信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】5/9DANGAN、木村翔vs堀川龍!5/10PXB、伊佐春輔vs森且貴!接戦だらけのウィークデイ!!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

ウィークデイは国内戦がアツい。

後楽園ホールは平日開催が多く、土日ではなくて平日に素晴らしいマッチアップを組んでくれることが非常にありがたい。土日は海外戦、平日は国内戦、と棲み分けができている気がしますね。

ということで、ドミトリー・ビボルが「アップセット」と言われるカネロ退治を成し遂げたゴールデンウィークが終わり、早速国内では注目戦です。

今回のブログでは、5/9に行われたDANGAN興行、そして5/10に行われたフェニックスバトルの観戦記です。

5/9(月)DANGAN

↓DANGANのプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

 

フライ級8回戦

木村翔(花形)19勝(12KO)3敗2分

vs

堀川龍(三迫)3勝(1KO)1敗1分

この試合は、フライ級戦。この階級でゾウ・シミン(中国)をアップセットで降し、WBO世界フライ級王者となった木村翔が3年と8ヶ月ぶりに日本のリングに登場です。

前戦からも2年以上の時間が経過しており、そのパフォーマンスには注目です。

対して堀川はデビュー以来強敵とばかり戦い続けているルーキーで、前戦では重岡優大(ワタナベ)と堂々と渡り合った上での敗戦。そこからの復帰戦でまさかの元世界王者です。

しかも契約ウェイトはフライ級、木村の主戦場であり、堀川はこれまでライトフライで戦ってきた選手。

堀川がこの強敵に挑むチャレンジ精神というのは大いに買いたいが、今回ばかりは残り時間の少ないと思われる木村を応援です。

 

注目の一戦、ゴング。

まずアグレッシブに出るのは堀川。その後は木村も左右のフックで攻め込みます。

堀川ジャブが良い。木村のパンチに対する反応も素晴らしく、前進してくる木村にステップ、パンチを合わせる、押し返すと様々な方法で対応しています。対して木村は久々のリングの影響か、ミスブローが多い印象。

2R、セコンドの指示でしょうか、木村がジャブから攻め込んでスタート。しかし堀川ジャブの方が優れています。とにかくポンポンとよくジャブが出る堀川。

しかしここから木村が本領を発揮、パワーでねじ伏せにいきます。木村のアッパー、ストレートを被弾した堀川は顔を跳ね上げらる等劣勢になりますが、強気に反撃。クリンチの際、木村を押し込んでいく力強さはライトフライの選手とは思えません。

3R、キビキビと細かく動き、鋭いジャブの堀川。非常に小気味良いボクシングを展開しています。イマイチ堀川動きに反応しきれない木村は、堀川がサイドに速く動くと追いきれません。

徐々に堀川のステップが大きくなってきましたが、これは木村のプレッシャーによるものでしょう。

4R、木村はややパンチが大きいか、距離があるところでは堀川が良い反応を見せ、打ち終わりを狙われてしまいます。堀川手足はよく動き、集中力も非常にありますね。

 

木村の右ストレートもあたりますが、やはり木村としてはフックの距離まで近寄りたい。

5R、序盤に木村が堀川のパンチを躱して右をヒット、その後は強い攻勢に出ます。パンチを振り回して堀川をコーナーに詰め、潰しにかかった木村!しかし打ち返すことでこの危機を脱します。

その後も押し合いの展開から、堀川をカチ上げて右オーバーハンドをヒットした木村は、ジリジリとにじり寄って強振。それに強いパンチで応戦する堀川!!木村は少し疲れが見えますが、堀川はまだまだ元気、そのパンチにはキレがあります。

6R、このラウンドは堀川も足を止めての打撃戦!接近戦、というほどの距離ではありませんが、やはり打ち合いでは木村の方に分がありそうです。

木村のパンチで後退した堀川、何度も顔を撥ね上げられてロープからロープへエスケープ!それでもまだ若く、気持ちの強いルーキーはまたもリング中央で木村と打ち合い!

 

しかしここでボディを効かされた堀川は、ロープに後退、チャンスとばかりに木村は攻め入ります。

猛然とラッシュする木村ですが、疲労からかそのパンチは雑、さほど力も入りません。

徐々に回復してきた堀川は、終盤に力強いパンチを返して盛り返し、このラウンドを生き延びました。

7R、堀川の動きは落ちません。しかし、木村は明らかに疲れが見えます。おそらくブランク、序盤からのミスブロー、前ラウンドにおけるラッシュ、堀川スピードについて行こうと自分のペースを保てていないこと、様々な要因が絡み合っているのでしょう。

堀川のキレのあるパンチに対して、木村はビッグパンチをヒットしますが、手数と回転力、キレは堀川。

ラストラウンド、だからこそ前ラウンドよりも元気になった木村。つくづくボクサーとは不思議なものです。堀川はスピードも一切落ちることなく、8Rを戦い抜きました。途中、ボディを効かせられているにも関わらず、です。完璧にこのタイミング、スピード、力の入れ方、ステップ、そういったものが体に染み付いているのでしょう。

対して木村は、ラストラウンドはかなりスリップが多く、反応も良くありません。終盤は堀川に押し込まれる場面もあり、かなり苦しめられた印象の8Rでした。

 

判定結果は、1者が77-75で堀川としたものの、残りの2者は76-76のドロー。

大金星を逃した堀川でしたが、この健闘は非常に光りました。このボクサーはプロ2戦目、中嶋戦から非常に上手かったボクサーでしたが、体の強さ、心の強さも相まって非常に期待度の高いボクサー。きっとまだまだ伸びるでしょう。

そして木村は、このままでは世界王者返り咲きはちょっと厳しい。気持ちの面なのか、環境なのか。この一戦、かつての片鱗こそ見せたものの、サビーリョ戦での新スタイルはどこかに行ってしまいました(これが良いか悪いかはわかりません)。

言うまでも無くなく、この危険を伴うボクシングというスポーツにおいては、「戦う理由」が非常に大切なこと。木村が今後、何かを成し遂げたいという気持ち如何によっては、グローブを壁に吊るす時が来るのかもしれません。個人的には、もう一度、リングで猛る木村を見たい。

 

5/10(火)フェニックスバトル

↓プレビュー記事

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アンダーカードも非常に興味深い試合ばかりでしたが、時間の都合でセミセミから追っかけ視聴。なんだか申し訳ありませんが、時間が時間なもので。

スーパーフェザー級8回戦

高畑里望(ドリーム)17勝(7KO)9敗1分

vs

中井龍(角海老宝石)3勝(1KO)1敗1分

私と同い年の高畑、以前の試合で「ピークはまだ先」と言った印象的な言葉は忘れられません。対するは「漢」中井。宇津木秀(ワタナベ)と良い勝負をした期待のボクサーで、応援しているボクサーの一人。

これはどちらも応援したい、とにかく好試合に期待です。

注目のゴング、独特の構えから前手を使う高畑。対してガッチリと構える中井。

長い距離で戦いたい高畑ですが、中盤、中井は強引に詰め、接近戦に持ち込みます。もみ合いながらも的確にコンパクトなパンチを出すのは中井。

 

2R、やはり高畑のジャブは長いですが、高畑の攻撃を受け止める事で接近戦に持ち込む中井。サイドへも巧くまわり、ショートで非常に手数が多い。

高畑も外側からパンチを打ち、長いボディを打って善戦しますが、中井の手数と多角的な攻撃で固まる場面が増えてきました。

3R、プッシング気味に左を伸ばし、長い右ストレートをヒットした高畑。しかしそれを好機として、接近戦に持ち込みラッシュをかける中井。

高畑は近い距離では厳しい、遠くから変速的な攻撃を仕掛けます。こういうセオリーにない動きをするボクサーは、やりにくいですね。

予測が難しい高畑の動きに対してはステップでかわし、見切れるパンチは接近戦に持ち込む中井。非常に冷静で、変速ボクサー相手にも乱れません。

4R、中井はステップアウトする時と、攻め入る時と、それぞれを上手く使い分けて翻弄。

 

このラウンドには、染谷レフェリーが明らかに高畑の方に視線をやり、ダメージを観察しているのが見て取れます。

後半、接近戦では高畑も良いアッパーを入れますが、中井の左ストレートで何度も顔を跳ね上げられます。ロープ際、疲れもダメージもある高畑は、コーナーに釘付けになりながらもこのラウンドをなんとかサバイブ。

5R、このラウンドも中井のスピードに翻弄されてしまう高畑。中盤にロープにつまってラッシュを受けるもなんとかエスケープ、それでもその後も中井はラッシュ、ラッシュ、ラッシュ!防戦一方になった高畑を、レフェリーが救い出してストップ!

中井龍、5RTKO勝利!

更に、強くなっていた中井龍。素晴らしいステップワークを手に入れ、あれだけのラッシュを何度もできるスタミナ、これは本当に怖いボクサーです。

これで日本ランキングを獲得、恐怖の日本ランカーの誕生です。

高畑は、残念でした。しかし、本当に頑張りました。

とにかく素晴らしい意地を見せてくれた事は感動に値します。

これで日本ランクをなくせば、高畑のキャリアは終わりを告げるかもしれません。ともすればラストファイトとなる試合に、中井龍という若く、強いボクサーを選んだ勇気を讃えたい。

 

62.0kg契約8回戦

湯川成美(駿河男児)4勝(3KO)無敗

vs

櫻井孝樹(SRS)8勝(3KO)8敗1分

湯側の相手は、A級未勝利の櫻井。キャリアを積ませるため、とはいえ、ちょっと実力差のありそうなマッチメイクです。

櫻井は大きなブランクがありますが、唯一勝るキャリアを武器に戦いたいところ。

初回からアグレッシブに攻めるのは櫻井。少し慌てているようにも見えます。巧さのある湯川に対してはガチャガチャ行こう、という作戦でしょうか。

湯川はやはり少しやりづらそうですが、適所で左右のボディを叩きます。

この左ボディは非常に効果的で、櫻井は明らかに効いたそぶり。

それでも櫻井は突進をやめず、湯川はこれでもかというほどボディを叩きます。

そして顔面への強いパンチも返し、早々に櫻井は血まみれに。

2R、ぐるぐるとサークリングする湯川、追っていく櫻井。時折湯川の強烈なボディがヒットしますが、しつこく追っていく櫻井は湯川にとって非常にやりづらい。

 

湯川は思い切り打つボディ、顔面へのカウンター、やはり巧く、実力差は明白です。

それでも諦めない櫻井は、「これしかない」とばかりに距離を詰めていきます。

湯川は単発、大振り気味。

3R、両目ともカットしている櫻井、トランクスに入っている「一瞬懸命」の文字通り、一瞬一瞬を懸命に戦います。

それでもかなりボディが効いてきた櫻井に対して、湯川はなおもボディを叩き、アッパーで顔を跳ね上げます。手数は櫻井、ダメージングブローは明らかに湯川。

4R、手数を出して攻め入る櫻井、湯川はもう狙っています。しかし櫻井はいくら打たれてもその前進を止めず、その手数を止めません。

5R、ここまで、櫻井の手数は湯川の10倍、いやもっとありそうです。それでもパワフルな湯川のパンチの方が印象的。

湯川もこのラウンドはコツコツとパンチを打ち初め、櫻井に押されることもしばしば。湯川もちょっと疲弊したのか、疲れてきたように見えます。櫻井は、超タフです。

6R、開始30秒ほどのところで櫻井の傷をドクターがチェック。その後、超攻撃的になった湯川はラッシュ、いくつものパンチをヒット、これによりレフェリーはストップ。

湯川成美、6RTKO勝利!

 

やはり、実力の差はありました。しかし、櫻井は本当にがんばりましたね。

明らかに違う力の差にも臆さず、最初から最後まで前進を続けた櫻井。その意地を仕留めきった湯川。

櫻井には、昭和のボクサーのど根性を見ました。

日本ユース・ミニマム級タイトルマッチ

伊佐春輔(川崎新田)9勝(1KO)3敗1分

vs

森且貴(大橋)9勝(2KO)1敗

さて、メインイベント。前戦からの復帰戦でユースタイトル戦、というチャンスの森。前戦も非常に良いボクシングを展開しましたが、強打者相手に真向から打ち合ってしまったのは結果的に良くはありませんでした。今日はどのような姿を見せてくれるのか。

初回のゴング、ミニマム級らしく両者ともに非常にキビキビとした速い動き。

瞬間瞬間の攻防が非常に速く、展開も目まぐるしい。

2Rもなんだか早送りを見ているような錯覚に陥るほど、両者ともに速い。どちかかというとプレスをかけているのは森、伊佐はサークリングからカウンター狙い。

近づいたところでの森のアッパーは良いですが、伊佐もアッパーでお返し。

3R、伊佐はステップワークも良いですが、思っていた通り頭の位置を変えながら動くところも良い。対して森はブロッキングが良い。

 

中盤、伊佐の頭が森の顔面にあたってしまいます。これが原因かどうかわかりませんが、森は鼻から出血しています。ちょっとこれは嫌ですね。

しかし森はここから更にプレスを強め、プレスを強めて後半にはグイグイと前進します。

4R、序盤にワンツーをヒットした伊佐、その後も森の入り際に右カウンターをヒット。しかしその後、接近したところで森はボディで攻勢、ボディを嫌がっているように見える伊佐。

中盤は頭をつけての打撃戦ですが、この距離ではやはり森のパンチは非常に力強く、そして手数も多い。

ボディが効いたか距離をとる伊佐、距離があれば伊佐のカウンターも機能します。

これは正に一進一退のシーソーゲーム、素晴らしい好ファイト!

5R、折返しですが、ポイントがどうなっているのか全くわかりません。

軽やかにステップを踏む伊佐、中間距離ではやはり伊佐のカウンターが冴えます。それを理解してか、大きく大きくステップを踏む伊佐でしたが、中盤には森が距離を詰めてボディ、ボディ、ボディ!!

 

しかしこの森のボディは力強い。伊佐もボディを返しますが、やはり接近戦では森が上手。

このラウンドも前半は伊佐、後半は森。一体ポイントはどうなっているのか。

6R、伊佐のステップは変わらず良い。しかし時間が進むにつれて森のプレスが上回っていく、という展開。接近戦となると森の方が力強く、更に手数も多い。

しかし、伊佐もストレートのコンビネーションが非常に良く、そこにアッパーも交えるとこれは森も反応できません。

接近戦でもこの攻撃をつづけていければ、伊佐は良いですね。

終盤は壮絶な打ち合い、両者の意地がぶつかります。

7R、このラウンドは早々に近い距離。ともにボディを叩き合う展開です。

伊佐は頭の位置が良いですが、森の方が手数が多いのも相変わらず。

後半、伊佐はボディが効いたか、後退!その後も懸命に手を出す伊佐ですが、印象的にはダメージを与えたのは森の方だと思います。

ラストラウンド、伊佐はステップからはじめましたが、ここもやはり接近戦。伊佐もグイグイと押しており、距離を潰して逆にボディを打たせないようにしているのかもしれません。

もみ合いの中で距離がほんの少し開くと伊佐はストレートのコンビネーション、からのアッパー。

中盤には伊佐の右カウンターが森を捉えます!が、森はすぐさまボディ!

両者ともに手数を出し合い、譲らない打撃戦!

 

後楽園ホールは大きな拍手と大声援!これは仕方ありません。

顔面にパンチをいくつも当てた伊佐、これでもかというほどボディを叩いた森。

判定は、77-75伊佐、77-75森、77-75森。2-1の判定で、森且貴の勝利!!!

いやー、判定の発表、溜めましたね笑。

これはドキドキしました。ドローもありかと思いましたが、決着がつきましたね。

森且貴、このボクサーは巧く、そして強いですが、一番の武器はハートの強さと気の強さだと思います。

幾度も伊佐の見事なカウンターを浴びましたが、ひたむきにボディを叩き、とにかく手を出す根性が素晴らしい。

伊佐も良いボクサーだと思っていましたが、想像以上に素晴らしいボクサーでした。この敗戦を糧に、また這い上がってもらいたいですね。

日本ミニマム級、未来は明るい。

↓今年1月の記事です。

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