ウィークデイも国内では様々な戦いが繰り広げられ、このブログを書いている5/11(水)には三代大訓と富施郁哉(ともにワタナベ)がオーストラリアで試合に臨んでいるはずです。
この試合を見れないか、と色々と調べてみたのですが、辿り着けず。またYoutubeで探してみようと思います。
今週の国内戦の観戦記はこちら
さて、いよいよ週末は、セルゲイ・コバレフの復帰戦!ではなくて(いや、そうなんですけど)、フロイド・メイウェザーのお金稼ぎエキシビジョンでもなくて、やっぱりジャーメル・チャーロvsブライアン・カスターノのスーパーウェルター級4団体統一戦です!!
ということで今回は、10ヶ月ぶりのダイレクトリマッチとなるチャーロvsカスターノ、PBC興行のプレビュー記事です。
5/14(日本時間5/15)カリフォルニア
世界スーパーウェルター級4団体統一戦
ジャーメル・チャーロ(アメリカ)34勝(18KO)1敗1分
vs
ブライアン・カスターノ(アルゼンチン)17勝(12KO)無敗2分
WBA、WBC、IBF世界スーパーウェルター級王者のジャーメル・チャーロと、WBO世界スーパーウェルター級王者のブライアン・カスターノが激突するのはこれで2度目です。
前戦は約10ヶ月前となる、2021年7月17日のことでした。
↓観戦記
スーパーウェルター級において圧倒的な存在感を示してきたチャーロと、パトリック・ティシエイラ(ブラジル)に勝利して王者になりたてのカスターノでは、これまでの実績において大きな差がありました。
それ故に、カスターノがここまで強いと予想できた人は少なかったのではないか、と思います。
チャーロは苦戦するようなことはあっても、何か問題を抱えてさえいなければ、負けはしないだろう、これが世界の共通認識だったと思います。
しかし、蓋を開けてみればカスターノは大善戦、チャーロの強打に臆することなくプレスをかけ、接近戦に持ち込んではチャーロを困らせました。
近い距離でのカウンターでチャーロを退がらせ、強いフィジカルでまた退がらせる。
ここのところ、パンチャーとして覚醒した感のあるチャーロは、後半にビッグパンチを当てますが、試合を終わらせることはできませんでした。
カスターノがこの試合で証明したことは非常に大きい。心と体のタフネス、作戦遂行能力、リングIQ等々。
そんなカスターノの頑張りは感動を呼び、「3者3様のドロー」と出た判定については、大きな議論を呼びました。
私の目には、ややカスターノか、とも思いましたが、採点が割れ、3者3様のドローという結果は十分に許容範囲に思います。
ただ、下馬評不利のカスターノが予想を大きく超えて善戦したこと、一人のジャッジの判定が「117−111」というあり得ない採点でチャーロを支持したことは無視できない事実です。このことがバイアスとなって、「カスターノ勝利」を推す声が多いということは理解できることです。
あえて言うと、チャーロにとっては負けに等しい試合であり、カスターノにとっては勝ちに等しい試合でした。
さて、その試合の再戦が行われようとしています。
今回も、間違いなく激闘になるでしょう。
チャーロはやや長めの距離で、カスターノは馬力を活かして近い距離で。
チャーロが距離を取ろうと足を使っていくとすれば、前戦と同じような展開になりそうで、また接戦になる可能性が大。
実際、チャーロの方がなんだかんだと地力は上だと思うので、個人的にはチャーロに勝ってもらいたいし、それをするには「中間距離での打ち合い」を模索する必要があるのではないかと思っています。
チャーロは、打ち合ってもカスターノに負けないと思います。ただし、カスターノのプレスを真っ向から受け止めて、接近戦に発展していくという展開では、カスターノの良さを十二分に引き出してしまうため、逃れるためのステップワークではなく、サイドをとりつつ中間距離をキープできるような足の使い方をしていくべきでしょう。
とにかくロープを背負わないように、なるべくリング中央に近い位置で戦うこと。これが、チャーロの勝利へ向けたプランのように思います。
カスターノは、前戦と同じで良いと思います。前戦、評価の高いチャーロとドロー、という結果に満足さえしていなければ、ここでまた最高のパフォーマンスを更新することができると思います。これは逆に、前戦で満足してしまっているようであれば、カスターノの勝利は見えません。
むむむ。我ながら偉そうに書きました(笑)が、この試合に関してはあまり書くことがありません。とにかく、試合を見るしかない。多分それが、彼らを理解する唯一にして最良の方法です。
IBF世界ウェルター級挑戦者決定戦
ジャロン・エニス(アメリカ)28勝(26KO)無敗
vs
カスティオ・クレイトン(カナダ)19勝(12KO)無敗1分
もう「誰もが知るプロスペクト」を脱した感じもあるジャロン・エニス。誰もがこのボクサーを見て、ヤバい奴がいる、と曰うわけですが、このウェルター級の王者はテレンス・クロフォード(アメリカ)とエロール・スペンスJr(アメリカ)です。
果たしてこの素晴らしいボクサーであるジャロン・エニスですらも、世界王座にたどり着けるかどうかはマッチメイク次第、と言って良いでしょう。
これまでの試合の中では、苦戦と思しき試合もなく、強すぎるエニス。
前戦でも現WBAレギュラー世界ウェルター級王者のエイマンタス・スタニオニス(リトアニア)、元WBA世界ウェルター級暫定王者のジャマル・ジェイムス(アメリカ)とフルラウンドを戦ったトーマス・デュロルメ(プエルトリコ)を初回で撃沈。
その前はスーパーライト級の元世界王者、セルゲイ・リピネッツ(カザフスタン)を6Rで葬る等、全く隙がない戦いを続けています。
さて、今回のクレイトン、これは実に良いボクサー。
2020年10月にセルゲイ・リピネッツと戦っているのですが、この時、リピネッツは本当はクドラティーリョ・アブドカホロフ(ウズベキスタン)と戦う予定だったのです。
日本人と関わりのあるボクサー同士のIBF世界ウェルター級暫定王座戦は、非常に楽しみな者でしたが、この時アブドカホロフはビザの問題か何かでアメリカに入国できず、約10日前くらいに決まったのが代役のクレイトン。
クレイトンは基本カナダで戦っていたボクサーだったので、世界的には全くと言って良いほど無名。しかし、カナダ代表としてロンドン五輪に出場した元オリンピアンの対応力はさすがでした。
やや慎重な戦いながらも、リピネッツに対して1-0という分の良いドローを演じています。
このクレイトンは、アメリカンなボクシングスタイル、下がりながらのカウンターを得意とするボクサータイプです。瞬発力には優れている印象で、ジャブも良いですね。
クレイトンは良いボクサーですが、エニスは怪物です。
エニスが間違いを犯さなければ、エニスの勝利は順当だと思います。
但し、クレイトンもやっと巡ってきた大きなチャンス、ここに勝てば指名挑戦者になれるだけでなく、「あのエニスに勝った」という称号も手に入る試合です。これまで以上に仕上げてくる事に間違いありません。
個人的には、やはりジャロン・エニスにまだまだ無双していてもらいたいですね。もしクロフォードvsスペンスが実現するならその勝者に、実現しないのであればスペンスに挑戦して欲しい。そうでなければ、二人がいなくなった後のウェルター級を盛り上げる最右翼となるはずで、それはそれで楽しみ。
とりあえず、エニスの限界はまだ、見たくありません。
アンダーカードと放送・配信
その他のアンダーカードは、BoxRecを見るとケビン・ゴンサレス(メキシコ)というボクサーが載っています。このボクサーは24勝(13KO)無敗1分という好戦績で、若干24歳のプロスペクトのようです。
このゴンサレスのニックネームは「Chacal」、ジャッカルです。キャリア初期のこのどんどんと試合を組まれること、このニックネーム、獰猛なメキシカンファイターであることが想像できますね笑
ということで試合映像を調べたりはしなかったのですが、スーパーバンタム級ということで、近いうちに日本人ボクサーとの関わりも出てくるかもしれません。これは要チェックです。
対戦相手はプエルトリコのエマヌエル・リベラ・ニエベス、19勝(12KO)2敗というボクサーです。名前は非常に強そう。
この一戦が放映されるかどうかはわかりませんが、このPBC興行はアメリカではShowtimeが中継、日本ではWOWOWがオンデマンド生配信。
配信日時は、日本時間で5/15(日)AM11:00〜となっています。
激闘必至の世界スーパーウェルター級4団体統一戦、お見逃しなく!!!
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【しつこく宣伝】
先日ネットショップをオープンしました。少しずつ商品数を増やしています。現在、いくつかのグローブを海外から取り寄せていますが、やっぱり結構時間がかりますね。品物が届けば、即納できるものもでてくるかもしれません。(自分で使ってしまって、でてこないかもしれません笑)