日本時間5/15。
世界中でボクシングが行われ、日本でもDANGANの250というナンバリング興行、および墨田区でボクシング祭りが行われたボクシング・デイ。
まだまだたくさんの興行を見なければいけないので、情報遮断を解禁するために急いでいます笑。
はやく、試合に関しての皆さんの意見やインタビュー記事を読みたい。
しかし、その事よりも「結果を知らずに」「あたかもライブ視聴しているかのように」試合を観る事の方が大事なので、(試合以外は早送りするんですけど)しっかりと視聴です。
ということで今回は、5/15の第二弾、スルド・ラミレスvsドミニク・ボーセルをメインに据えた、DAZN配信興行の観戦記。
↓プレビュー記事
5/14(日本時間5/15)カリフォルニア
カツマ・アキツギ(アメリカ)9勝(1KO)無敗
vs
ホセ・サントス・ゴンサレス(メキシコ)23勝(13KO)9敗1分
まず、この試合はセミセミではなかったようです。DAZN放映の初戦として放映されます。
秋次克真と表記するようです。(杉浦さんのツイートで知りました。)
今夜はSHO、DAZN、Trillerでボクシング中継がありますが、DAZNの1試合目に秋次克真(あきつぎ・かつま)選手が登場します。この日まで23-9-1, (13KOs)のホセ・ゴンサレス(メキシコ)とフェザー級10回戦。Bサイドで無敗選手に勝ち続けて名を挙げた秋次選手(9-0, 1KO)、今日はAサイド扱いでしょうか。 https://t.co/cc1WdEjZ3t
— Daisuke Sugiura 杉浦大介 (@daisukesugiura) 2022年5月14日
前戦と同じ、ピンクパープルのトランクスに身を包む秋次。
初回から素早いステップインを見せる秋次。このサイドへ回っての攻撃、ジャブ、そしてそのうち見られるであろう連打が持ち味です。
ゴンサレスとのスピード差は明らか、フェイントをかけつつ打って離れて、まずまずの初回。ゴンサレスは結構頭を低くして振ってくる選手なので、怖さがありますね。
2R、秋次は距離の取り方も詰め方も、体をくっつけて追撃を出させないという技術も、本当に素晴らしいと思います。ゴンサレスは徐々にできることが少なくなっている印象で、懸命に右ボラードを振り回します。
KO率の低さが気になる秋次、今日は倒し切ってもらいたいところ。
3R、一発狙いのゴンサレス、丁寧に戦う秋次。接近戦ではゴツゴツと頭をぶつけながら戦っている両者、バッティングが気になるな、と思っていたら、後半、強く当たってしまい、痛がるゴンサレス。左瞼、でしょうか、出血しています。
弱気になったように見えるゴンサレス、ここを好機と連打で攻め入る秋次。
血が滴り落ちるゴンサレスをレフェリーは注視しています。ちょっともう次あたりが危ないか。
4R、開始直後、ドクターのチェックが入り、試合はストップ。
ゴンサレスは、インターバル中の表情を見る限り、すでに戦意を喪失していたように見えました。結果は秋次克真の4R負傷判定勝利、とのことです。
もう少し、いやもっと見たかったですね。内側から入れるジャブ、体を振って相手の外側へ回るサイドステップ、後半に行けば行くほど出る手数。今回は不完全燃焼ではありますが、このボクサーは要注目です。
ジョー・ラミレス(アメリカ)9勝(7KO)無敗
vs
ジャン・サルバティエラ(メキシコ)8勝(4KO)1敗
日本人にも馴染みの深いスーパーフライ級、チェックしていませんでしたがプロスペクトのジョー・ラミレス。どこにでもいそうな名前のボクサーですね。
ラミレスはジャーボンタ・デービスに近いくらいのタトゥー入り、体型もかなりがっちりしていてどことなく雰囲気が似ています。
ゴングがなると、ラミレスはジリジリとプレス、身長を考えると非常にリーチが長そう。非常に長いジャブからすぐさまバックステップ、まずは様子見といったところなのでしょうが、少ない手数で効率的にプレスをかけ、時折左フックで飛び込みます。
後半に入ると右を使い始めたラミレス。
ここで、右のスイングをカウンターで当てると、一気にワンツーで攻めます。このワンツーを被弾したサルバティエラはリング外に落下!
このまま試合はストップ、ジョー・ラミレス会心の初回TKO勝利!!
そのいでたち、反応の良さ、パンチングパワー、今日見れたところはそんなところですが、これは強いボクサーですね。スーパーフライ級ですか。。。アメリカという国は非常に不思議で、軽量級のボクサーはほとんど出てこないながらも、どのボクサーも非常に強い。
これは要注目、というか我々にとっては要注意のボクサー。
もっともっと見てみたいですね。
ウィリアム・セペダ(メキシコ)25勝(23KO)無敗
vs
レネ・アルバラード(ニカラグア)32勝(21KO)11敗
プロスペクト、ウィリアム・セペダ!元王者、アルバラードに挑みます。とはいえ、アルバラードはここ最近低迷しており、若手の踏み台という役割を担い始めています。
セペダには快勝が期待されるセミファイナル、ゴング。
初回からプレスをかけるのはセペダ、しかしさすがアルバラードもしっかりと応戦。セペダは非常にアグレッシブですが、迎え撃つアルバラードの手数も多く、特に力強い右のオーバーハンドをボディへ顔面へと使い分け、これは非常に効果的に見えます。
2R、アルバラードの右オーバーハンドは警戒し、距離ではずすセペダ。ガードの上からでも受けたくない、という判断でしょう。
そしてセペダの左ストレートは非常にまっすぐ、軌道が軌道なだけにこのパンチは何度もあるバラードに到達、近い距離でも前脚を常に外側に意識するセペダの右フックが非常に有効です。
アルバラードは力強さと手数で対抗、しかし得意の右オーバーはなかなか当たリません。
3R、アルバラードもアングルを変え、様々なパンチを繰り出していきます。セペダは回転力のあるコンビネーションを持っており、アルバラードの大きいパンチは距離ではずし、スウェーで外しています。
4Rは序盤を過ぎてから、火の出るような打ち合いに発展!ともに力強いパンチを繰り出していく中で、互角の展開ともいえます。
ちょっとセペダが押し込んでいるようにも見えます。
5R、やや静かな序盤から、またも打撃戦に発展。ともにクリーンヒットを奪い合います。プレスをかけて前進しているのはセペダですが、中盤はアルバラードが的確なパンチを当てて盛り返し、後半には強いパンチの交換。これは激闘。
6R、セペダが打ち込むと、それ以上の手数で打ち返すアルバラード。とにかくしつこい手数がすごい。基本的には先手はセペダですし、踏み込みのスピードやコンビネーションの回転力はセペダが上。それでもアルバラードはリターンがものすごく、相手にとっては堪らない戦い方です。
これ、セペダはもっと攻防を分けたほうが良いのではないでしょうか。アルバラードは相手が打ってきたところに打ち返すのは得意ですが、追い足はあまりないと思います。なのでセペダは足を使って追わせて、疲れが見えたところに攻め込む、みたいな。ちょっとセペダはアルバラードに付き合ってしまっている感じがします。
7R、とはいえ、前ラウンドの後半からさらに被弾が増えてきた感じのするアルバラード。前半、セペダの右フックを顎の先端にもらってから動きが鈍り、その後も接近戦で撃ち合いますが足に力が入らなそうです。
しかし、ここから持ち直したアルバラードはとにかく手を出し続け、回復。この回復の仕方は常軌を逸しています。攻撃をしながらダメージからの回復をするという。。。
8R、このラウンドも打撃戦でスタート。アルバラードのダメージはどこへやら、豊富な手数でセペダを迎え撃ちます。
このラウンド中盤にかけて、セペダはギアを上げて攻め入り、アルバラードをロープ際へと押し込みます。アルバラードもそこから盛り返す等意地を見せ、このラウンドは終了。
9R、DAZNの非公式採点はここまでドロー。セペダの方がクリーンヒットを多く奪っているような感覚がありますアルバラードは想像以上に頑張っています。プロスペクト、セペダに試練を与えられるか。
このラウンドもとにかくしつこい手数のアルバラード、セペダは距離こそ詰めていきますが、アルバラードの拳の弾幕に防がれ、攻めきれません。
それでも、ポジショニングとパンチのアングルに優れたセペダのクリーンヒットの方が多いような気もします。
ラストラウンド、先に攻め入ったのはアルバラード。セペダは序盤、足を使ってこのアルバラードの攻撃をいなし、自分のターンとなると攻め入ります。
これで良いんじゃないか、と私が思っていた戦い方でしたが、こうなるとアルバラードの手数は止まりません。セペダはこのラウンド、もっと攻めなければポイントを取れません。(ということで、私が「こう戦えば良い」と思った戦い方は、誤りだったようです笑)
それでも終盤、セペダがいくつかのクリーンヒットを奪ったところで、試合は終了。
判定は、3-0の判定でウィリアム・セペダの勝利。
WBA世界ライトヘビー級挑戦者決定戦
ヒルベルト・ラミレス(メキシコ)43勝(29KO)無敗
vs
ドミニク・ボーセル(ドイツ)32勝(12KO)2敗
両者のリングイン、そして選手コール。
ボーセルがどアウェーに乗り込んできた、というのがよくわかりますね。それとともに、「スルド」ラミレスの人気っぷりはすごいものです。
初回のゴング、まずは両者ジャブでの様子見から。
ラミレスはボディへの攻撃も交えて、早速左ストレートを使っていきます。
この左が少し低かったようで、ボーセルはローブローのアピール(というか、痛がった)、そこで観客からブーイング。いや、それは許してやってほしい。試合の後半で、休むためにローブローのアピールしたわけでも何でもなく、本当に痛かったのだと思うので。
今日のラミレスは動きが非常に良いように思います。そのパンチにはキレがありますし、体のキレも抜群で、だからこそスムーズにボディストレートを打てています。それはちょっとしたダッキング、ボディムーブでもよくわかりますね。
対してボーセルはちょっと雰囲気に呑まれがちか、固まる姿が目に付きます。
ブロッキング。。。は良いと思うのですが、ちゃんとパンチが見えているのか?グッと固まるその姿は、とりあえずパンチが見えないからガードを固めている、というふうに見えなくもありません。
後半、ちょっとヘッドロックを決めてしまったボーセルにレフェリーが注意。ここでも又ブーイング。これはまあ、そうですね。
2R、絶好調のラミレス、素早いボディムーブとジャブでプレス。左アッパー、右ボディも非常に効果的で、どんどんボーセルを追い詰めていきます。
ボーセルは稀に力強いパンチを打ち返して反撃するものの、とにかくガードで固まる時間が長すぎて、これは苦しい。
ラミレスのスムーズ且つ上下の打ち分けに優れたコンビネーションに、ボーセルはついていけていません。結果、両手を上げて固まるのみ。これは既に大勢が決したような試合となりました。ボーセルはここからなにかできるのか??
3Rも固まりがちなドミニク・ボーセル。ラミレスは非常に冷静、軽いパンチでボーセルのガードの上を叩きます。こうしてガードを開けて、強いパンチを打ち込む算段なのでしょう。
しかしこのラウンドのボーセルは、これまでよりも遥かに応戦。少し慣れてきたのか、しっかりと手を出して反撃してきます。
その反撃に対してステップで対応、軽いパンチでボーセルのグローブをガードポジションにあげると、ボディを強打!
ボディを効かされたボーセルは後退、ロープからロープへエスケープの延命措置。
終盤、コーナーに詰まったボーセルに、又容赦のないボディショットを浴びせ、その後もどんどんと追いかけてボディ、顔面へのフックを叩きつけるラミレス!スルド劇場です。
4R、開始早々ラミレスの強いプレスでボーセルはロープ際。そこからボーセルは頑張りを見せ、発声しながら力強いパンチを放っていきます。
それを難なくいなしたラミレスはまたもボディショット、これにより下がらされたボーセルはリングを広く使ってエスケープ!しかし結局コーナーで捕まり、ラミレスの右ボディフックで崩れ落ち、レフェリーはストップ!!
ヒルベルト「スルド」ラミレス、会心の4RTKO勝利!!!
今日のラミレスは非常に強かった。体にもパンチにも非常にキレがあり、被弾も最小限。
下手したらベストバウトと言っても良いかもしれないくらいのパフォーマンスでした。
サウスポースタンスから放たれる右ボディは、ガードの間隙を縫ってピンポイントでヒットしており、そこに急所はないはずですが効いてしまうほど強烈なのでしょう。
見事なKO勝利を上げたラミレス、今後のライトヘビー級のトップ戦線でどのような戦いを見せてくれるのか。もう、テストマッチはいらないでしょう。
アルツール・ベテルビエル、そしてドミトリー・ビボル。
2大巨頭が君臨するこの階級で、果たしてスルドは通用するのか。
これからも目が離せません。
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