5/20(金)の大注目国内興行、A-SIGN.BEE。
配信についてはどこかでやってくれるだろう、とタカをくくっていましたが、興行2日前にようやく発表。もう少し早めに発表されるとチケットが売れなくなってしまうからでしょうかね?だとしたら致し方ありませんが、もう少し早い方が予定を立てるのにも有り難い。
今日は仕事が終わって、急いで帰宅してZAIKOのPPVを視聴。
追っかけ再生の機能はついていないようです。
なので、私はセミセミから視聴。
↓プレビュー記事
5/20(金)A-SIGN BEE
この前に登場した千葉開(横浜光)は無事に勝利を収めたようです。このレベルのボクサーが勝ち星から遠ざかる、というのは一昔前だと考えづらいですね。やはり外国人ボクサーが呼べないため、調整試合を挟めない、というのは、ある種、ボクサーのキャリア形成に大きなダメージを与える事になるのかもしれません。
ともあれ、セミセミ。
73.5kg契約8回戦
京原和輝(久留米櫛間)5勝(3KO)1敗2分
vs
帝尊康輝(伴流)14勝(12KO)4敗3分
初回、帝尊がプレス。2年半ぶりのリングとは思えないほど非常に落ち着き、リラックスしています。京原はやや固く見えましたが、時間が進むにつれ本領を発揮し始めたか、という雰囲気。ただこの京原、頭が低すぎるのと、その低くした頭から突っ込みすぎのところが怖いですね。
2R、帝尊は丁寧なジャブ。京原は一気に距離を詰めて右を強振します。この京原の変則的な動きに対して、帝原はちょっとやりづらそう。
3R、ギアを上げた京原、ものすごい突進力でしつこく攻め入ります。中盤、京原の右オーバーハンドがヒット、帝尊はちょっと足がバタついたようにも見えました。
4R、グイグイと攻める京原、帝尊のカウンターをもらっても全くひるみません。自信を持って攻め入る京原は、帝尊をコーナーに詰めてラッシュする場面も。
5R、変わらず真っ直ぐなジャブを出し、相手の入り際に左をあわせる帝尊。このラウンドは京原の突進をこのジャブで上手くストップしているように見えます。
ラストラウンド、開始30秒ほどのところで京原が帝尊を押し倒し、これがダウン判定。パンチがあたっていたのかもしれません。
立ち上がった帝尊は京原に対してプレス、上体の動きとパワーパンチで対抗する京原。
判定は、57-56京原、57-56帝尊、57-56京原。2-1の判定で京原。
あのダウンは、値千金のダウンでしたね。この京原はボクシングが上手くは見えませんが、あの突進力は驚異ですね。対して帝尊はちょっともったいない敗北。勝てた試合だったように思います。
スーパーバンタム級8回戦
高橋竜平(横浜光)19勝(8KO)5敗1分
vs
木村天汰郎(駿河男児)8勝無敗2分
余計な演出がなく、サクサクと進んでいきますね。セミファイナルくらいからは煽りVとかあっても良いのではないか、と思ってしまいます。
さて、セミファイナルは大注目カードです。世界挑戦経験者、高橋竜平に新鋭・木村天汰郎が挑むという構図の、ランカー対決。
初回のゴング、木村が左を触覚のように左を出して、距離を測ります。高橋はサークリングしつつ攻め入る機会を伺っているように見えます。
初回50秒ほどのところで、高橋の入り際、木村の右カウンター!!高橋はぐらつき、ここで木村はラッシュ!!!
その後もややダメージを感じる高橋、木村は荒々しいパンチを放ちます。
非常によく見ている木村、力強いパンチで高橋を寄せ付けません。
ガッチリとガードを固める高橋ですが、木村はカウンターをちらつかせています。
2R、ジリジリとプレスをかける高橋。木村はそれにあわせて下がりつつ、ポンポンとよく手が出ます。常に右カウンターを容易する木村、高橋はこの右があるためかなかなか攻め込むタイミングを掴めません。
高橋はプレスをかけるものの、上体の動きが少なく、フェイントが少ないように感じます。
3R、左をすっと伸ばして強い右、という木村。ステップワークは非常に良く、高橋はボディから攻めるもなかなか顔面には届きません。高橋はどうしても固まってしまうところが良くないところ。
途中、体ごとぶつけていく場面をつくる等、なりふりをかまっていられなくなってきた高橋。
このラウンドで木村の動きが大きくなってきたのは、高橋のプレスがかかってきているためかもしれません。
4R、高橋はプレスを強め、木村の攻撃をブロッキングしてすぐリターン、という作戦か。ようやく本領を発揮してきた高橋、フェイントをかけてからの右オーバーハンドをヒット。
それでもやはり木村の右カウンターは怖いタイミング。
高橋はひるまず、歩くようにプレスをかけており、やや線の細いイメージの木村は正念場を迎えます。高橋は木村の右をあからさまに警戒、左ガードをおでこまで上げてそれだけに気をつけているイメージ。木村としてはもっとコンビネーションを使いたいところ。
5R、序盤、木村は自ら攻めてコンビネーション。しかし、その後はプレスをかけるのは高橋。木村はコーナーからの脱出も非常に巧い。攻勢をかけていくのは明らかに高橋ですが、木村の素晴らしいディフェンスによりクリーンヒットは非常に少ない気がします。
6R、展開は変わらず、高橋のプレスは強い。しかし、木村のディフェンスも巧い。ともにクリーンヒットが少ない中ですが、中盤に高橋の左フックがヒット。
木村は高橋におされている場面が目立つようになってきており、手数も減ってきたような気がします。
7R、このラウンドは序盤から右へ左へサイドステップを繰り返してパンチを繰り出す木村。こういう戦い方は良いですね。
高橋はその木村を追いに追って、右を強振、クリンチ際もかまわず打っていきます。
しかし後半には木村もしっかりと高橋を迎え撃つ場面もつくります。
ラストラウンド、高橋の突進は止まりません。木村も鋭いジャブからコンビネーション、下がりながらですがしっかりと反撃。
かなり疲れのみえる木村、対して高橋はまだしっかりと姿勢を保っています。
木村はコーナーに詰まる場面も多いですが、ダメージを被るようなパンチをもらわず、試合が終了。
判定は、77-75×2、76-76、勝者は木村天汰郎!!!
高橋の攻勢点なのか、木村のピンポイントのクリーンヒットなのか、という勝負。木村はやはりジャブ、印象的なカウンターが良かったですね。
強敵・高橋竜平を相手に無敗をキープ。このランカー対決を制した事は、木村にとって非常に大きいのではないか、と思います。
特に初回、いきなりの右カウンターにはびっくりしましたね。今日も素晴らしいボクシングでした。
スーパーバンタム級10回戦
小國以載(角海老宝石)21勝(8KO)2敗1分
vs
栗原慶太(一力)16勝(14KO)6敗
折角Youtubeで発表された煽りVがあるのに、メインでも流さないんですね。いつもの後楽園ホールの興行を、何の味付けもなくそのまま流している、というPPV。これは非常にもったいない気もします。
過度な演出はいらないものの、多少はあっても良いのではないでしょうか。
ともあれ、メインイベントは超大注目、至高のノンタイトル戦です。
初回、まずは互いにゆっくりとしたリズム、ジャブで様子見。
距離の探り合い、押したり引いたりを繰り返しますが、小國はブランクの影響を感じさせないほどスムーズに動いています。
後半に入ると栗原が右を強振し始めますが、これは怖さがありますね。ただ、小國も冷静。
2R、栗原が行きます。序盤から攻勢をかけ、左右をブンブンと振ります。しかし、栗原のガードがルーズになったところで小國はワンツーをヒット!
小國はその後も常にステップとフットワークをやめず、音もなくスッと入って左ボディ。これは巧い。
対して栗原は鋭いパワーパンチで押していきます!
パワーの栗原、技巧の小國というそのままの構図で、早々に好勝負!!
3R、しかし小國はブランク前と全然変わっていないように見えます。非常に正確なリズムを刻んでいます。
このラウンドは序盤に栗原の右ストレートがヒット、これは小國は威力を殺しているものの、見栄えはよくありません。
ただ、小國は近い距離でも退かず、栗原と打ち合う場面を見せるのはさすが。
特に左ボディのタイミングは秀逸、あのグスマンからダウンを奪った左を彷彿とさせます。
間違いなく、小國は衰えてなどいません。
4R、小國が右を巧打すると、栗原も右アッパーで反撃!この右アッパーでダメージを被った小國は後退!ここで詰める栗原、小國は足を使ったり、逆に体をくっつけて打ち返し、サバイブ!
そして後半に小國は栗原の入り際に右クロスをヒット!!譲りません!!
と、ここでなんとバッティングが発生、これにより小國が額をカット。
この傷により、ドクターが試合中止を宣言、ドクターストップにより負傷ドロー!!
おおおおお。。。。
なんということでしょう。
本当に素晴らしい試合だったにもかかわらず、残念な終わり方。
なんですが、ほんの少し、ホッとした自分もいます。。。
ともあれ、結果としては、小國の技巧を相手にしても栗原は十分戦えた、と見る事ができ、井上拓真戦のような空回りはしませんでした。
そして栗原のような圧力の強いハードパンチャー相手にも、その冷静さ、常に動く足、そしてタイミングよく攻めるワンツーや左ボディに錆びつきがない、ということを確認した小國。
双方にとって、またファンにとっても望んだ終わり方ではありませんでしたが、私たちが「みたいもの」はある程度見れたのではないか、とも思います。
バンタム級の栗原と、スーパーバンタム級の小國。ともにストイックに管理されており、今後まだまだこの階級で戦っていくのでしょう。だからこそ、もう、交わる事はないのかもしれません。
ともすれば、この試合は「世界王者同士のノンタイトル戦」として語り継がれる事になる、そのことを期待しています。
「残念な終わり方」ではあったものの、「残念な結果」ではない、私にとってはそんな一戦でした。
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