3月も終わりです。
3/31(木)にはいよいよゲンナディ・ゴロフキンが来日するとのこと、いよいよ!って感じがしてワクワクしますね。
開催を危ぶまれながらもようや4/9(土)、さいたまスーパーアリーナという場所に漕ぎ着けた、日本ボクシング史上最大と言っても良い一戦。現地に行って後ろの方から雰囲気を味わいに行ってきます!
そんなGGGvs村田というビッグマッチを控えた日本ボクシング界ですが、その前週にも非常に興味深い戦いがあります。
今回のブログでは、週末に行われる国内興行、4/1(金)のザ・グレイテスト・ボクシング、そしてダイナミックグローブのプレビューです。
4/1(金)ザ・グレイテスト・ボクシング
元世界王者、戸高秀樹が主催する戸高秀樹ジムには、現在のところメインを張れるボクサーがいません。それでも、自主興行を行うというのは本当に素晴らしい試みであり、しかも各ジムの子協力を仰ぎ、こんなにも素晴らしいカードを提供できるというのは本当に頭が下がります。
きっと、戸高会長は周りとしっかりとコミュニケーションをとり、物事を円滑にできる人なんだろうな、と推察します。現役時代の顔(とファイトスタイル)は怖かったけど。
バンタム級8回戦
竹原毅(協栄新宿)7勝(2KO)1敗
vs
南出仁(セレス)5勝(4KO)2敗
現在のランキングは日本4位、という南出仁は、5勝中4KOが示す通りのパンチャーで、非常にアグレッシブ且つ技術の高いボクサー。フィジカルも非常に強いという印象です。
南出は、2019年11月、GOD‘S LEFTバンタム級トーナメントの準決勝、トーナメントの覇者となる後のOPBF東洋太平洋バンタム級王者、中嶋一輝(大橋)に初回TKO負け、再起戦となった石井渡士也(REBOOT.IBA)戦でも5RTKO負けと2連続KO負けを喫してしまいます。
そんな絶望的な状況から、2012年12月3日、遠藤清平(RK蒲田)を相手に2RTKOで勝利、今回の一戦を迎えます。
対して竹原は、2019年の東日本新人王で、全日本新人王決定戦で津川龍也(ミツキ)に敗れたのが唯一の敗戦。
2020年に6回戦で勝利してA級に上がると、その初戦で川島翔平(真正)を7RTKOで破り、下位ながら日本ランキングを獲得。現在は日本スーパーバンタム級24位にランクインしています。
こちらも非常に好戦的で、手数と回転力に優れます。
竹原はバンタム級初戦、前戦はスーパーバンタム級を超えるリミットで戦っている分、フィジカルの強いバンタムである南出にも劣らないかもしれません。
これは激闘必至、打撃戦の展開が予想されますね。
動き出したバンタム級のタイトル戦を鑑みると、ここで勝つのと負けるのではその歩みに大きな差が出そう。個人的には、「岩佐亮佑の後継者」でもある南出を応援しています。勝てばランキングをキープ、もしくはアップ、日本タイトル戦はすぐそこです。
スーパーフェザー級8回戦
長谷川慎之介(ワールドスポーツ)13勝(9KO)3敗1分
vs
奈良井翼(RK蒲田)7勝(6KO)1敗
このセミファイナルもまた興味深い。
デビュー4戦で1勝2敗1分だった長谷川は、その後破竹の12連勝で2021年10月、日本スーパーフェザー級挑戦者決定戦に出場。
その一戦では、数々の大物食いを続けてきた中川兼玄(現在は角海老宝石)にスプリットで惜敗、そこからの再起戦になります。
「モスキート・レフト」なんて嘯いていますが、その左は破壊力があり、細身ながらワイルドにパンチを振るっていくイメージで、逆にディフェンス面はやや不安があります。
しかし、それを補って余りある、強いハートの持ち主です。前戦、前々戦とダウンを喫していますが、そこからの挽回は強いハートがなければできないはずです。
しかし、対戦相手の奈良井は、KO率からもわかる通り稀代のノックアウトパンチャー。前戦では、亀田京之介(ハラダ)に2RKOで敗れたものの、2020年度の新人王トーナメントでは、トーナメント全て、そして全日本新人王決定戦まで全てノックアウト勝利で決めています。
このセンス溢れるパンチャー、奈良井に対して、長谷川は手数で応戦していきたいところかな、と思います。
奈良井も非常に気が強く、亀田戦でも効かされたところから強いパンチを打ち返していたのは印象強い。こちらも激闘必至、考えれば考えるほどこの日は神興行の予感がしますね!
年度初めなので、東京までは行けませんが。。。
どこかで配信があると良いのですが、このザ・グレイテスト・ボクシングに関しては、これまでもBoxing Raiseでも配信していなかったような。情報を待ちたい(けど、もう日がない)。
4/2(土)ダイナミックグローブ&A-SIGN.Bee
日本スーパーウェルター級王座決定戦
越川孝紀(一力)9勝(6KO)3敗
vs
川崎真琴(RK蒲田)12勝(2KO)8敗1分
一力ジム、というところは、最近非常に移籍していくボクサーが多いところですが、本当に本当に、たくさんのチャンスを作ってあげているジム、という感じがしますね。これは本当にすごいこと。
越川もセレスジムからの移籍組ですが、一力ジムでの初戦は2021年7月、野中悠樹(渥美)に挑んだWBOアジアパシフィック・ミドル級タイトルマッチ。
キャリア50戦近くに及ぶベテランのアウトボックスを捕まえ切ることはできませんでしたが、最後まで粘りを見せました。今回はそこからの再起戦ですが、野中戦の前は松永宏信(横浜光)の持っていた日本タイトルに挑戦(4RTKO負け)しているので、タイトル戦3連戦を戦うことになります。
31歳という越川に対し、川崎は37歳。キャリア10年になろうかというベテランで、プロデビューは太尊康輝(現在伴流)、新人王トーナメントで松永宏信、8回戦で矢田良太(当時グリーンツダ)、暫定王座戦で坂本大輔(当時角海老宝石)、日本タイトル戦で永野祐樹(帝拳)と、日本重量級界の猛者たちのほとんどと拳を交えているイメージ。
日本タイトル2度目のアタックの越川、同3度目のアタックの川崎。
どちらがベルトを巻いても感動的なんだろうな、と思います。そして、これまでのタイトル戦以上に、両方ともにチャンスがあるような気もしています。川崎にとってはラストチャンスかも。
スーパーバンタム級8回戦
赤穂亮(横浜光)37勝(25KO)2敗2分
vs
中川麦茶(一力)24勝(14KO)7敗2分
なかなか思うように試合が組めない赤穂、10ヶ月ぶりのリングです。
前戦は杉田ダイスケ(ワタナベ)戦は3R、その前の中川祐斗(市野)戦は2Rで決着をつけており、ブランクがありつつも少ないラウンドしかないのは、赤穂にとってプラスなのか、マイナスなのか。
キャリア40戦のベテランにとっては、ダメージを溜めないという意味においてプラスのような感じもしますね。
横浜光の石井会長や、本人の口からも、今の状態は「非常に良い」との言葉が出ていますが、これはきっと本当なのでしょう。前戦の杉田戦のパフォーマンスも非常にクレバーで、素晴らしかった。
対して中川は2019年8月以来の復帰戦、一力ジムに移籍しての再スタート。
これでもし、中川が勝てばアップセット、奇跡に近いものだと思いますが、当然負けるつもりでリングに上がるボクサーはいないはず。何かしらの、秘策があるのかもしれません。
スピード、テクニックのある中川ですが、赤穂からアップセットをもぎ取るにはやや心許ない。順当に行けば、また前半か中盤あたりに赤穂が終わらせる、という気もしていますが、中川の決意あるリング復帰を見届けたいと思います。
ライト級8回戦
鯉渕健(横浜光)7勝(6KO)5敗1分
vs
向山太尊(ハッピーボックス)7勝(4KO)2敗
2022年1月25日のフェニックスバトル。メインは古橋vs久我という大激闘必至の日本スーパーバンタム級タイトルマッチという注目興行でのセミファイナルにおいて、大きな衝撃を与えた向山太尊。
ハッピーボックスジムのプロ選手第一号という向山は、ランカーとしても第一号ということでしょう。
ノーガードから一発で相手を倒すワンパンチ・フィニッシャー。それが非常にうまくハマったのが、前戦、ランカー初挑戦となった清田亨(大橋)戦でした。
2018年のプロデビュー戦は4RTKO負け、その後は3連続初回KO勝利を挙げて奈良井翼(RK蒲田)との一戦に臨むも、初回TKO負け。このとき、奈良井も向山もスーパーバンタム級。現在は奈良井がスーパーフェザー級(奈良井はこの年の決勝まで進むも棄権)、向山がライト級と考えると、当初は無理をしすぎたかもしれません。
その後、フェザー級で2連勝、60.7kg契約で1勝と3連勝(うち2戦は牛島龍吾)ですが、いずれも判定勝ち。前戦の衝撃が非常に強いですが、正直まだ実力の程は測りかねます。
このボクサーが上がってくると、ライト級戦線は非常に面白くなるな、と思っていたら、あっという間にもう日本ランク3位。驚きですね。
前戦の勝利は非常に自信になったでしょうし、キャラクターとしても非常に良いものを持っていますので、期待したいところ。
そしてこのフリーダムな向山に相対するのが、鯉渕。
非常に我慢強い戦いのできる鯉渕にとって、2度目のランカー挑戦となる今回ですが、これに勝てば大きい、モチベーションはかつてないほど高いでしょう。
しかも前戦、宮本知彰(一力)戦では非常に良い勝ち方(2RTKO勝利)をしており、勢いも自信もあると思います。
向山の「ノーガード」というのが大きなキーとなりそうな一戦。
ノーガードの良いところは、対戦相手からするとパンチの出どころがわからず、その分、パンチを効かせられる可能性が非常に高いこと。
悪いところは、鯉渕のように回転力のある連打で押し込んでいった時、ガードをあげ損ってまともに被弾するところ。
相性は良いとも言えるし、悪いとも言える、どっちに転ぶかみたいな勝負なような気がしています。これぞスタイル・メイクス・ファイト、それぞれのスタイルの長所が短所になり、短所が長所になりえるという戦いであり、こういう試合は本当におもしろい。楽しみな一戦です。
ちなみに、このセミセミの前(今の所第五試合)にはM.Tジムのホープ、神足(こうたり)茂利が登場です。B級デビューの2勝(1KO)1敗1分の戦績ですが、前戦で鯉渕に敗れた宮本知彰の再起戦の相手にピックアップされています。
宮本もB級デビュー、現在の戦績は7勝(6KO)7敗と苦戦していますが、両者ともにアマキャリアも豊富、レベルの高い試合が見られそうです。
放送・配信
この興行はダイナミックグローブ、なので日テレG+で生放送。
A-SIGNの興行でもあるので、もし日テレG+の視聴環境がなくても、後日であればA-SIGNのYOUTUBEチャンネルで配信してくれるのかな?と思います。
生放送の日時は4/2(土)17:45から。世紀のビッグマッチの前に、ホールのボクシングを楽しみましょう!