今週も怒涛の注目興行です。
現地時間5/20(金)にはメン・ファンロン、5/21 (土)にはジョシュア・ブアツィが登場、ライトヘビー級の指名挑戦者たちがなかなかの難敵を迎える、という一戦。
そして日本では5/20(金)、小國以載vs栗原慶太という注目興行。アンダーカードにも好ファイトが多いこの興行は、ZaikoのPPVで生配信です。
そしてこの他にもまだまだあり、アメリカではESPN、Showtime、でそれぞれ中継される2つの興行。現在のところ(5/19時点)では日本では見る術は残念ながらありませんが、今回のブログではPBC興行のデビッド・べナビデスvsデビッド・レミューのプレビュー記事です。
↓レミューの髪型が意外でした。
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5/21(日本時間5/22)アリゾナ
WBC世界スーパーミドル級暫定王座決定戦
デビッド・べナビデス(アメリカ)25勝(22KO)無敗
vs
デビッド・レミュー(カナダ)43勝(36KO)4敗
「べナビデスなら、あるいはカネロを倒せるかもしれない」「カネロはべナビデスから逃げている」このように評されて久しいべナビデス。ただ、カネロがスーパーミドル級で無双していたころ、このべナビデスがカネロに届くとは到底思えませんでした。
現在はライトヘビー級とはいえカネロは久しぶりの敗北。これにより、もしスーパーミドル級に戻った時に対べナビデスとなると、べナビデスへの期待は今までより大きくなるのではないでしょうか。たった1戦で評価が大きく変わる、ボクシングのおもしろいところです。
さて、このべナビデスは、無敗ながらも既に2度の王座を獲得し、今回暫定ながらも3度目のタイトル獲得に挑みます。それも、全てWBC世界スーパーミドル級王座です。
1度目の獲得は2017年、ロナルド・ガブリル(ルーマニア)との王座決定戦で、スプリット判定で勝利。この判定は論議を呼ぶものでしたが、初防衛戦で再戦し、今度はユナニマス判定で勝利して払拭しています。現在のところ、後にも先にも、べナビデスが倒せなかったのはこのガブリルのみ。
しかしこの初防衛戦のあと、抜き打ちのドーピングテストで陽性反応、休養王者となりました。剥奪ではなく休養王者というのがミソ。べナビデスのルーツがメキシコにあるからでしょう笑(邪推)。いったいなにが「WBCクリーンプログラム」なのか。
そのサスペンド期間に正規王者となったアンソニー・ディレル(アメリカ)に2019年に挑戦し、9RKO勝利で王座返り咲き。
しかしこの王座は初防衛戦でウェイトオーバー、試合には勝ったものの今度はさすがに無冠となりました。
さて、そんなべナビデスですが、この次の試合では挑戦者決定戦に出場、これを勝ってカネロへの挑戦権を獲得。前戦ではカイロン・デービス(アメリカ)をねじ伏せて今回の暫定王座決定戦に臨みます。
本来はカネロ戦、ということだったのでしょうが、カネロはスーパーミドル級王座を保持したままライトヘビー級に進出を試み、待たされるべナビデスのために暫定王座戦が設けられたという経緯ですね。
もうミドルネームにWBCと入れた方が良い。デビッド・WBC・べナビデス。
このべナビデスの売りは、そのKO率が示す通りの攻撃力。歩くように前進し、大きな体、長いリーチからパンチを振るうタイプのボクサーで、ボクシングテクニックこそ感じませんがとにかくハードパンチの当て勘が良い。メキシコからたまに出てくる、意味不明な強さを持つナバレッテタイプのボクサーです。
対してデビッド・レミューは歴戦の猛者。まだ33歳というのが驚きなほど、随分長くトップ戦線にとどまっているイメージです。
デビューは2007年ですから、もう15年のキャリア。
2015年にアッサン・エンダム(フランス)と空位のIBF世界ミドル級王座決定戦を争い、判定勝ちで初戴冠。初防衛戦が統一戦となり、ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)に8RTKO負けで王座を追われています。
その後も2017年にビリー・ジョー・サンダース(イギリス)の持つWBO世界ミドル級王座に挑戦も跳ね返され、長い雌伏のときを過ごしています。
ここ最近は5連勝ながらも試合の間隔は空きがちですが、やっと巡ってきたチャンスにモチベーションは高いでしょう。
このレミューはぐいぐいと前進してくるプレッシャーファイターで、パワー型のパンチャーでもあります。レミューのボクシングはエキサイティングで面白い。昔から、私は村田諒太vsデビッド・レミューというのが見たかった。
さて、翻ってべナビデスvsレミュー。
ともに好戦的なボクサー同士、リスクのある打撃戦となる可能性が濃厚ですね。
べナビデスはレミューの距離に付き合わず、自らが強いパンチを当てられる事が大切ですし、レミューとしてはその距離からもう一歩近づいたところでボクシングをする必要がありそうです。
レミューがべナビデスの強打と意味不明なタイミングのパンチをかわして接近戦に持っていけるか、というのが鍵。
べナビデスはまだ穴があるように思うので、レミューとしても戦いようはありそうです。が、予想をたてるならばべナビデスの圧倒的優位、これは致し方ありません。
スーパーウェルター級10回戦
ヨエルビス・ゴメス(キューバ)5勝(5KO)無敗
vs
ホルヘ・コタ(メキシコ)30勝(27KO)5敗
そして、セミファイナル。ヨエルビス・ゴメス。これは誰だ?という名前のボクサーでしたが、映像を見てビビる。
フルファイトでYoutubeで上がっているのが5戦目のクレイ・コラード戦。
気になる方はこちらへ
Yoelvis Gomez vs Clay Collard | Full Fight | Pelea Completa | HD - YouTube
見事に発達したヒットマッスル、スーパーウェルターでまだ余裕がありそうですが、なんというパワーとスピード。とりわけ体ごと叩きつける左右のオーバーハンドは非常に危険なパンチです。反応も非常によく、ここまで攻撃力が高いというのは非常に脅威。更にステップワークも速く、大きく、素晴らしい。
この試合はアメリカデビュー戦のようですが、キューバからの亡命組でしょう。
ふと思い立ってパーフェクトガイドを開いてみました。すると、スーパーウェルター級のプロスペクトの末席に、このヨエルビス・ゴメスの名前が。流石としか言いようがありませんね。
ということで、前戦でセンセーショナルなUSデビューを果たしたゴメスは、いきなりセミファイナルに抜擢。キューバ人といえども、この攻撃力は万人の気を引いてやまず、人気が出そうです。
まだ24歳というゴメスは、アマ250戦を経験しながらもどうしてもプロになりたくてアメリカにきた、とのこと(パーフェクトガイドより)。
しかも今戦の相手はベテラン、ホルヘ・コタ(メキシコ)。5つの敗北はセバスチャン・フンドラ、ジャーメル・チャーロ、ジェイソン・ロサリオ、エリクソン・ルビン、マルコ・アントニオ・ルビオ。いずれも王者クラスの実力の持ち主です。
このコタを相手に、超新星ヨエルビス・ゴメスが、どんなボクシングを展開するのでしょうか。この試合で、またスーパーウェルター級にニュースターが誕生するかもしれません。
フェザー級10回戦
ルイス・レイナルド・ヌネス(ドミニカ共和国)16勝(12KO)無敗
vs
ジョナサン・ハビエル・フィエリョ(メキシコ)13勝(12KO)無敗
セミセミはこの試合。ルイス・レイナルド・ヌネスというボクサーは、今年はじめのShowtime興行に出ていたので、知っています。
↓観戦記
PBCが売出し中のボクサーで、ディフェンス勘が良く、相手のパンチを無効化してカウンターをヒットする技術に優れたボクサー。前戦では当時無敗のカルロス・アリエタ(プエルトリコ)相手に見事なカウンターを決めて最終回TKO勝利。
ニックネームは「The Twist」、22歳の若きプロスペクトは、攻撃面では非常に多彩なアングルのパンチを放つ、センスあふれるボクサーです。
対してジョナサン・ハビエル・フィエリョ。ものすごい戦績です。
こちらはなんと18歳、18歳で13戦は尋常ではありません。プロデビューは2019年10月、2020年に4試合、2021年に7試合を経験しています。
Youtubeではデビュー戦の映像(客席からとったもの)が少し見れましたが、かなりしっかりとしたパンチを打つボクサーに見えます。序盤のKO勝利がかなり多く、前戦はダニエル・ベイリー(アメリカ)という当時無敗のボクサーに2RKO勝利。
非常に未知数ですが、怖いボクサーであることは間違いありません。
ニックネームはDiamante Zurdo、ダイヤモンド・レフト的な?ダイヤモンドの左利きです。
ヌネスの巧さは目の当たりにしていますが、もしこのフィエリョがヌネスに当てられるようなことがあれば、本当のダイヤモンドです。
これもまた、楽しみな試合。
放送・配信
このべナビデスvsレミューをメインとしたPBC興行は、アメリカではShowtimeが放映、上記の3試合が放送カードです。
放送日時は日本時間で5/22(日)AM11:00〜となっています。
現在、日本での放送予定はありません。FITE.TVならあるいは放送してくれるかもしれませんが、この段階(5/19)でまだ情報がないので、今回はなさそうですね。
私はこの試合を見たいので、再度Showtimeと契約することにしました。観戦記はきっと書きますので、是非お楽しみに。
↓どうしても見たい方はこちらを参考に。今もこのようにできるかどうかは解りません。
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