出てきたであろうガウシャのガードは固い。対してカウンターに望みをかけるガウシャも、決定的な一発は生み出すことができません。

ラストラウンド、躍起になって攻めるチュー。このチューも、この展開になってもKO勝利を諦めません。ここでガウシャの左フックカウンターがヒット!しかしチューは全く動じず。。。

その後も体でぐいぐい押しながらパワーパンチを放っていくチュー、ガウシャも最後の力を振り絞りカウンター、リターン、コンビネーションを返します。両者死力を尽くしたラストラウンドが終了、勝負は判定へもつれ込みました。

はっきり言って、5Rくらいまでを見たらチューがストップまで持っていくと思っていました。その意味で、ガウシャは非常に頑張りましたね。試合が終わった直後に抱擁した両者、ガウシャからは非常にやり切った感を感じました。

判定は、114-113、116-111、115-112でティム・チュー。

 

思ったより競っていました。114-113にはびっくりですが、クリーンヒットだけを素直に見るとガウシャが優っていたラウンドが結構多かったのかもしれません。ただ、4R以降、ガウシャの攻撃でチューがトラブルに陥る雰囲気は無かった。これはガウシャの攻撃力云々の話ではなく、チューのパンチの受け止め方というかもらい方、タフネスやフィジカル面に由来するものだと思います。その分、ポイント差以上にチューが押し切ったというイメージです。

初回のダウンはフラッシュダウンと言い切ったチュー。(インタビューでその単語だけは聞き取れました笑)

チューの打ったのが軽いワンツーだったから良かったものの、あれを思い切り打ち込んでいた場合、かなり危ないタイミングだったんじゃないでしょうか。いかにチューといえども、立ち上がれない程のダメージを負った可能性もなくはありません。

ともあれ、見事に勝ち切ったティム・チュー。前戦に続き、判定勝利となったチューは、まだまだ改善の余地があるのかもしれませんね。ただやっぱり、あの化物のようなフィジカルは大きな武器。序盤見すぎるところ、ガードの真ん中が空いてジャブを貰ってしまうところは改善点に思います。

次戦ではチャーロvsカスターノの勝者に挑戦予定のティム・チュー、順調にいけば今年中に訪れそうなその日を、楽しみに待ちたいと思います。

 

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